24 / 144
緊急クエスト
しおりを挟む
午前9時、私とマロフィノはギルドの受付のセリカさんに冒険者登録をしてもらっていた。
「記入は……問題ありませんね、それでは説明に入らせていただきます」
冒険者の心構えから始まり、次にランクとクエストについて説明があった。
正規冒険者は世界共通で、どのギルドで登録しても同じ扱いになるらしいが、信頼を求められる依頼の場合、登録ギルドの質も重要視される場合もあるのだとか。その点でいうとイザベルの冒険者は先人達の功績のおかげでかなり信頼度は高いらしい。
ちなみにランクは E、D、C、B、A、S、SSの7段階で、新人はもれなくEから始まり、そしてD、Cはレベルにかかわらずクエストの達成数で上がっていき、Bはレベル50以上なおかつギルド指定のBランククエストをCランク以下の冒険者3人以内で達成することが条件。Aはレベル75以上、AランククエストをBランク以下3人以内。
そしてSとSSはギルドマスターの推薦を受け、なおかつギルド連盟本部の承認を受けた者のみに与えられるランクで、現在100万人以上いる冒険ギルド登録者の中でSランクは113人、SSランクはたった15人しかいないという。
次にクエストはランク管理されたギルドクエスト、依頼主から直接受ける個人クエスト、国や自治体発行の公共クエストの3種類がある。基本的にはギルドクエストをこなしていくのが正規冒険者の仕事になるのだが、名前が売れてくると個人的に依頼が来ることも多いらしい。
ギルドクエストの場合には自分のランクより上のクエストを受けるにはギルドマスターの承認が必要で、稀にではあるが受付の判断でクエストを発注しないこともあるとのことだ。
「ちなみにSSランクってどんなことをすればなれるんですか?」
「どんなこと……ですか?うーん、どんなことと言うか、うちのマスターがSSなのでそれクラスになれば良いと思います」
ははは、なれば良いと思いますか……セリカさんは笑顔で簡潔に分かりやすくSSランクの凄さを教えてくれた。
「それではこちらをどうぞ」
首から下げれるように革紐の付いたカードサイズの盾の形をした鉄製の札を二枚渡された。盾の中心には宝石が埋め込まれその周りに紋章のような物が彫刻されている。
「イザベルギルド登録のEランク冒険者の証明符になります、国内外で身分証として使うことができますが、紛失の場合は当ギルドでのみ再発行が可能で再発行手数料10万ピックのほか、もれなくマスターより冒険者の心得についての説法がついてまいりますのでご注意下さい、とくにマロフィノちゃんの分もありますからタタラさんがしっかりと管理してくださいね」
「きっ気をつけます」
「フィン!」
Eランク冒険者は証明符のこの素材からアイアンルーキーと呼ばれるらしく、一年以上アイアンを所持していると赤錆野郎と表立ってバカにされるらしい。それはかなり嫌なので頑張って早めに一つはランクを上げねば。
「それでは最後にソウルリンクさせますので、それぞれ胸に当ててお待ちください」
セリカさんが大きな水晶のようなものをカウンター下から取り出し、右手をそれにかざすと当然発光し、その光が私達の証明符の宝石に向かって一直線に伸び宝石も光を放ちだした。しばらくそのままで待っていると、しだいに光は弱まり消えた。
「リンクは完了です、これで先ほど記入いただいた情報が証明符に入力されましたし、さらに討伐した魔獣の詳細や頭数などが記録されるようになりました。それらはこの識字石、またの名をリテラシーストーンで読み出せるので、大丈夫かとは思いますが虚偽報告はすぐにバレますから、絶対にしないように」
「了解しました」
おいおい、見た目がファンタジーなだけで要するにタイムカードと業務日報が一緒になったようなもんだよねこれ。まさかサボってないかGPSまで付いてるとか言いだしそうでちょっと嫌なんですけど。冒険者と言っても所詮はギルドという名の会社の会社員かぁ……。
「これで登録は以上です、本日はクエストを受けて行かれますか?」
少しげんなりしていた私は気を取り直して、昨日見た鉄鉱石の取得場所の情報を探る。
「プルガサス迷道という場所絡みで何かありませんか?」
「えーっとそれでしたら、当ギルド発行、プルガサス迷道攻略クエストがありますがランクはBですね」
セリカさんは山積みの依頼書を確認するそぶりも見せず即答した、もしかしてコレ全部記憶してるのか?
