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11 怨嗟の果てに残ったもの
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「到着いたしました」
「ご苦労様でした」
渋滞を抜けてようやく家に帰り着いたのは、夕食の時間をとおに過ぎた頃だった。優衣に軽い食事をさせ、風呂に一緒に入った後、娘が眠くなるまでアニメの映画を一緒に観る。
いつもより遅い時間に眠りについた娘をベッドに運んだ後、真由香は珍しくワインを開けた。たまに外食のとき口にするくらいで、普段は飲まないアルコールだが、その夜は飲まずにはいられなかった。
(明日こそ、彼に電話しよう。SNSの方がいいかな?いや、やっぱり、直接伝えないと┅┅一回だけ会ってくれるようにお願いするんだ┅┅彼ならきっと会ってくれる┅┅)
そして、何を話したらいいんだろう?自分が前に進むために、自分が選んだ選択を理解して、許して欲しい?自分がいかに辛く、苦しかったか、知って欲しい?
どれも正解で、たぶんどれも正解じゃない。
真由香は自分が一番何を望んでいるか、分かっていた。でも、それは絶対に優士郎は許してくれないこともまた、分かっていたのだ。それをあえて彼にぶつけ、どんな答えでもいい、彼から受け取ったときに、初めて自分は一歩前に踏み出すことができると思う。
決意を胸にした真由香は、ベッドに横になってもなかなか寝付けなかったが、ワインの酔いが、やがて彼女を深い眠りに引き込んでいった。
次の日の朝、一歩を踏み出す決意をした真由香のもとへ、思いがけない知らせが届けられた。夫の紫龍が、昨夜、不慮の事故で死んだというのだ。
にわかには信じられない知らせに、真由香は取る物も取りあえず娘を連れて、夫の死体が安置されているという病院へ向かった。
大がかりなショーマジックをする者は、ときにミスや不運な事故で命を落とすことは珍しいことではない。しかし、紫龍に限れば、それほど危険なマジックはしていないし、何より用意周到で、執念深いあの男が簡単に死ぬとは思えなかった。
真由香は驚きといいしれない不安は感じていたが、悲しみは感じなかった。むしろ、心のどこかで、何かに解放された安堵と、運命の神の非情さを思うのだった。
トントンとドアを軽くノックする音の後に、間の抜けた声が聞こえてくる。
「鹿島優士郎、参りました┅┅入りまぁす」
「やっと来たか、入れ」
隊長室のドアが開き、寝ぼけ顔の若者が入ってくる。
「また遅刻だそうだな?そろそろ減給訓告が来るかもな」
「ええっ、そんなぁ┅┅夕べは大変だったんすから┅┅」
優士郎が情けない声を上げると、横合いからくすくすと笑い声が聞こえてきた。
「おんやあ、君たちも呼び出しくらったのかい?」
「違いますよ。僕は入署以来、無遅刻無欠勤記録を続けているんですから」
「なに当たり前のことを自慢してるのよ。まあ十年それを続けられたら、少しはほめてあげるけど」
酒井と飯田の若い二人の隊員が、ソファから立ち上がって鹿島のそばへ歩み寄る。
「ふむ┅┅となると┅┅何の用すか?また、事件かなにか┅┅」
「いや、今日は君たちに大事な用があって来てもらった」
隊長の黒田はそう言うと、デスクの引き出しから数枚の文書を取り出した。
「こっちは、内閣官房長官から直々送られて来た感謝状だ┅┅そしてこっちは、警視総監からの通達文┅┅」
机に置かれた数枚の文書を、酒井と飯田は興味深げにのぞき込んだ。
「へえ、官房長官直々とは┅┅なんか偉くなった気分ですね」
「┅┅ん?なになに┅┅外事特捜合同処理班┅┅?」
飯田は片方の文書を取り上げて詳しく読み始める。
「うむ┅┅実はな、だいぶ前から話はあったんだが┅┅鹿島の特別処理係を班に格上げして、外事二課との合同チームにすることになった┅┅といっても、知っての通り、あまりおおっぴらにはできない。そこで、鹿島の他に、外事二課から一人、うちの班から一人出して、三人のチームで始めようということだ。
というわけで、酒井、飯田、お前たちの内どちらか一人にチームに入ってもらいたい」
黒田の話が終わるやいなや、若い二人の隊員は同時にさっと手を上げた。
「自分がやります」
「わたしにやらせて下さい」
「おお、積極的でなかなかよろしい。ふむ┅┅どうするか┅┅鹿島、どっちと組たい?」
優士郎は困ったように苦笑して頭をかきながら、のんびりした口調で答えた。
