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第38話 ミカエカペ2
しおりを挟むなんだか今朝は一段と窮屈な気がする。
湖の中でスライムとおしくらまんじゅうをしている様な。
気候的に温暖なこの大陸でそんな遊びがあるのかどうかは疑問だけれど。
やっとの思いで水面に顔を上げたところで目が覚めた。
アディッサは頭の上、チェリ、ツッピ、テトが僕を枕にしてならんで寝ているのはいつもの事だけど、ミカエカぺまで僕に乗っかって寝ているのはどういう事だ。
しかもネズミ達と同様に何にも着ていないって。
いくら長く生きているとは言っても中味は少年だぞ。
あかんでしょう。
ネズミ達はともかくとりあえずミカエカぺをシーツでくるんでベッドから降りる。
ネズミ達がミカエカペをからかってあんな事をさせたに決まっている。
いつものように目玉焼きとゆで卵とスクランブルエッグを食べているとネズミ達とミカエカベがやってくる。
「早いのね、起こしてくれたらいいのに。」
そう言って椅子を持って来て隣に座る。
僕の席はテーブルの1番端のお父さん席なので2人が座る様にはなっていないのに。
あんなすっぽんぽんの女子を起こす様な度胸はない。
学校で文句を言って来た時とは全然違ってものすごく懐いている。
婚約と言う言葉に酔っているのだろう。
いっときの事だろうから好きにさせておく。
指輪を出してミカエカぺの手をとってはめてやる。
ミカエカぺが顔を赤くして指輪と僕を見比べている。
これはこのグローヴズ城に入る鍵の様なもの。
また、ミカエカぺに危機が迫った時に結界を張って守ると共に僕にその所在を知らせる魔道具だ。
「絶対外すなよ。」
と言うとコクコクと頷いてジーッと指輪を見ている。
学校の食堂でコーヒーを飲んでいる。
4人の使い魔達も人化して一緒にいる。
それからミカエカぺがくっついて座っている。
前に文句をつけて来た少年がちょっと気の毒そうに声をかけてくる。
「お前なあ学校でそれはどうなんだ。」
なんか前より勢いがない。
「しょうがないんだ。目をつぶってくれ。」
「なんか、その、大変だな。」
そう言って少年は向かいの席に座ってコーヒーを飲む。
教室に戻ってもミカエカぺは隣に来てくっついている。
女の子ってこんな感じだった?
ミカエカぺの友達のアンネリーセとワペは
「うーん、ツンデレのツンがとれちゃった感じかしら?」
「ペトロニウスが丸ごと受け止めるって感じだから幸せなんじゃないかな。」
と言う。
僕は何をどうすればいいのかわからないのでミカエカぺのするがままなのだけれど。
チェリやツッピ、テトとアディッサがミカエカぺと一緒にきゃっきゃして楽しそうだ。
また、変な事を企んでいるんじゃないかな。
でも、こうして日々が続いて行くのは悪くない。
悪くないな。
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