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「先生の言うとおりになった」
坂本龍馬が話しかけてきた。
「まだ終わりではないわ」
「そりゃどういうことやか?」
「長州はまだ国に反旗を覆すつもりよ」
幕府はもうない。それなのに、長州は諦めてなかった。
「先生は何を知っちゅーがかえ?知っちゅーやったらどいて、止めんがかえ?」
「止められるほど長州の恨みは軽くないと言うことよ。長州は徳川を潰したいのよ」
260年間の恨みがそうそう簡単に消えるわけがない。一度、爆発してしまえば尚のこと。
「長州の恨みとはなんぞね?」
「関ヶ原の戦いで負けたこと。その後260年間に渡って幕府から無理難題を押し付けられたことよ」
坂本龍馬、あなたにはそんな長州を止める術がある?
「そがなんでか?」
「そうよ」
「先生はどうしたらえい思うか?」
「恭順しかないわね。天子様に許しを乞うしかないわ」
幕府が無くなり、国家の体制が変わった。それなのに長州の動きは変わらなかった。長州は中央集権の政治の中に入り込みたい思いもあるのだろう。だけど、今の長州では無理だ。武力で押し切る時代は終わった。
国家は長州に対して、此度の事件のこと責任を取るように通達してあるが、長州は無視をしてる。今の国家を長州は認めてないのだ。
「先生はげに何者かえ?まるで未来を知っちゅーかのようや」
その通り未来を知ってるのよ。それは私だけじゃない。需要人物も知ってることなの。そのため、こちらは先手先手を打ってでることが出来た。
「坂本、俺の嫁といつまで話しておる?」
「申し訳ござらん」
坂本龍馬は私たちに頭を下げると去っていた。
「家茂様、嫉妬ですか?」
「そうだ。俺の可愛い嫁が他の男と話してたら嫉妬もする」
ふざけて言ってみただけなのに、真面目な答えが返ってきて、私が赤面した。
「俺の可愛い嫁子。俺とデートしないか?」
「ご政務は?」
「今日は終わった」
最近、家茂様は忙しくしていたから、共にいられるのは嬉しい。家茂様と一緒に江戸の町を散策する。開国を大体的にしたため江戸の町にも外国製があった。また人々も洋服を着てる人がチラホラといる。
「麗奈。あそこで茶にしよう」
家茂様が言ったのは1軒の喫茶店。中に入ってメニューを見ると洋菓子をメインにしてるお店だった。コーヒーもある。
「家茂様……」
「麗奈にとっては懐かしい味だろ?」
「ありがとうございます」
私のことを思ってくれてることに嬉しくなる。私はケーキとコーヒーを頼んだ。家茂様も私と同じのを頼んでる。私の好きな物を一緒に味わいたいと。未来の生クリームと少し違うが、それでも美味しかった。家茂様は持ち帰り用に一つ頼み、一さんの墓参りする。
「斎藤も食せ。麗奈の故郷の味だ」
そう言ってケーキを添えた。
一さん、日本は変わりました。武士の世は終わりました。まだ安寧した世とは言えませんが、日本の未来は明るいです。家茂様も天皇も日本を強国にするため奮闘しております。そんな家茂様のお子を授かりました。未来で沢山の人を殺めてきた私がこんなに幸せでいいのか不安になる日々ですが、一さんが命を掛けて助けてくれたこの命、大切にしていきたいと思います。
「麗奈、行くぞ」
「はい」
家茂様を手を取り、デートの続きをする。
「デパートもほしいし、テーマパークも欲しいな。それから動物園に水族館も」
「家茂様?」
「そうすれば沢山デート出来るであろう?」
「そうですね」
まだまだやりたいことがある。しなくてはいけないこととある。私たちがこうして平和にしていられるけど、京ではまだ不安な日々が続いてる。新撰組の他にも警備隊、国軍が京には送られていた。いつ戦火がきられてもおかしくない。
そして遂に禁門の変が起きた。長州は国軍に刃を向けた。これで国賊となる。長州が火を放つのは分かっていたので六角獄舎の罪人は全て移動させてあった。消化隊も多く配属させておいたが、あらゆるところを放火され手に負えない状態になる。数日間に及ぶ戦闘は国軍の勝利で終えて、追撃に転じた。国家はここで長州を征服する策に出る。長州まで国軍を進め、主要人物たちを捕縛した。捕縛された主要人物たちは江戸へと連行される。彼らは国家に反旗を覆したわけではない。自分たち徳川を潰したかっただけだと主張した。幕府はなくなっても徳川が首相であることが気に入らなかったようだ。ただたんの怨念。そのために沢山の人が亡くなった。
「終わりましたね」
「麗奈よ。終わりではない。始まりだ。ここから新たな日本が始まる」
家茂様は先を見据えている。私も頑張らないとな。
家茂様は10年首相を務めた。そして次の人に繋いだ。
「さて麗奈よ。約束を果たそう」
私たちは世界を旅した。植民地になってるところは危険だから避けたが、行けるところは赴いた。子供たちも一緒だから勉強のためひとつの国に2~3年いる。
外国の様子を天皇や土方歳三、桜さんに送った。凛ちゃんは己の所業を理解出来たみたいで錯乱状態に一時陥ったという。凛ちゃんの希望で土方歳三とは離縁して凛ちゃんは尼僧になった。生涯かけて山南敬助に謝罪するとのこと。凛ちゃんと離縁した土方歳三は桜さんを正式な妻とした。新撰組はそれぞれ国軍に入る人、警察になる人と別れ新撰組もその役目を終える。
私が未来からもたらしたものは大分未来を変えた。史実より早く亡くなる人もいた。永らえる人もいる。それがいいのか悪いのか分からない。それは後世の人が決めるだろう。
ただ、今私が言えることは幸せであること。
この幸せが続くことを祈る。
「麗奈」
「はい、家茂様」
それは貴方と共にーー。
坂本龍馬が話しかけてきた。
「まだ終わりではないわ」
「そりゃどういうことやか?」
「長州はまだ国に反旗を覆すつもりよ」
幕府はもうない。それなのに、長州は諦めてなかった。
「先生は何を知っちゅーがかえ?知っちゅーやったらどいて、止めんがかえ?」
「止められるほど長州の恨みは軽くないと言うことよ。長州は徳川を潰したいのよ」
260年間の恨みがそうそう簡単に消えるわけがない。一度、爆発してしまえば尚のこと。
「長州の恨みとはなんぞね?」
「関ヶ原の戦いで負けたこと。その後260年間に渡って幕府から無理難題を押し付けられたことよ」
坂本龍馬、あなたにはそんな長州を止める術がある?
「そがなんでか?」
「そうよ」
「先生はどうしたらえい思うか?」
「恭順しかないわね。天子様に許しを乞うしかないわ」
幕府が無くなり、国家の体制が変わった。それなのに長州の動きは変わらなかった。長州は中央集権の政治の中に入り込みたい思いもあるのだろう。だけど、今の長州では無理だ。武力で押し切る時代は終わった。
国家は長州に対して、此度の事件のこと責任を取るように通達してあるが、長州は無視をしてる。今の国家を長州は認めてないのだ。
「先生はげに何者かえ?まるで未来を知っちゅーかのようや」
その通り未来を知ってるのよ。それは私だけじゃない。需要人物も知ってることなの。そのため、こちらは先手先手を打ってでることが出来た。
「坂本、俺の嫁といつまで話しておる?」
「申し訳ござらん」
坂本龍馬は私たちに頭を下げると去っていた。
「家茂様、嫉妬ですか?」
「そうだ。俺の可愛い嫁が他の男と話してたら嫉妬もする」
ふざけて言ってみただけなのに、真面目な答えが返ってきて、私が赤面した。
「俺の可愛い嫁子。俺とデートしないか?」
「ご政務は?」
「今日は終わった」
