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合宿の夜
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「はぁ…」
泊まる教室に戻った俺は布団にドサッと倒れこんだ。
今日はいろいろあって疲れた。明日、本当にシノは魔界に帰ってくれるだろうか。そこはラフェを信用して任せるしかないけど…もしかするとシノの説得に負けてラフェも一緒に魔界へ帰る、なんて可能性もある。なんだか胸の奥の方がざわっと冷たくなった。
まただ…最近こういうことがたまにある。カレー食べ過ぎたか…?
その時、廊下からヒタヒタと足音が聞こえた。…おかしい。ラフェ達がいるのは下の階だし、俺たち以外に人はいないはず…
その足音は段々と速度を増し、この部屋に近づいてくる。そして、ゆっくりと扉が開く音がした。恐る恐る扉の方に目を向けると、白い布団のようなものから二本の足が出た生物が立っていた。
「ぎゃあああ!」
「日生、夕方ぶりだな。」
布団の脇から顔を出したのは高木先輩だった。
「用具室から布団を一式借りてきた。今晩は俺もここに泊まる。」
「…心臓に悪いんで、もっと普通に来てくれませんか?」
夜の学校っていうお決まりのシチュエーションなんだから、もう少し配慮してほしい。
「? なんか悪いな。」
状況を理解していない高木先輩は首を傾げながら言った。
「そう言えば夕方は様子がおかしかったですけど、大丈夫なんですか?」
「ああ、もう大丈夫だ。ついさっきまで勉強して来たからな。」
今度は俺が首を傾げた。
「ラフェの従妹の様子はどうだった? 明日帰りそうか?」
「まだ分かんないですけど、ラフェに心酔してるみたいなんで上手く説得すれば帰ると思いますよ。」
「そうか。まあ俺達の仕事は明日の朝からでいいだろう…今日は明日に備えて早く休もう。」
「そうですね。」
「…なあ、日生。」
高木先輩が神妙な面持ちで切り出した。
「なんですか。」
「なんでお前はラフェやその従妹と普通に話せるんだ。」
「なんでって…」
質問の意図がよく分からない。
「言葉は通じるし、すぐに危害を加えてきそうな感じもないし…会話が成立するからですかね。」
「そういう事じゃなくてだな…俺が聞きたいのはどうして女子と普通に話せるのかってことだ!」
よく見ると耳まで赤くなっている。いつも仏頂面だけど、そんな一面もあるんだ。
「高木先輩、かわいー。」
「うるさいっ! お前に聞いた俺がバカだった!」
そう言って布団に入ってしまった。電気を消し、俺も自分の布団に入る。
「ラフェとは普通に話してるし、そもそも高木先輩には成瀬先輩がいるじゃないですか。」
「ラフェは俺の姉に似てるんだ。だからまあ、大丈夫。乙女はもう女子とかじゃないからなぁ…」
「それ、絶対成瀬先輩に言ったらだめですよ?」
最初に二人を見た時から、何となく成瀬先輩は高木先輩のことを好きなんじゃないかって思ってた。高木先輩はそういう風に見てないみたいだけど。
「ああ。特別だって言っておいた。」
「うわぁ…」
天然って凶悪だ…
「日生は俺のことをからかえるくらい、女子に慣れてるんだな。」
「慣れてるっていうか…多分他人に興味が薄いんです。」
小さい頃からいろんなことに巻き込まれてきて、男も女も関係なく、裏の嫌な顔をたくさん見てきた。だから俺は、表面上は普通に振る舞いつつも心の中では無意識に距離を取ってきたんだろう。
「俺には関係ないって思ってるから、女子とも適当に相槌をうって話せるんです。」
「そうだったのか…俺は随分ラフェに肩入れしてると思ってたんだけどな。」
「そんなこと、ないですよ。」
思いもよらない指摘にうまく返せなくて、俺は思考を遮るように目を瞑った。
「じゃあ、電気消すぞ。」
パチンと電気を消して布団に入ると、先に中に入っていたシノがすり寄ってきた。
「えへへ、お姉さまと一緒のお布団、嬉しいです。」
「そうか。」
そんな風に言われるとちょっと照れる。
「せっかく二人きりになれたので、会っていない間のお話聞きたいです。お姉さまはこの百年くらい、どうやって過ごしていたんですか?」
「ほとんど眠っていたんだ。」
私は目覚めるまでのいきさつを説明した。
「そう、だったんですね…」
「父さんやソーマ達を撒くのに魔力を使っていたし、魔界から入り口を開くのでもかなり消費したからな。魔力を一度使い切るとそれから回復するには普段よりも時間がかかるみたいだ。覚えておいた方がいいぞ。」
