推しがラスボスなので救いたい〜ゲーマーニートは勇者になる

ケイちゃん

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復活の厄災編

第三十二話 疑惑と告白②

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 アルノアが語ったその意味に皆は疑問を持ちながら彼女に視線を向けた。
 クロムに先を読む力があるというのはルーナ城の件で証明できた。だけどもそれを踏まえてクロムの持っている予知という存在が違うとなれば一体何なのか?
 レズリィとコハクはその疑問の答えをアルノアに聞き出した。

「それってどういうことですか?」
「最初はあのスライムの大量出現からだ、まるで出ることが分かっていたように私達を説得していた、それは予知していたからだとわかる。だけど今日、近衛隊達に私のことを説得していたこと…覚えているか?」

 守護結界を過ぎた後、ジアロがアルノアの姿を露見したあの時。昼間のことで覚えてはいるが、アルノアが無実だという説得でかなり感情的に入ってしまったこともあり、自分が何を話したのかあまり記憶になかった。

「私が帝国の手先ではないことを証明するためにお前はこう言ったんだ…《アルノアはヘラに操られていない、事故でこんな姿になってしまった被害者なんだ!》って。変じゃないか?私はその時過去についてまだ皆に話していないのに何で被害者だってわかったんだ?」

 言い逃れ出来ない証言を突きつけられ、俺は一瞬口元を手で隠しそうになった。
 まずい…さすがにこれは未来でアルノアが話したのを予知したとは言えない。それを話せば近衛隊との攻防がわかっていたということになる、あんな土壇場で考えたような策を「知っていたからそうした」と言うのは無理がある。
 アルノアは俺の今の発言でその違和感の正体に気づいたと言っていた、安易に話せば矛盾がどんどん大きく表れさらに怪しくなってしまう。

「……。」

 俺はアルノアの答えに沈黙で返した、そのためか少しだけ静寂と化した部屋が徐々に空気が重くなっていく。だが…

「早すぎたって言葉…」

 震えたような緊張した声でコハクが言葉を発したことで沈黙の苦しみから解放された。

「なんだか…最初から起きる事がわかっていて、何か変則的な出来事が起きたせいで異常が起きたみたいな言い方ですよね。まるで予知で見たというより最初から知っていたかのような…。」
「それだけじゃない…私の質問に沈黙で答えたってことは、私が先で過去を話したことを予知したと言えなかったってことは、予知じゃない何かを知られたくないからってことだよな。」
「ッ…!」

 的を得た発言に心臓が跳ねるような緊張感が走った。手に汗が染み出てくる、どんどん俺の立場が悪い方向へと傾いているような気がした。

「ちょっと待ってください!まるでクロムさんの手のひらの中で踊ってるような言い方じゃないですか!ルーナ城もゴブリンに攫われた時だってクロムさんがいたから助かったんですよ、そんな悪い方向に決めつけないでください!」

 レズリィはそんな俺を庇うように必死に抗議した、こんな時でも俺を守り続けようとする姿勢を見てて俺は苦しくなっていった。

(本当ならレズリィも俺に思うことはあるはずなのに、それを言わずに辛い役回りをさせて…俺は…。)

 俺の予知について口論が飛び交う中、俺は無言を貫き通していた。別に悪事を働いて責められていることはされていない、謝って正直に話せばきっと分かってくれる。
 だがそれは俺がこの世界の住人ならの話だ。ルーナ城で拘束された時もそうだが、自分が別の世界から来た住人で今は勇者になっていると証言した際は信用なんてまったくされなかった。
 その時の相手が思考を読めるテレサ女王だったため、俺の記憶を読み取り今までの話に信憑性があると容認してくれたが今は俺の内情を知れる者はいない、正直に話せば混乱を招くどころか俺が勇者じゃないと分かってしまう。
 そうなればこのパーティーと旅をできるかわからない、それだけは絶対避けなければならない。これ以上この世界のストーリーをごちゃごちゃにされたら何が起きるか分かったものじゃないからだ。

「わかったよ…アルノアも過去に向き合ったんだ、俺も向き合わないとな。」

 俺は両手を上げて降参のポーズをとった、その姿を見た皆は言い合いの途中さながらゆっくりと元の位置に座った。
 話を聞く姿勢になったのを見た俺は意を決して予知魔法の真実を語りだそうとした時…

 ガチャリ…
 部屋の扉が開かれ一人の人物が入ってきた、魔物の鱗で作られた身軽な鎧に森林色のケープを上から羽織った金髪の男性エルフ、近衛隊の隊長ジアロだ。

「ここにいたか勇者パーティーの皆、今回の偵察調査で話したいことが…。」

 ジアロは部屋に入った瞬間察しづく、喧嘩した後ような何とも言えない陰の雰囲気が漂っていることに。

「今はタイミングが悪かったみたいだな、あとで時間がある時に…」
「待ってくれジアロ隊長、お前にも関係することなんだ。少し話に付き合ってくれないか?」
「私がか?」