最近、家茂様は忙しくしていたから、共にいられるのは嬉しい。家茂様と一緒に江戸の町を散策する。開国を大体的にしたため江戸の町にも外国製があった。また人々も洋服を着てる人がチラホラといる。
「麗奈。あそこで茶にしよう」
家茂様が言ったのは1軒の喫茶店。中に入ってメニューを見ると洋菓子をメインにしてるお店だった。コーヒーもある。
「家茂様……」
「麗奈にとっては懐かしい味だろ?」
「ありがとうございます」
私のことを思ってくれてることに嬉しくなる。私はケーキとコーヒーを頼んだ。家茂様も私と同じのを頼んでる。私の好きな物を一緒に味わいたいと。未来の生クリームと少し違うが、それでも美味しかった。家茂様は持ち帰り用に一つ頼み、一さんの墓参りする。
「斎藤も食せ。麗奈の故郷の味だ」
そう言ってケーキを添えた。
一さん、日本は変わりました。武士の世は終わりました。まだ安寧した世とは言えませんが、日本の未来は明るいです。家茂様も天皇も日本を強国にするため奮闘しております。そんな家茂様のお子を授かりました。未来で沢山の人を殺めてきた私がこんなに幸せでいいのか不安になる日々ですが、一さんが命を掛けて助けてくれたこの命、大切にしていきたいと思います。
「麗奈、行くぞ」
「はい」
家茂様を手を取り、デートの続きをする。
「デパートもほしいし、テーマパークも欲しいな。それから動物園に水族館も」
「家茂様?」
「そうすれば沢山デート出来るであろう?」
「そうですね」
まだまだやりたいことがある。しなくてはいけないこととある。私たちがこうして平和にしていられるけど、京ではまだ不安な日々が続いてる。新撰組の他にも警備隊、国軍が京には送られていた。いつ戦火がきられてもおかしくない。
そして遂に禁門の変が起きた。長州は国軍に刃を向けた。これで国賊となる。長州が火を放つのは分かっていたので六角獄舎の罪人は全て移動させてあった。消化隊も多く配属させておいたが、あらゆるところを放火され手に負えない状態になる。数日間に及ぶ戦闘は国軍の勝利で終えて、追撃に転じた。国家はここで長州を征服する策に出る。長州まで国軍を進め、主要人物たちを捕縛した。捕縛された主要人物たちは江戸へと連行される。彼らは国家に反旗を覆したわけではない。自分たち徳川を潰したかっただけだと主張した。幕府はなくなっても徳川が首相であることが気に入らなかったようだ。ただたんの怨念。そのために沢山の人が亡くなった。
「終わりましたね」
「麗奈よ。終わりではない。始まりだ。ここから新たな日本が始まる」
家茂様は先を見据えている。私も頑張らないとな。
家茂様は10年首相を務めた。そして次の人に繋いだ。
「さて麗奈よ。約束を果たそう」
私たちは世界を旅した。植民地になってるところは危険だから避けたが、行けるところは赴いた。子供たちも一緒だから勉強のためひとつの国に2~3年いる。
外国の様子を天皇や土方歳三、桜さんに送った。凛ちゃんは己の所業を理解出来たみたいで錯乱状態に一時陥ったという。凛ちゃんの希望で土方歳三とは離縁して凛ちゃんは尼僧になった。生涯かけて山南敬助に謝罪するとのこと。凛ちゃんと離縁した土方歳三は桜さんを正式な妻とした。新撰組はそれぞれ国軍に入る人、警察になる人と別れ新撰組もその役目を終える。
私が未来からもたらしたものは大分未来を変えた。史実より早く亡くなる人もいた。永らえる人もいる。それがいいのか悪いのか分からない。それは後世の人が決めるだろう。
ただ、今私が言えることは幸せであること。
この幸せが続くことを祈る。
「麗奈」
「はい、家茂様」
それは貴方と共にーー。
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