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鏡の亜理砂▪その八 (戦闘2)
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◆一時間後
ブスブスブスッ、パチパチパチッ
「はあっ、はあっ、はあっ、はあっ、ま、まさか、オークでキャンプ▪ファイアするとはおもわなかったわ……」
あれから小一時間、断続的に現れたオークの数は全部で19頭。それも3頭くらいずつで、数発のファイアーボールで倒せたんだけど、目の前に、うず高く積まれたオークの死骸は今さらながら圧巻だよ、まったく。
「さ、流石にもう、魔力切れか。魔力が切れかけると頭痛がするんだよね」
前に魔力切れになった時に知ったんだけど、魔力が切れかけると、えらく頭痛がするんだよ。まるで【あの日】みたいにさ。
どっちが辛いかって?そりゃ、毎月の【あの日】でしょ。魔力切れ事態は、そんなある事じゃないからね。
「ふう、どうやらオークも途切れたみたいだし、ギリギリセーフかな?」
あたしは握りしめた杖を支えにして、ズルズルとその場にヘタリ込んだ。
魔力切れは頭痛だけじゃなく、倦怠感と脱力感が出る。
「だ、駄目、今は何もする気にならない……はあああっ」
「アリサ!大丈夫ですか!?」
「ひゃう!?」
あたしが座り込んでいると、背後からマルリーサの声がした。
振り返ると、少し汚れたマルリーサが普段の顔で、あたしを見下ろしている。
「お、脅かさないでよ!見ての通りよ。全部、やっつけたわよ」
「お見事です。ずっと見てましたが、上手くいきました」
は、ずっと見てた?
「マ、マルリーサ、ずっと見てたの?」
「はい。私は全体を警戒する必要があったので、木の上から見させて頂きました。勿論、アリサが危ない時は、助けに入るつもりでした」
「え?そうなんだ。それで、今さらながらだけど、どうやってあいつらをここに呼び寄せたの?」
「怒りませんか?」
「何を?」
「…………」
黙り!?
何なのよ、もう!
「怒らない、怒らないから、言って!」
「これです」
「!?あたしのパンティ???」
「……少し、破れちゃいました」
いや、今、気にするのはソコじゃない。
え?
「それって、まさか」
「アリサの洗濯前の下着です。アリサの【あの日】の漏れが付いてるのです。効果は絶大でした。これをアリサが持ってきた釣糸に結び、リール竿?を使って、木の上から垂らしました。すぐに匂いに吊られて、近くのオークから順番に」
バッ、あたしは真っ赤になりながら、マルリーサからパンティを引ったくった。
忘れてた!マルリーサと洗濯当番を回していて、マルリーサの番だったから預けていたんだよ!
「!お、誘き寄せの方法は分かったわ。それでオークはこれで全部なの?」
「その筈です。洞穴の中はまだですが、事前に確認したオークの数はこれで全部です。ただ、警戒していたオークの上位種は確認出来ていません」
「メガオークだよね?」
「はい、ウォルフなら問題なく倒せるんですが、私達では倒せませんから」
なんでここで、ウォルフの話しが出るんだ?
「ねぇ、マルリーサ。何でウォルフの話し」
「アリサ!!!」
ドンッ
え?
いきなりマルリーサに突き飛ばされた。
何が!
ドカァッ
「ぎゃふっ!?」
マルリーサが宙に舞う。
一体、何が起きてるの!?
あたしは倒れながらも、マルリーサを目で追いながら杖を支えに立ち上がる。
「マルリーサ!!?」
ドサッ「か、はっ」、ゴロゴロッ
マルリーサは、吹き飛ばされたように地面に落ち転がった。
マルリーサ!
「ブフルルルッ」
ゾクッ、激しい悪寒が走る!?
居る!
何者かが、あたしの背後に確実にいる!
