鏡結び物語

無限飛行

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鏡の了▪その六▪(コンテスト当日)

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◆コンテスト当日
コンテスト会場裏▪更衣室

「ねぇ、そこの子、どうしたの?」

「?!」
や、ヤババイ、ヤバい!
今、声をかけられたの、僕!?
どうしよう!


「どうしたの?」
「いや、あの子、着替え途中でうずくまってるから体調が悪いのかと思って声かけたんだけど……」
「えっ、大変じゃない?」

三人の半裸女子が話ながら僕に近づく。
ちょっ、どうしよう、どうしよう、何も考えられない!!


「ねぇ、アナタ。大丈夫?」
「体調が悪いの?運営に話そうか?」
「顔、上げられる?」


し、仕方ない。
いつまでもこうして居らんないから、ここは顔を上げるしかない。
ええい、ままよ!


「あ、だ、大丈夫です。ちょっと目眩がしただけですから。ですから、あの?!」
「あら、この子、可愛い?!」
「まあ、本当。中学生?」


う、うわあぁ。
揺れてる。
僕の青春が六つも、目と鼻の先でプルンプルンって揺れまくって僕の頭に血が昇る!


ブシュッ
「きゃあ!?」
「ヤダ、出血?!」
「鼻血よ、大変だわ!」

男として最高の状況なのに股間は全く無反応。でも、気持ちは天に登って有頂天。
あはは、何処に目を反らしても青春が揺れていて僕の血管が切れそう。
気が遠くなってきた。

「この子、目を回してない?」
「なら、ちょっと寝かそうか」
「そうしよう」

ふげっ!?
いきなり美人お姉さんが僕を引き倒して膝枕にした。
ふわああ、うちの姉ちゃんに無い気持ちいい香りと柔らかさ。
何だかずっとこうしていたい。
気持ち良くて何か眠い。
眠………。


「あら?寝ちゃった」
「でも、この子、可愛いいわ。凄く可愛い」
「まあ、本当だわ!」
「ちょっと、この子と競う訳?敵わないじゃない」
「いいじゃない。このコンテストはデキレース。全員のデビューは決まってるんだし」
「そうだねぇ。それぞれの特性や人気度で役柄を振り分ける為のコンテスト。モデルやタレントもあるし、アイドルコースだけが決まる訳じゃないもの」
「だけど、この子は妹に欲しいわ。だって可愛いんだもの」
「ならコンテストの後でメンバー活動枠に推薦しようか」
「いいね。多分この子、コンテスト上位に食い込んでくるよ」
「そうだね。私達の為にも、この子には頑張って貰おうか」


何か、夢の中で誰かが喋って………。







う~ん?!
目が覚めて僕はフリーズ。
目の前に大きな美人さんのお顔があって、ニッコリ笑ってる。
ええと?
あっ、そうだ!
僕は半裸のお姉さん達に囲まれて鼻血を出して気を失ったんだ。

じゃあ、僕の目の前の三人は今も半裸……いや、レオタードを着ていてくれた。
良かった~っ。
また鼻血が出ちゃうところだったよ。
は?!そうだ。
僕は着替え中だった!
自身の裸には慣れたけど、流石に裸のままじゃ恥ずかしい。
ん?
あれ?レオタードを着てる???


「こ、これ、お姉さん達が?」
「うふふ、私達が着せておいたよ。だってもうすぐコンテストが始まっちゃうでしょ」
「そうよ。アナタは間違いなくコンテスト上位にくる子だからこのまま棄権じゃつまらないじゃない」
「私達ね、アナタとアイドルユニット組みたいの。だからアナタが上位に入って、アイドルの座を不動にして欲しいのよ」

「ええーっ?!」
「私達の見立ては間違いない。アナタは必ず凄いアイドルに成れるわ」
「そうよ、だから私達が手伝ってあげる」
「だからまずは、コンテストで上位になるの。私達とね」

「あ、あの、凄い自信ですが……その、僕に……アイドルに成れ……と?」
「まあ、僕っ子なのね!」
「いい、僕っ子!」
「ギャップがいいわ、可愛いい!」

「うわっ!?」
いきなり三人のお姉さんにギュッと抱きつかれた!
な、何なの、この展開?!



「私は 連峰時 明日香れんぽうじあすか。こっちの金髪の子はバレンチーノ明日香|《あすか》。そっちが花 英恵はなはなえよ」


連峰時 明日香れんぽうじあすかさん。黒髪ロングヘア、つり目インテリ美人。
◇バレンチーノ静香しずかさん。
金髪ポニーテール、活発な感じのハーフお姉さん。
花 英恵はなはなえさん。
茶髪ショート、たれ目の優しい感じのお姉さん。
以上、三人のお姉さん。
三人揃ってのレオタード姿、映える~っ。


「私達、アナタを応援したいの。いいかしら」
「それじゃあ、また後でね」
「待ってるわよ」
「は、はい」

三人お姉さん、手を振り振り更衣室を出ていった。
何か、えらい気に入られたっぽいけど僕はコンテストは渋々だしあまり目立ちたくないんだよなあ。
まあ、あんな美人お姉さん達と仲良くなれるのはウエルカムだけどさ。


『ポーン、間もなくコンテストが始まります。参加者の方は舞台中央にお集まり下さい』


あ、そろそろ行かないと!


こうして僕の美少女コンテストが始まるのだった。
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