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第20話 メイラ
しおりを挟むパタパタと飛んでいたアディッサがポンっと人化して眠っている僕の上に落ちてくる。
うっぷ。
おーっ痛み耐性は効いているみたいだ。
ネズミ達をかき分けてアディッサを膝に乗せて起き上がる。
「たーいへん。デマルクス・セペ団が預かっていた子供達をギェダ・グズムンドソン教団が連れ去ったわーっ。」
ネズミ達3人は悪い顔をして起き上がる。
「罠にかかったわ。これで拠点が見つかる。」
「それが....」とアディッサが口ごもる。
「あいつら側に猫の使い魔がいるみたい。」
「ネズミ達は散り散りになって、遠巻きに見張っているわ。」
「コウモリも似たようなものね。」
じゃ今回は猫姉さんに手伝ってもらおう。
廃屋だろうか、元々は教会だったのだろうか。
だいぶ朽ちてしまっている。
馬車が止めてあるが見張りらしい者はいない。
僕は容赦なく扉を蹴り破る。
30人程の黒装束の教団員と20人程の子供達がいる。
今回連れ去ったのが5人程だから15人は先に拐われていたって事。
「あばれちゃえ。」と僕が言うと。
今回連れて来られた5人が急に教団員を捕まえて投げ飛ばす。
「なんだ、何事だ。」
「こんなに力の強い子供がいるもんか。」
「うふふ、そうだよ、その子たちはゴーレムだよ。」
おとりとしてゴーレムで作った子供を仕込んでいたんだ。
猫の使い魔が攻撃してくる。
「こらー。猫達がなにに加担しているにゃ。そこの猫使いも自分が何をしているかわかっていいるんだろうにゃ。あーん。」
猫獣人のメイラが言う。
メイラは勇者のパーティメンバーで獣人族の族長でもあるので貫禄充分だ。
猫使いも使い魔も戦意喪失して部屋の隅っこで縮こまっている。
「さすがは猫姉さんだね。」
と言ってメイラの横に立つ。
「しっぽ、しっぽを離しなさいにゃ。何を当たり前のように私のしっぽをつかんでいるにゃ。」
「あまりにも気持ち良さそうなのでつい無意識で。あぁびっくりした。」
「びっくりしたのは私のほうにゃ。」
勇者や他のパーティメンバーまで来ちゃったのでもう僕の出番はないね。
ギェダ・グズムンドソン教団の拠点が制圧されるのをぼんやりと見ている。
ネズミ達を撫でながら今回はうまく行ったな。
よかったね。
などと話しをしている。
後は勇者達に任せて廃屋をでる。
背後から強力な魔力が飛んでくる。
僕の頭がポロリと地面に落ちた。
「やった、ペトロニウス・グローヴズを仕留めた。」
黒装束の男が現れた。
ネズミ達がどっと僕の周りに集まってくる。
守るつもりらしい。
男が笑う
「ネズミに何が出来る。」
僕にネズミ達が取り付いて真っ黒のかたまりになる。
僕は頭を拾って元々あった所にくっつける。
「うふふ、やったーって思ったでしょう。残念でした。これ着脱式なんだ。あーははは。」
黒装束の男はそれならばとファイアボールをぶつけてくる。
「僕に魔法で挑む意味がわからないな。」
ファイアボールは僕に届く手前で停止する。
「これは返してあげる。自業自得だね。」
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