14 / 52
第14話●封鎖されたダンジョン
しおりを挟む「魔石が品薄って言うのが気になるわね。」
学園の食堂でレテとルトラウデが話している。
ギドはピコを膝に乗せてプリンを食べさせている。
「ドラゴンって食べたりするの?」
ルトラウデが不思議そうに言う。
普通は魔力を食べればいいから他の食物を摂ることはない。
「プリン美味しいよ。」
ピコが嬉しそうに言う。
本人が言うんだからいいか。
魔石は主にダンジョンなどで魔物を討伐するとドロップするスタンダードなアイテムだ。
鉱山などで取れることもあるけどその場合は魔力をチャージしないとただの石ころと同じであまり用途がない。
そしてその魔力のチャージが大変で、魔力のあるものにずーっとくっつけて置くしかない。
魔石の表面は浸透圧膜の様な構造で魔力の濃い方と薄い方を均等にする性質がある。
魔力の濃い魔法師が持つことで魔法師が無意識のうちに放出している魔力を吸収させて魔池化させる。
ただし時間がかかるのであんまりする人はいない。
魔物を狩ってドロップさせた方が早いし、通常は毎日のように冒険者がギルドに持ち込むからそんなに珍しい物じゃない....はず。
レテが従者を使って伯爵家に出入りしている商人を呼びつける。
この辺は貴族だなーって感じがする。
情報を聴くなら商人がいいかもしれない。
商人の情報網は凄いから。
「レテルティアお嬢様お久しぶりです。」
なんだか商人と言うより冒険者っぽい女の子が来た。
交易を行う商人は直接他国に商談に行く事が多い、旅をするには盗賊や魔物の襲撃に備える必要があった。
だから商人の子は小さな頃から武芸を身に付ける。
もちろん冒険者ギルドに依頼して護衛もつけるんだけど、やはり自分の身を守る力は必要だ。
「プリニーご苦労様、よく来てくれました。さっそくだけど魔石が品薄って話しは本当なのかしら?」
プリニーの説明によると最近ダンジョンの浅い所に深層の魔物が出てくる様になったらしい。
ランクの低い冒険者が入るのを制限しているので魔石が集まらないらしい。
特に今はランクの高い冒険者は大陸連合に合流して魔王軍と対峙しているので今のダンジョンに入れる冒険者がいないらしい。
プリニーも売り物の魔石が品薄なのには困っているらしい。
「ギド、目がピカピカよ。ダンジョンに行くつもりなの?」
レテが言うとルトラウデもピコを抱きしめながら乗り出して来る。
「私も行く、いいでしょう?」
ダンジョンには行ったことがないし、魔石もいくらあっても困らないし、なんか凄く面白そう。
馬車の窓から外を眺めてワクワクしている。
この世界で遠い所に出かけるのは初めて、一体何があって何が起こるのか楽しみだ。
ダンジョンにはプリニーの商会の馬車に乗せてもらうことにした。
魔石が手に入るのはプリニーにとっても助かると言う事だ。
ピコはトラウデの膝の上で大人しくプリンを食べている。
レテは馬車の窓枠に肘をついてうつらうつらしている。
学園長にはダンジョンに行くって言ったら、「お気をつけて。」と簡単に許可が出た。
「オールドマスターウィザードを誰が止められるって言うのよ。」
クロウラ学園長はぶつぶつと一人ごとを言った。
応援ありがとうございます!
2
お気に入りに追加
11
1 / 5
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる