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しおりを挟む「聞かせてくれ、白羽。お前の声を、もっと——」
「ゃ……っぁ、レ……あ、ぁあっ——ゃ……っ」
「お前の声は格別だ。俺だけに思いが伝わってきていたのも良かったが……こうして声を聞けるのは、やはりいい……」
「ぁ……っひァ……ぁ、ぁ、レ……レィゾ……さ、ぁァっ——」
「可愛らしい声だ。もっと声を聞かせてくれ。お前の声は愛らしく蠱惑的で……俺をこの上なく昂らせてくれる」
「ゃ……ぁ、ぁ、あぁっ……んっ……あァんっ……!」
「……っ……愛している……愛している……白羽——」
「っァ……レ……ぁ……すき……っ……あァ……っ……!!」
嵐のような激しさで揺さぶられ、どこまでが自分の身体でどこからがレイゾンの身体なのかも、もうわからなくなる。
本当に混じっているのかもしれない。
繋がって、混じって、溶け合って。二人でぐちゃぐちゃになってしまいたい。
「白羽……俺はお前の騎士だ……俺を感じろ。もっと——もっと……っ……」
レイゾンの息も荒い。
滴る汗の香りは官能的で、彼の野性的な魅力を嫌というほど伝えてくる。
埋められている肉はますます硬さを増し、繰り返し柔壁を穿っては白羽をますます淫らにさせる。
激しく突き込まれるたび、抱えられている脚が不規則に跳ねる。
閉じられない口の端から零れる雫が、顎を伝って首へと流れる。
気持ちが良くてたまらない。けれどまだ達したくない。
終わりたくない。離れたくない。もっともっとレイゾンを感じていたい。彼と繋がっていたい。
「ぁ……あ……レイゾ……さま……っ」
なのに昂り続ける熱は止めようがない。
二度三度と奥の奥まで灼熱の肉を叩きこまれると、うねるように暴れる欲望は奔流となって腰の奥からせりあがってくる。
「レィ……ぁ……すき、です……すき……っ……」
「……白羽……っ!」
言葉にできないほどの情欲を感じさせる声とともにグッと奥まで捻じ込まれ、抱きしめられている身体が大きく撓る。
激しく深く口づけられ、ただ一人の騎士に直接愛を吹き込まれ、全身が一気に熱を孕む。
ぎゅっと瞑った目の奥で白い光が瞬き、頭の中まで白く染められていく。
「ァ……っあ、あ、ぁあァ……ッ……!」
高い声と同時に、二人の身体の間で擦られていた白羽の性器から熱いものが迸る。
少し遅れて、体奥にレイゾンの精が注がれた。
二人分の鼓動の音。
苦しいほどの抱擁に、白羽の瞳からは後から後から涙が零れる。
「レイゾンさま……わたしの……レイゾンさま……っ……」
幸せにわななく唇でそう紡ぐと、勇ましく、しかし不愛想で無骨な騎士の貌に笑みが広がる。
「白羽……俺の……白羽……」
そして囁かれた声は深く——優しく、どんな騎士のどんな声よりも甘く——。
その夜、一人の騎士と一人の騏驥はいつまでも共に——一つであり続けた。
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