「お姉さまが言ったことは一言一句、全て頭に焼き付けています。」
「全て覚えておく必要はないんだが…まあいい。そう言えば、よく一人で魔界から出てこられたな。」
前に会った時は物を浮かせるくらいしか魔法は使えなかったはず。
「しばらく会っていない間にシノも成長したんですよ。エッヘン!」
「そうだったのか。偉いな。」
私はシノの頭を撫でた。
「…すいません見栄を張りました。本当はお姉さまのパパの力をお借りしました。」
「正直に言えて偉いな。」
しくしくするシノの頭を撫でてやる。
「うえーん、お姉さまが優しいですぅ…やっぱりあやつらに何か変な薬を…」
「じゃあ、やめておくか?」
私は頭から手を離した。
「嘘です嘘ですぅ!」
そう言って私の手に頭を押し付けてくるから、再び撫でてやる。
「でも信じてください! シノは別にお姉さまのパパに言われてここに来たわけじゃ…」
「分かってるって。」
父さんはシノが私を説得するって分かってたから手助けしたんだ。シノに泣きつかれたらなびくかもしれないと思って。
「シノは私がどうして魔界を出てきたか、知ってる?」
「人づてに何となくは…お見合いの話、ですよね?」
「そう。父さんに勝手にお見合い話を進められて、しかも母さんも認めてるみたいな言い方するから腹が立って出てきたんだ。それに、この世界での生活はなかなか楽しい。」
「楽しい、ですか?」
シノは信じられないという顔をした。
「シノだって、さっき今まで知らなかったものを食べて感動してただろ? ここには私の知らなかったものがたくさんある。それを教えてもらったんだ。」
「…もしかして、尻尾についた匂いの人間にですか?」
「…え?」
「お姉さまなら匂いなんて魔法で簡単に消せるはず。どうでもいい人間ならなおさらです。…でもそれをしないってことは、それだけお姉さまがその人間に心を開いているってことです。悔しいですけど。」
飛躍した考えだけど、知らないものを教えてくれたのも尻尾に匂いがついているのも日生だから答えだけはあっている。
「魔法で匂いを消せるってことを忘れてただけで…」
「それが心を開いてるってことです! お姉さまは嫌なことなら何としてでも排除しようとするはずです! それで、それはいったい誰なんですか!?」
「そ、それは…」
「それは?」
「秘密で…」
それからしばらくシノからの追求が続き、私は寝たふりをした。
泊まる教室に戻った俺は布団にドサッと倒れこんだ。
今日はいろいろあって疲れた。明日、本当にシノは魔界に帰ってくれるだろうか。そこはラフェを信用して任せるしかないけど…もしかするとシノの説得に負けてラフェも一緒に魔界へ帰る、なんて可能性もある。なんだか胸の奥の方がざわっと冷たくなった。
まただ…最近こういうことがたまにある。カレー食べ過ぎたか…?
その時、廊下からヒタヒタと足音が聞こえた。…おかしい。ラフェ達がいるのは下の階だし、俺たち以外に人はいないはず…
その足音は段々と速度を増し、この部屋に近づいてくる。そして、ゆっくりと扉が開く音がした。恐る恐る扉の方に目を向けると、白い布団のようなものから二本の足が出た生物が立っていた。
「ぎゃあああ!」
「日生、夕方ぶりだな。」
布団の脇から顔を出したのは高木先輩だった。
「用具室から布団を一式借りてきた。今晩は俺もここに泊まる。」
「…心臓に悪いんで、もっと普通に来てくれませんか?」
夜の学校っていうお決まりのシチュエーションなんだから、もう少し配慮してほしい。
「? なんか悪いな。」
状況を理解していない高木先輩は首を傾げながら言った。
「そう言えば夕方は様子がおかしかったですけど、大丈夫なんですか?」
「ああ、もう大丈夫だ。ついさっきまで勉強して来たからな。」
今度は俺が首を傾げた。
「ラフェの従妹の様子はどうだった? 明日帰りそうか?」
「まだ分かんないですけど、ラフェに心酔してるみたいなんで上手く説得すれば帰ると思いますよ。」
「そうか。まあ俺達の仕事は明日の朝からでいいだろう…今日は明日に備えて早く休もう。」
「そうですね。」
「…なあ、日生。」
高木先輩が神妙な面持ちで切り出した。
「なんですか。」
「なんでお前はラフェやその従妹と普通に話せるんだ。」
「なんでって…」
質問の意図がよく分からない。
「言葉は通じるし、すぐに危害を加えてきそうな感じもないし…会話が成立するからですかね。」
「そういう事じゃなくてだな…俺が聞きたいのはどうして女子と普通に話せるのかってことだ!」
