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デートイベントを成功させるには
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翌朝、登校した私のところへリアナがやってきた。
「ねえ、エマ。昨日のお礼がしたいんだけど、何がいい?」
真っ直ぐな目で私を見つめる。昨日のこと、まだ気にしていたのか。
「いいよお礼なんて。私は別に大したことしてないし。まあ、あえて言うなら昨日リアナから紅茶を入れてもらったから、それで十分」
「そう」
リアナは少し不満そうに言った。
「私よりもルイスにお礼したら? 自分よりガタイのいい男を倒すのなんてカッコよかったよ」
「そうだね。ルイスにもお礼しないと。何したらいいかな」
「うーん、ルイスなら何でも喜んでくれそうだけど……」
いや、待てよ。これはリアナとルイスを二人っきりにするチャンスなのでは?
「そっか。じゃあ、魔法の参考書とか……」
「いいや! もっとリアナの気持ちがこもったものの方がいいと思うね!」
「気持ちがこもった?」
「そう! 例えば……ルイスが前にしてくれたみたいに料理を作ってあげるとか!」
「火炎魔法を使って丸焼きフルコースでよければ」
「それはやめておこうか」
リアナの目が冗談には見えなかったから、ルイスの健康状態を考えて却下した。
「じゃあ一緒にご飯食べに行ったら? リアナのおすすめのお店に連れて行ってあげるとか」
それなら休日に2人で会うっていうデートイベントが発生する。
「私、まだこの国に来てそんなに経ってないからお店とか知らない。エマ、いいところない?」
「う……」
正直、私も家と学園の往復ばかりでいい感じのお店どころかこの街のこともよく知らない。でも二人のデートイベントを成功させるためには私がどうにかするしかない。
「エマ?」
「大丈夫大丈夫! いや、ちょっと候補のお店が多すぎてね。ニ人にぴったりな、それはそれはいい雰囲気のお店を選ぶから、明日まで待ってて。リアナはルイスのこと、ちゃんと誘っておいてね」
幸いにも、こういうシチュエーションに慣れていそうな知り合いが一人浮かんだ。
「うん、分かった。ありがとう」
裏表のないリアナの言葉に少し胸が痛む。私はリアナのためっていうよりも、ルイスとリアナをくっつけるっていう自分の目的のために動いている訳で、純粋な感謝の言葉は受けとれない。
「ねえ、リアナ」
「どうしたの」
「リアナはルイスのこと、どう思ってる?」
私の質問にリアナは不思議そうな顔をした。
「大切な友達だよ」
「……そっか」
まだリアナの気持ちをルイスに向けさせることには成功していないみたいだ。それなのに、少しだけホッとしている自分がいた。
2人で昼食を食べた後、「用事がある」と言って私はある人物に会いに行った。
「やあやあ、ミーシャ君」
屋上で柵に寄りかかって外を眺めていたミーシャに声をかけると、驚いたようにこっちを振り向いた。
「何でいるの!?」
「女たらしキャラと言えば屋上かなと思って来てみたら大正解。昨日ぶりだね」
「女たらしって……もう誰とも遊んでないんだけど?」
「そっか。リアナ一筋だったね」
「だ……っからその名前を気安く……はあ、もういいや。何の用」
私はミーシャの隣に並んだ。
「昨日はごめんね。疑ったりなんかして」
「わざわざそんなこと言いに来たの? まあ、過去にやってたのは事実だし、別にいいけど」
「ありがと」
「エマって意外と律儀なんだ」
「それ褒めてる?」
「褒めてるって。それに随分印象が変わったよ。第一王子の許嫁だった頃は、近寄ってくんなっていうオーラがバンバン出てたからさ」
第一王子の許嫁だった頃。それは私がエマに転生する前の話だ。
「昔の私のことも知ってるんだ」
「知ってるって言えるほどじゃないけど、学園ではたまに見かけてたし、噂話も勝手に耳に入ってくるからね。あまりに雰囲気が違うから、女神様の側にいるのがあのエマ・リーステンだなんてつい最近まで気が付かなかったよ」
