推しがラスボスなので救いたい〜ゲーマーニートは勇者になる

ケイちゃん

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復活の厄災編

第四十四話 舞う紅き脅威①

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「はぁ…はぁ…危な…かった。」

 シトリーが放った強烈な一撃で激しい爆発音と衝撃に見舞われ、ジアロとシリアスはすくんで起き上がれなくなっていた。

「ジアロ、悪いけどあなたのおかげで助かっても状況が最悪な事に変わりはないみたい。」

 シリアスは苦い顔をして巨大魔法陣があった場所を見つめていた。ジアロも腕に力を込めて上体を起こし、シリアスが見つめている場所を見て驚愕した。

「地面が抉れている…!?何だこの馬鹿げた攻撃力は…!」
「ようやくこれで納得したわ、私達が放ったあの特大魔法を打ち消したのはこの悪魔が原因なようね。」

 シリアスは浮遊しているシトリーを睨みつけ小さく「化物め…」と呟いた。
 彼女はこの状況を諦めてはいない、目の前の悪魔をどう立ち回るか思考を巡らせていた。
 耳を澄ますと遠くで呻く隊員達の声が聞こえてくる。隊員達はまだ死んでいない、主力となる魔導隊と援護する近衛隊が生きているのなら数的戦力で相手を倒せる。
 そう考えていたのだが…

「囲め!敵をすり潰してやれ!」

 敵陣の全体を眺めていたシトリーは、突如大きな声でそう指示を出した。
 するとどこから湧いてきたのか、木々の背後から大勢の悪魔が出てきた。一度迎撃した時より数が多い、それらの対処も含めて目の前の白い悪魔にも手を回さないといけない。
 シリアス達はかつてないほどの緊張感に包まれていた。

「隊長!敵に囲まれています!」
「誰かこっちに援護を!これ以上は持たない!」

 悪魔達は隊員達を倒しながらじわじわと中央に追い詰めていく。そんな時、迫る悪魔達上空で冷気を纏った矢と氷柱が無数に降り注いだ。ジアロの魔導武装による氷の矢と、シリアスの氷結魔法・氷撃《フロストレイ》の雨だ。

「「があぁぁぁぁ!」」

 隊員達を囲んでいた半分ほどが氷上と化し、その凍てつく氷は悪魔達の足を凍らせ身動きを封じた。
 近衛隊はその光景を見て希望の一筋が見えたかのような短い歓声を上げた。
 絶望的な状況の中、この一瞬に生まれた士気を落とさぬよう隊のリーダーであるジアロが声を上げた。

「全員撤退!近衛隊、私と共に逃走経路を確保!他の隊員は後方からの攻撃を迎撃するんだ!」

 ジアロは数本の矢を引き絞り、シリアスは目の前で魔法陣を展開した。魔法陣からは強い冷気が発せられ、ジアロはその陣に目掛けて矢を放つと反対側へ矢が抜けた瞬間、矢がバラバラに砕かれ、その破片が凍りつく。
 破片は全てジアロの氷属性の魔導武装の効果が付与されている、そしてシリアスによって氷結能力が強化されたそれは吹雪となって悪魔達の前に現れた。

「雪嵐矢《フロストアロー》!」

 射抜かれた瞬間体が凍りつく矢の破片が吹き荒れ、前方にいる悪魔や自然風景を一瞬のうちに氷の世界へと作り変えた。あまりの一瞬の出来事で、凍らされた悪魔もそれを側から見ていた悪魔も唖然とした表情を作っていた。

「進め!私が道を切り開く!」  

 驚いて動きが止まっている悪魔達の隙をついて、ジアロはその場にいる隊員達全員を先導させ、氷ついた悪魔達を薙ぎ倒しながら包囲網を突破した。

「逃しはしないわ!」

 その光景を目にしたシトリーは上空に向かって槍を投げつけた、弧を描きながらその槍は分身を繰り返し雨となって隊員達の頭上に降りそそぐ。

「ジアロ、こっちは頼むわ。しんがりは私が務める。」
「わかった、死ぬんじゃないぞ!」

 後方から追ってくる悪魔達とシトリーの広範囲攻撃から背を向けて撤退する隊員達を守るべく、シリアスは集団から抜け出し逆の方向へ走り出した。

「後ろは私がバリアを使って守る!皆はジアロを先頭に順序よく撤退して!」

 隊員達に状況を伝えつつ、彼ら全員を覆い隠すほどの大きな遮蔽壁《ウォール》を展開した。それによって迫ってくる弾幕をなんとか防ぎきったのだが…

「邪魔よ…。」

 バリィィン!
 シリアスの頭上で鏡が割れるような音が響く、上を見上げるとシトリーが槍を使って壁を突き破って侵入してきた。
 遮蔽壁《ウォール》を耐久より展開する範囲に効果を全振りしたつもりもあってか、耐久力にはあまり自信がなかったのだが、それでもたった一撃で破壊しまう彼女の化け物さに見てて恐怖する。

「くそっ!爆撃《プロードレイ》…」

 ヒュン!
 風を切るような音と共にシトリーは速度を早め、シリアスの魔法詠唱が終える直前に槍を頭上から叩きつけた。

「がっ!」(速すぎ…でしょ!)

 杖を上に向けていたことが功をなし、シトリーの攻撃を杖の柄で防いだ。だがその衝撃にシリアスの体は大勢を崩し、後方に足がもたついてしまう。
 その隙を見逃さなかったシトリーは、着地した瞬間に勢いよく地面を蹴り出し二撃目に移りだした。
 あの異常なまでの加速を攻撃に活かせてしまったら防ぐ手段など…ない。

 ダンッ!
「ぐはっ!」

 シトリーの槍が勢いよくシリアスの腹部を貫く。だがその勢いはまるで嘘だったかのよう、槍はシリアスの肉体を貫通せず深い刺し傷をつけて吹き飛ばした。
 シリアスは事前に準備をしていた、彼女は近接戦に不向きであるため防御魔法・防護《プロテクト》を唱え、自身の体を鎧並の防御力にまで引き上げていた。
 その防御力のおかげでダメージは軽減できたが、腹部につけられた傷は致命傷で出血が治らない。

「シリアス隊長ッーー!」

 魔導隊の隊員はその光景を目にし、咄嗟に倒れたシリアスに駆け寄ろうとするが…

「来ては駄目!魔導隊全員、近衛隊と共に早急に撤退して!これは命令よ!」

 シリアスは駆け寄ろうとしてくる自身の隊員達を引き止める。自分を助けに行けば撤退する皆と離れてしまう。極めつけは目の前の怪物、たかだか複数来ただけでは現状を変えるどころか死者を増やすだけ。隊の隊長として無駄死にだけは避けなければいけない。

「できません!隊長を置いていくなんて!」

 だが彼らにとってそれは従うことのできない命令だった、周りに悪魔が迫って来ようとも隊員達はシリアスを助けようと足を動かした。

 ギロッ…!
「うっ…。」

 向かう先でシトリーが殺気をむき出しながらこちらに歩いてくるのを見た隊員達は、まるで泥沼にはまったかのように足がすくんで動けなくなってしまった。

「動っ…何で…!?」
「体が先に気づいてしまったんだ!ここから先に足を運んだら死ぬことになるって…!」

 彼らはシリアスが対峙している者が何なのか改めて理解した。そして、恐怖に打ち勝てず隊長を助けに行くことができない自分達を情けなく感じてしまった。

「ふん、戦いも知らない臆病者ばかりね。あなたが倒れたらあとの奴らは容易く済みそうだわ。」

 シトリーは姿勢を軽く落とし、こちらに突進する構えをとった。
 早く迎撃をしなければ…と必死に魔法を構築しようとするが、腹部の痛みと出血のショックで魔法の詠唱に集中できない。

 タンッ!
 シリアスに残された時間はシトリーが地面を蹴った瞬間に切られてしまった。一瞬のうちに彼女が振るう槍の射程圏内に入り込んだ、シリアスは驚きと諦めからか迫り来る槍をただ呆然と見つめることしかできなかった。
 死ぬ…そう思ったその時、背後から猛スピードで黒い影がシリアスの前を遮った。

 ガキィィィン!
 金属が激しくぶつかり合い、シトリーの攻撃が防がれた。

「なッ…!?」

 何が起きたのかシトリーも含めて周りにいた悪魔達は、その黒い影を見開いて見つめた。一瞬で現れたことから影のように見えたそれは、だんだんと人の形をしていると認識してきた。その直後…

「フゥゥ!」

 一瞬の呼気と共に黒い人物は体を素早く捻り、回転をつけた勢いで槍をシトリーに叩き込んだ。
 だが、人だと認識したシトリーはその者の攻撃に対応すべくすでに受け身の体勢をとっていた。 

「なっ!?このパワーは…!」

 横から振り払う槍をシトリーは紅い槍を両手で持ち防いだ。しかし防いだだけであって振り払う勢いは止まらず、彼女の体は端にいる悪魔達に向かって跳ね飛ばされた。
 そんな夢みたいなことがあるのだろうか、命を救われたその人物の強さに隊員達は唖然とした表情から一気に喜びの歓声を上げた。

「悪魔を退けた!」
「誰だ!?味方なのか?」

 皆がシトリーを飛ばした黒いコートの人物に注目する中、それに目を奪われた隙を狙って敵の背後から奇襲をする者達がいた。

「助っ人だよ、あいつを倒す俺達の切り札だ。」

 隊員達の問いに答える声に顔を向けると、目の前にいた悪魔達を倒しこちらに向かってくるクロムとその仲間達の姿が見えた。
 勇者が助けに戻って来たという希望に隊員達の士気が向上する。

「レズリィ、シリアスの治療を。アルノアとコハクは作戦通り周りの敵を一掃して隊員達の撤退を手助けをしてやれ。」

 クロムの指揮に仲間達は応じて持ち場についた。俺は吹き飛ばされたシトリーをじっと見つめているニーナの横に立って今の現状を伝えた。

「ニーナ、ここが正念場だぞ。こいつさえ仕留めることが出来ればこの争いは俺達の勝ちだ。」
「うん、でもそう簡単にいかないみたい。」

 ニーナは彼女と一瞬対峙しただけでどういう人物なのか把握した。前日にクロムから聞いていたとおりの素早い槍捌き、そしてそれを可能にした突然の反応に対応できる判断力。強い…その言葉通りの相手だと。

「見ただけでわかる…強い、とても。」

 ニーナの槍を持つ手が強く握られる、彼女も感じているだろうその緊張感は俺にも流れてきた。
 正直俺も怖い、頼れる奴がそばにいてもシトリーの恐怖は一度経験している。

「でも、勝てる。クロムが手伝ってくれるって言うなら。」

 ニーナの期待するような眼差しが仮面越しに伝わってきた。
 自分も二人で対応すると言った以上、今さらやっぱり無理とは言えない。俺は開き直るように自分の心を強く持ってシトリーと対峙することを決めた。

「ははっ、それならマジで期待に応えてやらないとな。」

 クロムの生き生きとした声に反応し、シトリーは自身の目の前に立つ二人を睨みつけた。未だ彼女の俺に対する怒りは消えていない、恨めしそうに「勇者…」と呟くとクロムは彼女に対して強気で答えた。

「ようシトリー、リベンジマッチだ!受けるよな!」
「フン、そのために仲間に泣きついて戻ってきたっていうの?勇者として恥ずかしくないのかしら。」
「言っとくが、誰しもお前みたいに一人で何でも解決できる力なんて持ってない。だから皆で協力し合うんだろ、軍のトップにいる奴がそんなことを恥ずかしいって思うなんて、よっぽど仲間のことを信頼していないんだな。」

 俺はシトリーの話を煽り返す、仲間を大事に思っている彼女にとってその台詞は彼女の逆鱗に触れた。

「随分と舐められたものね、私にボコボコにされた奴がっ!」

 シトリーの憤怒を帯びた叫び声を上げるのと同時に地面が抉るような音が響く。
 シトリーが力強く後ろに蹴り出した音だ、その音が聞こえたの同時に殺気満ちたシトリーの体が攻撃射程に入る距離まで迫っていた。
 だが反対に、ニーナの体もそこに向かって動いていた。俺の目の前に二人の武器が衝突し合うと、凄まじい量の火花が飛び散る。

「そこまででかい口を叩くからには、殺される以上の恐怖を味わう覚悟があるってことでいいのね!」

 その台詞はクロムではなくニーナに向けられた、その問いに答える間もなくニーナの背後に隠れた俺はすかさず右下から身を出し剣をシトリーに振りかぶった。

「見えてるわよ!」

 シトリーはニーナの槍を交差したまま真上に飛び上がる、そして左腕を振り払うのと同時に雷魔法・雷撃《ボルティクレイ》を唱えた。

「やっべ!」

 俺は不安定な姿勢を維持したまま迫る雷を奇跡的なレベルで回避していた。
 逆にニーナは雷魔法をものともせず交差する槍を解き、シトリーに向かって斬り上げた。シトリーは上空で体を回転してかわしたが、次の瞬間ニーナは飛び上がり振り上げた槍を素早くシトリーに向かって振り下ろした。

「やはりこいつ…普通じゃない!」

 咄嗟に槍でガードするが、先ほども経験した彼女の異常な力によりシトリーの体は地面に叩きつけられた。

「シトリー様ッ!」

 周りで見ていた悪魔達はすぐさまシトリーのもとへ駆けつける、彼らは幹部である彼女がやられたことに理解できないという考えで頭がいっぱいだった。
 その焦りが彼らに隙を生ませた。

