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第18話●ギルド
しおりを挟むダンジョンは冒険者ギルドが管理している。
今はダンジョンが不安定な状態なのでランクの低い冒険者はダンジョンに入るのを制限されている。
「こらこら、お前達みたいな子供が来たって役に立たないんだ。帰れ帰れ。」
普通のおっちゃんの対応だ。
おっちゃんは子供を守るために優しい気持ちで言ってくれている。
おっちゃんは普通だがギドもレテもルトラウデとピコも普通ではない。
おっちゃんはおいといて窓口で学園長に書いてもらった書簡を渡す。
多分どこのギルドの窓口でも子供相手にまともな対応はしないだろうって思ったから用意しておいたんだ。
僕達は奥のギルド長の部屋に通された。
「あなたがオールドマスターウィザードなの?まだ子供じゃないの?まあ確かに独特な魔力の動きを感じるけれど。」
ギルド長は大人って感じの魔術師の女性。
この国は魔法至上主義だから魔法使いは重用される。
ただ、一般的に魔法と魔術の区別はない。
出来る事がほぼ一緒だからね。
「最近ダンジョンの深層階にしか出ない魔物が浅い階層に頻繁に出て来る様になって、帰って来ない冒険者が増えたので入場を制限したの。」
今は出て来る魔物を対処出来るクラスの冒険者がこのギルドにいないので実質は封鎖しているのと変わらない。
「マスター、あなた方に調査してもらえると助かるのだけど?」
遊びに来ただけなんだけど依頼にしてくれるらしい。
ギドはレテの顔をじっと見る。
ピコがテーブルにのせられたビスケットに手を伸ばしている。
「いいわ、ギドが何とかしてくれるわ。ねっ。」
レテルティアがにっこりと笑う。
「え。うう。ああ。」
「任せろって、さっそく行きましょう。」
ギドは、まだなんにも言っていないけどっと思っているけど問題はないようだ。
ピコは掴めるだけと言っても手も小さいので3枚程のビスケットを掴んでルトラウデの膝の上に戻った。
ギド達がギルドを出て行くのを見送ってギルド長はホッと息をつく。
あのレテと言う女の子の漂わせる魔力もかなりのものだけど、ギドって子はレベル違いで、漂う魔力を薄く広げて周囲を探っていた。
それが警戒心からなのか好奇心からなのかはわからないけれど。
魔力を感じる事が出来る者ならかなりのプレッシャーを感じるはず。
とはいえ、あの一緒にいるレテとルトラウデは平気そうだけれどなぜかしら?
「あぶなーっ。いきなりオールドマスターと鉢合わせになるなんて。」
あの優しいと思っていたおっちゃんがギルドにある食堂で冷や汗をかいていた。
ちょうど『ジュ』が「気を付けろ」と言って来たところだった。
『ジュ』って言うのは多分神様の一種で俺みたいな使徒には逆らうことができない存在だ。
過去にはソッペ・カヤ神教を操って目障りだった魔法使いを絶滅に追い込んだことがある。
しかしまずい事にあいつらはダンジョンに行くらしい。
仕込みにはもう少し時間がほしいところだ。
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