ミーシャは私がリアナに嫌がらせしていたことももちろん知っているんだろう。
「そっか……」
「僕は部外者だから二人の間に何があったのかは分からないけど、君と一緒にいるときの女神様は一番幸せそうで魅力的に見えるよ。女神様をずっと見守ってきた僕が言うんだから間違いないね」
「……それ、胸を張って言う事じゃないから」
私の言葉にミーシャは笑った。
「はは、確かにそうだね。それで、本当の用事はなにかな?」
きっとこういう気配りがモテる所以なんだろうなとか思ってしまう。元ストーカーのくせに、悔しい。
「お願いがあるんだけど、デートにちょうどいいご飯屋さん教えてくれない?」
「なに、今度デート行くの?」
「私じゃなくてリア……」
「女神様が!?」
ミーシャが私の肩を掴む。あ、これはミスったかもしれない。
「デ、デートって言っても別に誰かと付き合ってるって訳じゃなくて、友達とご飯に行くだけだから! それに、リアナには『ミーシャから教えてもらったお店』ってちゃんと伝えるから! どう……?」
恐る恐る伺うと、ミーシャははぁっとため息をついた。
「まあ、エマには女神様と引き合わせてもらった恩もあるし、そこまで言うなら仕方ないね」
ミーシャは懐から手帳を取り出し、白紙のページを一枚切り取った。そこにきれいな字でサラサラと何かを書く。
「これ、お店の名前と住所。果樹園の中にあるお店で、ガラス張りの店内から花見をしながら採れたての果物を使った料理が食べられる。距離もそこまで遠くないし、値段も……まあ、友達と行くなら妥当だと思う」
「ありがとう、ミーシャ! さすが女の子と行くお洒落なお店に詳しいね」
ミーシャが書いてくれたメモを受け取ろうとすると、直前でかわされた。
「協力するんだから、そっちもちゃんと約束守ってよね」
「もちろん。それは約束するよ」
「分かった」
そう言ってミーシャはメモを手渡した。
もちろん私はルイスとリアナをくっつけるのが目的なんだけど、今回は協力関係を結んだ以上、リアナにミーシャのことをアピールしてあげるのは止むをえない。
「ねえ、エマ。昨日のお礼がしたいんだけど、何がいい?」
真っ直ぐな目で私を見つめる。昨日のこと、まだ気にしていたのか。
「いいよお礼なんて。私は別に大したことしてないし。まあ、あえて言うなら昨日リアナから紅茶を入れてもらったから、それで十分」
「そう」
リアナは少し不満そうに言った。
「私よりもルイスにお礼したら? 自分よりガタイのいい男を倒すのなんてカッコよかったよ」
「そうだね。ルイスにもお礼しないと。何したらいいかな」
「うーん、ルイスなら何でも喜んでくれそうだけど……」
いや、待てよ。これはリアナとルイスを二人っきりにするチャンスなのでは?
「そっか。じゃあ、魔法の参考書とか……」
「いいや! もっとリアナの気持ちがこもったものの方がいいと思うね!」
「気持ちがこもった?」
「そう! 例えば……ルイスが前にしてくれたみたいに料理を作ってあげるとか!」
「火炎魔法を使って丸焼きフルコースでよければ」
「それはやめておこうか」
リアナの目が冗談には見えなかったから、ルイスの健康状態を考えて却下した。
「じゃあ一緒にご飯食べに行ったら? リアナのおすすめのお店に連れて行ってあげるとか」
それなら休日に2人で会うっていうデートイベントが発生する。
「私、まだこの国に来てそんなに経ってないからお店とか知らない。エマ、いいところない?」
「う……」
正直、私も家と学園の往復ばかりでいい感じのお店どころかこの街のこともよく知らない。でも二人のデートイベントを成功させるためには私がどうにかするしかない。
「エマ?」
「大丈夫大丈夫! いや、ちょっと候補のお店が多すぎてね。ニ人にぴったりな、それはそれはいい雰囲気のお店を選ぶから、明日まで待ってて。リアナはルイスのこと、ちゃんと誘っておいてね」
幸いにも、こういうシチュエーションに慣れていそうな知り合いが一人浮かんだ。
