12 / 39
第12話 尾行
しおりを挟む
フエツの街のメインロードに差し掛かってからずっとつけられている。
僕が探知するまでも無くネズミ達やコウモリ達に逆に監視されている事に気づかないのだろうか。
6人いる。
物陰に隠れながら監視している。
すぐに攻撃するつもりはなさそうだ。
ツッピが手を引いて
「串焼き買って。」
と言う。
串焼きの露店に近づくと露店の天幕の下にはアディッサが潜んでいて僕の指示を待っている。
追って来ているのは帝国調査室の特殊実行班か?
一応捕らえて見るか?
アディッサに伝えて串焼きを買う。
ツッピに串焼きを持たせて露店のすぐ横の細い路地に置いてあるベンチに座る。
彼らの1人がバインドをかけてくるが僕には効かない。
逆にこちらからバインドで拘束して引き寄せてみる。
必死に抗っているけど魔法では僕に勝てない。
他の5人のうち3人は撤退しようとしたので拘束すると自害してしまった。
2人は剣を振って僕に詰めよって来る。
僕は魔法は使うが剣は得意ではない。
インベントリから剣を取り出して強化の付与をつけ剣技のスキルを解放する。
相手の剣の動きがゆっくりとして見えるようになり対応するように体が動く。
インチキだよな。
練習も努力もなしでこんな事が出来るなんて。
剣を振っている2人は才能と相当の練習を積んで来ただろうに。
だけど剣技のスキルレベルが剣聖の僕には決して勝てない。
1人は無造作に振られた僕の剣で袈裟がけに斬られて絶命してしまった。
もう1人も両手の親指を切ってしまったので剣は持てない。
「おまえは何者なんだ、なんで帝国の邪魔をする。」
急にしゃべりだすからびっくりしちゃった。
「暗部の者がペラペラしゃべっちゃダメだろう。」
「うるさい、おまえだろう魔国の鉱山で俺の妹を殺したのは。」
「あの溶けた奴か?あれがどこの誰なんて全然知らんぞ。」
「無残な殺し方しやがって、何もかも溶けて残ったのはパンツだけだぞ。」
「パンツで妹ってわかるのはダメじゃないかな?」
「だいたい暗部なんかに所属しているなら死んじゃうのは覚悟のうえじゃないの?」
「何言ってんだ。帝国調査室は大陸最強なんだから危険なんてない。」
「おまえの様なイレギュラーさえいなければ楽勝だったはずなんだ。」
「任期が終わったら内勤の幹部になるからそれまでの腰掛け仕事だったんだ。覚悟なんかあるわけないだろう。」
「それに見ろここ、パンツのここに名前が書いてあるだろう。リリって。」
「今回の任務が終わったら任期も終わりだったのにおまえに殺されてしまった。」
パンツを見せられても困るんだが。
腕から血が出て来るのを見たくないので直してやった。
「腰掛け仕事で魔国の民を苦しめ、僕の使い魔を殺そうとしたんだ。」
「うるさい、おまえに魔国や帝国のことなど関係ないだろうが、なんで首を突っ込んで来た。」
こいつの言う通りなんだけどな、僕が手出しする様な事じゃなかった。
「そうだね、僕の使い魔を殺そうとしなければね。」
目の前から男の姿が消える。
短距離の転移を使って僕の背後に回った。
僕の背中から胸に短い剣が突き抜ける。
おおっ。なかなかやるではないか。
振り向いて見ると目的をやりとげたっていう顔をしてる。
僕の視線が離れたところで男の首がごろりと落ちた。
しばらくはこういう暗部との戦いになるのだろうか?
「ツッピ剣を抜いて。」
ツッピが僕の背中に突き立った剣を引き抜く。
抜いた後には何の痕跡もない。
僕が探知するまでも無くネズミ達やコウモリ達に逆に監視されている事に気づかないのだろうか。
6人いる。
物陰に隠れながら監視している。
すぐに攻撃するつもりはなさそうだ。
ツッピが手を引いて
「串焼き買って。」
と言う。
串焼きの露店に近づくと露店の天幕の下にはアディッサが潜んでいて僕の指示を待っている。
追って来ているのは帝国調査室の特殊実行班か?
一応捕らえて見るか?