よく見ると耳まで赤くなっている。いつも仏頂面だけど、そんな一面もあるんだ。
「高木先輩、かわいー。」
「うるさいっ! お前に聞いた俺がバカだった!」
そう言って布団に入ってしまった。電気を消し、俺も自分の布団に入る。
「ラフェとは普通に話してるし、そもそも高木先輩には成瀬先輩がいるじゃないですか。」
「ラフェは俺の姉に似てるんだ。だからまあ、大丈夫。乙女はもう女子とかじゃないからなぁ…」
「それ、絶対成瀬先輩に言ったらだめですよ?」
最初に二人を見た時から、何となく成瀬先輩は高木先輩のことを好きなんじゃないかって思ってた。高木先輩はそういう風に見てないみたいだけど。
「ああ。特別だって言っておいた。」
「うわぁ…」
天然って凶悪だ…
「日生は俺のことをからかえるくらい、女子に慣れてるんだな。」
「慣れてるっていうか…多分他人に興味が薄いんです。」
小さい頃からいろんなことに巻き込まれてきて、男も女も関係なく、裏の嫌な顔をたくさん見てきた。だから俺は、表面上は普通に振る舞いつつも心の中では無意識に距離を取ってきたんだろう。
「俺には関係ないって思ってるから、女子とも適当に相槌をうって話せるんです。」
「そうだったのか…俺は随分ラフェに肩入れしてると思ってたんだけどな。」
「そんなこと、ないですよ。」
思いもよらない指摘にうまく返せなくて、俺は思考を遮るように目を瞑った。
「じゃあ、電気消すぞ。」
パチンと電気を消して布団に入ると、先に中に入っていたシノがすり寄ってきた。
「えへへ、お姉さまと一緒のお布団、嬉しいです。」
「そうか。」
そんな風に言われるとちょっと照れる。
「せっかく二人きりになれたので、会っていない間のお話聞きたいです。お姉さまはこの百年くらい、どうやって過ごしていたんですか?」
「ほとんど眠っていたんだ。」
私は目覚めるまでのいきさつを説明した。
「そう、だったんですね…」
「父さんやソーマ達を撒くのに魔力を使っていたし、魔界から入り口を開くのでもかなり消費したからな。魔力を一度使い切るとそれから回復するには普段よりも時間がかかるみたいだ。覚えておいた方がいいぞ。」
「お姉さまが言ったことは一言一句、全て頭に焼き付けています。」
「全て覚えておく必要はないんだが…まあいい。そう言えば、よく一人で魔界から出てこられたな。」
前に会った時は物を浮かせるくらいしか魔法は使えなかったはず。
「しばらく会っていない間にシノも成長したんですよ。エッヘン!」
「そうだったのか。偉いな。」
私はシノの頭を撫でた。
「…すいません見栄を張りました。本当はお姉さまのパパの力をお借りしました。」
「正直に言えて偉いな。」
しくしくするシノの頭を撫でてやる。
「うえーん、お姉さまが優しいですぅ…やっぱりあやつらに何か変な薬を…」
「じゃあ、やめておくか?」
私は頭から手を離した。
「嘘です嘘ですぅ!」
そう言って私の手に頭を押し付けてくるから、再び撫でてやる。
「でも信じてください! シノは別にお姉さまのパパに言われてここに来たわけじゃ…」
「分かってるって。」
父さんはシノが私を説得するって分かってたから手助けしたんだ。シノに泣きつかれたらなびくかもしれないと思って。
「シノは私がどうして魔界を出てきたか、知ってる?」
「人づてに何となくは…お見合いの話、ですよね?」
「そう。父さんに勝手にお見合い話を進められて、しかも母さんも認めてるみたいな言い方するから腹が立って出てきたんだ。それに、この世界での生活はなかなか楽しい。」
「楽しい、ですか?」
シノは信じられないという顔をした。
「シノだって、さっき今まで知らなかったものを食べて感動してただろ? ここには私の知らなかったものがたくさんある。それを教えてもらったんだ。」
「…もしかして、尻尾についた匂いの人間にですか?」
「…え?」
「お姉さまなら匂いなんて魔法で簡単に消せるはず。どうでもいい人間ならなおさらです。…でもそれをしないってことは、それだけお姉さまがその人間に心を開いているってことです。悔しいですけど。」
飛躍した考えだけど、知らないものを教えてくれたのも尻尾に匂いがついているのも日生だから答えだけはあっている。
「魔法で匂いを消せるってことを忘れてただけで…」
「それが心を開いてるってことです! お姉さまは嫌なことなら何としてでも排除しようとするはずです! それで、それはいったい誰なんですか!?」
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