推しがラスボスなので救いたい〜ゲーマーニートは勇者になる

ケイちゃん

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復活の厄災編

第三十四話 巻き付く毒蛇③

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 カラカラカラ…
「おい…嘘だろマジかよ!」

 モルガンが扉の奥から医療器具らしき物を台車に乗せて運んできた、俺はそれを見て抗おうとする考えよりも何をされるかわからない恐怖が上回ってつい大きな声が出てしまった。

「そんな怖い顔しないで、私はただ薬の材料の調達をお願いしたいだけなんだから。」
「材料?これとどういう関係があるんだよ。」
「そりゃあ対抗薬の最後の材料っていうのは、君の中に流れている血液だからさ。」
「なんだって!?」

 毒を知らぬうちに入れられた時もそうだったが、モルガンの常軌を逸している話には毎回驚かされる。
 しかもそういう話でもは彼女はいつも通りゆったりと笑みを浮かべながら話す、やってしまう罪悪感より興味という好奇心が上回っているのだ。

「何を言ってるのかわからないって顔だね、それじゃあ一から説明してあげようか。」

 そう言うとモルガンの後ろからニーナが少し大きめな紙束を持って俺に見せてきた。その紙には人の体が描かれており胴体には赤い丸があった。
 この描かれた絵を見るかぎりおそらく俺の体を意味しているのだろう、あの赤い丸はモルガンにつけられた毒の位置とぼぼ一致している。
 そう考えていると、モルガンはその絵を頼りに詳しく説明をし始めた。

「忘れていると思うからもう一度言おう、君の中には私の毒魔法、制限死毒《カウントダウンデス》がかかっている。発動から4日後にその毒は開花して死に至る、そして私にしか治せないから他の一切の解毒を受け付けない。ここまではいいかな?」

 説明の途中でニーナが持っている絵を横に引き抜いて裏に回し、2枚目の絵を見せてきた。
 そこにはさっきと同じ人が、赤いペンでなぐり書きした縦横の線に覆われていた絵だった。その不穏な描き方は明らかな死を意味している。

「そんなヤバそう絵を見せなくても自分の命がかかってるんだ、大体は把握してるよ。」

 その言葉を聞くとモルガンは笑み深め俺に質問をし出した。

「それじゃあここでクイズを出そう、この魔法は何故4日後に効果を発揮するかわかるかな?」
「治してほしいって懇願する人の姿が見たいから。」

 俺は不服そうな声でそう答えると、モルガンはため息混じりに笑って応じた。

「酷いこと言うねぇ。でも違うよ、その毒は一瞬で全身の肉を溶かすために血流にそって毒を体全身に張り巡らせないといけないからそれくらいの日数が必要なんだよ。」

 聞くだけでも恐ろしい毒だ、初めて聞いた時も本当に死ぬんじゃないかと思っていた。
 だが…俺は少しばかりその毒の効果に妙な違和感を感じた。毒というわりには体に支障があまりにも感じないのだ

「前から思ってたけど、随分と苦しまない毒なんだな。普通日が経つにつれ気分が悪くなるのが毒なんじゃないのか?」
「いい質問だね勇者君、ハッタリをかましているかもしれないってことだろう?だけどその毒は本物だ、君もそれを実感しているはずだよ。」

 モルガンはニーナに紙を引き抜くよう指示すると、ニーナは3枚目の絵を出した。
 そこには科学の教科書に載ってありそうな矢印と円が描かれた図があった。

「いいかい、解毒剤を作るために必要なものはなんだと思う?答えは毒さ。」
「毒?」
「毒を治す原料だって人体に有害なものばかりなんだ、それを調合して無害にする。そうやって解毒剤は作られていくんだよ。」

 モルガンが絵を駆使しながら熱心に解説し始めた。俺は捕らわれていることを忘れ、教師と生徒のような感覚で話を聞いていた。

「そして私は制限死毒について君にこう言った、《私にしか治せないから他の一切の解毒を受け付けない》と。それはつまり、君の体を蝕んでいる毒は外部からの毒を受け付けない。つまり無効にするということさ。」
「えっと…それって…」

 毒の解説を受けた俺でもその言葉の意味を理解できず混乱した表情を見せた。
 外部からの毒を受け付けないという単語が引っかかる、なぜそこで解毒と言わないのか?そのままの意味で捉えてしまうとまるで…