 気まずい状況に立ち去ろうとするジアロを呼び止め部屋に招き入れた。

「なぁクロム…ジアロを巻き込んで一体何を話すって言うんだ?」
「少しだけ信じられない話になるけど、信じて聞いてくれるか?」

 クロムの予知とジアロが何に関係するのか皆は疑問に思いながらも、クロムはその答えを緊張した赴きで静かに口を開いた。

「予知魔法って名前、実はあれはテレサ女王が名付けた存在しない魔法だ。」
「存在しない…じゃあ…」
「俺が何で未来や過去のことを知ってるかってことだろ?それはな…俺は一度旅をしたからだ、その時の記憶や出来事が今と一緒だからなんだ。」

 皆は首を傾げた、一度旅をしたという不可解な話に理解が追いつかなかった。

「ど、どういう事だ?もっとわかりやすく説明してくれよ。」
「夢を見た…すごい長い夢だ。俺は皆と旅して、苦難の先にヘラを倒した。そんな夢の出来事だったのに今でも鮮明に覚えてる、それどころか今の旅路がその夢と同じくらいあっていた。だから俺はこの先起きる事を予測して対策を立ててきたんだ。」

 俺はゲームで起きた内容を夢の話として置き換えた、多少信じられない話でも夢であれば大抵のことを不思議な出来事として伝えられると思ったからだ。

「そんな事があり得るんですか?夢で起きたことが現実に…。」
「それを私達は《追体験》と呼んでいる。」

 俺の後ろで立ちながら話を聞いていたジアロが口を開いた。

「稀に、この先の出来事を予知してそれが実際に起きたという事例を耳にする。彼らは全員夢で体験した出来事だと話していた、だから追体験と呼ばれてる、二度目の出来事を体験するという意味でな。」
 
(ナイスフォロージアロ!っていうかエルフ族って予知とか見れるのかよ!)

 追体験という単語は知らなかったが、なんとか話の繋がりを掴むことはできた。俺は心の中でガッツポーズをしたが、ジアロは浮かない表情で考えながら話を続けた。

「だが、私達が聞くのはほんの数秒の体験だ。馬車に轢かれてしまうとか、そういう小さな夢で見たことによるもの。帝国討伐までの長い旅路という膨大な量の夢を見たというのはありえない話に思える。」
 
(前言撤回、話を否定的にさせるな!どんどん話づらくなるだろ!)

 そう内心彼にツッコミを入れる、結果否定的な話になり苦しい空気にまた戻ってしまった。
 ジアロの話と合わせて自分の証言をどう収拾つけるか考えていると…

「帝国討伐までの長い旅路がすべて夢…本当ならあり得ない話ですけど、夢で見た知識が活かされたことでルーナ城は救われましたし、レズリィさんを助けられた。私はその話を信じてみようと思います。」
「コハク…。」

 信じてもらえなさそうな空気の中、コハクは笑顔をこぼしながら俺に希望の単語を語った。
 信じる…その言葉を聞いた時救われた感じがした。

「たしかに話の辻褄は合う…知っていたから、スライムの時や契約決闘の時にああいう謎の自信を持っていた。私の説得もやけに私の性格を知っているように感じたのはそういうことか…。」

 アルノアもコハクの話を聞いてから落ち着いて物事を整理した。
 予知ではなく正夢に近い存在だと考えた、だがそうなると必然的にある答えに辿り着く。

「もし旅路の最後を知っているって言うなら、この先に起こる出来事も知っているってことだよな…。」
「それは…」
「苦難の先にヘラを倒したと言っていましたが、あの悪魔を倒す策があるということでしょうか?もし現実に起きることなら今からその対策を準備したほうがいいのではないでしょうか。」
「そうなんだが…」
「クロムさん、私の友人が奴隷にされた仲間を助けるために他国へ旅をしてるんです。彼女がどうなったのかだけ教えてもらえませんか?」
「っ……。」

