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嫌な予感
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魔法史のセーラ先生に確認したら、確かに昼休みはミーシャに講義の準備を手伝ってもらったのだという。その時、特におかしい様子は見られなかったそうだ。大体、昼休みに私とリアナがいたのは中庭で、ミーシャがいたのは魔法史資料室。位置関係上、私達の姿を捉えることは出来ないはずだ。
第二図書室がある西棟は人気がなくて、私達の足音だけが廊下に響く。でも確かに私達はずっと視線を感じていた。それなら、一体誰が?
嫌な予感が胸をかすめた。私は後ろを歩くリアナの方を振り向いた。
「なんか嫌な予感がするから、やっぱり家に……」
帰ろう、そう言おうとした時、リアナの背後から迫る黒い人影が目に入った。
私は咄嗟にリアナの手を強く引いた。
「私達のいつもの場所まで走って! 早く!」
「分かった」
リアナの遠ざかっていく足音を背中で聞きながら、私はその人物と対峙していた。真っ黒なケープコートに身を包み、目深にかぶったフードで顔を隠している。明らかにこの学園の関係者ではない。
「よくも邪魔をしてくれたな、お嬢チャン?」
小馬鹿にしたような男の声。
大丈夫。怯むな。私は強いんだからリアナを守るんだ。
「私の友人に用があるなら伝言を承りますよ」
「友人だ? ハハッ、笑わせるな。俺は国から逃げたあいつを捕えるように命じられてはるばるやってきたんだ。あいつは国害認定されて故郷ではお尋ね者だよ。国のお偉いさん方は自分たちの目につくところで管理できないと不安らしくてなぁ」
「あんた達がリアナに散々酷いことをしてきたのね……!」
「呪いの子として生まれてきたんだ。何の力も持たない俺達には排除するしか選択肢がないだろう」
男はコツコツと靴音を鳴らしてゆっくり近づいてくる。
「さて、戯れはこのくらいにしようか……リアナはどこだ?」
低く威圧的な声が心の奥底を震わせる。フードから覗く鋭い眼光に体が動かせない。
怯むな。怯むな。私が守らないと……そう思うのに、勝手に喉は渇き、体は震える。
「リ、リアナには指一本触れさせないんだから!」
「ああ、そうかい。邪魔をするならお前さんから排除しようか」
そう言って男は懐に手を伸ばした。
その時、突然現れた人影が背後から男の腕をひねりあげた。
「うわ!?」
そして動揺した隙に男は懐から取り出した短剣を叩き落とされた。両手を後ろに拘束され、その場に膝をつく。
「どうして……?」
思わず呟く。男の陰から姿を現したのはルイスだった。
「遅くなってごめんね。リアナの元々いた国の王族が、リアナを捕えようと人を雇ったって情報をさっき手に入れたんだ。なんとか間に合ったかな」
ルイスはネクタイを片手で解き、男の腕を縛った。
「エマ達を探してる間に王都騎士団にも連絡を入れたから、男の身柄はすぐに引き取ってもらえると思うよ」
ルイスの言う通り、まもなく王都騎士団がやってきて男を連れて行った。
男の姿が見えなくなったところで、気が抜けたのか体がフラついた。
「エマ!」
傾いた体をルイスが受け止めてくれる。私はそのままルイスに抱きついた。
「遅いよ……ばか……」
ルイスは私を優しく抱きしめ返してくれた。
「うん、ごめんね。1人でよく頑張ったね」
「怖かった……!」
あんな風に体がいうことを聞かなくなるなんて思わなかった。もしあの時、ルイスが助けに来てくれなかったらと思うとぞっとする。
「ねえエマ。約束して。もう一人でこんな無茶はしないって」
「うん、分かった……でもさ」
「うん?」
「もしまた私がピンチになった時は、ルイスがカッコよく助けてくれるんでしょ?」
私の言葉にルイスは顔を背けた。
「……きっと深い意味なんてないのにな」
「え、何か言った?」
ルイスはいつもの穏やかな笑みを浮かべた。
「ううん、何でもないよ。リアナのところにいこっか」
第二図書室に入ると、リアナがいきなり抱きついてきた。
