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相愛性アップデート
今を逃したらきっと後悔する
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あの遊園地での一件から数日。ふとした瞬間にあの日の出来事を思い出す。思いだすと、嬉しくなって、楽しくなって、ドキドキする。
ああ……だめだ。もう逃げられない。
私は、斗真君のことが好きだ。
そう思うとどんな顔をして会えばいいのか分からなくて、次の約束が出来ずにいた。
休日の朝、目を覚ますとアイフレの公式からお知らせが届いていた。
『ライブ開催決定のお知らせ』
「ええ!? えええ!」
すごい……すごい! あの歌声をついに生で聴けるんだ!
この気持ちを早く伝えたくて、私は急いで着替えて部屋を飛び出した。
チャイムを鳴らすと部屋着姿の斗真君が出てきた。
「菜々子さん、どうしたんで……」
「ついにやるんだって! さっき公式からお知らせが来たの! すごいでしょ! さすが人気あるよね!!」
「ちょ、ちょっと待ってください!」
斗真君は手で話を遮った。
「誰が、何を、やるんですか?」
「……え?」
あれ……そう言えば。
「ごめん、興奮しちゃってつい。アイフレがね、ライブをやるんだって! 今度はアニメ映画じゃないよ! 生のコンサート会場だよ!」
「そうなんですね! あの、立ち話もなんですし、僕の部屋上がっていきますか?」
「うん、ありがとう!」
ハイになっていた私は一歩足を踏み入れた。
「すいません、あんまり片付いてないんですけど」
そう言いつつも、ブラウンと落ち着いたブルーを基調とした部屋はきちんと整っていた。
「着替えてくるので、ゆっくりしていてください」
斗真君はクローゼットから服を取り出し、洗面所の方へ向かっていった。ぱたんと扉が閉まる。
ふぅと気持ちを落ち着かせたところで気づいた。これはもしかして、というかもしかしなくても斗真君の部屋に上がってしまっている! 部屋の雰囲気こんな感じなんだとか、センスいいなとか、棚の上に小さいシーサーの置物飾ってるところ可愛いな、とか……それよりも一番問題なのは、この部屋中に斗真君の匂いがすること。ここが斗真君の部屋なんだってはっきりと自覚させられる。近づいた時に感じるこの匂いも好きだったり……って今のなし! なんか変態みたい!
「お待たせしました」
「ひゃいっ!?」
「どうかしましたか?」
斗真君は不思議そうに首をかしげる。
「いえ、何でもないです……」
斗真君の部屋で変なことを考えてしまって反省していたとは口が裂けても言えない。
「座ってゆっくりしててよかったのに。今、お茶持ってきますね」
「ありがとう……」
私はベッドの前に座った。テレビ、テーブル、ベッドの配置もうちと一緒。備え付けのクローゼットも一緒。それなのにこんなにも落ち着かない。
お茶のコップを持ってきてくれた斗真君が隣に座る。
「はい、どうぞ。それで、ライブはどんな風にやるんですか? アニメ映像ってことですか?」
「ううん。アイフレの声優さんがステージで歌って踊るの。最近はよくあるライブ形式なんだけど、そういうのって私は見たことがないから、ちょっと不安ではあるんだよね……」
「不安、ですか?」
「うん。だってね、私は声もビジュアルもぜーんぶ含めてらむちゃんのことが好きなんだよ? だから声はらむちゃんでも見た目は生身の人間がパフォーマンスしてて、本当に萌えられるのかなって。それならスクリーンにキャラクターを映してライブをした方がいいんじゃないかと思うんだよね」
コスプレにしたって完全にそのキャラの見た目になれる訳じゃない。その声優さんが好きで、パフォーマンスをする姿を見たい人はともかく、声優ファンじゃない私にはそこまで意味がないんじゃないかって。
斗真君はスマホを手に取った。
「ちょっと待ってくださいね……えーっと……あ! ありました! これって、前に菜々子さんが言ってた作品ですよね?」
そう言って斗真君が見せてくれた画面には動画のサムネイルが映っていた。その動画の題名は、
「魔法学校のプリンスたち1stライブ……?」
「さっき菜々子さんがよくあるって言ってたから、調べたら出てくるかもしれないって思ったんです。菜々子さんの知ってる作品でよかったです」
そう言って斗真君が笑う。元の乙女ゲームのテーマ曲とアニメのエンディング曲はキャラクターが歌っているのは知ってたけど、ライブもやっていたなんて……
「せっかくだから一緒に観てみませんか?」
「えっ!? でもそういうのは……」
「10分くらいなのですぐ終わりますよ。それにやっぱり興味なかったら途中でやめてもいいですし」
斗真君にそこまで言われたら断れない。
「じゃあ、少しだけ……」
私の返事を聞いて、斗真君が再生を押す。画面にはDVDの発売日が表示され、これはその宣伝動画みたいだ。
一曲目の前奏が始まる。あ、これは知ってる。ゲームのテーマ曲だ。ステージには魔法学校の制服に身を包んだ7人の声優さん。顔は……もちろん似てないな。髪型はちょっと寄せてるのかも。衣装は流石公式。再現度が高い。
衣装と髪型からどの人がどのキャラクターなのか推測できる。私の推しは……へぇ、あの人が奏多くんの声優さんなんだ。
でも、それだけ。ここに私の推しはいない。そして前奏が終わった。
「……!」
私は思わず息を飲んだ。
奏多君の声が、今生み出されているんだと分かる。今この瞬間だから生まれる新しい声のパターン。顔は全然似ていないのに、不思議と重なって見えてくる。
なんていうか、上手く言葉に出来ないけど……尊い。どうして今まで拒絶していたんだろう。
気が付けば10分ほどの動画を全て観終わっていた。
「どうでしたか?」
「……すごくよかった。ありがとう、教えてくれて。斗真君が動画を見せてくれなかったら、きっと私はライブの応募をためらってたと思う」
「よかったです。僕は菜々子さんがチャンスを逃さないといいなって思っただけですから」
チャンス……そっか。
今を逃したらきっと後悔する。
「斗真君、聞いてほしいことがあるの」
「なんですか?」
私は斗真君を見つめた。
「私ね、斗真君のことが好き」
前は斗真君にもっとふさわしい人がいるだとか、推しとは付き合えないとかいろいろ考えたりしたけど、それって結局はいつか斗真君に振られるのが怖くて予防線を張っていただけなんだ。きっとその時にはもう好きになり始めていた。でも今はその時よりもっともっと好きで、傷つく覚悟をしてでも斗真君の一番近くにいたい。
「出会ってからずっと、たくさん幸せをもらってきたから、今度は私が斗真君にたくさん幸せをあげたい。側にいたいの」
「菜々子さん……!」
斗真君は私の両手を握った。
「菜々子さん、改めて言わせてください。……好きです。僕と付き合ってください」
「……はい」
ドキドキして、嬉しくて……なんだか泣きそうになった。
「あ……」
そう言って斗真君は手を離した。
「どうしたの?」
「あっ、その……恋人同士になるってことは手を繋いだりするのかなって思ったら、急に恥ずかしくなっちゃって……」
顔を背ける斗真君は耳まで赤く染まっていた。
「可愛い……!」
「ダメです! いま可愛いはダメです! カッコいいに訂正してください!」
「だって、最高に可愛いんだから仕方ないじゃない?」
「菜々子さんは僕が可愛くて好きなんですか……?」
少し不安そうに私を見つめる。
「最高に可愛くて、最高にカッコいいから好きなんだよ」
「よかった……!」
斗真君の顔に笑顔が戻った。
「これからいいところを見せてカッコいいって思ってもらおうと考えていたので、菜々子さんがどう思っているか、ちょっと不安だったんです」
「いいところを見せるって、何を考えてたの?」
「粉からうどんを作るとか、ボウリングでストライクをだすとか、いろいろ練習してたんですけど……」
「んふっ」
「わ、笑うところじゃないですよ!」
「ごめん、馬鹿にしてるわけじゃなくって。可愛いなって」
可愛いと愛しいは同義なんだ。
「……大好き」
こうして私達の関係はアップデートされた。
ああ……だめだ。もう逃げられない。
私は、斗真君のことが好きだ。
そう思うとどんな顔をして会えばいいのか分からなくて、次の約束が出来ずにいた。
休日の朝、目を覚ますとアイフレの公式からお知らせが届いていた。
『ライブ開催決定のお知らせ』
「ええ!? えええ!」
すごい……すごい! あの歌声をついに生で聴けるんだ!