「ああ、そうですねえ┅┅僕はどっちでもいいですよ┅┅二人とも優秀だし┅┅ううん、ただ、女性は一人いてくれると助かりますね┅┅ああ、じゃあこうしたらどうでしょうか┅┅外事から来るのが男だったら、飯田君、女だったら酒井君、ということで┅┅」
「うむ、いいだろう。二人とも、それでいいか?」
「はいっ。もし、だめでも、いざというときは無理矢理でもチームに入れてもらいますからね、鹿島さん」
「わたしも、右に同じです。よし、今から外事に行って、男を選ぶように掛け合ってくる」
「ええっ、そ、それって反則でしょ?」
「冗談でもやめとけ」
「はい、冗談なので、やめときます」
鹿島が笑い出し、他の者たちもそれにつられるように笑い始める。(結局、後日外事からは男性捜査官が来ることになった)
「さて、話は変わるが、紫龍の遺産の件なんだが┅┅」
隊長は鹿島に向かってそう言い出してから、鹿島の表情を見て、いったん言葉を切った。
「ああ、お前たちはもう帰っていいぞ」
微妙な空気を読んで、二人の隊員は敬礼をして部屋を出て行く。
「鹿島さん、昼飯一緒に食べに行きませんか?」
「おお、行く行く」
「じゃあ、また後で。失礼します」
二人が出て行くと、黒田は椅子から立って、窓の方へ歩いて行く。
「奴が、マジシャン紫龍として死んだからには、ちょっとした脱税や申告漏れ以外は、全部遺族が引き継ぐだろうな┅┅これから、何か、新しい証拠や証人が出てくれば、差し押さえって事態になるかもしれんがな」
「そうですか┅┅すみません、余計なことで手を煩わせて」
「いや、自分のこれまでの経験から言っているだけだ。もっと詳しく知りたければ、マルサの友人を紹介するが┅┅」
「いえ、それにはおよびません┅┅」
優士郎は安堵の表情でそう言った。
夫を失って、真由香がどんなにショックを受け、悲しんでいるか。そのうえ、金銭で彼女がまた辛い思いをすることは、優士郎には耐えられないことだった。しかも、夫を殺したのが優士郎だと知ったら、真由香はどんなに苦しむだろう。
「鹿島┅┅お前には辛い仕事をさせている。だが、これはお前にしか出来ない仕事だ┅┅つらいときには、俺にぶつけに来い。やけ酒くらいおごってやる」
「あはは┅┅ありがとうございます、その節はよろしくお願いします。では、失礼します」
新聞やテレビは、連日、世界的マジシャンの不慮の事故死を大きく取り上げて報じた。
中には、その死に疑問を投げかける新聞やテレビ番組もあったが、興味本位以上の情報は何も出てこなかった。そうした騒ぎがようやく収まったのは、もうあと数日で新しい年を迎えるという年の瀬も押し詰まった頃だった。
葬儀にお別れの会、その合間の遺産相続の手続きやマスコミへの応対など、目が回る忙しさだった真由香も、ようやく落ち着いた生活に戻っていた。
最初は信じられなかった夫の死も、紛れもない本物の夫の遺体を見て、ようやくそれが現実のことだと理解した。ただ、遺体を見て、報道されたような不慮の事故死などではなく、誰かに殺されたのは間違いないと確信したが、あえて警察にそれをただすことはしなかった。死に方はどうでもよかった。もう、この世にあの男がいなくなった、という事実が何より大事だったからだ。
忙しい間、ずっと娘の世話のために病院から一時退院していた母も、その日の昼近く、迎えの看護師と共に病院へ帰っていった。優衣が父親の死を実感できず、祖母と何日も一緒に楽しく遊んでいてくれたのは救いだった。優衣はほとんど父親の顔を知らなかったし、父親の愛情も受けたことは無かったので、父親の死を悲しむことはなかった。
娘が思春期を迎え、大人へと成長するとき、それがどんな影響を与えるか、今はまだ分からない。真由香にはその危機を乗り越えるための一つの儚い希望があったが、まだ、そのことは彼女の心の中にしまい込まれた秘密だった。
「ご苦労様でした」
渋滞を抜けてようやく家に帰り着いたのは、夕食の時間をとおに過ぎた頃だった。優衣に軽い食事をさせ、風呂に一緒に入った後、娘が眠くなるまでアニメの映画を一緒に観る。
いつもより遅い時間に眠りについた娘をベッドに運んだ後、真由香は珍しくワインを開けた。たまに外食のとき口にするくらいで、普段は飲まないアルコールだが、その夜は飲まずにはいられなかった。
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そして、何を話したらいいんだろう?自分が前に進むために、自分が選んだ選択を理解して、許して欲しい?自分がいかに辛く、苦しかったか、知って欲しい?
どれも正解で、たぶんどれも正解じゃない。
真由香は自分が一番何を望んでいるか、分かっていた。でも、それは絶対に優士郎は許してくれないこともまた、分かっていたのだ。それをあえて彼にぶつけ、どんな答えでもいい、彼から受け取ったときに、初めて自分は一歩前に踏み出すことができると思う。
決意を胸にした真由香は、ベッドに横になってもなかなか寝付けなかったが、ワインの酔いが、やがて彼女を深い眠りに引き込んでいった。
次の日の朝、一歩を踏み出す決意をした真由香のもとへ、思いがけない知らせが届けられた。夫の紫龍が、昨夜、不慮の事故で死んだというのだ。
にわかには信じられない知らせに、真由香は取る物も取りあえず娘を連れて、夫の死体が安置されているという病院へ向かった。
大がかりなショーマジックをする者は、ときにミスや不運な事故で命を落とすことは珍しいことではない。しかし、紫龍に限れば、それほど危険なマジックはしていないし、何より用意周到で、執念深いあの男が簡単に死ぬとは思えなかった。
真由香は驚きといいしれない不安は感じていたが、悲しみは感じなかった。むしろ、心のどこかで、何かに解放された安堵と、運命の神の非情さを思うのだった。
トントンとドアを軽くノックする音の後に、間の抜けた声が聞こえてくる。
「鹿島優士郎、参りました┅┅入りまぁす」
「やっと来たか、入れ」
隊長室のドアが開き、寝ぼけ顔の若者が入ってくる。
「また遅刻だそうだな?そろそろ減給訓告が来るかもな」
「ええっ、そんなぁ┅┅夕べは大変だったんすから┅┅」
優士郎が情けない声を上げると、横合いからくすくすと笑い声が聞こえてきた。
「おんやあ、君たちも呼び出しくらったのかい?」
「違いますよ。僕は入署以来、無遅刻無欠勤記録を続けているんですから」
「なに当たり前のことを自慢してるのよ。まあ十年それを続けられたら、少しはほめてあげるけど」
酒井と飯田の若い二人の隊員が、ソファから立ち上がって鹿島のそばへ歩み寄る。
「ふむ┅┅となると┅┅何の用すか?また、事件かなにか┅┅」
「いや、今日は君たちに大事な用があって来てもらった」
隊長の黒田はそう言うと、デスクの引き出しから数枚の文書を取り出した。
「こっちは、内閣官房長官から直々送られて来た感謝状だ┅┅そしてこっちは、警視総監からの通達文┅┅」
机に置かれた数枚の文書を、酒井と飯田は興味深げにのぞき込んだ。
「へえ、官房長官直々とは┅┅なんか偉くなった気分ですね」
「┅┅ん?なになに┅┅外事特捜合同処理班┅┅?」
飯田は片方の文書を取り上げて詳しく読み始める。
「うむ┅┅実はな、だいぶ前から話はあったんだが┅┅鹿島の特別処理係を班に格上げして、外事二課との合同チームにすることになった┅┅といっても、知っての通り、あまりおおっぴらにはできない。そこで、鹿島の他に、外事二課から一人、うちの班から一人出して、三人のチームで始めようということだ。
というわけで、酒井、飯田、お前たちの内どちらか一人にチームに入ってもらいたい」
黒田の話が終わるやいなや、若い二人の隊員は同時にさっと手を上げた。
「自分がやります」
「わたしにやらせて下さい」
「おお、積極的でなかなかよろしい。ふむ┅┅どうするか┅┅鹿島、どっちと組たい?」
優士郎は困ったように苦笑して頭をかきながら、のんびりした口調で答えた。
「ああ、そうですねえ┅┅僕はどっちでもいいですよ┅┅二人とも優秀だし┅┅ううん、ただ、女性は一人いてくれると助かりますね┅┅ああ、じゃあこうしたらどうでしょうか┅┅外事から来るのが男だったら、飯田君、女だったら酒井君、ということで┅┅」
「うむ、いいだろう。二人とも、それでいいか?」
「はいっ。もし、だめでも、いざというときは無理矢理でもチームに入れてもらいますからね、鹿島さん」
「わたしも、右に同じです。よし、今から外事に行って、男を選ぶように掛け合ってくる」
「ええっ、そ、それって反則でしょ?」
「冗談でもやめとけ」
「はい、冗談なので、やめときます」
鹿島が笑い出し、他の者たちもそれにつられるように笑い始める。(結局、後日外事からは男性捜査官が来ることになった)
「さて、話は変わるが、紫龍の遺産の件なんだが┅┅」
隊長は鹿島に向かってそう言い出してから、鹿島の表情を見て、いったん言葉を切った。
「ああ、お前たちはもう帰っていいぞ」
微妙な空気を読んで、二人の隊員は敬礼をして部屋を出て行く。
「鹿島さん、昼飯一緒に食べに行きませんか?」
「おお、行く行く」
「じゃあ、また後で。失礼します」
二人が出て行くと、黒田は椅子から立って、窓の方へ歩いて行く。
「奴が、マジシャン紫龍として死んだからには、ちょっとした脱税や申告漏れ以外は、全部遺族が引き継ぐだろうな┅┅これから、何か、新しい証拠や証人が出てくれば、差し押さえって事態になるかもしれんがな」
「そうですか┅┅すみません、余計なことで手を煩わせて」
「いや、自分のこれまでの経験から言っているだけだ。もっと詳しく知りたければ、マルサの友人を紹介するが┅┅」
「いえ、それにはおよびません┅┅」
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「あはは┅┅ありがとうございます、その節はよろしくお願いします。では、失礼します」
新聞やテレビは、連日、世界的マジシャンの不慮の事故死を大きく取り上げて報じた。
中には、その死に疑問を投げかける新聞やテレビ番組もあったが、興味本位以上の情報は何も出てこなかった。そうした騒ぎがようやく収まったのは、もうあと数日で新しい年を迎えるという年の瀬も押し詰まった頃だった。
葬儀にお別れの会、その合間の遺産相続の手続きやマスコミへの応対など、目が回る忙しさだった真由香も、ようやく落ち着いた生活に戻っていた。
最初は信じられなかった夫の死も、紛れもない本物の夫の遺体を見て、ようやくそれが現実のことだと理解した。ただ、遺体を見て、報道されたような不慮の事故死などではなく、誰かに殺されたのは間違いないと確信したが、あえて警察にそれをただすことはしなかった。死に方はどうでもよかった。もう、この世にあの男がいなくなった、という事実が何より大事だったからだ。
忙しい間、ずっと娘の世話のために病院から一時退院していた母も、その日の昼近く、迎えの看護師と共に病院へ帰っていった。優衣が父親の死を実感できず、祖母と何日も一緒に楽しく遊んでいてくれたのは救いだった。優衣はほとんど父親の顔を知らなかったし、父親の愛情も受けたことは無かったので、父親の死を悲しむことはなかった。
娘が思春期を迎え、大人へと成長するとき、それがどんな影響を与えるか、今はまだ分からない。真由香にはその危機を乗り越えるための一つの儚い希望があったが、まだ、そのことは彼女の心の中にしまい込まれた秘密だった。
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