「ちょっとリアナ!?」
「ありがとう、エマ。私がもっと強かったら一人で何とか出来たのに、頼りきりでごめん」
「大丈夫だよ。リアナが謝ることなんて何もない。それにね、悪い奴はルイスが倒してくれたんだ」
「そうだったの?」
リアナはルイスに顔を向けた。
「倒したっていうか、拘束して王都騎士団に引き渡しただけなんだけどね」
「そうだったんだ。ありがとう、ルイス」
「役に立ててよかったよ。リアナを狙ってた人は、リアナが元々いた国からやってきたみたい。今回の件を受けて、王都騎士団が国境の警備を強化してくれるからもう心配しなくて大丈夫だよ」
「え、ルイスって一体何者?」
私の疑問にルイスは笑った。
「僕の家系は代々王都騎士団の管理を任されているんだ。さっき来てくれた騎士団の人達も知り合いでね。だから国内外の情報が手に入りやすくて、今回のことも調べがついたんだよ」
「へぇ……」
ルイスのことを見た目から勝手に文化系だと思っていたけど、そういう家系の事情があるならさっきの身のこなしも納得できる。
「二人とも疲れたでしょ。お茶入れる」
そう言ってリアナはお湯を沸かしに行った。
あいつはリアナを捕えるように命じられてやってきたと言っていた。そんなことまでされるくらい、リアナが元いた国では異常な扱いを受けていたんだろう。私はルイスに耳打ちした。
「リアナの感情が薄いのって、酷い扱いを受けてきた生い立ちが関係してるのかな」
「それも無理ないよね」
その時、リアナが茶葉を持って戻ってきた。
「念のため言っておくけど、私が表情ないのは父方の影響。母方は対照的で喜怒哀楽激しい」
「ああ……そうなんだ」
エスパーか。
リアナが入れてくれた紅茶を飲みながら少し話して今日は解散になった。
今日はさすがに疲れた。家に帰って早く寝たい……
学園の門をくぐろうとしたとき、誰かとすれ違った。
「破滅させてやるからな」
すれ違いざまに聞こえた吐き捨てるような言葉に、思わず振り返った。ピンク色の髪をした学生らしき男は何事もないかのように歩いていく。
あの髪色、どっかで見たような……
それに言われた言葉も気になったけど、これ以上活動できる体力が残ってなかったから真っ直ぐ家に帰ることにした。
第二図書室がある西棟は人気がなくて、私達の足音だけが廊下に響く。でも確かに私達はずっと視線を感じていた。それなら、一体誰が?
嫌な予感が胸をかすめた。私は後ろを歩くリアナの方を振り向いた。
「なんか嫌な予感がするから、やっぱり家に……」
帰ろう、そう言おうとした時、リアナの背後から迫る黒い人影が目に入った。
私は咄嗟にリアナの手を強く引いた。
「私達のいつもの場所まで走って! 早く!」
「分かった」
リアナの遠ざかっていく足音を背中で聞きながら、私はその人物と対峙していた。真っ黒なケープコートに身を包み、目深にかぶったフードで顔を隠している。明らかにこの学園の関係者ではない。
「よくも邪魔をしてくれたな、お嬢チャン?」
小馬鹿にしたような男の声。
大丈夫。怯むな。私は強いんだからリアナを守るんだ。
「私の友人に用があるなら伝言を承りますよ」
「友人だ? ハハッ、笑わせるな。俺は国から逃げたあいつを捕えるように命じられてはるばるやってきたんだ。あいつは国害認定されて故郷ではお尋ね者だよ。国のお偉いさん方は自分たちの目につくところで管理できないと不安らしくてなぁ」
「あんた達がリアナに散々酷いことをしてきたのね……!」
「呪いの子として生まれてきたんだ。何の力も持たない俺達には排除するしか選択肢がないだろう」
男はコツコツと靴音を鳴らしてゆっくり近づいてくる。
「さて、戯れはこのくらいにしようか……リアナはどこだ?」
低く威圧的な声が心の奥底を震わせる。フードから覗く鋭い眼光に体が動かせない。
怯むな。怯むな。私が守らないと……そう思うのに、勝手に喉は渇き、体は震える。
「リ、リアナには指一本触れさせないんだから!」
「ああ、そうかい。邪魔をするならお前さんから排除しようか」