「うん、分かった。ありがとう」
裏表のないリアナの言葉に少し胸が痛む。私はリアナのためっていうよりも、ルイスとリアナをくっつけるっていう自分の目的のために動いている訳で、純粋な感謝の言葉は受けとれない。
「ねえ、リアナ」
「どうしたの」
「リアナはルイスのこと、どう思ってる?」
私の質問にリアナは不思議そうな顔をした。
「大切な友達だよ」
「……そっか」
まだリアナの気持ちをルイスに向けさせることには成功していないみたいだ。それなのに、少しだけホッとしている自分がいた。
2人で昼食を食べた後、「用事がある」と言って私はある人物に会いに行った。
「やあやあ、ミーシャ君」
屋上で柵に寄りかかって外を眺めていたミーシャに声をかけると、驚いたようにこっちを振り向いた。
「何でいるの!?」
「女たらしキャラと言えば屋上かなと思って来てみたら大正解。昨日ぶりだね」
「女たらしって……もう誰とも遊んでないんだけど?」
「そっか。リアナ一筋だったね」
「だ……っからその名前を気安く……はあ、もういいや。何の用」
私はミーシャの隣に並んだ。
「昨日はごめんね。疑ったりなんかして」
「わざわざそんなこと言いに来たの? まあ、過去にやってたのは事実だし、別にいいけど」
「ありがと」
「エマって意外と律儀なんだ」
「それ褒めてる?」
「褒めてるって。それに随分印象が変わったよ。第一王子の許嫁だった頃は、近寄ってくんなっていうオーラがバンバン出てたからさ」
第一王子の許嫁だった頃。それは私がエマに転生する前の話だ。
「昔の私のことも知ってるんだ」
「知ってるって言えるほどじゃないけど、学園ではたまに見かけてたし、噂話も勝手に耳に入ってくるからね。あまりに雰囲気が違うから、女神様の側にいるのがあのエマ・リーステンだなんてつい最近まで気が付かなかったよ」
ミーシャは私がリアナに嫌がらせしていたことももちろん知っているんだろう。
「そっか……」
「僕は部外者だから二人の間に何があったのかは分からないけど、君と一緒にいるときの女神様は一番幸せそうで魅力的に見えるよ。女神様をずっと見守ってきた僕が言うんだから間違いないね」
「……それ、胸を張って言う事じゃないから」
私の言葉にミーシャは笑った。
「はは、確かにそうだね。それで、本当の用事はなにかな?」
きっとこういう気配りがモテる所以なんだろうなとか思ってしまう。元ストーカーのくせに、悔しい。
「お願いがあるんだけど、デートにちょうどいいご飯屋さん教えてくれない?」
「なに、今度デート行くの?」
「私じゃなくてリア……」
「女神様が!?」
ミーシャが私の肩を掴む。あ、これはミスったかもしれない。
「デ、デートって言っても別に誰かと付き合ってるって訳じゃなくて、友達とご飯に行くだけだから! それに、リアナには『ミーシャから教えてもらったお店』ってちゃんと伝えるから! どう……?」
恐る恐る伺うと、ミーシャははぁっとため息をついた。
「まあ、エマには女神様と引き合わせてもらった恩もあるし、そこまで言うなら仕方ないね」
ミーシャは懐から手帳を取り出し、白紙のページを一枚切り取った。そこにきれいな字でサラサラと何かを書く。
「これ、お店の名前と住所。果樹園の中にあるお店で、ガラス張りの店内から花見をしながら採れたての果物を使った料理が食べられる。距離もそこまで遠くないし、値段も……まあ、友達と行くなら妥当だと思う」
「ありがとう、ミーシャ! さすが女の子と行くお洒落なお店に詳しいね」
ミーシャが書いてくれたメモを受け取ろうとすると、直前でかわされた。
「協力するんだから、そっちもちゃんと約束守ってよね」
「もちろん。それは約束するよ」
「分かった」
そう言ってミーシャはメモを手渡した。
もちろん私はルイスとリアナをくっつけるのが目的なんだけど、今回は協力関係を結んだ以上、リアナにミーシャのことをアピールしてあげるのは止むをえない。
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