まぁとりあえず、今は受けることは出来ないがプルガサス迷道はやはりダンジョンの名称だった。この世界におけるダンジョンというのは、超高濃度の【マソ】が発生した時、複数の魔石が生成されてしまう場合があり、複数の魔石の収集効果が組み合わさって周囲の地形の【マナ】を丸ごと飲み込み、まったく別の空間に変換してしまったものを指すらしい。
そしてダンジョン内は常に高濃度の【マソ】が保たれ安定して魔獣が生成され、セリカさんの説明では全部は理解できなかったがとにかく不思議なことになっているのだとか。
「ちなみにダンジョン攻略というのは、ダンジョン内に必ずいる【迷宮核の魔石】を有したボス魔獣の討伐のことを指します」
迷宮核の魔石を破壊すると、例外なくダンジョン内の【マソ】濃度が低下して魔獣がほとんど発生しなくなるのだとか。そうするとダンジョン内に眠る資源が安定収集できるようになるため、ギルドは自分の領内にダンジョンが発生すると領地貢献のためギルド名義でダンジョン攻略クエストを発行するのだそうだ。ちなみに旅人が迷い込んだり、フィールド魔獣が入って異常繁殖したり逆に中から溢れ出てきたりしないようにギルドの責任で頑強な扉を付け普段は封印をかけているのだとか。ダンジョン……奥が深いぜ。
「ちなみにこのプルガサスはちょっとというか、かなり特殊な事態になってまして」
このダンジョンが発生したのは今から5年前。当時、出現魔獣のレベルの低さから一週間ほどで攻略できると言いきる者がいるほどイージーなものだと思われていたが、3階の大空洞から先がまったく見つからず、さらに年々濃くなる【マソ】のせいで魔獣のレベルが上がり、現在ではランクBまで上がった世界的にも珍しい特殊ダンジョンらしい。
「ちなみに、鉄が取れたとか聞いたことありますか?」
「ないです」
はっきり無いと断言された。あのダンジョンで取れるのは、せいぜい質の良い御影石くらいとのことなのだが、それではあの鉄鉱石はいったいどうやって……。
まぁ考えても分からないので、今日は簡単そうなクエストをこなして徐々に慣れていこう、というかホントに今さらなのだが、普通に読み書きができている自分に気づいた。
「エヴァさん!大変です!!」
「どうしたんですか?マスターは今、領主様のところに」
強く押された扉が大きな音を立て開く、そしてボロボロの鎧の冒険者がエヴァさんの名前を叫びながら倒れ込むように入ってきた。
「シロ村周辺のゴブリン討伐依頼は失敗です。付近の巣穴にいたのはロード級数頭、そして率いているのは【オーガ】でした」
「えっ!?そんな報告……」
「報奨金引き下げを狙って依頼主が故意に情報隠蔽をした可能性があります。現に我々が逃走してきたのに村の門は閉ざされいました」
おいおい、マジかよ、えげつないことするなぁ。
「【銀の矢】のパーティーメンバー救出のため緊急クエストの発行をお願いします!一番足の速い俺を必死に逃がしてくれたアイツらを……助けてください!!」
「もちろんです!急いで緊急救出パーティーを編成します」
セリカさんは銀の矢というパーティーのメンバーの名前を読み上げながら緊急クエストの用紙を作成している、その間ギルド内にいた冒険者達は彼の手当てをしながら状況の詳細を聞き出していた。
ギルドに討伐依頼を出す時、正確な討伐対象の規模が不明の場合、対象魔獣の最高ランク相当の報奨金を支払わなければいけない場合があり、それを嫌って嘘の情報で依頼を発注してくる輩がいる、今回がまさにそれだったのだ。