アディッサに伝えて串焼きを買う。
ツッピに串焼きを持たせて露店のすぐ横の細い路地に置いてあるベンチに座る。
彼らの1人がバインドをかけてくるが僕には効かない。
逆にこちらからバインドで拘束して引き寄せてみる。
必死に抗っているけど魔法では僕に勝てない。
他の5人のうち3人は撤退しようとしたので拘束すると自害してしまった。
2人は剣を振って僕に詰めよって来る。
僕は魔法は使うが剣は得意ではない。
インベントリから剣を取り出して強化の付与をつけ剣技のスキルを解放する。
相手の剣の動きがゆっくりとして見えるようになり対応するように体が動く。
インチキだよな。
練習も努力もなしでこんな事が出来るなんて。
剣を振っている2人は才能と相当の練習を積んで来ただろうに。
だけど剣技のスキルレベルが剣聖の僕には決して勝てない。
1人は無造作に振られた僕の剣で袈裟がけに斬られて絶命してしまった。
もう1人も両手の親指を切ってしまったので剣は持てない。
「おまえは何者なんだ、なんで帝国の邪魔をする。」
急にしゃべりだすからびっくりしちゃった。
「暗部の者がペラペラしゃべっちゃダメだろう。」
「うるさい、おまえだろう魔国の鉱山で俺の妹を殺したのは。」
「あの溶けた奴か?あれがどこの誰なんて全然知らんぞ。」
「無残な殺し方しやがって、何もかも溶けて残ったのはパンツだけだぞ。」
「パンツで妹ってわかるのはダメじゃないかな?」
「だいたい暗部なんかに所属しているなら死んじゃうのは覚悟のうえじゃないの?」
「何言ってんだ。帝国調査室は大陸最強なんだから危険なんてない。」
「おまえの様なイレギュラーさえいなければ楽勝だったはずなんだ。」
「任期が終わったら内勤の幹部になるからそれまでの腰掛け仕事だったんだ。覚悟なんかあるわけないだろう。」
「それに見ろここ、パンツのここに名前が書いてあるだろう。リリって。」
「今回の任務が終わったら任期も終わりだったのにおまえに殺されてしまった。」
パンツを見せられても困るんだが。
腕から血が出て来るのを見たくないので直してやった。
「腰掛け仕事で魔国の民を苦しめ、僕の使い魔を殺そうとしたんだ。」
「うるさい、おまえに魔国や帝国のことなど関係ないだろうが、なんで首を突っ込んで来た。」
こいつの言う通りなんだけどな、僕が手出しする様な事じゃなかった。
「そうだね、僕の使い魔を殺そうとしなければね。」
目の前から男の姿が消える。
短距離の転移を使って僕の背後に回った。
僕の背中から胸に短い剣が突き抜ける。
おおっ。なかなかやるではないか。
振り向いて見ると目的をやりとげたっていう顔をしてる。
僕の視線が離れたところで男の首がごろりと落ちた。
しばらくはこういう暗部との戦いになるのだろうか?
「ツッピ剣を抜いて。」
ツッピが僕の背中に突き立った剣を引き抜く。
抜いた後には何の痕跡もない。
0
お気に入りに追加
21
あなたにおすすめの小説
蘇生魔法を授かった僕は戦闘不能の前衛(♀)を何度も復活させる
フルーツパフェ
大衆娯楽
転移した異世界で唯一、蘇生魔法を授かった僕。
一緒にパーティーを組めば絶対に死ぬ(死んだままになる)ことがない。
そんな口コミがいつの間にか広まって、同じく異世界転移した同業者(多くは女子)から引っ張りだこに!
寛容な僕は彼女達の申し出に快諾するが条件が一つだけ。
――実は僕、他の戦闘スキルは皆無なんです
そういうわけでパーティーメンバーが前衛に立って死ぬ気で僕を守ることになる。
大丈夫、一度死んでも蘇生魔法で復活させてあげるから。
相互利益はあるはずなのに、どこか鬼畜な匂いがするファンタジー、ここに開幕。
小学生最後の夏休みに近所に住む2つ上のお姉さんとお風呂に入った話
矢木羽研
青春
「……もしよかったら先輩もご一緒に、どうですか?」
「あら、いいのかしら」
夕食を作りに来てくれた近所のお姉さんを冗談のつもりでお風呂に誘ったら……?
