英雄の“豚” -異世界でこそ生き抜くために-

猫の手

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黎明期 - 誕生 -

第二話 ~ロンド・グーリフという男~

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 夢を見た。
 古い、それでいて覚えのない夢だ。
 だけど、その場所は知っている。
 ……緑生い茂る、前世でいた地球だった。

 おかしい。
 ビルも、マンションも、何もかもが元通り。
 それなのに俺は相棒の剣を握っている。
 隣には見知らぬ女性が並んでおり、都市の中には歩く人間達で溢れかえっていた。
 平和な、平和な、平和な。
 だからこそ、おかしいのだ。

 なぜ、正気を保って生きている?
 なぜ、剣を血で濡らさない?
 どうして、そう幸福に人生を歩んでいる?
 知っているのに、知らない。
 俺ですらない『俺』に、言い知れぬ恐怖感が背筋を伝う。


 不思議と、泣きたくなった。





 ■□■□■□




 ――ロンド・グーリフという男は憂鬱だった。
 国直属の騎士団団長である彼は、国を守るという大義名分を背負っているにも関わらず、友人の国王の愚痴に付き合わされるという毎日に嫌気がさしていた。
 ルドルフ・スティングレイ現国王は、元はと言えば平民で、さらにいえばロンドの親友であったのだが。
 正統の血筋がうんたらかんたらと、気づけば彼は王座についていたのだ。
 そんな彼の計らいで騎士団団長を務めることになったものの、ルドルフの中で『親友』というポジションは変わらないらしい。

 しかしロンドからすればいい迷惑である。
 ルドルフは軽い気持ちで接することは出来るが、いかに旧知の仲とはいえ王と騎士。
 うるせぇ俺には関係ねぇんだくたばれ。
 そうぶっちゃけるわけにもいかないのだ。
 そうやってズルズルと、二人揃って酒に溺れる日が続いていた。

 そうしていつかのその日に、彼の息子が生まれた。
『ユリウス・スティングレイ』第一王子だ。
 ユーリという愛称をルドルフは好き好んで使っていた。
 あまり大々的に知らされることは無かったが、ルドルフの口から彼の妃が妊娠したということは知っていたのだ。
 健康体で、医師からはなんの異常もないとされ、立派な赤ん坊が生まれてよかったな、とその時は終わった。

 ……城内のようすがおかしい。
 ロンドは騎士団長のため、団員の育成に励むが何も四六時中という訳では無い。
 散策することもよくある。
 メイドたちにも会うことは多々あるのだが、どうにもユリウスのあらぬ噂で持ち切りだった。
 やれ『彼は悪魔の子』だの、『有名な悪魔の再臨』だの好き放題だ。
 まさか、たわいごとだろう。
 そう思って気にも留めていなかった。
 その時に気づくべきだったのだろう。
 それを叱らず放置していたのは、メイドたちの瞳の奥底に恐怖が眠っていたからだ、と。

 ルドルフらに話そうかとも迷ったが、メイドも悪気あってのことではないのかもしれないと黙っていた。
 自らが確認せずしてそれを告げ口するのは違うのではないだろうか。
 一度だけ彼はユリウスに会おうとしたが、ルドルフに断られてしまった。

『お前全身毛だらけだから危ないだろう』


 意外とショックを受けたのだった。



 ■□■□■□


 ……驚いた。
 魔法があったことにもびっくら仰天だが、騎士団なんてものが存在しているだなんて。
 オラわくわくすっぞ。

「ククク、やはり我が子はかわいいなぁ!」

 俺を抱き上げる一人の男性が、俺にグリグリと顔を押し付けてくる。
 ヒゲがジョリジョリする。
 彼は俺の父親、ルドルフという男だ。

「……嫌がってるわよ。せめてヒゲを沿った方がいいんじゃないかしら」
「ヒゲは男の勲章だよ。それに嫌がるわけないもんなーユーリー」

 うぜぇ。
 まあ確かに、嫌というわけではないけど。
 ヒゲとダル絡みのごとく抱きついてくるのは、なんというか、面倒くさい中年の親父みたいだ。
 実年齢は二十歳過ぎくらいだったっけ。
 羨ましい限りである。
 結婚が早いのはいいことだ。