最高でゴブリンロード級(レベル25相当)他10数頭、ランクCと出された依頼は、なんとオーガ級(レベル70)他100頭越、ランクにするとAに限りなく近いBというまさに虚偽報告が生んだ大惨事になった。
「……から、アール・ストーリ。最後にリアス・アーバン以上七名で間違いないですか?」
心臓が大きく脈打った。今なんて言った?吐きそうなほどバクつく心臓を抑えながら声を絞り出す。
「今、最後。なんて?」
「一昨日タタラさんと一緒にいらした、リアス・アーバンさんです」
頭が真っ白になり、気づけば私は逃げてきた男の胸ぐらを掴み、村の場所を聞き出していた、北東に10キロほどか。
私の行動を予見して、セリカさんが大声で制止をかける。
「タタラさん待ってください!緊急クエストの依頼書ができたので今すぐにでも救助隊が結成されます。二次災害を防ぐためにクエストランクはA、参加者もBランク以上に限定します。そのため今回あなたは参加できませんし、もし勝手に行動した場合クエスト妨害として資格を剥奪される場合もあります。ですからタタラさんはここで」
「今、あなたが言ったことは何一つ、俺がここで待たなければいけない理由にはならない!!マロフィノ!」
「フィン!!」
大きな声で感情的に怒鳴り、ギルドを飛び出し私達は走り出す。
チクショウ!チクショウ!チクショウ!なんで俺は、昨日、あの時、一緒に行こうって言わなかったんだ!
チクショウ!!
何かが私の心臓を激しく動かし、その鼓動の音が私の中で警告のように鳴り続けていた。
「記入は……問題ありませんね、それでは説明に入らせていただきます」
冒険者の心構えから始まり、次にランクとクエストについて説明があった。
正規冒険者は世界共通で、どのギルドで登録しても同じ扱いになるらしいが、信頼を求められる依頼の場合、登録ギルドの質も重要視される場合もあるのだとか。その点でいうとイザベルの冒険者は先人達の功績のおかげでかなり信頼度は高いらしい。
ちなみにランクは E、D、C、B、A、S、SSの7段階で、新人はもれなくEから始まり、そしてD、Cはレベルにかかわらずクエストの達成数で上がっていき、Bはレベル50以上なおかつギルド指定のBランククエストをCランク以下の冒険者3人以内で達成することが条件。Aはレベル75以上、AランククエストをBランク以下3人以内。
そしてSとSSはギルドマスターの推薦を受け、なおかつギルド連盟本部の承認を受けた者のみに与えられるランクで、現在100万人以上いる冒険ギルド登録者の中でSランクは113人、SSランクはたった15人しかいないという。
次にクエストはランク管理されたギルドクエスト、依頼主から直接受ける個人クエスト、国や自治体発行の公共クエストの3種類がある。基本的にはギルドクエストをこなしていくのが正規冒険者の仕事になるのだが、名前が売れてくると個人的に依頼が来ることも多いらしい。
ギルドクエストの場合には自分のランクより上のクエストを受けるにはギルドマスターの承認が必要で、稀にではあるが受付の判断でクエストを発注しないこともあるとのことだ。
「ちなみにSSランクってどんなことをすればなれるんですか?」
「どんなこと……ですか?うーん、どんなことと言うか、うちのマスターがSSなのでそれクラスになれば良いと思います」
ははは、なれば良いと思いますか……セリカさんは笑顔で簡潔に分かりやすくSSランクの凄さを教えてくれた。
「それではこちらをどうぞ」
首から下げれるように革紐の付いたカードサイズの盾の形をした鉄製の札を二枚渡された。盾の中心には宝石が埋め込まれその周りに紋章のような物が彫刻されている。