「この毒がバリアみたいになっていて、他の毒のような状態異常を無効に出来るってことか?」

 当てずっぽうでこう答えた、そんな夢みたいな話があるわけないと思っていたのだが…

「その通りだよ。」
「えっマジなのかそれ!?状態異常無効だなんてそんな夢みたいなスキルあるわけないだろ!」

 意外な返答に俺は驚愕し、慌てる様子を見せながらステータスのパネルを開いた。

 ピコン
 俺の前に黒いパネルが浮かび上がる、すぐさま《スキル確認》の表示に手を伸ばすが

「あっ…!」

 俺は慌てていたためか致命的なミスをしてしまった、魔法でもない電脳世界で存在するような物をよりにもよってモルガンの前で見せてしまった。
 彼女のことだ、こんな未知の産物を見たら質問責めや何やらで俺の素性がバレてしまうかもしれない。
 ギギギ…と音が出そうなほどにゆっくりと俺は首を動かし、モルガンの表情を見た。

「いやぁ、いい驚きっぷりを見せてくれるねぇ勇者君。いつかこの話をする時どういう反応をするのか楽しみだったんだよ私は。」

 モルガンは俺の慌てぶりように手を叩いて笑っていた。その目は俺の表情を見ており、その下に浮かんでいる黒いパネルには目もくれなかった。
 あのモルガンが未知な物に見向きもせず俺をからかっていることに、俺はある一つの答えをが浮かんだ。

(見えていないのか?この黒いパネルを…。)

 思わぬ結果に焦っていた気持ちは徐々に消え失せ、冷静な判断力が戻ってきた。

(見えていないのはラッキーだけど…今は早く俺の状態を確認したい、モルガンの言っていることが本当なのか。)

 モルガンを信用してないからという訳じゃない、状態異常無効というスキルを物語の終盤でもないこの場面で手に入れられるということが事実なのか確認したいのだ。
 それを判断できるのはステータス画面の他ならない、だが黒いパネルが見えていない彼女達にとっては、俺が虚空に不自然に指を動かしているように見えるだろう。

「えっと…ちょ、ちょっと待ってくれない?なんか色々と聞き過ぎた!」

 俺は混乱し慌てるようなしぐさで両手を左右に動かした。ラッキーな事に普通なら受け入れにくい話をした後だ、混乱して挙動不審になってもおかしくない。
 俺はそんなしぐさをしている中で素早く《スキル確認》、《防御スキル》の順に押した。

「っ…!」

 声が出そうになったが我慢して飲み込んだ、目の前に映し出されてあったのは…《毒耐性》と書かれてあった部分が《状態異常耐性》と書き変わっていた文面だった。

「まあ落ち着きなよ、信じられない話に聞こえるけど君には心当たりがあるんじゃない?」

 モルガンの声が聞こえ、ステータスのパネルを閉じた。自分の所持しているスキルに目に入っていたため彼女が何を言ったのか分からず有耶無耶に「ごめん…あんまり」と答えると、モルガンは説明口調で話し始めた。

「例で言うとゴブリン達から君の神官を助けに行く時、紅い薬を渡したのを覚えているかい?」
「ああ、狂化薬だろ。爆発的な力を手に入れる代わりに精神が不安定になるやつ。あの時は本当に…!」

 あの出来事を思い出し、彼女に対しての怒りでしかめた顔をすると彼女は面倒そうに顔逸らして話を受け流した。

「まぁまぁお説教はまた後で、それで君が飲んだあの狂化薬…あれは常人が飲めば頭が錯乱して戦いどころじゃなくなる危険な薬なんだ。」
「なんで飲めば頭が錯乱するってわかるんだ?」
「この里の住人達で試した。」
「この里の人達がモルガンを敵視する理由がわかってきたよ…。」

 素っ気なく返答するモルガンを、呆れた目で見返しため息をつく。

「それで…君はピンチに陥ってその狂化薬を飲んだ、そして誰一人欠けることなく無事に帰ってきた。多少の記憶障害で覚えていなくとも、君は敵味方判別して戦えたということだ。頭が錯乱した状態で そんなこと出来るとは思うか?もうその時点で君には毒の耐性が生まれていたということさ。」

 事の経緯をまるで見ていたかのように解説したモルガン、俺とは違う天才的な予想と自分が作り上げた力の把握により予知のような先を読む力には恐れ入る。
 俺に狂化薬を渡してきた時点でもう耐性が出来ていると把握していたのだ、でなければ仲間を巻き込むような自分にも不利益になる危険なカードを切れる訳がない。
 いや…それよりももっと前から…