 チラッと聞いた話によると、この世界の成人は男女両方とも十八歳で固定らしい。
 その間の六年ごとを節目とし、盛大に祝ったりもするようだ。
 六が三つ並ぶと不吉だと聞いたことがあるが、
 この世界にはそういった都市伝説じみたことはないのだろう。
 それ以外の誕生日は、家族だけで祝うのが普通だという。
 節目の年の誕生日はパーティーや宴会に近いのだろう。

 結婚も十八歳。
 この世界じゃあ十六歳の女の子と結婚することは許されていない。
 悲しくなんてない。
 そんな可哀想な性癖は持ち合わせていないのだ。
 ……本当だぞ!

「……っとと、これはこれはスティングレイ両陛下」

 城の内部を移動していた俺たち。
 廊下の突き当たりの角から、頭を除く全身を鎧で包んだ山羊頭の男性が現れた。

「……と、ユリウス第一王子も」

 そしてペコリと小さくおじぎした。
 彼は確か……そうだ、『ロンド・グーリフ騎士団長』だ。
 気さくな性格で、メイドたちや騎士達から結構慕われてる団長さまだ。
『グーリフ』という性は彼の故郷からくるものらしく、その性を持つものはみな、山羊の獣人なんだと。
 聞くところによれば猫や犬の獣人もいるらしい。
 獣人。つまりケモミミ。
 ロンドも例に漏れず毛並みがモフモフだった。

 触りたい。
 でもルドルフは俺をロンドと遠ざける。
 そりゃあ、子供に動物(?)と触れ合わせるのは危険かもしれないが、それはヒドイっすよ。
 ペットは飼ったことはないが、いつかは飼いたいと思っていた。
 角もあるからな。
 まさぐりたい。
 ぐへへ。

「あ、相変わらず熱の篭った視線で……」
「ダメだぞユーリ。あいつは持ち前の男らしさで何人も女を食っている見た目通りの獣だ」

 なんですと。
 ならば彼は敵ではないか!

「……子供の前で言うことじゃないでしょうに。
 そう言わずとも、きっとそれぐらいユリウス様は美少年に育ちますよ。なんたって、御二方から生まれたのですからね」

 やっぱり君は味方だ。
 ナイスナイス。
 君のことはユリウスファンクラブ会員第一号と呼ぼう。
 長いからイチで。

「もー、ロンドさんったらうまいんだからぁー!」
「この野郎うまいことかわしやがって!」
「お前はもうちょっと父親らしい行動をしろ……!」

 ガツン、と篭手をつけた手でチョップされるルドルフ。
 痛そう。
 というかいいのだろうか。
 騎士が王を殴ったぞ。

「へっ……言われなくとも、『キャーパパステキー世界で一番スキー』ってユリウスに言わせてやるさ」

 涙目になりながら、頭をこするルドルフ。
 どうやらそれが許される仲らしい。
 ってか言わねぇよ。
 どこのファザコンだ。
 今までの言動で好感度下がってることに早く気づいて欲しい。
 少なくとも父親の鑑とは言えないからな。

「そうなってくれることを願うよ。
 では私はこれからも訓練があるので――」

 ああ。
 行ってしまわれるのですか?

「だから……その……」

 その毛並みをまた、堪能させてはくれないんですか?

「これで……しつ……れい……」

 ええいモフらせろ。

「抱いてみますか?」
「えっ、あっ! こ、これは……い、良いんですか?」
「何! 許さな痛ぁ!」

 拒否しようとしたルドルフの脇腹に、母親が肘を突き刺す。

「もちろん、いいに決まってるじゃないですか!」
「れ、レイラ……お前最近冷たくない?」

 それは自業自得だぞルドルフ。
 俺は知ってるぞ、若い女の子のメイドだけを集めているに留まらずいやらしい目で見つめているのを。
 レイラ……まあ俺の母親の名前なんだが、彼女が怒るのはもっともとしか言いようがないぞ。
 慎みたまえ。
 男たるもの、欲を制御しなきゃいけないんだ。
 賢者になるのじゃ、ルドルフよ。