「イザベルギルド登録のEランク冒険者の証明符になります、国内外で身分証として使うことができますが、紛失の場合は当ギルドでのみ再発行が可能で再発行手数料10万ピックのほか、もれなくマスターより冒険者の心得についての説法がついてまいりますのでご注意下さい、とくにマロフィノちゃんの分もありますからタタラさんがしっかりと管理してくださいね」
「きっ気をつけます」
「フィン!」
Eランク冒険者は証明符のこの素材からアイアンルーキーと呼ばれるらしく、一年以上アイアンを所持していると赤錆野郎と表立ってバカにされるらしい。それはかなり嫌なので頑張って早めに一つはランクを上げねば。
「それでは最後にソウルリンクさせますので、それぞれ胸に当ててお待ちください」
セリカさんが大きな水晶のようなものをカウンター下から取り出し、右手をそれにかざすと当然発光し、その光が私達の証明符の宝石に向かって一直線に伸び宝石も光を放ちだした。しばらくそのままで待っていると、しだいに光は弱まり消えた。
「リンクは完了です、これで先ほど記入いただいた情報が証明符に入力されましたし、さらに討伐した魔獣の詳細や頭数などが記録されるようになりました。それらはこの識字石、またの名をリテラシーストーンで読み出せるので、大丈夫かとは思いますが虚偽報告はすぐにバレますから、絶対にしないように」
「了解しました」
おいおい、見た目がファンタジーなだけで要するにタイムカードと業務日報が一緒になったようなもんだよねこれ。まさかサボってないかGPSまで付いてるとか言いだしそうでちょっと嫌なんですけど。冒険者と言っても所詮はギルドという名の会社の会社員かぁ……。
「これで登録は以上です、本日はクエストを受けて行かれますか?」
少しげんなりしていた私は気を取り直して、昨日見た鉄鉱石の取得場所の情報を探る。
「プルガサス迷道という場所絡みで何かありませんか?」
「えーっとそれでしたら、当ギルド発行、プルガサス迷道攻略クエストがありますがランクはBですね」
セリカさんは山積みの依頼書を確認するそぶりも見せず即答した、もしかしてコレ全部記憶してるのか?
まぁとりあえず、今は受けることは出来ないがプルガサス迷道はやはりダンジョンの名称だった。この世界におけるダンジョンというのは、超高濃度の【マソ】が発生した時、複数の魔石が生成されてしまう場合があり、複数の魔石の収集効果が組み合わさって周囲の地形の【マナ】を丸ごと飲み込み、まったく別の空間に変換してしまったものを指すらしい。
そしてダンジョン内は常に高濃度の【マソ】が保たれ安定して魔獣が生成され、セリカさんの説明では全部は理解できなかったがとにかく不思議なことになっているのだとか。
「ちなみにダンジョン攻略というのは、ダンジョン内に必ずいる【迷宮核の魔石】を有したボス魔獣の討伐のことを指します」
迷宮核の魔石を破壊すると、例外なくダンジョン内の【マソ】濃度が低下して魔獣がほとんど発生しなくなるのだとか。そうするとダンジョン内に眠る資源が安定収集できるようになるため、ギルドは自分の領内にダンジョンが発生すると領地貢献のためギルド名義でダンジョン攻略クエストを発行するのだそうだ。ちなみに旅人が迷い込んだり、フィールド魔獣が入って異常繁殖したり逆に中から溢れ出てきたりしないようにギルドの責任で頑強な扉を付け普段は封印をかけているのだとか。ダンジョン……奥が深いぜ。
「ちなみにこのプルガサスはちょっとというか、かなり特殊な事態になってまして」