この気持ちを早く伝えたくて、私は急いで着替えて部屋を飛び出した。
チャイムを鳴らすと部屋着姿の斗真君が出てきた。
「菜々子さん、どうしたんで……」
「ついにやるんだって! さっき公式からお知らせが来たの! すごいでしょ! さすが人気あるよね!!」
「ちょ、ちょっと待ってください!」
斗真君は手で話を遮った。
「誰が、何を、やるんですか?」
「……え?」
あれ……そう言えば。
「ごめん、興奮しちゃってつい。アイフレがね、ライブをやるんだって! 今度はアニメ映画じゃないよ! 生のコンサート会場だよ!」
「そうなんですね! あの、立ち話もなんですし、僕の部屋上がっていきますか?」
「うん、ありがとう!」
ハイになっていた私は一歩足を踏み入れた。
「すいません、あんまり片付いてないんですけど」
そう言いつつも、ブラウンと落ち着いたブルーを基調とした部屋はきちんと整っていた。
「着替えてくるので、ゆっくりしていてください」
斗真君はクローゼットから服を取り出し、洗面所の方へ向かっていった。ぱたんと扉が閉まる。
ふぅと気持ちを落ち着かせたところで気づいた。これはもしかして、というかもしかしなくても斗真君の部屋に上がってしまっている! 部屋の雰囲気こんな感じなんだとか、センスいいなとか、棚の上に小さいシーサーの置物飾ってるところ可愛いな、とか……それよりも一番問題なのは、この部屋中に斗真君の匂いがすること。ここが斗真君の部屋なんだってはっきりと自覚させられる。近づいた時に感じるこの匂いも好きだったり……って今のなし! なんか変態みたい!
「お待たせしました」
「ひゃいっ!?」
「どうかしましたか?」
斗真君は不思議そうに首をかしげる。
「いえ、何でもないです……」
斗真君の部屋で変なことを考えてしまって反省していたとは口が裂けても言えない。
「座ってゆっくりしててよかったのに。今、お茶持ってきますね」
「ありがとう……」
私はベッドの前に座った。テレビ、テーブル、ベッドの配置もうちと一緒。備え付けのクローゼットも一緒。それなのにこんなにも落ち着かない。
お茶のコップを持ってきてくれた斗真君が隣に座る。
「はい、どうぞ。それで、ライブはどんな風にやるんですか? アニメ映像ってことですか?」
「ううん。アイフレの声優さんがステージで歌って踊るの。最近はよくあるライブ形式なんだけど、そういうのって私は見たことがないから、ちょっと不安ではあるんだよね……」
「不安、ですか?」
「うん。だってね、私は声もビジュアルもぜーんぶ含めてらむちゃんのことが好きなんだよ? だから声はらむちゃんでも見た目は生身の人間がパフォーマンスしてて、本当に萌えられるのかなって。それならスクリーンにキャラクターを映してライブをした方がいいんじゃないかと思うんだよね」
コスプレにしたって完全にそのキャラの見た目になれる訳じゃない。その声優さんが好きで、パフォーマンスをする姿を見たい人はともかく、声優ファンじゃない私にはそこまで意味がないんじゃないかって。
斗真君はスマホを手に取った。
「ちょっと待ってくださいね……えーっと……あ! ありました! これって、前に菜々子さんが言ってた作品ですよね?」
そう言って斗真君が見せてくれた画面には動画のサムネイルが映っていた。その動画の題名は、
「魔法学校のプリンスたち1stライブ……?」
「さっき菜々子さんがよくあるって言ってたから、調べたら出てくるかもしれないって思ったんです。菜々子さんの知ってる作品でよかったです」
そう言って斗真君が笑う。元の乙女ゲームのテーマ曲とアニメのエンディング曲はキャラクターが歌っているのは知ってたけど、ライブもやっていたなんて……