「ハッ! 何か天啓が降りた気がする」
「なーに馬鹿な事言ってるの……ユーリ、我慢しててね?」
「んあ! あ、ああ……」

 どうやらテレパシーが通じたようだ。
 これで奴はもうメイドを視姦することはないだろう。

 ……と、冗談はさておき。
 レイラが俺を父親のところから抱き上げ、ロンドに渡す。

「お、おお……なんとも……」
「かわいいでしょ~?」
「ええ……なんというか、あったかい気持ちになります」

 やめろい恥ずかしいだろ!
 これが女相手に百戦錬磨の騎士か。
 記憶にとどめておこう。

 しかしなぁ、鎧とか着ちゃってるんだもんなぁ。
 硬い。
 色々と硬いのだ。
 もっとこう、モフモフさを楽しみたかったのだが……。


 あ。

「う!?……な、ユリウス様?」

 鎧は胴体、四肢を包み込んでいたが、首から上は外に出ていた。
 首から顎先へとスススと指をすべらせる。
 少々硬めの毛並みが、なんとも心地よかった。
 うーん幸せ。

「あら、気に入られちゃったみたいね」
「私はペットではないのですが……」

 我慢しなさいイチ。
 今まで我慢してきた分発散させてもらおう。
 ここがええんか、ここがええのんか?
『悔しい、でも感じちゃう!』ってさせちゃうぞ。
 もちろん健全な方でだ。
 全年齢対象の快楽を味わうがいい。

「ユ、ユーリ……パパにもあるぞ~」

 やめて小汚い。
 第一擦り付けて来るんだからそれで満足してほしいものだ。

「――ロンド騎士団長!」

 と、その時、後ろの方から声がかかった。
 ロンドと同じく騎士団に所属している騎士だろう。
 帯剣しているその姿は実に凛々しい。

「あっ、スティングレイ両陛下! ほ、本日はお日柄もよく……」
「いいのよ畏まらなくて」
「ハッ、し、しかし……」
「グライム、何の用だ……って、ああそうだ。
 まだ訓練が終わったわけではなかったな」

 ルドルフとレイラの姿を見て姿勢を正す騎士に、レイラは固くならなくていいと諭す。
 その後ロンドがなにか指示を出すと、『これで失礼します』といいその場を去っていった。

「……そろそろ行かねば、騎士達も心配しておられます故」
「あー、悪かったな、止めちまった」
「別にこのぐらいで怒ったりはしません」

 ロンドはふと俺の方を見て微笑む。
 そしてレイラに俺を渡す時に、顔を近づけ小声でこう言った。

(ユリウス様は、悪魔ではありませんでしたね)

 いやん急に来られるとびっくりしちゃう。
 んん? っていうか、あくま?
 なんだろう、俺がそんなに怖く見えていたのだろうか。
 女の子を襲う悪魔だぞー、って?
 やだなあそんな節操なしじゃないですよー!
 ……たぶん。

「どうかしたのか?」
「いえ、ちょっとしたおまじないです」
「どんな?」
「この子があなたに似ないようにするための、ですよ」
「……ほぉ?」

 そういえば、メイドが悪魔云々言っていた気がする。
 もしかして俺のことだったのか?
 うーむ、今のうちからでも泣いた方がいいのだろうか。
 でも泣き方なんて忘れちまったし。
 ……もうどうにでもなーれ、だ。
 どうせ実害はないだろうしな。

「では、これにて」
「また会いましょう、ロンドさん」
「チッ、いけすかねぇ野郎だぜ!」
(……!)

 パチリとロンドが俺にウインクをしてくる。
 あれがイケメンパワーか。
 前世の俺がやってもこんなセクシーさは出ないんだろうなぁ。
 今の俺は、どうなのだろうか。
 ロンドは言っていた。
 この両親から生まれてきたのだから、と。

 顔立ちは二人とも怖いぐらい整っている。
 俺もあんな感じになるのだろうか?

「……あら、今日はお祭りやっているのね」


 ま、何はともあれ最初の目標通り。


「ああ、そうだな。後からでも行くか?」
「そうね、ユーリにも見せておきたいわ」


 この世界について知るとしようか。

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