このダンジョンが発生したのは今から5年前。当時、出現魔獣のレベルの低さから一週間ほどで攻略できると言いきる者がいるほどイージーなものだと思われていたが、3階の大空洞から先がまったく見つからず、さらに年々濃くなる【マソ】のせいで魔獣のレベルが上がり、現在ではランクBまで上がった世界的にも珍しい特殊ダンジョンらしい。
「ちなみに、鉄が取れたとか聞いたことありますか?」
「ないです」
はっきり無いと断言された。あのダンジョンで取れるのは、せいぜい質の良い御影石くらいとのことなのだが、それではあの鉄鉱石はいったいどうやって……。
まぁ考えても分からないので、今日は簡単そうなクエストをこなして徐々に慣れていこう、というかホントに今さらなのだが、普通に読み書きができている自分に気づいた。
「エヴァさん!大変です!!」
「どうしたんですか?マスターは今、領主様のところに」
強く押された扉が大きな音を立て開く、そしてボロボロの鎧の冒険者がエヴァさんの名前を叫びながら倒れ込むように入ってきた。
「シロ村周辺のゴブリン討伐依頼は失敗です。付近の巣穴にいたのはロード級数頭、そして率いているのは【オーガ】でした」
「えっ!?そんな報告……」
「報奨金引き下げを狙って依頼主が故意に情報隠蔽をした可能性があります。現に我々が逃走してきたのに村の門は閉ざされいました」
おいおい、マジかよ、えげつないことするなぁ。
「【銀の矢】のパーティーメンバー救出のため緊急クエストの発行をお願いします!一番足の速い俺を必死に逃がしてくれたアイツらを……助けてください!!」
「もちろんです!急いで緊急救出パーティーを編成します」
セリカさんは銀の矢というパーティーのメンバーの名前を読み上げながら緊急クエストの用紙を作成している、その間ギルド内にいた冒険者達は彼の手当てをしながら状況の詳細を聞き出していた。
ギルドに討伐依頼を出す時、正確な討伐対象の規模が不明の場合、対象魔獣の最高ランク相当の報奨金を支払わなければいけない場合があり、それを嫌って嘘の情報で依頼を発注してくる輩がいる、今回がまさにそれだったのだ。
最高でゴブリンロード級(レベル25相当)他10数頭、ランクCと出された依頼は、なんとオーガ級(レベル70)他100頭越、ランクにするとAに限りなく近いBというまさに虚偽報告が生んだ大惨事になった。
「……から、アール・ストーリ。最後にリアス・アーバン以上七名で間違いないですか?」
心臓が大きく脈打った。今なんて言った?吐きそうなほどバクつく心臓を抑えながら声を絞り出す。
「今、最後。なんて?」
「一昨日タタラさんと一緒にいらした、リアス・アーバンさんです」
頭が真っ白になり、気づけば私は逃げてきた男の胸ぐらを掴み、村の場所を聞き出していた、北東に10キロほどか。
私の行動を予見して、セリカさんが大声で制止をかける。
「タタラさん待ってください!緊急クエストの依頼書ができたので今すぐにでも救助隊が結成されます。二次災害を防ぐためにクエストランクはA、参加者もBランク以上に限定します。そのため今回あなたは参加できませんし、もし勝手に行動した場合クエスト妨害として資格を剥奪される場合もあります。ですからタタラさんはここで」
「今、あなたが言ったことは何一つ、俺がここで待たなければいけない理由にはならない!!マロフィノ!」
「フィン!!」
大きな声で感情的に怒鳴り、ギルドを飛び出し私達は走り出す。
チクショウ!チクショウ!チクショウ!なんで俺は、昨日、あの時、一緒に行こうって言わなかったんだ!
チクショウ!!