そう言って男は懐に手を伸ばした。
その時、突然現れた人影が背後から男の腕をひねりあげた。
「うわ!?」
そして動揺した隙に男は懐から取り出した短剣を叩き落とされた。両手を後ろに拘束され、その場に膝をつく。
「どうして……?」
思わず呟く。男の陰から姿を現したのはルイスだった。
「遅くなってごめんね。リアナの元々いた国の王族が、リアナを捕えようと人を雇ったって情報をさっき手に入れたんだ。なんとか間に合ったかな」
ルイスはネクタイを片手で解き、男の腕を縛った。
「エマ達を探してる間に王都騎士団にも連絡を入れたから、男の身柄はすぐに引き取ってもらえると思うよ」
ルイスの言う通り、まもなく王都騎士団がやってきて男を連れて行った。
男の姿が見えなくなったところで、気が抜けたのか体がフラついた。
「エマ!」
傾いた体をルイスが受け止めてくれる。私はそのままルイスに抱きついた。
「遅いよ……ばか……」
ルイスは私を優しく抱きしめ返してくれた。
「うん、ごめんね。1人でよく頑張ったね」
「怖かった……!」
あんな風に体がいうことを聞かなくなるなんて思わなかった。もしあの時、ルイスが助けに来てくれなかったらと思うとぞっとする。
「ねえエマ。約束して。もう一人でこんな無茶はしないって」
「うん、分かった……でもさ」
「うん?」
「もしまた私がピンチになった時は、ルイスがカッコよく助けてくれるんでしょ?」
私の言葉にルイスは顔を背けた。
「……きっと深い意味なんてないのにな」
「え、何か言った?」
ルイスはいつもの穏やかな笑みを浮かべた。
「ううん、何でもないよ。リアナのところにいこっか」
第二図書室に入ると、リアナがいきなり抱きついてきた。
「ちょっとリアナ!?」
「ありがとう、エマ。私がもっと強かったら一人で何とか出来たのに、頼りきりでごめん」
「大丈夫だよ。リアナが謝ることなんて何もない。それにね、悪い奴はルイスが倒してくれたんだ」
「そうだったの?」
リアナはルイスに顔を向けた。
「倒したっていうか、拘束して王都騎士団に引き渡しただけなんだけどね」
「そうだったんだ。ありがとう、ルイス」
「役に立ててよかったよ。リアナを狙ってた人は、リアナが元々いた国からやってきたみたい。今回の件を受けて、王都騎士団が国境の警備を強化してくれるからもう心配しなくて大丈夫だよ」
「え、ルイスって一体何者?」
私の疑問にルイスは笑った。
「僕の家系は代々王都騎士団の管理を任されているんだ。さっき来てくれた騎士団の人達も知り合いでね。だから国内外の情報が手に入りやすくて、今回のことも調べがついたんだよ」
「へぇ……」
ルイスのことを見た目から勝手に文化系だと思っていたけど、そういう家系の事情があるならさっきの身のこなしも納得できる。
「二人とも疲れたでしょ。お茶入れる」
そう言ってリアナはお湯を沸かしに行った。
あいつはリアナを捕えるように命じられてやってきたと言っていた。そんなことまでされるくらい、リアナが元いた国では異常な扱いを受けていたんだろう。私はルイスに耳打ちした。
「リアナの感情が薄いのって、酷い扱いを受けてきた生い立ちが関係してるのかな」
「それも無理ないよね」
その時、リアナが茶葉を持って戻ってきた。
「念のため言っておくけど、私が表情ないのは父方の影響。母方は対照的で喜怒哀楽激しい」
「ああ……そうなんだ」
エスパーか。
リアナが入れてくれた紅茶を飲みながら少し話して今日は解散になった。
今日はさすがに疲れた。家に帰って早く寝たい……
学園の門をくぐろうとしたとき、誰かとすれ違った。
「破滅させてやるからな」
すれ違いざまに聞こえた吐き捨てるような言葉に、思わず振り返った。ピンク色の髪をした学生らしき男は何事もないかのように歩いていく。
あの髪色、どっかで見たような……
それに言われた言葉も気になったけど、これ以上活動できる体力が残ってなかったから真っ直ぐ家に帰ることにした。
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