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第36話 ミカエカペ・ケットゥネン
しおりを挟むツッピがコーヒーを注いでくれる。
チェリが料理を運んで来る。
テトは隣でボーっとしている。
アディッサは僕の膝の上。
学校の食堂で昼食をとる。
女の子4人に囲まれてチヤホヤされている様に見えているんだろうな。
うらやましそうにジーっと見ている男の子グループがある。
女の子グループにもあまり良い印象を持たれていない様だ。
だけどこれネズミとコウモリだからね。
猫獣人族の女子2人が通り過ぎて行く。
あぁ、猫耳とふわふわのしっぽ。
良いなあ。
僕の視線を追いかけていたテトが自分のしっぽを持って僕の目の前に出して言う。
「これ持っても良いよ。」
うーむ、ネズミのしっぽだしな。
最近この子達のしっぽにも変化があってジャービルやデグーの様に毛が生えている。
よっぽど悔しかったんだな。
人化出来るぐらいだからそのくらいはコントロールできるんだろうな。
面白かったのでテトの頭を撫でる。
すると後の3人も僕の手の下に頭を向けてくる。
「お前達何学校でいちゃいちゃしてんだ。学校はそんな事をする所じゃないだろうが。」
いかにもと言った少年が絡んでくる。
「はあ?何言ってんだ学校はそう言う事をする所だろうが。少年少女が出会っていちゃいちゃするところがほかにあんのかこら。」
と逆にヤカってやる。
絡んで来た少年は怯むが他の少女グループは黙っていない。
「あんたこそなんなのこれ見よがしに。人の迷惑を考えたらどうなの。」
つかつかと近づいて顔を近づけてガンつけしてくる。
うん、気は強いがいい顔立ちをしている。
少女の後頭部をツッピがちょんとつっつくと少女の唇がペトロニウスの唇にくっついてしまう。
「きゃーっ。」
とチェリが声を上げる。
少女が真っ赤になって怒る。
「何すんのよ。それでなんであんたがきゃーっなのよ。」
ペトロニウスはパンパンと手を叩く。
ポンっと4人はネズミとコウモリに戻る。
ペトロニウスは大笑いをする。
ネズミ達も机の上でちゅーちゅー笑っている。
食堂にいた少年少女達が目を丸くして固まっている。
「なんかうらやましいかい?」とペトロニウスは言う。
「君達には使い魔がいないのかい?」
みんなは首を振っている。
そりゃそうだ。
魔法使いで使い魔がいない方がおかしい。
「何?私達からかわれたの?」
少女は赤い顔をしたまま。
「普通だよ。君達が見抜けなかっただけ。魔法使いなのに。残念。」
ペトロニウスが教室を出ようとすると少女が追っかけて来る。
「どうした?」
「キ、キ、キスしたんだから、せ、責任とってよね。」
「自分でして来たんだろう。」
「そ、そ、そんな事は関係ない。キ、キ、キスはしたんだから。」
「責任ってどうすんだ。」
「け、け、結婚するに決まっているでしょ。」
「お前そんな決まり誰に教わったんだ?」
「おばあちゃん。」
うーむ、おばあちゃんか。
おばあちゃんは絶対だしな。
困ったな。
「とりあえずお前は両親と相談しろ。話しはそれからだ。」
コクコクと少女はうなずく。
「ところで君名前は?」
「私?私はミカエカペ・ケットゥネン。」
ケットゥネン侯爵の娘か。
王族派でエリミリア教会の系列の貴族。
ギェダ・グズムンドソン教団ともデマルクス・セペ団とも今のところ関係はない。
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