何かが私の心臓を激しく動かし、その鼓動の音が私の中で警告のように鳴り続けていた。
0
お気に入りに追加
252
あなたにおすすめの小説
異世界のおっさんフリー冒険者は固有スキル「傘を刺す」で最強無双だった
中七七三
ファンタジー
なんの恥ずかしげもないテンプレ展開。
超ブラック企業に務めるおっさん、サラリーマンはトッラク(以下略
んで、異世界に転生。
転生したのは、異世界有数の名門貴族。
そして、5歳になると「固有スキル」を与えられるのだ。
降臨の儀式で、天より魔具を授かり、それと一体となるこで「固有スキル」を発揮できる。
異世界に転生したおっさんも、儀式で魔具を授かる。
それは、彼を「異世界最強・無双」にするものだった。
余りに希少な能力に、周囲は騒然、盛り上がる。
しかし――
「いらねーよこんな魔具(もん)!」
転生した元おっさんは、そんなものは要らなかった。
魔具も「異世界最強・無双」の固有スキルもいらない。
めざすのは、まったりゆっくりのスローライフだ。
しかし、付与された魔具と固有スキルはもう切り離せない。
「なにが、高貴なる物の義務だ。クソか! アホウか!」
彼は家を飛び出し気ままな冒険者生活に入った。
それも、楽ちんな採取専門のフリー冒険者。
冒険者ギルドにすら所属していない。
「Sランク? なにそれ。いいよ適当で……」
しかし、彼の「異世界最強・無双」の力は魅力的すぎた。
実家からは、彼の「すご腕の婚約者」たちが、追手として放たれた。
3人の美少女達――
「もうね、彼の子をなせば、名門貴族の正妻確約なのよぉ!」
「あら、そう簡単にいくかしら?」
「愛してます…… 愛しています…… 愛しているのです……」
元おっさん、逃げ切れるのか?
気楽に、ゆったり生活できればそれで十分――
元おっさんサラリーマンにして、転生フリー冒険者に安息の日はやってくるのか?
(表紙は「英雄キャラクタージェネレータ|サクセス」様で作成したものです)
日本国転生
北乃大空
SF
女神ガイアは神族と呼ばれる宇宙管理者であり、地球を含む太陽系を管理して人類の歴史を見守ってきた。
或る日、ガイアは地球上の人類未来についてのシミュレーションを実施し、その結果は22世紀まで確実に人類が滅亡するシナリオで、何度実施しても滅亡する確率は99.999%であった。
ガイアは人類滅亡シミュレーション結果を中央管理局に提出、事態を重くみた中央管理局はガイアに人類滅亡の回避指令を出した。
その指令内容は地球人類の歴史改変で、現代地球とは別のパラレルワールド上に存在するもう一つの地球に干渉して歴史改変するものであった。
ガイアが取った歴史改変方法は、国家丸ごと転移するもので転移する国家は何と現代日本であり、その転移先は太平洋戦争開戦1年前の日本で、そこに国土ごと上書きするというものであった。
その転移先で日本が世界各国と開戦し、そこで起こる様々な出来事を超人的な能力を持つ女神と天使達の手助けで日本が覇権国家になり、人類滅亡を回避させて行くのであった。
没落貴族のやりすぎ異世界転生者は妹の病を治すため奔走する~しかし僕は知らなかった。どうやらこの世界はショタ好きが多いようです~
マーラッシュ
ファンタジー
居眠り運転の車に巻き込まれて死んでしまった天城ヒイロ。気がつくと赤子に生まれかわり、そこはファンタジー小説に出てくるような異世界だった。
没落貴族の長男のユートとして育った彼は、この世界エルドアースのことや、様々なことを必死に学んだ。それは最愛の妹であるトアの身体を治すため――
だがトアはこの世界の医学では治すことが出来ない病に犯されていた。しかしここは魔法や不思議が溢れる異世界。トアの病を治すための方法が必ずあるとユートは諦めていなかった。
そして迎えた十歳の誕生日。ユートは洗礼を受けて女神から力をもらう。
その力はカードマスター。今まで聞いたことのないジョブだったことと、没落貴族であったことから、周囲から嘲笑される。
だが女神の力のせいなのか、ユートはジョブを授かった瞬間から、カードマスターの力を理解していた。