激しい悪寒と恐怖の中、ゆっくりと背後を振り返る。
すでに日は傾き、あたりは少しずつ暗くなっていたが、あたしの目でもまだ辺りはハッキリ見える。
其れなのにソイツはそこにいた。
あたし達にその気配を一切悟らせずに、いつの間にかそこにいたんだ。
ブスブスブスッ、パチパチパチッ
「はあっ、はあっ、はあっ、はあっ、ま、まさか、オークでキャンプ▪ファイアするとはおもわなかったわ……」
あれから小一時間、断続的に現れたオークの数は全部で19頭。それも3頭くらいずつで、数発のファイアーボールで倒せたんだけど、目の前に、うず高く積まれたオークの死骸は今さらながら圧巻だよ、まったく。
「さ、流石にもう、魔力切れか。魔力が切れかけると頭痛がするんだよね」
前に魔力切れになった時に知ったんだけど、魔力が切れかけると、えらく頭痛がするんだよ。まるで【あの日】みたいにさ。
どっちが辛いかって?そりゃ、毎月の【あの日】でしょ。魔力切れ事態は、そんなある事じゃないからね。
「ふう、どうやらオークも途切れたみたいだし、ギリギリセーフかな?」
あたしは握りしめた杖を支えにして、ズルズルとその場にヘタリ込んだ。
魔力切れは頭痛だけじゃなく、倦怠感と脱力感が出る。
「だ、駄目、今は何もする気にならない……はあああっ」
「アリサ!大丈夫ですか!?」
「ひゃう!?」
あたしが座り込んでいると、背後からマルリーサの声がした。
振り返ると、少し汚れたマルリーサが普段の顔で、あたしを見下ろしている。
「お、脅かさないでよ!見ての通りよ。全部、やっつけたわよ」
「お見事です。ずっと見てましたが、上手くいきました」
は、ずっと見てた?
「マ、マルリーサ、ずっと見てたの?」
「はい。私は全体を警戒する必要があったので、木の上から見させて頂きました。勿論、アリサが危ない時は、助けに入るつもりでした」
「え?そうなんだ。それで、今さらながらだけど、どうやってあいつらをここに呼び寄せたの?」
「怒りませんか?」
「何を?」
「…………」
黙り!?
何なのよ、もう!
「怒らない、怒らないから、言って!」
「これです」
「!?あたしのパンティ???」
「……少し、破れちゃいました」
いや、今、気にするのはソコじゃない。
え?
「それって、まさか」
「アリサの洗濯前の下着です。アリサの【あの日】の漏れが付いてるのです。効果は絶大でした。これをアリサが持ってきた釣糸に結び、リール竿?を使って、木の上から垂らしました。すぐに匂いに吊られて、近くのオークから順番に」
バッ、あたしは真っ赤になりながら、マルリーサからパンティを引ったくった。
忘れてた!マルリーサと洗濯当番を回していて、マルリーサの番だったから預けていたんだよ!
「!お、誘き寄せの方法は分かったわ。それでオークはこれで全部なの?」
「その筈です。洞穴の中はまだですが、事前に確認したオークの数はこれで全部です。ただ、警戒していたオークの上位種は確認出来ていません」
「メガオークだよね?」
「はい、ウォルフなら問題なく倒せるんですが、私達では倒せませんから」
なんでここで、ウォルフの話しが出るんだ?
「ねぇ、マルリーサ。何でウォルフの話し」
「アリサ!!!」
ドンッ
え?
いきなりマルリーサに突き飛ばされた。
何が!
ドカァッ
「ぎゃふっ!?」
マルリーサが宙に舞う。
一体、何が起きてるの!?
あたしは倒れながらも、マルリーサを目で追いながら杖を支えに立ち上がる。
「マルリーサ!!?」
ドサッ「か、はっ」、ゴロゴロッ
マルリーサは、吹き飛ばされたように地面に落ち転がった。
マルリーサ!
「ブフルルルッ」
ゾクッ、激しい悪寒が走る!?
居る!
何者かが、あたしの背後に確実にいる!
激しい悪寒と恐怖の中、ゆっくりと背後を振り返る。
すでに日は傾き、あたりは少しずつ暗くなっていたが、あたしの目でもまだ辺りはハッキリ見える。
其れなのにソイツはそこにいた。
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