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第24話 天ぷらとしっぽ
しおりを挟む「なんで私達を連れてこの店なの。」
「ここはユウトが天ぷらの作り方を教えた店なんだって。」
フエツの街のギルドとは同じ通りだが少し離れたところに猫耳しっぽ亭と言う宿屋がある。
食堂、居酒屋、ホテルを兼ねている。
1階が食堂兼居酒屋。
2階と3階に客室がある。
「猫こわいの?前にメイラに助けてもらったじゃん。」
「ネズミが猫を怖いのは普通でしょ。」
「猫は怖いけど魔物は平気なんだ。」
ここの主人はメイラの妹でキャルと言う。
白い髪にふわふわそうな白い耳としっぽ。
触りたい。
「あんまり天ぷらの事知っている人いないからそんなに注文はないにゃ。たまに勇者がくるぐらいにゃ。」
「天ぷらの盛り合わせでいいかにゃ。」
「5人前ね。」
と僕が言うとなんか変な空気。
「6人じゃないかにゃ。」
いつの間にかジェツノマルヤが同席している。
「ご主人様気がつかなかったのかしら?」ツッピが言う。
ジェツノマルヤが
「普通に隠蔽魔法使っているからかな。」
と言う。
そう言う事じゃないんだけど、ま、いいか。
「6人前で。」
「天ぷらと言う食べ物は初めてだね。」
ジェツノマルヤが嬉しそうに言う。
なんだか一緒にいるのが当たり前のようになっているんだけど。
「お客さん。」
「はい。」
「しっぽはなしてくれにゃいと。」
はっ、しまった。無意識で掴んでしまった。
「カボチャの天ぷらおいしいね。」
「私はエビの天ぷらが大好き。」
「この大根おろしとつゆがいいのよ。」
などとそれぞれ楽しんでいる。
天丼にしてもいいんだがな。
あのつゆに浸ったご飯がたまらないんだ。
と前世の思い出に浸っていると背後から無粋な声が聞こえてくる。
「おい、昼間から女を5人も連れ歩いていい身分じゃねえか。」
おお、まさにテンプレ。
むさ苦しい男5人組がいちゃもんをつけて来た。
しかし連れているこいつらはネズミとかコウモリとか神で人間じゃないんだよ。
おまえらに羨ましがられる様なリア充じゃないんだ。
「おいコラ、なんとか言えよ。」
「うるさい、食っている最中に話しかけんな。」
振り向きざまに怒鳴ったもんだから、口から飛んだご飯粒で男の顔はベトベトになってしまった。
冒険者だろうか5人がそれぞれの装備をしている。
斥候、盾役、魔法使い、僧侶、そして剣士か。
柄が悪いだけか?
ジェツノマルヤが
「ペトロ、ただの冒険者だよ、殺さない程度にしてあげなさい。」
よく見るとこいつらみんな獣人じゃないか。
このいかつい剣士はウサギ、斥候はリス、盾役がクマ、魔法使いは犬、僧侶はイタチ。
「うふふふ。」
「ペトロニウス、顔が怖くなっているぞ。」
ペトロニウスの魔法で動けなくなった獣人達が困惑している。
「おまえしっぽが生えとったら男も女もないのか?」
「うふふふ。しっぽ最強!!」
「や、やめてー。もう許してー。」
ペトロニウス一行が帰った後には散々しっぽをモフられた男たちがぐったりとなって残されていた。
「ご主人様私達のしっぽには興味ないの?」
テトが僕の目の前でしっぽをプラプラさせて言う。
「おまえ達のしっぽ、毛が生えてないじゃん。」
チューっと言ってテト達が齧ってくる。
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