 終点までの旅路の記憶を持っていると言ったばかりに、その道中で何が起こったのか皆は好奇心で聞いてくる。
 たしかに知っている、だが…。

「すまない駄目だ…全部は話せない。」

 皆は残念そうになぜ?と聞き返す。
 俺はこういう展開を漫画やゲームで見たことがある、タイムパラドックス的な現象が起きてしまうのを恐れていた。
 タイムパラドックス…過去の歴史を改変することによって生じる逆説の総称。
 タイムトラベル的なことではないがこの先に起こることを安易に口出せば、結末は大きく変わってくる。
 それは良い方向に傾くものであれば、悪い方向に傾くこともある。
 俺のこの旅路の最終目的であるラスボスの救出は、タイムパラドックス的なことを引き起こさないと達成できない事だ。だが今からそうすると俺達は帝国より先回りして行動することになってしまうことになる。
 そうなれば、帝国にとって俺達は放ってはおけない存在だと認識されてしまう。決戦前に潰されてしまってもおかしくない。
 俺はここから慎重に行動しなければならない、帝国にとって先読みされていると認識されないよう旅をしなければいけない。
 たとえ…大事な仲間に真実を隠し通すことになってでも。

「言ったら皆がそうする、結果を知ったら近道をしたがるだろ。それだけは絶対に駄目だ、急ぎ過ぎれば奴らもそれに対応してくる。」
「でも、先手を打ったほうがこれから帝国の被害にあう町を守ることができる。それにあいつらの情報は王国にとって戦うために欠かせないものだろ、黙るっていうのかよ。」

 筋の通った話がアルノアの口から語られる、俺は苦しい表情をしながらその理由(わけ)を続けて話した。

「俺だってあいつらの悪行を1日でも早く終わらせたいさ。でも俺の夢の出来事は確実に起きるとは限らない、夢と違う行動をすれば夢とは違う結果が表れる。それが積み重ねればなるほど大きくズレが生じる、今もそうなんだ。」
「だから…早すぎたって意味ですか?」

 前とは違う結果、ズレが生まれてしまう、その単語から話の接点に繋がったのか、レズリィは最初に疑問を感じていたクロムの早すぎるという話の意味に着目した。

「早すぎた…つまりはここまでの旅事体、クロムが夢で見ていた結果とは違う路線に入っていたってことか?」
「ちょっと待ってください、もしアルノアさんの言う通り違う路線に入ってしまっているってことは本当ならどうなっていたんですか?まさかそれも言えないんですか?」

 心配と同時に真実を言ってほしいという強い願望の目線が三人から向けられる。
 おそらくここで彼女達に真相を伝えずに放っておいてしまえば、ますます俺は怪しい存在だと思われてしまうだろう。仲間達にそんな不安感を感じさせたくない。
 そんな恐れからか、これから遠い先の話をするわけらではないから、過去と近い未来を話すだけならいいのではと俺の心に縛られていた秘密の鎖を少し緩めた。

「ジアロ隊長、それに皆も、これから話すことは絶対に口外しないでくれるか?パニックだけは避けたい。」
「わかった、ここだけの話にしておこう。」

 三人も黙って頷くと俺は少し視線を伏せ、ゆっくりとストーリーの大元を語った。

「最初にズレが起きたのはルーナ城だ、あそこではセーレが城の襲撃に成功して城の魔導兵器を強奪しようと企んだ。それを俺達やルーナ城にいた衛兵達と共に取り返そうと行動するんだ。何日も時間をかけて、城に突撃するための策を練ったり、セーレに対抗するために強くなったりな。でも俺達はそれを1日もかからずに終わらせた、帝国にとってもそれは想定外な出来事だ、俺達を危険視して早く潰そうと考えてもおかしくない。」
「それって…」

 クロムの話に思うところがあった、レズリィはルーナ城でセーレの言った言葉をうろ覚えながら思い出し考察し、クロムに聞きだした。

「たしか…セーレさんが言っていました。ルーナ城の魔導兵器の強奪を頼まれるように、そこにはもう一人の幹部がパンデモニウムの魔力を求めて向かっていたって。本来の目的だった厄災魔獣の魔力目当てだったものが、私達の活躍で復活という路線に切り替えた…なるほど、その予想は当たりかもしれませんね。」
「そりゃあ目をつけられてもおかしくないよな、あいつらの目的を一日で阻止したどころか悪魔を…むぐっ!?」

 アルノアが何を喋るのか察したのか、コハクとレズリィが彼女の口を押さえた。そして、アルノアだけにしかきこえない声で彼女を叱った。

「アルノアさん!セーレさんを仲間にしたことは内密に!」
「ほぉがった!ほぉがったはら!(わかった!わかったから!)」

 両方に手で押さえつけられ、アルノアは足をバタつかせながらもがいている。側から見れば怪しさを醸(かも)し出しているようにしか見えない。

「何をしてるんだあの子達は。」
「ただのじゃれあいだ。それよりもジアロ隊長、ここからはお前にも関係することだ。」

 その言葉に三人のじゃれあっている姿から目を逸らし、俺のほうを見つめた。

「この夢には続きがある、ルーナ城の事件が終わった後報告が上がってきたんだ。東の国から妙な病気が蔓延して、それらの地域の町が危機的状況に陥っているって。」
「それじゃあ…まさか…!」

