年増令嬢と記憶喪失

「お前みたいな年増に迫られても気持ち悪いだけなんだよ!」

そう言って思い切りローズを突き飛ばしてきたのは今日夫となったばかりのエリックである。
ちなみにベッドに座っていただけで迫ってはいない。

「吐き気がする!」と言いながら自室の扉を音を立てて開けて出ていった。

年増か‥仕方がない‥‥。

なぜなら彼は5才も年下。加えて付き合いの長い年下の恋人がいるのだから。

次の日事故で頭を強く打ち記憶が混濁したのを記憶喪失と間違われ、ならばとそのまま記憶喪失のフリをしたまま離縁しようと画策するが……
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