「せっかくだから一緒に観てみませんか?」
「えっ!? でもそういうのは……」
「10分くらいなのですぐ終わりますよ。それにやっぱり興味なかったら途中でやめてもいいですし」
斗真君にそこまで言われたら断れない。
「じゃあ、少しだけ……」
私の返事を聞いて、斗真君が再生を押す。画面にはDVDの発売日が表示され、これはその宣伝動画みたいだ。
一曲目の前奏が始まる。あ、これは知ってる。ゲームのテーマ曲だ。ステージには魔法学校の制服に身を包んだ7人の声優さん。顔は……もちろん似てないな。髪型はちょっと寄せてるのかも。衣装は流石公式。再現度が高い。
衣装と髪型からどの人がどのキャラクターなのか推測できる。私の推しは……へぇ、あの人が奏多くんの声優さんなんだ。
でも、それだけ。ここに私の推しはいない。そして前奏が終わった。
「……!」
私は思わず息を飲んだ。
奏多君の声が、今生み出されているんだと分かる。今この瞬間だから生まれる新しい声のパターン。顔は全然似ていないのに、不思議と重なって見えてくる。
なんていうか、上手く言葉に出来ないけど……尊い。どうして今まで拒絶していたんだろう。
気が付けば10分ほどの動画を全て観終わっていた。
「どうでしたか?」
「……すごくよかった。ありがとう、教えてくれて。斗真君が動画を見せてくれなかったら、きっと私はライブの応募をためらってたと思う」
「よかったです。僕は菜々子さんがチャンスを逃さないといいなって思っただけですから」
チャンス……そっか。
今を逃したらきっと後悔する。
「斗真君、聞いてほしいことがあるの」
「なんですか?」
私は斗真君を見つめた。
「私ね、斗真君のことが好き」
前は斗真君にもっとふさわしい人がいるだとか、推しとは付き合えないとかいろいろ考えたりしたけど、それって結局はいつか斗真君に振られるのが怖くて予防線を張っていただけなんだ。きっとその時にはもう好きになり始めていた。でも今はその時よりもっともっと好きで、傷つく覚悟をしてでも斗真君の一番近くにいたい。
「出会ってからずっと、たくさん幸せをもらってきたから、今度は私が斗真君にたくさん幸せをあげたい。側にいたいの」
「菜々子さん……!」
斗真君は私の両手を握った。
「菜々子さん、改めて言わせてください。……好きです。僕と付き合ってください」
「……はい」
ドキドキして、嬉しくて……なんだか泣きそうになった。
「あ……」
そう言って斗真君は手を離した。
「どうしたの?」
「あっ、その……恋人同士になるってことは手を繋いだりするのかなって思ったら、急に恥ずかしくなっちゃって……」
顔を背ける斗真君は耳まで赤く染まっていた。
「可愛い……!」
「ダメです! いま可愛いはダメです! カッコいいに訂正してください!」
「だって、最高に可愛いんだから仕方ないじゃない?」
「菜々子さんは僕が可愛くて好きなんですか……?」
少し不安そうに私を見つめる。
「最高に可愛くて、最高にカッコいいから好きなんだよ」
「よかった……!」
斗真君の顔に笑顔が戻った。
「これからいいところを見せてカッコいいって思ってもらおうと考えていたので、菜々子さんがどう思っているか、ちょっと不安だったんです」
「いいところを見せるって、何を考えてたの?」
「粉からうどんを作るとか、ボウリングでストライクをだすとか、いろいろ練習してたんですけど……」
「んふっ」
「わ、笑うところじゃないですよ!」
「ごめん、馬鹿にしてるわけじゃなくって。可愛いなって」
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