「じゃあ…俺に対抗薬の依頼を引き受けた時点でこうなるように仕向けたっていうのか?」
「んー…半分正解ってとこかな、残りは逃げられないように首輪をつけただけさ。」

 特に答えに悩むことなく淡々と答える。わざとらしく顎に手を置き考えているしぐさをしているのが少し腹立つが、やっぱり恐ろしいと感じてしまう。
 早すぎる薬の制作、薬の材料が俺の血液と考えると、対抗薬という話を聞いた段階で頭の中で薬の調合は完了していた。
 ハプニングがあろうと自分の結果を信じ予測を立てた、これこそ予知を体現させるということなのだろう。
 俺もこういう事が出来ればと悩んで少し肩を落としていると、頭の上で元気な声が聞こえてきた。

「さぁ、お喋りはこの辺にして勇者君の血を頂こうとするかね。」

 顔を上に向くとモルガンがニコニコしながら注射器を両手で持っていた。そう…両手で持っていた、腕の太さほどの注射器を。

「待て待て待て!デカいって!刺された瞬間にヘソが出来るって!」

 あまりの巨大な注射器に驚いて反射的に離れようとしたが、座っている場所が貼り付いていた事を忘れソファの背もたれに深く沈み込んだ。

「大丈夫だ、刺されても回復魔法で治せばヘソくらい…」
「ヘソの話じゃねぇよ!そんなデカい注射器で血ぃ抜かれたら命の危機に関わるって言ってんの!」

 ジリジリと注射器を持って距離を詰めて来るモルガンに対し、俺は慌てながら文句を叫び続けるが彼女は止まらない。

「心配しなくとも大事な局面が控えてる時に君を失うわけにはいかない。私には考えがある、多分大丈夫だ。」
「多分!?」
「それじゃあニーナ、軽く締め上げて。」

 ガシっ!
「うぐぉぉ!じぬ…!やめ…ろ!」

 ぎゅう、と後ろから俺の首にニーナの細い腕が巻き付くと女性とは思えない怪力で締め上げる。
 咄嗟に息をするための気道を確保しようともがくが、それも敵わずみるみるうちに息が詰まっていく。

「本当なら睡眠魔法で気絶させたかったけど、今の君じゃ効かなそうにないからこのやり方で勘弁してほしい。」

 状態異常耐性がこんなところで悪さしてしまうとは思っておらずこんな苦痛に苛まれてしまった怨みと、これからやろうとしているモルガンの行動に対する怒りが入り混じりながら全力で抗うが…

「このっ…!マジで…叩…。」

 脳に酸素がいかなくなり視界がボヤける、モルガンの声もニーナの締めつける感覚も無くなり
 意識がブツっと途切れた。

「ーー…」
「ーーて…」
「ーきて…終わったよ。」

 体が大きく揺れているのを感じ、俺の意識は無理やり呼び戻された。
 薄目で外を見ると横たわっている俺をドクロの顔をした人物が肩を掴んで上下に揺らしている。

「うぉぉぉぉ!」

 あまりの衝撃の光景に俺は飛び起き、ドクロの顔と頭が激突した。

「痛っ!もう…急に飛び起きないでよ!」

 ドクロの顔から知ってる可愛い声が聞こえた。薄目でぼんやりとしていたから気づかなかったが、ニーナ本人だったようだ。

「お前…起きて最初に見るものがドクロとかマジで勘弁してくれ、お迎えが来たって勘違いするだろうが。」

 痛めた頭を押さえつつ俺は不機嫌そうに睨むと、「ごめん…」とお面越しから小さく謝罪の言葉を呟いた。

「たくっ…なんであんなことに…」

 気絶する前のやり取りはぼんやりと記憶している、見渡すとモルガンがダイニングで背を向けて何かをしているのを見かけ、彼女に文句の一つでもぶつけてやろうと立ち上がるが…

「あの野郎…うおっ!」

 クラッと立ちくらみを起こし、バランスを崩して後ろのソファに沈み込む。
 その時クロムは見た、自分の右前腕部に巻かれた包帯を。これが何を意味するのかすぐに理解した。

「本当に抜きやがった…あのデカい注射器で。明らかに致死量だろあんなデカさは。」

 抜かれていた、さっきの立ちくらみは体に十分な血の量がないことによる貧血症状だろう。
 おそらくあの注射器、500m Lのペットボトルほどの大きさがあった。あんなのに大量に血を抜かれたと考えると嫌な喪失感が溢れだした。