この世界のあらゆるものをカードにし使用できる力は、使い方次第では最強になれると。
これはカードに運命を託した少年が、望む未来手にするためにやりすぎてしまうドタバタな物語である。
分析スキルで美少女たちの恥ずかしい秘密が見えちゃう異世界生活
SenY
ファンタジー
"分析"スキルを持って異世界に転生した主人公は、相手の力量を正確に見極めて勝てる相手にだけ確実に勝つスタイルで短期間に一財を為すことに成功する。
クエスト報酬で豪邸を手に入れたはいいものの一人で暮らすには広すぎると悩んでいた主人公。そんな彼が友人の勧めで奴隷市場を訪れ、記憶喪失の美少女奴隷ルナを購入したことから、物語は動き始める。
これまで危ない敵から逃げたり弱そうな敵をボコるのにばかり"分析"を活用していた主人公が、そのスキルを美少女の恥ずかしい秘密を覗くことにも使い始めるちょっとエッチなハーレム系ラブコメ。
2年ぶりに家を出たら異世界に飛ばされた件
後藤蓮
ファンタジー
生まれてから12年間、東京にすんでいた如月零は中学に上がってすぐに、親の転勤で北海道の中高一貫高に学校に転入した。
転入してから直ぐにその学校でいじめられていた一人の女の子を助けた零は、次のいじめのターゲットにされ、やがて引きこもってしまう。
それから2年が過ぎ、零はいじめっ子に復讐をするため学校に行くことを決断する。久しぶりに家を出る決断をして家を出たまでは良かったが、学校にたどり着く前に零は突如謎の光に包まれてしまい気づいた時には森の中に転移していた。
これから零はどうなってしまうのか........。
お気に入り・感想等よろしくお願いします!!
攫われた転生王子は下町でスローライフを満喫中!?
伽羅
ファンタジー
転生したのに、どうやら捨てられたらしい。しかも気がついたら籠に入れられ川に流されている。
このままじゃ死んじゃう!っと思ったら運良く拾われて下町でスローライフを満喫中。
自分が王子と知らないまま、色々ともの作りをしながら新しい人生を楽しく生きている…。
そんな主人公や王宮を取り巻く不穏な空気とは…。
このまま下町でスローライフを送れるのか?
勇者召喚に巻き込まれたおっさんはウォッシュの魔法(必須:ウィッシュのポーズ)しか使えません。~大川大地と女子高校生と行く気ままな放浪生活~
北きつね
ファンタジー
勇者召喚に巻き込まれた”おっさん”は、すぐにステータスを偽装した。
ろくでもない目的で、勇者召喚をしたのだと考えたからだ。
一緒に召喚された、女子高校生と城を抜け出して、王都を脱出する方法を考える。
ダメだ大人と、理不尽ないじめを受けていた女子高校生は、巻き込まれた勇者召喚で知り合った。二人と名字と名前を持つ猫(聖獣)とのスローライフは、いろいろな人を巻き込んでにぎやかになっていく。
おっさんは、日本に居た時と同じ仕事を行い始める。
女子高校生は、隠したスキルを使って、おっさんの仕事を手伝う(手伝っているつもり)。
注)作者が楽しむ為に書いています。
誤字脱字が多いです。誤字脱字は、見つけ次第直していきますが、更新はまとめて行います。
退屈な人生を歩んでいたおっさんが異世界に飛ばされるも無自覚チートで無双しながらネットショッピングしたり奴隷を買ったりする話
菊池 快晴
ファンタジー
無難に生きて、真面目に勉強して、最悪なブラック企業に就職した男、君内志賀(45歳)。
そんな人生を歩んできたおっさんだったが、異世界に転生してチートを授かる。
超成熟、四大魔法、召喚術、剣術、魔力、どれをとっても異世界最高峰。
極めつけは異世界にいながら元の世界の『ネットショッピング』まで。
生真面目で不器用、そんなおっさんが、奴隷幼女を即購入!?
これは、無自覚チートで無双する真面目なおっさんが、元の世界のネットショッピングを楽しみつつ、奴隷少女と異世界をマイペースに旅するほんわか物語です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる