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ストーカー撃退方法
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翌日の放課後、私はリアナを第二図書室へ連れてきた。部屋に入ったリアナは不思議そうにあたりを見回す。
「あれ、ルイスは?」
ルイスと第二図書室はセットみたいなものだから、いないのは変に思ったんだろう。
「今日はなんか用事があるんだって」
「へぇ」
用事というのは嘘だ。ルイスには「今日は第二図書室の蔵書点検があるから入れない」という嘘情報を伝えてまっすぐ家に帰ってもらった。攻略キャラ同士の直接接触は出来るだけ避けたいし、人目を避けるのにこの場所はうってつけだった。
「ここにエマと二人なんて初めて」
「そうだね。でも実はもう一人呼んでるんだ」
「もう一人?」
私は一つの椅子を出入口の扉に向かい合う形でセッティングした。
「リアナ、ここに座って」
私の言葉にリアナは従った。
「いい? これから呼ぶ人と握手をしてほしいの。それとこの台詞を言ってほしい」
私はリアナに耳打ちした。万が一にもこの扉の向こうにいる奴に仕込みの台詞を聞かれたら効果が無くなってしまう。
「なんでそんなことしないといけないの?」
「リアナのためだよ。私が保証するから」
「よく分からないけど分かった。頑張る」
「よし! じゃあ呼ぶね」
私は扉を勢いよく開けた。
「紹介します! リアナに付きまといをしていた、ミーシャ・クワイン君でーす!」
突然目の前に現れたリアナにミーシャは奇声をあげた。
「はわわわわわ!」
私はミーシャの背中を叩く。その衝撃で目に正気が戻った。
「ほら、一生の思い出作りに来たんでしょ」
「で、でも! まさかご本人が……」
動揺したミーシャに対して、平常運転のリアナは手を差し出した。
「握手しよう」
「ふええええ!?」
私は後ずさろうとするミーシャの腕を掴んだ。
「こんなチャンス、二度とないよ。するの? しないの?」
「し、ます……」
そう言って、差し出されたリアナの手をそっと両手で包んだ。リアナが口を開く。
「いつも応援してくれてありがとう。これからは陰から見守るんじゃなくて、全部エマを通してね」
そう言ってリアナは下手な作り笑いを浮かべた。
「はわ……! は、はい!」
「はい、お時間でーす」
私はミーシャをリアナから引きはがして扉を閉めた。リアナが私の方を疑わし気に見る。
「本当にこれ、なにか意味があったの?」
「あるある! 大アリだよ! これでもう付きまとわれることはないと思うよ」
リアナのことを女神様なんて言って慕っているくらいだから、私が百言うよりもリアナのあの一言がよく効くだろう。これでもしまだストーカーを辞めないようであれば、社会的にリアナへ接近できないようにしてやろう。
「そう、ならいいけど」
これでリアナに接触する3人の攻略キャラ達の対応が終わった……はずだった。
「エマ、私達今日ずっと誰かに見られてる気がする」
「そうだね」
ミーシャとリアナを引き合わせてから数日はぱったりと付きまといが無くなった。それなのに今日、リアナと一緒にいるときはずっと視線を感じる。昼休みにリアナと話したときは、どこから見ているのか特定できなかった。
あいつ……ほとぼりが冷めたと思ってまた始めたな!?
授業終了を知らせる鐘が鳴って、私はすぐにリアナの元へ駆け寄った。
「あいつに文句言いに行こう!」
リアナの手を握って、あいつの教室に向かう。確か二年Aクラスだったか。
教室に着いて真っ直ぐにあいつのいる机に向かう。そして、バンと机を叩いた。ミーシャは驚いてこちらを振り向く。
「いい加減にしてよ! もう付きまといはしないって約束したでしょ!」
ミーシャは私の後ろに立つリアナの姿を見て震え出した。
「はわ……女神様が……はわわ……!」
「おい! 聞いてんのか!」
私はミーシャの顎を掴んで強引に視線を合わせた。
「付きまといはしないって約束したよね?」
「したよ! だからあれから一切してないって!」
「嘘つけ。今日ずっと見てたの知ってるんだから!」
「本当にやってないんだって! 今日は登校してから二学年のいる階を一度も出てない! 昼休みは魔法史のセーラ先生に呼ばれて次回の講義の準備を手伝ってた! 信じてくれ!」
「そこまで言うなら分かった」
私はミーシャの元を離れた。
「あれ、ルイスは?」
ルイスと第二図書室はセットみたいなものだから、いないのは変に思ったんだろう。
「今日はなんか用事があるんだって」
「へぇ」
用事というのは嘘だ。ルイスには「今日は第二図書室の蔵書点検があるから入れない」という嘘情報を伝えてまっすぐ家に帰ってもらった。攻略キャラ同士の直接接触は出来るだけ避けたいし、人目を避けるのにこの場所はうってつけだった。
「ここにエマと二人なんて初めて」
「そうだね。でも実はもう一人呼んでるんだ」
「もう一人?」
私は一つの椅子を出入口の扉に向かい合う形でセッティングした。
「リアナ、ここに座って」
私の言葉にリアナは従った。
「いい? これから呼ぶ人と握手をしてほしいの。それとこの台詞を言ってほしい」
私はリアナに耳打ちした。万が一にもこの扉の向こうにいる奴に仕込みの台詞を聞かれたら効果が無くなってしまう。
「なんでそんなことしないといけないの?」
「リアナのためだよ。私が保証するから」
「よく分からないけど分かった。頑張る」
「よし! じゃあ呼ぶね」
私は扉を勢いよく開けた。
「紹介します! リアナに付きまといをしていた、ミーシャ・クワイン君でーす!」
突然目の前に現れたリアナにミーシャは奇声をあげた。
「はわわわわわ!」
私はミーシャの背中を叩く。その衝撃で目に正気が戻った。
「ほら、一生の思い出作りに来たんでしょ」
「で、でも! まさかご本人が……」
動揺したミーシャに対して、平常運転のリアナは手を差し出した。
「握手しよう」
「ふええええ!?」
私は後ずさろうとするミーシャの腕を掴んだ。
「こんなチャンス、二度とないよ。するの? しないの?」
「し、ます……」
そう言って、差し出されたリアナの手をそっと両手で包んだ。リアナが口を開く。
「いつも応援してくれてありがとう。これからは陰から見守るんじゃなくて、全部エマを通してね」
そう言ってリアナは下手な作り笑いを浮かべた。
「はわ……! は、はい!」
「はい、お時間でーす」
私はミーシャをリアナから引きはがして扉を閉めた。リアナが私の方を疑わし気に見る。
「本当にこれ、なにか意味があったの?」
「あるある! 大アリだよ! これでもう付きまとわれることはないと思うよ」
リアナのことを女神様なんて言って慕っているくらいだから、私が百言うよりもリアナのあの一言がよく効くだろう。これでもしまだストーカーを辞めないようであれば、社会的にリアナへ接近できないようにしてやろう。
「そう、ならいいけど」
これでリアナに接触する3人の攻略キャラ達の対応が終わった……はずだった。
「エマ、私達今日ずっと誰かに見られてる気がする」
「そうだね」
ミーシャとリアナを引き合わせてから数日はぱったりと付きまといが無くなった。それなのに今日、リアナと一緒にいるときはずっと視線を感じる。昼休みにリアナと話したときは、どこから見ているのか特定できなかった。
あいつ……ほとぼりが冷めたと思ってまた始めたな!?
授業終了を知らせる鐘が鳴って、私はすぐにリアナの元へ駆け寄った。
「あいつに文句言いに行こう!」
リアナの手を握って、あいつの教室に向かう。確か二年Aクラスだったか。
教室に着いて真っ直ぐにあいつのいる机に向かう。そして、バンと机を叩いた。ミーシャは驚いてこちらを振り向く。
「いい加減にしてよ! もう付きまといはしないって約束したでしょ!」
ミーシャは私の後ろに立つリアナの姿を見て震え出した。
「はわ……女神様が……はわわ……!」
「おい! 聞いてんのか!」
私はミーシャの顎を掴んで強引に視線を合わせた。
「付きまといはしないって約束したよね?」
「したよ! だからあれから一切してないって!」
「嘘つけ。今日ずっと見てたの知ってるんだから!」
「本当にやってないんだって! 今日は登校してから二学年のいる階を一度も出てない! 昼休みは魔法史のセーラ先生に呼ばれて次回の講義の準備を手伝ってた! 信じてくれ!」
「そこまで言うなら分かった」
私はミーシャの元を離れた。
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