【完結】魔王倒して元の世界に戻るはずが朝鮮時代になりそこで側室になりました

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淑嬪の不貞

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「それは本当なの?」
「はい、昭儀様。抱き合ってるのをしっかりと見た者がいます」

淑嬪がキム・チュンテクとの不貞が明らかになった。

「その者が害されないのようにして」
「既に保護しております」

それならば良かった。

「しかし、これをどう王様に伝えるべきか……」

禧嬪や世子様を処刑されたすぐ後だ。これ以上、王様に心痛を与えるのは心苦しい。でも黙っておくことも出来ない。

「その必要はない」
「王様!?」

王様が部屋に入ってきた。慌てて上座を王様に譲り、対面に座り直す。ポン尚宮は部屋から出ていく。

「淑嬪とキム・チュンテクが恋仲だという噂は余の耳にも入ってる」
「王様……」
「だが、今まで確たる証拠がなかった」

王様は知ってたのね。そうよね。王権を強めてる王様が宮中のことで知らないことなんてないよね。

「どうなさいますか?」
「まずは、キム・チュンテクを捕え尋問にかける」

淑嬪は側室だから拷問は出来ないもんね。

「それから延礽君の父親が誰かはっきりさせる」
「え?」
「延礽君は余に似たところがない。むしろキム・チュンテクに似てる」

また歴史が変わるかもしれない。延礽君も世子様の後に王様になった。世子様は2人王妃を迎えたが子は出来ず、延礽君が世弟セジェになった。しかも延礽君は名君となってる。晩年、息子を櫃に閉じ込め餓死させたりしてるが、色々と功績を残してる。ただ、王様の実子ではないと謀反を起した者もいたが。

「昭儀、そなたの力で延礽君の父親は分かるか?」
「……証明できます」
「それは万人にわかる方法か?」
「……はい」

また歴史を変えてしまうかもしれない。その恐怖はあるが、これは事実を明らかにしないといけない事案だ。

王様の命令でキム・チュンテクが捕らえられた。だが、キム・チュンテクは1ヶ月経っても認めなかった。そこで私が呼ばれた。私の他に王様、淑嬪、延礽君までいる。そして重臣たちもいた。キム・チュンテクは拷問により血塗れになっていた。

「昭儀」
「はい。まずは自白魔法を掛けます」

淑嬪とキム・チュンテクに自白魔法をかけた。

「淑嬪、キム・チュンテクとの不貞を認めるか?」
「はい、王様」
「何故、そのようなことを?」
「側室になる前から想いあっていたのです。だけど、王様が西人を冷遇なさるから、それを挽回しようとしただけです」
「それは、淑嬪でなくても良かったのではないか?」
「私は美人ですから、王様の寵愛をいただけると……」

確かに淑嬪は美人だ。禧嬪も美人だったけど、それに負けない。

「延礽君は余の子か?」
「分かりません」
「昭儀」
「はい」

万人に分かるようにする。そのため私は指に魔力を集め、魔法陣を描く。その魔法陣は王様、淑嬪、延礽君、キム・チュンテクの前にいった。魔法陣には周りの人達が理解できるように漢語で書いた。

すると、淑嬪、延礽君、キム・チュンテクの前の魔法陣が赤く光った。王様の前の魔法陣は光らなかった。

延礽君は王様の子でないことが明らかになった。

「これで延礽君が余の子でないことが確かとなった。処遇は後ほど伝える」

自白魔法を解くと淑嬪とキム・チュンテクが弁明を始める。

「王様!これは昭儀の陰謀です」
「そうです!邪悪な力で嘘を言わせたのです」
「信じてください!王様!」
「黙れ!これ以上、余を失望させるな」

王様は聞く耳を持たず、尋問場を後にした。私もその場を去り宮に戻ろうとしたが、途中で王妃様のところの尚宮に呼び止めれた。王妃様が呼んでるということで王妃様の元に向かう。

「延礽君が王様の子でないのは間違いないのか?」
「はい。王妃様」
「そなたの力を疑うわけではないが確かめても良いか?」
「勿論です」

王妃様が指示すると10人近い男の人たちが入ってきた。

「この中に親子が1組いる。それを示してみよ」

私は魔法陣を描いた。10人近い人たちの前に魔法陣は行き、その内の2つが赤くなる。

「これは……」
「まさか、本当にこのような力があるとは!?」

男たちは驚きお互いの顔を見あった。

「昭儀、そなたの力は本物だ。これからも王様のためにその力を使うのだぞ」
「はい、王妃様」
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