 ジアロは危機迫るような緊迫した声をあげると、三人も気づいてこちらを様子見た。

「帝国は失敗したんだ、パンデモニウムから強い魔力を手に入れようとしたけど逆に復活の手助けをしてしまった。そして目的が達成できないと判断した奴らは、復活したパンデモニウムを野放しにして撤退した。そして…」
「パンデモニウムが放つ毒素が放たれ続け、この国一帯に広がった…里の結界は毒素のような自然現象までは防げない、例外なくこの里に厄災が入り込むということか。」

 夢物語とはいえど、やけに生々しいクロムの話に危機感を感じ、ジアロは俺の話の途中でこの先で起こるであろう最悪の未来を語った。

「結局、私達がルーナ城で何をしようがパンデモニウムは復活するってことかよ。くそっ!あいつら…私達を始末するどころか東の国が住めない土地になってもいいっていうのか!?ふざけやがって!」

 アルノアは抑えきれない怒りを拳に乗せ、ベットに叩きつけた。
 皆も同じ気持ちを抱いていたのか、少し険しい表情をしていた。その様子に最も怒りを表していたのは意外にもーージアロだった。

「おいちょっと待て、どこに行くんだ?」

 ジアロは無言のまま部屋を出ようと歩き出した。その背後から俺はジアロの肩を掴み静止させたが、力強く掴まないと振り解かれてしまうほど勢いがあった。

「奴らの目的を阻止しなければ!手遅れになる前に私達の兵力を持って奴らを叩く、パンデモニウムを復活などさせてたまるものか!」

 怒りが混じったその正義感溢れるその言葉は、皆の前で告げれば鼓舞するほどの影響力のある言葉だった。
 だが俺にはそれが感情にまかせた勢いにしか感じず、そんな彼を引き止めようと忠告するように呼び止めた。

「落ち着けジアロ隊長、それは無理なことだってお前がよく知ってるはずだ。偵察で何を見た?その異常性を報告するために俺達に会いに来たんだろ。」
「くっ…。」

 ジアロの口から軋むような声が出た。その直後彼の勢いが治まり、すまないと口にして部屋の壁にもたれかかった。

「なんだ?どういうことだよ。」

 俺がジアロに言った説得に疑問を感じたアルノアは質問を口にすると、ジアロが残念そうに頭を押さえながら答えを口にした。

「パンデルム遺跡がある死霊の谷に向かったが、そこでは目視だけでも百を超える悪魔達がいた。そこから先は偵察不可と判断して帰ってきたのだ。」
「っ…!マジか…。」

 アルノアは二つの意味で驚いた、一つは今まで口頭でしか語られなかった幹部が連れてきた勢力が実際に存在しているということ。
 そしてもう一つは、偵察隊は帝国の規模しか報告にあげてこないという予想を的確に当て、それをわかったうえでセーレを潜入調査に使うと考えだしたクロムに。
 今までの非現実的な夢物語を語られて嘘か本当かわからなかったこの時、クロムの予測を超えた予知を目の前で再び目の当たりにし確信めいた。
 クロムの話は本当だということを、彼は夢を関してとても長い追体験をしていることに。

「なぁクロム、どうやったらこの先の惨劇を回避できる?あるんだろ策が。」

 アルノアは追体験をしたクロムを信じ、真っ直ぐ俺の目を見て質問した。その目には先程までの不安や怪しさを滲ませるものではなく、ただ俺に出来るのかと可能性を示唆するような感じがした。

「あぁ…そのために今は情報が欲しい、どこまでズレが生まれているのか知ることが出来ればこの先の道を良い方向に導かせられる。」

 俺は机の上に広がる皆が集めてくれた資料に手を置いた。
 ゲームとはまた違う展開、知っているのに初めてやるような緊張感で正直不安で押しつぶされそうだった。
 だがそれは皆も同じことだ…帝国と厄災魔獣、二つの脅威を近いうちに相手にしなければいけない。怖くなって不安になるのも当たり前だ。
 だからこそ、帝国や厄災魔獣の脅威を知っている俺がビクビクなんてしちゃダメだ。駄目なんだ…。
顔を下げ、皆に表情が見えないようにした後、軽く深呼吸をして先の見えない不安を顔に出さないように眉をひそめて顔を上げた。

「俺を信じて力を貸してくれ…この里に起きるバットエンドを回避してみせる!」

そう力強く皆に向かって希望を見出すような言葉を告げると、皆もそれに賛同し「おぉ!」と口を揃えて返事をした。

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