鏡結び物語

無限飛行

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鏡の亜理砂▪その三 (冒険者)

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◆冒険者組合
亜理砂ありさ視点



「やあやあ、諸君!元気だったかね?」


「アリサ、その、今度、どうだい?俺と」
「アリサ!俺達、アリサをずっと待ってたんだ。どう?俺達のパーティーに入ってみないか?」

「こら、風の剣!アリサは俺達が先に声を掛けてたんだぞ。割り込むんじゃねぇ!」
「はあ?なんで、てめぇに言われなきゃならねんだよ!」
「うるせぇ、順番だって言ってんだよ!アリサは最初から俺たち、赤き月のもんだ!」
「誰が決めた?!」
「コノヤロウ!!」
「やあ、アリサ、僕らのパーティーにどう?女の子も居るよ」
「「誰だ?!、割り込むな!!」」



何時ものように、あたしが手を上げて冒険者組合のドアを開けると、直ぐに沢山の男共が寄ってくる。
イケメンなんか選り取り見取りだ。
ふふん、どうだロイドめ!

私がニヤニヤしていると、マルリーサが言った。
「アリサ、勘違いしないで下さい。みんな、貴重な魔法使いをパーティーメンバーに取り込みたいだけです」

「はあ、あんた、夢がないね。そこは言わないでよ」
いつもマルリーサは、あたしを現実に引き戻す。
そんな事、分かっているよ!
其処は敢えて言わないところでしょう!?
あたしはマルリーサに不満を言いながら、組合のカウンターに向かう。

壁炎へきえんの魔女、アリサ様。お待ちしておりました。今日は何を買い取りましょうか?」

カウンターの受付嬢が、にこやかに私を迎える。
壁炎へきえんの魔女は私の二つ名だ。
二つ名持ちは上位ランカーのあかしなんだよ。

ここはアスタイト王国の地方都市。
そこの冒険者組合での私の立ち位置は、上位ランカー2位。凄いと思わない?あ、もちろん、の組合の中だけだよ。王国全部の中の話しじゃないからね。



◆◇◇◇◇



王国と帝国のあいだに現れたダンジョンというモンスターの巣は、冒険者と冒険者組合に新しい資源を作りだした。

何故ならダンジョンに沸く魔獣は、魔石や様々な素材を提供してくれるからだ。
更にダンジョン内には、オリハルコンやミスリルといった、地球なら金などのレアメタルに相当する希少金属の宝庫でもある。
まさにお宝の地下洞窟なんだ。

だけど魔獣に代表される危険なモンスターの涌き出る場所でもあり、簡単に中に入り採掘する事は出来ない。
おまけに、一定割合の魔獣がダンジョン外に沸き出てくるから、冒険者組合への依頼は絶えない。


ところでこの冒険者組合。
簡単にいうと仕事仲介斡旋業者なんだけど、まだ出来て新しい。
あちこちの苦情や依頼を取り纏め、請け負う冒険者達に仕事を斡旋する業務がメイン。
その仕事は多岐に渡り、組合は成功報酬からのマージンで運営されている。

冒険者は元々、人に害を及ぼす有害なモンスターを専門に狩る狩人かりゅうど
魔獣やモンスターは昔から居て、冒険者はそれらの脅威に対抗する自警団の構成員が専業化したものらしい。

新しいダンジョンからは一定割合でモンスターが増え、今では王国と帝国双方のやっかい者になった。
これを騎士団だけで対応するのは非常に難しく、アスタイト王国では冒険者組合にダンジョンの権利を与え、定期的にモンスターを狩る事を義務付けたのである。
そして、モンスターの副産物である牙やその貴重な素材を取り引きできる市場も合わせて作った。
これ、王妃さんの提案だったらしいけど、舞さん?もしかしたら、結構なラノベ好きのオタクなのかしら!?

