魔法大全 最強魔法師は無自覚

第20話●スタンピード1

「おーっ。久しぶりの稼ぎどきだなー。」
スタンピードがあるって言う事で対魔王戦線から離れて来たCクラス以上の冒険者が盛り上がっている。

いっぺんに沢山の魔物が押し寄せるスタンピードはクラスの高い冒険者にとってはボーナスみたいなものらしい。

規模が大きければクラスの低い冒険者にも働きどころはあるのでギルドはお祭り騒ぎになっている。

どのくらいの規模か全くわからないのに大丈夫なんだろうか？

それに対魔王戦線から戦力が抜けても問題ないのかなぁ？

ギルド長に『ジュ』や『使徒』について聞いてみるが知らないようだ。

魔王と連携していて戦力の分散を狙っているのかな？

この世界に似たゲームでもそんな存在はいなかった。

前世でやったゲームはシリーズの一番初めのバージョンでその後何度かアップデートしているから僕が知らないだけかもしれない。
最後はDXllだったっけ？

ダンジョンはもう見たから学園に帰ってもいいんだけどな。

残念なのはせっかく50年もかけて作ったアーティファクトが全然受けなかったこと。
もう少し驚いてくれてもよかった。

魔法と魔術にはそれぞれ違う周波数の発動プロトコルがあってアーティファクトはそれをジャミングするんだ。

指向性をつけられるから相手の魔法や魔術だけ阻害することも出来る。
この国で使ったら極悪だね。

まあこれはインベントリの奥にしまって置いてっと。

「ギド、どうするの？スタンピード祭りに参加する？」

ん？祭りなの？

レテが聞いて来るけれど実の所あまり興味がない。

いろいろな魔法やスキルを習得するのは楽しい。
でも実際に戦ったり、討伐したりするのはどうかな？

「バカね。力のある者は闘わなくてはならないのよ。そうでないと何の為にその力があるのかわからないでしょう。」

レテはやる気満々のようだ。

実際の所まともにスタンピードが起こって何もしなければ魔物達は途上の村落を蹂躙してこの街に達する。
その時の被害は甚大なものになるだろう。

だけど沢山の高クラスの冒険者がいるし、任せておいていいんじゃないかな？

ギドはとりあえずレテについて行くことにした。