「ソニックラッシュ!」

 コハクの俊足を活かした乱撃が、突風のように触れた側から悪魔達の体勢を崩していった。その倒れた悪魔達の背中は痛々しく抉れた爪痕が表れていた。

「炎爆《ブラスト》!」

 アルノアの放った爆破魔法が辺り一面に火花を散らせた、その強烈な爆破に悪魔達は後方へ吹き飛ばされた。

「このっ!邪魔をするな人外が!」

 クロム達とシトリーとの交戦に邪魔が入らないよう、アルノアとコハクは二手に分かれ悪魔達の前に立ち塞がる。

「ここから先は行かせません!」
「悪いがここは通行止めだ、引き返すのをおすすめするぞ!」

 二人の攻撃的な姿勢が悪魔の侵攻を抑えていることもあって、クロム達もシトリーを相手に集中出来ていた。

「フゥゥゥ!」
「ハァァ!」

 ニーナの鋭い呼気とシトリーの咆哮と共に、激しく槍の猛攻が飛び交う。目にも留まらぬ速さに誰もその間合いに入ることなど出来やしない。

「そこだっ!スラッシュ!」

 俺はそれを踏まえて、シトリーの側面や背後に剣を叩き込む。相手がどんなに速く武器を回そうとも全体的な体の動きは対応できる範囲であることを見て、俺はその隙が生まれた一瞬を突いた。

「チッ!鬱陶しいのよ!」

 当然、ニーナの攻撃速度と比べればウサギとカメのような差だ。俺の攻撃は容易く弾き返される。
 だがそれでいい、俺からの攻撃に注意を引かせることでニーナとの間に小さな隙を作らせる。
 ほんの一秒にも満たない小さな隙、だがニーナの速さならそれがチャンスへと化ける。

「ハァァァ!」

 ニーナは左下から斬り上げる形でシトリーに斬撃を入れる構えをとった。

(槍はクロムの方に向いてる、斬れる!)

 シトリーの横腹に一撃をくらわせることを確信した。槍と視線がそっちを向いている、反射でこの攻撃を受け止めることはもうできないーー

 ーーはずだった。

「っ!?」

 ニーナの視線にはこちらに反撃する素振りなどがなかったシトリーの体が、コマ送りの映像のように瞬間的に右腕がニーナの方へ向けられており、その手には手のひらに収まるほどの小さな魔法陣が現れていた。

 バババッ!
 シトリーの後方で小規模の爆破が起こり、ニーナの勢いが逆風となった。

「マジかよ、ノールック魔法詠唱!?」

 そんな神技を見せられ驚く暇もなく、俺の体はシトリーに薙ぎ払われ距離を離された。
 その隙にシトリーは即座に体をくるりと捻らせ、ニーナの頭上に槍を叩きつける。威力の低い爆破魔法をくらわせ体勢が整っていないと思っていたシトリーは、一撃を余裕で受け止めているニーナに驚いた。

「その全身に纏ってる黒いコート、耐魔法性ね。おかげで近距離戦を余儀なくされるなんて、ほんと面倒な事してくれるわね。」
「面倒?私にはそうは見えない、自分の得意な戦いになんの不満があるの?私は自分の腕にそんな悩みは考えた事ないけど。」
「随分と自分の腕に自信があるのね、そういうの世間知らずって言うのよ!」

 再びシトリーとニーナとの間で無数の斬撃が飛び交う。攻めと守りが交互にぶつかり合い、まさに一進一退の攻防が続く。
 そして、互いの重い一撃により二人が跳ね飛ばされると、シトリーは翼を羽ばたかせ上空へ飛んだ。ニーナはそれを追いかけるよう、腰を落とし空に飛び上がった。
 両足を踏んだ跳躍は一瞬にしてシトリーとの距離を詰め、勢いつけた状態で槍をシトリーに突き出した。
 が…シトリーの言い放った世間知らずという意味が、気づかないうちにニーナを危機に陥れていた。

「馬鹿ね、たとえあなたが超人的な身体能力を持ってしても、翼持ちのように飛行なんて出来ないでしょう。」

 シトリーは見下すようにニーナを見つめた、その先にはこちらを貫こうとする槍が徐々に迫り来ている。
 ニーナはシトリーを倒すことに意識を集中させていたから気づかなかった、彼女の持ち手には迎撃用に何も装備していないことに。

「っー!?」

 ニーナは驚きで一瞬声にならない叫びをあげた、自身の攻撃をシトリーは軽やかに飛んで回避すると、シトリーが先程いた場所に無数の矢が待ち構えていた。   
 そして、シトリーは指を鳴らして合図をするとニーナに向けられた槍が一斉に降り注いだ。シトリーの槍スキル・《フライングランス》だ。

 ズガガガガガ!
 ニーナは咄嗟に槍を高速に前へ回転させ、降りそそぐ槍を防いだ。
 だが、ニーナの防御速度がシトリーの物量が上回り、ニーナの体に何本もの槍が刺さる。

「うっ!」

 全身に痛みが駆け巡り、不安定な姿勢で落下していく。その上ではシトリーが追撃するかのよう空中で体勢を整え、ニーナに向けてその刃を突き立て落下する。

「終わりよ!」





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