「死にはしないよ、人はこれの2倍ほどの血を失えば命の危険が及ぶと言われているからね。」

 ようやくモルガンが口を開いたかと思えば、大量の血が入った容器を俺に見せつけて出血による致死量について説明していた。
 だが今彼女に聞きたいのはそんな豆知識ではなかった、俺は彼女のやり方に反対するよう言葉を述べた。

「いやそれよりもまず、奴らと戦う日が明日に迫ってるのに貧血のまま戦えって言うのかよ!こんな大事な時期に弱体化させてどうすんだよ!」

 頭を抱えながら不安を叫ぶ俺に、モルガンはふっと息を吐くような笑う声を出しながら語りだす。

「まだまだだな勇者君、手負いの獣は恐ろしいと言うだろう?怒りで湧いたパワーを身につけるようあえて君を手負いにさせたのさ。」
「へぇすごいや…!だからこんなに怒りが湧いてくるんだ…!お前限定だけど!」

 俺はわざとらしく笑いながらそう発した、それが表情にも出ておりモルガンを見ているその目は本気の怒りで殺気を滲ませ、笑みをこぼした口は歯をキリキリ鳴らすことで声を抑えている。
 口を開けば言いたいことや聞きたいことが山ほどあるが、まともに受け答えてくれる試しがないため口を押さえ我慢していた。

「先生に手を出すなら私が相手になるけど、どう?」

 ニーナはその異様な感情を察したのか、俺の肩に手を置きじっとこちらを見つめている。お面のせいで感情が読み取りにくいが、その自信溢れる言葉には強い行動力が感じ取れる。
 多分…いや、怒りで暴走してもこの二人のどちらかですら勝つことは出来ないだろう。
 だからこそこういう時は素直に手を引く、ゲームでいうレベル差のある魔物に勝てるんじゃないかという慢心はここでは通用しない。痛い思いをするのは自分なのだ。

「だったら丁度いい…帝国幹部相手に対策しておきたいんだ。手合わせしてくれないかニーナ。」

 強気な目で俺はそう答え返す。俺はわかっている、痛い思いをしない平坦な道ではこの世界で生き抜くことなんて出来ないことを。
 死なないように準備して準備して準備しまくって生き抜く、レベルアップに近道などないのだ。

「それって、先生に敵視することと関係ないじゃん。」
「本当に手負いで強くなれたか確かめる義務があるんじゃないのか、先生の助手として。」
「はっ…!たしかに!」

 的を得た発言にニーナは理解したかのように目を見開いた。

「そういうことなら効果確認のために手合わせを頼むよ、私は薬の調合に入らせてもらおう。」

 モルガンは俺の血を持って奥の部屋に向かって歩き出した。
 血を取ったお礼や謝罪もなく、ただ目の前の研究にしか興味を示さない彼女の態度に腹の虫が治らない。一言ガツンと言ってやりたい。
 だが俺にとって彼女の力は切り札と言っても過言じゃなかった。彼女がそれを求め実現できるというなら、誘い提案した本人である俺は最後まで付き合っていかないといけない。
 だからこそ…今かける言葉はこれでいい。

「モルガン、俺の血をあんなに取ったんだ。最高なものを作ってくれなきゃ困るからな。」

 彼女に対する怒りを挑発にして、やる気を掻き立てるよう仕向けた発言をすると

「誰に言ってる、天才であるならそれは普通のことだ。楽しみに待っていろ。」

 濃い緑色の髪が振り向き様に揺れ得意満面の笑みでこちらを見て答えた。
 たった一言そう言うと、彼女はそのまま扉を開け部屋へ入って行った。その部屋は薄く暗く実験器具類がチラリと見えた、穏やかな居間と真逆なその光景に研究者の核心に触れた気がした。

「あの邪悪さが無かったら、本当に頼りになる存在になるのになぁ…。」

 頼りになるのか狂った人なのかどっちつかずな存在で本当に疲れる、自分が望む彼女の人柄を呟きながらこの館を後にしようとすると

「じゃあ行こうか、ボコボコにしてあげる。」

 無地の黒色をした怪しげなフード付きのポンチョ風コートを羽織り、ニーナが玄関の前で喧嘩口調を言葉にしながら待っていた。

「ヤンキーみてぇだなこの人…。」

 好戦的なのかそれとも従順な守人なのか、彼女もモルガンと似たようなどっちつかずな存在に、面倒という疲労が体に蓄積されていった。
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