微笑ましくも甘酸っぱい、ひと夏の思い出。
※性的なシーンはありませんが裸体描写があるのでR15にしています。
※小説家になろうでも同内容で投稿しています。
※2022年8月の「第5回ほっこり・じんわり大賞」にエントリーしていました。
【R18】童貞のまま転生し悪魔になったけど、エロ女騎士を救ったら筆下ろしを手伝ってくれる契約をしてくれた。
飼猫タマ
ファンタジー
訳あって、冒険者をしている没落騎士の娘、アナ·アナシア。
ダンジョン探索中、フロアーボスの付き人悪魔Bに捕まり、恥辱を受けていた。
そんな折、そのダンジョンのフロアーボスである、残虐で鬼畜だと巷で噂の悪魔Aが復活してしまい、アナ·アナシアは死を覚悟する。
しかし、その悪魔は違う意味で悪魔らしくなかった。
自分の前世は人間だったと言い張り、自分は童貞で、SEXさせてくれたらアナ·アナシアを殺さないと言う。
アナ·アナシアは殺さない為に、童貞チェリーボーイの悪魔Aの筆下ろしをする契約をしたのだった!
【完結】婚約破棄されて修道院へ送られたので、今後は自分のために頑張ります!
猫石
ファンタジー
「ミズリーシャ・ザナスリー。 公爵の家門を盾に他者を蹂躙し、悪逆非道を尽くしたお前の所業! 決して許してはおけない! よって我がの名の元にお前にはここで婚約破棄を言い渡す! 今後は修道女としてその身を神を捧げ、生涯後悔しながら生きていくがいい!」
無実の罪を着せられた私は、その瞬間に前世の記憶を取り戻した。
色々と足りない王太子殿下と婚約破棄でき、その後の自由も確約されると踏んだ私は、意気揚々と王都のはずれにある小さな修道院へ向かったのだった。
注意⚠️このお話には、妊娠出産、新生児育児のお話がバリバリ出てきます。(訳ありもあります)お嫌いな方は自衛をお願いします!
2023/10/12 作者の気持ち的に、断罪部分を最後の番外にしました。
2023/10/31第16回ファンタジー小説大賞奨励賞頂きました。応援・投票ありがとうございました!
☆このお話は完全フィクションです、創作です、妄想の作り話です。現実世界と混同せず、あぁ、ファンタジーだもんな、と、念頭に置いてお読みください。
☆作者の趣味嗜好作品です。イラッとしたり、ムカッとしたりした時には、そっと別の素敵な作家さんの作品を検索してお読みください。(自己防衛大事!)
☆誤字脱字、誤変換が多いのは、作者のせいです。頑張って音読してチェックして!頑張ってますが、ごめんなさい、許してください。
★小説家になろう様でも公開しています。
ママと中学生の僕
キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。
ズボラ通販生活
ice
ファンタジー
西野桃(にしのもも)35歳の独身、オタクが神様のミスで異世界へ!貪欲に通販スキル、時間停止アイテムボックス容量無限、結界魔法…さらには、お金まで貰う。商人無双や!とか言いつつ、楽に、ゆるーく、商売をしていく。淋しい独身者、旦那という名の奴隷まで?!ズボラなオバサンが異世界に転移して好き勝手生活する!
私の代わりが見つかったから契約破棄ですか……その代わりの人……私の勘が正しければ……結界詐欺師ですよ
Ryo-k
ファンタジー
「リリーナ! 貴様との契約を破棄する!」
結界魔術師リリーナにそう仰るのは、ライオネル・ウォルツ侯爵。
「彼女は結界魔術師1級を所持している。だから貴様はもう不要だ」
とシュナ・ファールと名乗る別の女性を部屋に呼んで宣言する。
リリーナは結界魔術師2級を所持している。
ライオネルの言葉が本当なら確かにすごいことだ。
……本当なら……ね。
※完結まで執筆済み
おっさん料理人と押しかけ弟子達のまったり田舎ライフ
双葉 鳴|◉〻◉)
ファンタジー
真面目だけが取り柄の料理人、本宝治洋一。
彼は能力の低さから不当な労働を強いられていた。
そんな彼を救い出してくれたのが友人の藤本要。
洋一は要と一緒に現代ダンジョンで気ままなセカンドライフを始めたのだが……気がつけば森の中。
さっきまで一緒に居た要の行方も知れず、洋一は途方に暮れた……のも束の間。腹が減っては戦はできぬ。
持ち前のサバイバル能力で見敵必殺!
赤い毛皮の大きなクマを非常食に、洋一はいつもの要領で食事の準備を始めたのだった。
そこで見慣れぬ騎士姿の少女を助けたことから洋一は面倒ごとに巻き込まれていく事になる。
人々との出会い。
そして貴族や平民との格差社会。
ファンタジーな世界観に飛び交う魔法。
牙を剥く魔獣を美味しく料理して食べる男とその弟子達の田舎での生活。
うるさい権力者達とは争わず、田舎でのんびりとした時間を過ごしたい!
そんな人のための物語。
5/6_18:00完結!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる