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鏡の亜理砂▪その一 (物語は次の冒険へ)
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白井 千鶴 視点
「千鶴ーっ!!」
「あ、亜理砂ーっ!」
東京駅、銀ノ鈴で待ち合わせた私は、久しぶりに高校時代の友人に会う事が出来た。
亜理砂は小学校からの友人で、中学、高校と長い付き合いだ。
ぱんっ
私達は手を叩き合って挨拶した。
「久しぶりっ!元気だった?」
「あたぼうよ。あたいは、いつも元気はつらつさ」
花の絵柄が可愛いい、春っぽいワンピースを着た彼女。
星屑 亜理砂は、高校卒業と同時に、大阪の大学に入学した。
今日は、久しぶりの帰省だ。
「亜理砂、相変わらずだね」
「そりゃ、こっちのセリフ、と、言いたいところだけど」
亜理砂は、私の顔の間際まで、顔を寄せてきた。
「な、何よう?」
「まさか、宇宙人や幽霊ばかり追いかけていたアンタが男を捕まえるなんてね。隕石でも落ちてきそう」
「ええ、酷!?」
「取り敢えず、スタバに行こ。そういえば、あんたの幼馴染み、その後、見つかったの?」
「ううん、見つからない」
「そうなんだ、あんたの彼氏でも駄目なんだ。たしか、探偵だっよね」
「うん…多分、ここには居ないから」
「え?」
「あ、いや、何でもない。行こ」
「何なのよう、もう!?」
私は彼女の手を引いて、その場を離れた。
▩▩▩▩▩▩▩▩▩▩▩▩▩▩▩▩▩▩▩▩
高校二年の春、幼馴染みの笹川 舞が一回目の失踪した。
その15日後、ガレージで発見された彼女は重傷を負っていた。
一時、生死の境をさ迷った彼女だったが、この国の先進医療が彼女を死の淵から引き上げた。
その後、全快した彼女だったが、行方不明時の記憶を喪失しており、彼女の不明時の足取りを確認する事は出来なかった。
月日は流れ高校三年になった春、彼女が拘っていた姿見が保管されている舞の祖父のガレージを、彼女の叔父が解体しようとした。
それで、舞を呼び出した私は、弟と彼女で姿見を安全な場所へ移動したのだ。
鏡への拘りすら忘れていた舞だったが、私の行動に疑問を感じながらも、ガレージの鍵を持って私の行動に賛同してくれた。
ガレージから移動した姿見は、取り敢えず彼女の学生寮に保管して貰った。
その後も舞の記憶は戻らなかったが、ある時に私の弟が、姿見の装飾部品に足りない部分がある事に気がついた。
弟の機転で、その部品がかつて舞の捜索を依頼した探偵、武智 小五郎さんが持っている可能性を推測。
三人で彼の事務所を訪問し、彼に部品の在りかを確認したところ、間違いでトレンチコートのポケットに入っているのを発見する。
だが、彼がその装飾部品を取り出した時、突然、舞がソレを奪い、事務所から飛び出した。
私達は彼女の足取りを追ったが、彼女は高校の寮の自分の部屋に戻ったらしく、彼女が奪った部品は、彼女の部屋に保管していた例の姿見に取り付けてあったのだ。
しかしその日を境に彼女の姿は何処かに消え失せてしまい、一切の消息が断たれてしまった。
再び警察と小五郎さんにも捜索をお願いしたが、舞を発見する事は出来無かった。
そして私は舞の寮の部屋にあった件の姿見を引き取り、彼女が戻るのを待ったが、今も彼女の消息は分からず仕舞いになっている。
そして3年の月日が流れ、私は大学2年になっていた。
▩▩▩▩▩▩▩▩▩▩▩▩▩▩▩▩▩▩▩▩
カランッ
「それでさ、聞いてくれる?私を振った、あいつ、その時、何て言ったか分かる?『真実の愛に目覚めたから、君とは別れよう』だって。ださ、小説の見すぎだって」
亜理砂がソイラテをスズッとストローで吸い込んだ。
「んー、亜理砂のような器量良しを捨てる男なんて、この世の中にいるんだ?」
「おーっ、流石、千鶴。あんただけだよ。そう言ってくれるの。はぁ、どっかにちゃんと私の事、見てくれる人居ないかなぁ。千鶴、どう思う?」
あ、嫌な雰囲気。
高校時代も、こうやって男に振られると、私に泣きついてきたんだった。
彼女は見た目、出るところ出ている女らしさがムンムンしてる女の子。
顔は端正だし茶髪にしていて、ちょっと芸能人にいそうな美女タイプ。
高校時代からかなりモテて、一時ボーイフレンドは片手に収まらなかった。
だけど男運が無いみたいで、みんな性格が後で合わない。
私の知る限りだけど、男に振られたのは今回で10人目。
現在、絶賛記録更新中。
それで亜理砂のこのパターンは、また何か頼み事のパターンだ。
「さ、さあ?きっと直ぐ、見つかるんじゃないかな?」
「そうだ、千鶴!弟君いたよね。紹介して!」
「ええ!?まだ、高三だよ!」
「よし決まり、今週一杯、千鶴んとこ、泊まるわ」
「ちょっと、何でそーなるかな!?」
結局、強引な亜理砂に押しきられる形で、私は彼女を自宅に泊める事になった。
◆◇◇◇◇
「了、此方、星屑 亜理砂さん。私の友人だから、失礼のないようにね。今週一杯、うちに泊まるから」
「星屑 亜理砂です。宜しくねーっ」
「あ、どうも。了って言います。高三なんで受験勉強中です。忙しいので、これで失礼します」
私は、了を彼女に紹介した。
けれど、了はまったく意に介さず、挨拶もそこそこに、自室に籠ってしまった。
「ちょっと、了!失礼でしょ、聞いてる?」
「あーっ、いいよ。あれ、傷心の顔だもん。無理じゃん。いまだに振られた相手が忘れられないって顔じゃん。それに、千鶴の弟だから期待通りの甘いマスクだけど、あれだけ影があると流石に引くわ」
「はあ、甘いマスクって、何を期待してたの?けど、影って単に受験で暗いだけだよ」
「はぁ、あんた、彼氏が出来た割にそのド天然。全然治ってないわね。まあ、振られた経験が無いから仕方ないけど」
「んん?なんか、褒められてる?」
「━━━━っ!はぁ、もういい。なんか疲れたわ。ところで、あんたの部屋にある、このバカデカイ姿見、なんなの?」
「ああ、ちょっとね。友達の形見みたいな」
「形見って何なのよ、形見って!?」
「ん~、ちょっと預かってるだけ?」
「はあ?なんで疑問系!?あ、ねぇ、ここ、なんか不自然じゃない?」
彼女が指差したところは、姿見の装飾品の一部が、外れて床に落ちていた。
「ああ、それ、姿見の装飾品の一部なんだけど、取り付けても、また、直ぐ外れちゃうのよ」
カチッ
私は、そういいながら、そのタイル状の部品を姿見の装飾部に取り付けた。
「ふ~ん、そうなんだ。あ、そういえば3年前に2度も盗まれた、イギリス王室の秘宝【天使の涙】だけど、元々、大正時代に日本から持ち出された物で、イギリスに日本政府が返還要求を出していた物なんだって」
「ちょっ、なんでいきなり秘宝の話しになるの?」
「だって前に、あんたの彼氏が盗まれた秘宝を取り戻したって、自分で自慢してたじゃない。さっき、ニュースでやってたんだよ」
「それって、元々の持ち主は……」
「あーっなんていったかな?笹川 芳之助?これ、偽名らしくて、日本に帰化した外国人らしいけど、何人かも分かんないらしいよ」
「?!」
それって、やっぱり舞の曾祖父の事で、向こうの世界の人だったんじゃ……。
「ところでさ、これ、鏡だよね?」
「そうだけど」
「ならさ、なんであたしら、映らないんだ?」
「え?」
まさか。
「なんか、倉庫みたいな場所が映ってるんだけど?わ、!」
「な、何?何が見えるの!?」
「あ、どうも。なんか、北欧系金髪イケメンが、ビックリした顔で挨拶してくるんだよ。これ、相互通信用液晶パネル?」
「あ、あの、聞いてくれる?!まいは、笹川 舞は、ソチラに居るかって!」
「まい?あ、ええと、そっちに、まいって子、居るかなって、友達が聞いてくれって。え?マイ▪フォン▪アスタイト王妃の事か?って」
「マイ▪フォン▪アスタイト?王妃?」
「あ、ん、黒い髪で黒目の子で、今年、二人目の王子を産んだ人だって。なんでも、この鏡の世界から来た方だって言ってるよ。この人、中二病の人?」
「間違いない、舞だ!!え、二人目の王子を産んだ……ええ?」
「なんか、訳あって離れ離れになったけど、無事、再会して王様と結婚したんだと。ロマンス小説みたいじゃん、いいね。そういうの!」
そっか、やっぱり舞は異世界に行ってたんだ。
そして、ちゃんと幸せになれたんだね。
しかも、王様と結婚して子供まで居るって!?
「え、あたし?な、何、一目惚れって、何よう、こんな友達の前で恥ずかしいじゃん」
「え、亜理砂、どうしたの?」
なんか、亜理砂が真っ赤になって、モジモジしてるっ?!
「ん、なんか、いきなり結婚してほしいって言われてる……」
「え、え━━━━━っ!?」
「え、貴族?ん、ん、平民との結婚は親がうるさい?」
「え、何なの?」
「なんか、身分制度があるから、向こうで何処かの養女にならないといけないって。は、めんどくさ。このままでも、いいじゃん?」
え、封建制度的な?ん?
「ねぇ、まさかと思うけど、亜理砂、乗り気なの?」
「もちろん!ロイド▪ハミルトン!あたしをこのまま、受け入れてよ!」
「ええ!?」
「ねぇ、男でしょ!はっきりしなさいよ。さっき一目惚れって言ったじゃん。あたしもアンタに一目惚れって事で相思相愛?」
ど、どうなるの!?
私が亜理砂の成り行きを見ていると、彼女が私を見てニヤリとした。
それって?
「今、転移用の魔道具を送るって、あ、来た!」
ピカッ
突然、姿見の上部が光り、何処かで見た事のあるネックレスがゆっくりと落ちてくる。
あ、あれ【天使の涙】だ!?
それをジャンプして、亜理砂が掴む。
「じゃ、ちょっと行ってくる。家には、しばらく帰らないって言っておいて!」
「え!?ちょっと!」
「えい!」
ぽーんっ
亜理砂は、そのまま、輝く鏡の中に飛び込んで行ってしまった。
「ちょっと、亜理砂ーっ?!」
その後、私の部屋は異世界の出入り口に、なったとか、ならなかったとか!?
fin ???
「千鶴ーっ!!」
「あ、亜理砂ーっ!」
東京駅、銀ノ鈴で待ち合わせた私は、久しぶりに高校時代の友人に会う事が出来た。
亜理砂は小学校からの友人で、中学、高校と長い付き合いだ。
ぱんっ
私達は手を叩き合って挨拶した。
「久しぶりっ!元気だった?」
「あたぼうよ。あたいは、いつも元気はつらつさ」
花の絵柄が可愛いい、春っぽいワンピースを着た彼女。
星屑 亜理砂は、高校卒業と同時に、大阪の大学に入学した。
今日は、久しぶりの帰省だ。
「亜理砂、相変わらずだね」
「そりゃ、こっちのセリフ、と、言いたいところだけど」
亜理砂は、私の顔の間際まで、顔を寄せてきた。
「な、何よう?」
「まさか、宇宙人や幽霊ばかり追いかけていたアンタが男を捕まえるなんてね。隕石でも落ちてきそう」
「ええ、酷!?」
「取り敢えず、スタバに行こ。そういえば、あんたの幼馴染み、その後、見つかったの?」
「ううん、見つからない」
「そうなんだ、あんたの彼氏でも駄目なんだ。たしか、探偵だっよね」
「うん…多分、ここには居ないから」
「え?」
「あ、いや、何でもない。行こ」
「何なのよう、もう!?」
私は彼女の手を引いて、その場を離れた。
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高校二年の春、幼馴染みの笹川 舞が一回目の失踪した。
その15日後、ガレージで発見された彼女は重傷を負っていた。
一時、生死の境をさ迷った彼女だったが、この国の先進医療が彼女を死の淵から引き上げた。
その後、全快した彼女だったが、行方不明時の記憶を喪失しており、彼女の不明時の足取りを確認する事は出来なかった。
月日は流れ高校三年になった春、彼女が拘っていた姿見が保管されている舞の祖父のガレージを、彼女の叔父が解体しようとした。
それで、舞を呼び出した私は、弟と彼女で姿見を安全な場所へ移動したのだ。
鏡への拘りすら忘れていた舞だったが、私の行動に疑問を感じながらも、ガレージの鍵を持って私の行動に賛同してくれた。
ガレージから移動した姿見は、取り敢えず彼女の学生寮に保管して貰った。
その後も舞の記憶は戻らなかったが、ある時に私の弟が、姿見の装飾部品に足りない部分がある事に気がついた。
弟の機転で、その部品がかつて舞の捜索を依頼した探偵、武智 小五郎さんが持っている可能性を推測。
三人で彼の事務所を訪問し、彼に部品の在りかを確認したところ、間違いでトレンチコートのポケットに入っているのを発見する。
だが、彼がその装飾部品を取り出した時、突然、舞がソレを奪い、事務所から飛び出した。
私達は彼女の足取りを追ったが、彼女は高校の寮の自分の部屋に戻ったらしく、彼女が奪った部品は、彼女の部屋に保管していた例の姿見に取り付けてあったのだ。
しかしその日を境に彼女の姿は何処かに消え失せてしまい、一切の消息が断たれてしまった。
再び警察と小五郎さんにも捜索をお願いしたが、舞を発見する事は出来無かった。
そして私は舞の寮の部屋にあった件の姿見を引き取り、彼女が戻るのを待ったが、今も彼女の消息は分からず仕舞いになっている。
そして3年の月日が流れ、私は大学2年になっていた。
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カランッ
「それでさ、聞いてくれる?私を振った、あいつ、その時、何て言ったか分かる?『真実の愛に目覚めたから、君とは別れよう』だって。ださ、小説の見すぎだって」
亜理砂がソイラテをスズッとストローで吸い込んだ。
「んー、亜理砂のような器量良しを捨てる男なんて、この世の中にいるんだ?」
「おーっ、流石、千鶴。あんただけだよ。そう言ってくれるの。はぁ、どっかにちゃんと私の事、見てくれる人居ないかなぁ。千鶴、どう思う?」
あ、嫌な雰囲気。
高校時代も、こうやって男に振られると、私に泣きついてきたんだった。
彼女は見た目、出るところ出ている女らしさがムンムンしてる女の子。
顔は端正だし茶髪にしていて、ちょっと芸能人にいそうな美女タイプ。
高校時代からかなりモテて、一時ボーイフレンドは片手に収まらなかった。
だけど男運が無いみたいで、みんな性格が後で合わない。
私の知る限りだけど、男に振られたのは今回で10人目。
現在、絶賛記録更新中。
それで亜理砂のこのパターンは、また何か頼み事のパターンだ。
「さ、さあ?きっと直ぐ、見つかるんじゃないかな?」
「そうだ、千鶴!弟君いたよね。紹介して!」
「ええ!?まだ、高三だよ!」
「よし決まり、今週一杯、千鶴んとこ、泊まるわ」
「ちょっと、何でそーなるかな!?」
結局、強引な亜理砂に押しきられる形で、私は彼女を自宅に泊める事になった。
◆◇◇◇◇
「了、此方、星屑 亜理砂さん。私の友人だから、失礼のないようにね。今週一杯、うちに泊まるから」
「星屑 亜理砂です。宜しくねーっ」
「あ、どうも。了って言います。高三なんで受験勉強中です。忙しいので、これで失礼します」
私は、了を彼女に紹介した。
けれど、了はまったく意に介さず、挨拶もそこそこに、自室に籠ってしまった。
「ちょっと、了!失礼でしょ、聞いてる?」
「あーっ、いいよ。あれ、傷心の顔だもん。無理じゃん。いまだに振られた相手が忘れられないって顔じゃん。それに、千鶴の弟だから期待通りの甘いマスクだけど、あれだけ影があると流石に引くわ」
「はあ、甘いマスクって、何を期待してたの?けど、影って単に受験で暗いだけだよ」
「はぁ、あんた、彼氏が出来た割にそのド天然。全然治ってないわね。まあ、振られた経験が無いから仕方ないけど」
「んん?なんか、褒められてる?」
「━━━━っ!はぁ、もういい。なんか疲れたわ。ところで、あんたの部屋にある、このバカデカイ姿見、なんなの?」
「ああ、ちょっとね。友達の形見みたいな」
「形見って何なのよ、形見って!?」
「ん~、ちょっと預かってるだけ?」
「はあ?なんで疑問系!?あ、ねぇ、ここ、なんか不自然じゃない?」
彼女が指差したところは、姿見の装飾品の一部が、外れて床に落ちていた。
「ああ、それ、姿見の装飾品の一部なんだけど、取り付けても、また、直ぐ外れちゃうのよ」
カチッ
私は、そういいながら、そのタイル状の部品を姿見の装飾部に取り付けた。
「ふ~ん、そうなんだ。あ、そういえば3年前に2度も盗まれた、イギリス王室の秘宝【天使の涙】だけど、元々、大正時代に日本から持ち出された物で、イギリスに日本政府が返還要求を出していた物なんだって」
「ちょっ、なんでいきなり秘宝の話しになるの?」
「だって前に、あんたの彼氏が盗まれた秘宝を取り戻したって、自分で自慢してたじゃない。さっき、ニュースでやってたんだよ」
「それって、元々の持ち主は……」
「あーっなんていったかな?笹川 芳之助?これ、偽名らしくて、日本に帰化した外国人らしいけど、何人かも分かんないらしいよ」
「?!」
それって、やっぱり舞の曾祖父の事で、向こうの世界の人だったんじゃ……。
「ところでさ、これ、鏡だよね?」
「そうだけど」
「ならさ、なんであたしら、映らないんだ?」
「え?」
まさか。
「なんか、倉庫みたいな場所が映ってるんだけど?わ、!」
「な、何?何が見えるの!?」
「あ、どうも。なんか、北欧系金髪イケメンが、ビックリした顔で挨拶してくるんだよ。これ、相互通信用液晶パネル?」
「あ、あの、聞いてくれる?!まいは、笹川 舞は、ソチラに居るかって!」
「まい?あ、ええと、そっちに、まいって子、居るかなって、友達が聞いてくれって。え?マイ▪フォン▪アスタイト王妃の事か?って」
「マイ▪フォン▪アスタイト?王妃?」
「あ、ん、黒い髪で黒目の子で、今年、二人目の王子を産んだ人だって。なんでも、この鏡の世界から来た方だって言ってるよ。この人、中二病の人?」
「間違いない、舞だ!!え、二人目の王子を産んだ……ええ?」
「なんか、訳あって離れ離れになったけど、無事、再会して王様と結婚したんだと。ロマンス小説みたいじゃん、いいね。そういうの!」
そっか、やっぱり舞は異世界に行ってたんだ。
そして、ちゃんと幸せになれたんだね。
しかも、王様と結婚して子供まで居るって!?
「え、あたし?な、何、一目惚れって、何よう、こんな友達の前で恥ずかしいじゃん」
「え、亜理砂、どうしたの?」
なんか、亜理砂が真っ赤になって、モジモジしてるっ?!
「ん、なんか、いきなり結婚してほしいって言われてる……」
「え、え━━━━━っ!?」
「え、貴族?ん、ん、平民との結婚は親がうるさい?」
「え、何なの?」
「なんか、身分制度があるから、向こうで何処かの養女にならないといけないって。は、めんどくさ。このままでも、いいじゃん?」
え、封建制度的な?ん?
「ねぇ、まさかと思うけど、亜理砂、乗り気なの?」
「もちろん!ロイド▪ハミルトン!あたしをこのまま、受け入れてよ!」
「ええ!?」
「ねぇ、男でしょ!はっきりしなさいよ。さっき一目惚れって言ったじゃん。あたしもアンタに一目惚れって事で相思相愛?」
ど、どうなるの!?
私が亜理砂の成り行きを見ていると、彼女が私を見てニヤリとした。
それって?
「今、転移用の魔道具を送るって、あ、来た!」
ピカッ
突然、姿見の上部が光り、何処かで見た事のあるネックレスがゆっくりと落ちてくる。
あ、あれ【天使の涙】だ!?
それをジャンプして、亜理砂が掴む。
「じゃ、ちょっと行ってくる。家には、しばらく帰らないって言っておいて!」
「え!?ちょっと!」
「えい!」
ぽーんっ
亜理砂は、そのまま、輝く鏡の中に飛び込んで行ってしまった。
「ちょっと、亜理砂ーっ?!」
その後、私の部屋は異世界の出入り口に、なったとか、ならなかったとか!?
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