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第32話 引きこもりの王
しおりを挟むペトロニウスはエリミリアにビンタされた。
「制御出来ない力を使って自分だけ満足するのなら、あんたなんかいない方がまし。」
突然グローヴズ城に来てそれだけ言って帰ってしまった。
ペトロニウスは何も言わずに謁見の間の玉座にぺたんと座る。
なんだかモゴモゴとずっとつぶやいている。
「ぶたれたぶたれたぶたれたぶたれたぶたれたぶたれたぶたれたエリミリアにぶたれたぶたれたぶたれたぶたれた。」
だいたい怒られた方はなぜ怒られたのかの意味は考えられないで怒られた事実だけを受け止める。
ペトロニウスも同じようだ。
私達ペトロニウスの使い魔にはエリミリアが怒る意味がわからない。
ペトロニウスは誰にも従属していない。
何も頼まれてもいない。
元々正義でもない。
自由に闇で勝手な事をする奴らをやっつけて楽しんでいるだけ。
大聖女エリミリアは絶対的正義の権現なのかもしれないけどペトロニウスには関係ない.....。
けれどエリミリアってペトロニウスの姉?母?謎の関係。
おそらくペトロニウスはマザコンかシスコンなのでは...。
つい怒りをペトロニウスにぶつけてしまったわ。
エリミリアは教会の自室で独り言を言う。
だってあのバカせっかく育てたパティシエを店どころか街ごと消滅させたのよ。
しかも新作スイーツが出来る直前に。
残念すぎるわ。
また、才能のあるパティシエを探して育てないといけないなんて面倒くさいじゃないの。
エリミリアがグローヴズ城に来て言う。
「嫌な事があるとすぐに引きこもっちゃうんだからあのヘタレは。」
「いてもいなくてもこの世界にはたいして影響はないからほっとけばいいわ。」
ネズミ達はポロポロと涙を床に落としてちゅーちゅー泣いている。
「あなた達にはそうじゃないのね。その内戻ってくるから気長に待つのね。こんな事初めてじゃないでしょ。」
エリミリアは簡単に言う。
あんたのせいなのにとチェリ達は思うがどうにもならない。
今までも失恋したり、エリミリアに怒られたり、ドブにはまったり、う○こをふんだりするたびに100年単位で引きこもる。
ただ今回は3日ほど部屋に閉じこもっただけだった。
世界に満ちている勇者の魔力のせい?
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