ま、まあいいわ。
とにかく、あたしもラノベ好きだったので、冒険者には憧れていたのよ。
でも大きく違った事は、ここには魔法使いが、あたししか居ないという事実。

冒険者の大多数は単なるただの狩人かりゅうどに過ぎず、武器と経験を積んでいくと同時に身体を鍛えていかねばそのランクを上げる事も、稼ぐ事も、生き残る事も出来ない過酷な世界。
ゲームでない現実の世界において、レベルアップは存在せず、頼れるのは自分だけ。
日々の努力を怠れば、すぐに足を掬われる。
肉体的に劣勢な女性冒険者は当然少なく、いても筋肉隆々の男性顔負けの女傑しかいない。
だから、あたしの魔法は火だけしか使えなくとも、かなりのチートと言える。
ああ、あたしが異世界から来た人間って事は冒険者仲間にはバレてない。


理由は髪色が茶髪だから。
こっちに来るまで、ずっと髪染めを使ってたんだよね。
でも、すでに3ヶ月が立ち、少しずつ黒髪が混じるようになってきてる。
また染めてもいいんだけど、こっちに良い髪染めがあるか分からないから面倒くさいし放っておくつもり。
まあ、マルリーサも黒毛だから、遠目には姉妹に見えるかな?

因みに獣人は人間の何倍も力が強いらしくて此方もチート。
マルリーサなんかジャンプすると、5~6メートルの高さまでジャンプできるし、その俊敏さは本当に舌を巻くよ。
だから前衛に最適で、あたしの魔法の間合を埋められるから、二人だけのパーティーで十分やっていける。



◆◇◇◇◇



あ、それでマルリーサが護衛兼パーティーメンバーな理由だけど、前に話した通り彼女はガルダ帝国軍の獣人奴隷部隊に所属してた。

ガルダ軍本体の囮にされ、ダンジョンから現れた凶悪な魔獣とアスタイト軍に挟まれて玉砕させられるところだったんだ。
だけどご承知の通り、あたしが炎の壁を魔獣と獣人軍の間に展開して助けた。

全滅を免れた彼らはアスタイト軍に降伏して捕虜となり、後に恩赦で王国での新たな人生を始められる様になったというた訳。
結構はしょったけど、全体の流れはそんな感じかな?

そんで、あたしがロイドとのゴタゴタを整理して晴れて自由の身になり、王都を離れて乗り合い馬車で着いた先、この地方都市テーベの町で冒険者登録した頃にふらっと現れ、あたしにパーティー組んで欲しいと言ってきた。

会ったのは冒険者組合で、パーティー募集中のプラカード出してた時。
プラカード出してたのは、ちょっと勢い。
侯爵家から解放されて気持ちがオープンになっていて、初心者冒険者丸出しだし?
まあいいかなーって、ヤっちゃった。

最初、冒険者ってのに淡い期待もあって、同世代の女の子チームに入って楽しくやろうって思ったんだけどコレ、考えが甘かったね。
すぐに集まってきたのはニヤニヤした、あたしの身体目当ての男達ばかり。
はあ?いやいや、あたしは売春婦じゃないっての!!
そんで辺りを見回したら、あたしと同世代くらいの女は胸を裸だけた売春婦風の女性が殆んど?
ええーっ!?女の子冒険者は居ないの??
慌てたあたしは登録時に首を捻っていた受付のお姉さんに聞いてみた。
それで冒頭の話しになるけど、魔法が一般的じゃない冒険者の世界。
筋肉と鍛練が全ての男臭い世界だったと知った訳。

何て事なの?!
あたしの落胆は尋常じゃなかったよ。
よくファンタジーアニメであるじゃない?
女戦士、女僧侶、女魔法使いのパーティー。
カッコよくスマートに活躍して、英雄を目指して大活躍するヤツ。
それを夢見ていたんだけど、現実は筋肉男が集う おとこの汗臭い世界だった。

おまけに魔法が無いから回復ポーションなんてあるわけない。
だから回復魔法も無いし僧侶姿の人もいない。
この国の僧侶は日本にいるお坊さんと変わらず、教会でお祈りをあげるだけ。
中には神力といって、実際に回復魔法みたいなものを使える高僧も居るらしいけど、そんな人は王都のお偉いさんだけしか相手してくれないし、神力といっても、傷の治りを早くするくらいで全然万能じゃない。

じゃあ、怪我したらどうするんだって聞いたら、町の薬師に頼るしかないらしい。
薬師はよく分からない湿布薬や飲み薬を扱っていて、町に最低一人は居るらしいけど、その効能は未知数。
だから冒険者は皆、怪我は気合いと筋肉?で治す人が殆んどだそうだ。
はやや、原始的過ぎでしょ?!

確かにこれじゃあ、よっぽど筋肉質な女性以外、冒険者には成れないよ。
プラカード上げた、あたしを売春婦と勘違いした冒険者ばかりだったのは仕方ない事だった?
こうして落胆して座り込んだ、あたしはパーティー募集のプラカードを下げたんだけど、何か一度集まった冒険者達は解散してくれない??
あたしみたいに器量良しの女がこの町にいないとか言っていて、皆があたしを巡って喧嘩を始めちゃった。
何て罪作りな
まあカッコいい男もいるし、喧嘩終わったら付き合ってもいいかって観戦してたら、その喧嘩に、ちっちゃい人影が飛び込んで全員倒しちゃった?!
ハッキリ言ってビックリだよ!


「私が勝ちました。パーティーを組んで下さい」
「は、はい?」


自分より遥かにデカイ男達を床に沈め、爽快な笑顔で握手を求める彼女。
何かの告白かと思ったけど、彼女が男だったら間違いなくオーケーしてたこの状況。
ヤバカッコいい?!
いやいやだけど、あたしの中に百合は無い。
だって子供は沢山欲しい派だからね。

そしてすんなりと握手して引き上げられた、あたしは彼女の頭の猫耳に釘付けだった。
遂に登場!ファンタジーの定番、猫耳!!
もう、あたしの目はハートマーク。
可愛くてバッチグー!
思わず彼女に抱きついて猫耳に触りまくっちゃった。

「ふにゃあああ━━━━━━っ!????」

そんで、おもいっきり泣かしちゃった。
そこからは後の祭り。
彼女は立てなくなってワンワン泣き止まず、猫耳なのにワンワン?じゃなく、なだめるのに半日かかった。
黒毛で黒髪。
160センチのあたしより小さくて、頭からの猫ミミはコスプレイヤーの小さい子ってイメージ。
なお、獣人の耳やシッポは親族か恋人関係しか触らせないが基本。
しばらく彼女から耳とシッポを警戒されたけど、後に彼女とパーティーを組めて、あたしは大満足だったんだ。

その後、彼女とパーティーを組んだ、あたしはメキメキと実績を上げ、1ヶ月後にはこのテーベ町冒険者組合の中で上位ランカーに食い込んだ。
彼女は前衛として活躍し、あたしとのマッチングはバッチグー。
もう、こうなったら怖いもの無しでしょ!
屈強な男達の中で、あたしを売春婦扱いする輩はもう居ない。
なんたって二つ名、壁炎へきえんの魔女だからね。
パーティー名は【火炎キャット】だ!
何てね。

中二病全開でした。


但し、名が売れれば売れるほど、獣人のマルリーサに対するヘイトは増えた。
獣人は元々その地位が低くて、アスタイトの人々からは煙たがれる存在なんだよね。

しかもこの国に獣人は殆んど居ない。
なのでマルリーサは否応なしに目立つ。
だからか日本の部落差別的なもので、昔からの差別と偏見が彼女に付いて回る。
獣人は魔獣の仲間とか、汚れた血とか、敵国の犬とかエトセトラ。
間違った価値観の植えつけに過ぎないんだけど、現実にマルリーサに対する回りの受け止め方はかなり深刻だと思った。
世間の常識は、地方の山間部に住む小数民族って感じだけど、ガルダ帝国に加担した悪人の印象がそれに重なってしまっている。

だけど、ガルダ帝国での獣人に対する扱いも酷かったらしく、あの戦場での囮扱いで玉砕させようとした状況からしてあの国はクズだね。
ガルダ帝国は、その人より強い力を兵器として利用したけど普段は奴隷か家畜扱い。
おまけに裏切り防止に、彼らの故郷が人質に取られていた。

だから情状酌量の余地があるとして、アスタイト王国は捕虜にした獣人達を戦犯として罪に問わず、ガルダ帝国の被害者として解放し王国に住む事を許可した。

随分寛大な処置だったけど、彼らが直接王国兵士を殺害していなかった事がその理由として大きい。
要所で獣人部隊にアスタイト王国は苦しめられたけど、彼らは力で兵士達を吹き飛ばすだけで、殺された兵士はいなかったんだ。

でも戦略的に獣人部隊の攻撃で、アスタイト王国軍の進軍を防がれたのは事実で、その悪評は王国軍に所属した者であれば、知らない者はいなかった。
だから処罰すべし、との声が無かったわけではない。

でも、ダンジョンからモンスターが定期的に溢れ、王国軍でも手に余る様になると、戦闘力に長けた獣人を無罪放免にして王国に住まわせ、冒険者としてその力を有効利用した方が良いとの意見が大勢たいせいを占めたのだ。
さらに、ガルダ帝国で人質にされていた獣人の家族も、ガルダ帝国の政変で解放され、奴隷自体も無くなり、アスタイト王国にそのまま定住した獣人は増えた。

この流れを作ったのは、あたしの最初の意向で彼らを処刑から無罪放免にお願いした事。
だけど、最後に恩情決定したのは王様とお妃様の力だ。
いかに、あたしの意向があったとはいえ、ココまでの形は出来なかったよ。
流石と、あたしは拍手喝采したね。

だけど、獣人を差別的に見る人間は後をたたないんだ。
なかなかに複雑な問題だよね。




「ホーンウルフ三匹。その証拠の牙と片耳です」
「B級モンスターを同時に三匹、流石にランカー2位、 炎壁えんへきの魔女さんですね」


受付嬢がニッコリして、あたしの二つ名で確認した素材を受け取った。
けど、二つ名で呼ぶのは止めてほしい。
ハッキリ言って中二病だし、やたら注目を受ける。

それにマルリーサまで目立ってしまう。
マルリーサは今、あたしの後ろに控えているから何も言われないけど、一人ていると絡んでくる冒険者はそれなりにいる。
あたしが文句を言うと引き下がってくれるけど、獣人への偏見をぶつけてくる人は多い。
困った話しだよ、全く。



◆◇◇◇◇



「何?マルリーサ、あたしに冒険者は向いてないって?」

それで、彼女とパーティーを組んで間もない頃、唐突にマルリーサがこんな事を言ってきたんだ。
もちろん、あたしは反論した。
そりゃあ予想外な男世界。
最初から浮いてるし、マルリーサが言うのも分かる。
けど、コッチは好きでやってるんだ。
好きで憧れて冒険者に成れてハッピーって思ってる。
本人が満足してるのに、いきなり向いてないは無いよ。
それにあたしは、一度始めた事は最後までヤり通す主義。
中途半端は一番嫌いな言葉だ。
このテーベ町冒険者組合で、一定以上の名を残す。
そうでないと止められない、あたしはマルリーサにそう返した。
すると彼女は大きな溜め息をしてから、こう言ったんだ。

「はあ~っ、分かりました。では今から、私は貴女の護衛を務めさせて頂きます。今後は私の指示に従って下さい」
「護衛?指示?マルリーサは、あたしのパーティーメンバーだよ。それは対等な立場だし、仲間であり友達でしょ?違うの??」

「貴女は自身の置かれた状況に理解がありません。モンスターや魔獣は大変危険だし、こんな血に飢えた男供の中で、簡単に手折れそうなその華奢な身体。彼らは貴女を取り込もうとパーティー同士で牽制しあってます。いつ何時、襲ってくるかは分かりません」
「えーと、マルリーサ?今、魔獣の話しをしてる?それとも冒険者達の話し?」

「両方です」
「あ、ははは、両方、かあ」

淡々と無表情に答えるマルリーサは、話した事を撤回するつもりは無い様だ。
確かにマルリーサの考えは分かる。
町の宿に宿泊していて思ったのは、あたしが魔法使いって判ってからは、やたらとストーカーが増えた事だ。

マルリーサがあたしに黙って処理してるみたいだけど、あたしには大体分かってる。
あたしは、この世界に来て魔法が使えるようになってから、他人の中の魔力を感じる事が出来る様になっている。
魔獣や人が何処に隠れようとも、あたしの数十メートルの範囲に近づけば、直ぐに解るのだ。
マルリーサもそうみたいだけど、彼女の場合は臭いとか音かな。獣人だもんね。

それでこのストーカー連中、ようはパーティーに取り込もうと画策していて、手っ取り早くメンバーの誰かが、あたしと男女の仲になればいいってところかな?
一番安上がりだし、確実な方法だからね。


「そこは、あたしも馬鹿じゃない。近づいてる皆の中に、そんな思惑があるのは十分判ってる。だけどそんなのは、魔法使いうんぬんでなくとも日常的にある話しでしょ?けど、あたしは、そーいうのも含めて冒険者の醍醐味だと思うのよ。だから、向いてる向いてないじゃない。好きだからヤってるのよ」
「アリサの貞操感が軽過ぎです。もっと自身を大事にして欲しいです」

「マルリーサは幾つよ?」
「年齢の事でしょうか?今度、50になります」

「え?聞き間違いかな?あたしより年下に見えるんだけど?」
「私達獣人は人間より長寿です」

「長寿、なんだぁ」

はい、新事実発覚。
獣人は人間より長寿!
どれくらいかというと、約倍だそうだ。
え?寿命200年?
なんか羨ましいんだけど。

「とにかく私が貴女の護衛です。私の言葉に従って下さい」
「マルリーサ、何で急に護衛な訳?本当の理由を教えてよ」

「理由はありません。アリサが危なっかしいからです。年上の言う事を聞いて下さい」

相変わらず無表情を通すマルリーサ。
あたしの感ではマルリーサは何かを隠してる。だけど言うつもりは無いようだ。
それにマルリーサの言葉にも一理ある。

冒険者組合のフロアで、ヒョイヒョイ男達の誘いに乗ろうとする、あたし。
いいじゃん!恋多き乙女なんだから。

けど、それを制するのはいつもマルリーサ。だから【危なっかしい】は事実だもんね。
こうしてマルリーサは、あたしの護衛兼パーティーメンバーになった。
だけど、その内に隠した理由は後で判る事になるんだよね。



◆◇◇◇◇



「ヤッホー。今日も絶好調、壁炎へきえんの魔女、亜理砂ありさでーす!」


「うおおお!俺のアリサ、おはよう!!」
「待て待て待て!?誰が俺のアリサだ?」
「はあ?昔からアリサは俺の女だぜ!」
「馬鹿野郎!お前ら、アリサは今俺と付き合ってんだ。手ぇ出したら殺すぞ!!」
「「はあああ━━━━━━━━━?!」」

「アリサ…………」
「あはははっ。みんな、仲良くだよーっ」


いつもの冒険者組合での朝の挨拶。
手を振りながら挨拶するあたしに、たむろってた冒険者達は一斉に声を上げる。
背後のマルリーサと娼婦達からは冷気と軽蔑の視線が痛いけど、あたしは気にしない。



ガタンッ
そんな中、冒険者組合のドアが開いた時、組合内の待合所は一瞬、静寂が訪れた。


この冒険者組合のランカー1位、ウォルフが現れたからだ。
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