63 / 80
61 終戦とタナトスの砦 1
しおりを挟む
「なんだとっ! 友軍を戦場にほったらかしにして逃げ帰って来たと言うのか?」
タナトス要塞の司令官室に、司令官アスターク・レブロンの怒声が響き渡った。そのレブロンの上半身と頭には包帯が厚く巻かれていた。先日、前線で軍の指揮を執っていた彼のもとへ、敵の魔導士が放ったファイヤーボールが直撃し、大やけどを負ったのである。
「は、はっ、しかし、敵の魔法攻撃は凄まじく、あのまま踏みとどまっていれば、全滅もあり得た状況でして、いたしかたなく……」
「そうであれば、なおさら指揮官であるお前がしんがりになって、兵を逃がすのが務めであろう。それを誰より先に逃げ帰るとは、恥を知れっ! もうよい、去れっ!」
厳しい叱責を受けた騎馬隊長のカミーユ・ロドン男爵は、あからさまに不満げな顔で部屋を出て行った。
レブロン辺境伯は大きなため息を吐くと、悔し気に拳でベッドの端を叩いた。
「やはり、あの男に指揮を任せたのは間違いだった。こうなったら、やはり私が……」
「いけません、閣下。まだご無理ができるお体ではありません」
ベッドから出ようとする司令官を、側近の参謀、ベルローズ準男爵が止めた。
「だが、奴に任せていたら被害が大きくなるばかりだぞ」
「……無念ですが、現在の騎馬隊の半数以上がロドン男爵の私兵です。ここで彼を切れば、恐らく彼は兵を連れて領地へ引き上げるでしょう」
辺境伯は苦悶の表情で再びため息を吐いた。
「閣下、あと二日でパルマ―伯爵の援軍が到着します。それまで、なんとか私が持ちこたえます。どうかご辛抱を」
「……わかった。頼むぞ、アラン」
「はっ、お任せを。さっそく動ける兵を集めてみます」
ベルローズ準男爵は敬礼すると、部屋から出て行った。
♢♢♢
俺は騎馬兵たちの後を追いかけて、敵の本陣にたどり着いた。まさか彼らも、人間の子どもが、単身で走って追いかけて来るとは夢にも思わなかっただろう。馬から下りると、司令室兼用の大きなテントに駆け込んでいった。
「辺境伯様、報告であります!」
「何だ、騒々しい。ゴッデスはどうした?」
テントの中では、司令官のバーンズ辺境伯が数人の側近たちと軍議の最中であった。
「あ、はっ、それが、隊長は、突然現れた子どもに攻撃されて、落馬され……」
「はあ? 貴様、何を言っておる、気でも触れたか?」
「い、いいえ、決して、その、子どもは化け物のように強くて、魔法を無詠唱で放ち……」
バーンズ辺境伯を始め、そこにいた側近たちは呆然と兵士の言葉を聞いていた。
「ああ、もうよい。とにかく、ゴッデスを連れて来い。彼から直接話を聞く」
バーンズ辺境伯が、そう言って兵士を下がらせようとしたとき、突然突風が吹いたように一陣の風が入り口から吹き込んできたと思ったら、バーンズ辺境伯が仰向けに倒れ、彼の上に馬乗りになった少年がいたのだった。
「はい、皆さん、こんにちは。この人がバーンズ辺境伯さんで間違いないよね?」
俺は辺境伯を押さえつけて、メイスの尖った穂先を彼の喉元に突きつけながら、周囲の面々を見回した。
瞬時、呆気に取られていた側近と兵士たちは、一斉に喚き始めた。
「な、な、何だ貴様はっ! すぐに閣下から離れろっ!」
「こ、こいつです、さっき言った化け物というのは」
「お、おい、司令官様からすぐ手を放せ! さもなくば首が飛ぶぞ」
「はいはい、うるさいね。そこ、剣を納めて。この人が死んでもいいのかい?」
「き、貴様ぁ……」
「ジェダン、やめろっ! 皆、武器は控えろ……小僧、貴様何者だ?(くそ、なんて力だ。これは子どもの力じゃない……伝説の魔人族か)」
バーンズ辺境伯はしばらく抵抗を試みたが、びくともしない力を実感して、今は無事にこの場を乗り切る方向へ考えを切り替えた。
「ああ、まあ今はそれはどうでもいいことです。ねえ、司令官さん、良い知らせと悪い知らせがあるんだけど、どっちを先に聞きたいですか?」
(ああ、またあの禿のおっさんが余計なことを……)
〈並列思考〉のスキルを獲得したおかげか、俺の〈索敵〉は別次元の進化を遂げたようだ。まだ、ステータスを確認してはいないが、敵意のある相手の動きまで感知できるようになっていたのだ。
「そこのおっさん、そのナイフで何をするつもり? ああ、もう面倒くさいな。あんた、ちょっと大人しくしておいてよ」
俺は、闇属性魔法〈麻痺〉を放った。
「なっ、あ、あ、が……」
ボールドのおっさんは、おそらく情報部か暗部の人間だな。動けなくしておいた方が良いだろう。
周囲の面々は、強面の側近が突然硬直して地面に倒れるのを見て、息を飲み込んだ。
「他に、まだ俺に何かしたい人いますか?」
俺の問いに、誰も答える者はいなかった。
「やれやれ、じゃあもう一回聞くけど、良い知らせと悪い知らせ、どっちを先に聞きたい?」
「あ、ああ、では、悪い知らせを……」
「うん。あのね、司令官さんが頼みの綱にしていた、ボイド侯爵だけど、計画がバレて捕まっちゃったよ。もうすぐ処刑されるんじゃないかな」
「なっ……それは、まことであろうな?」
「こんなこと、ウソ言ってもしようがないでしょう?」
バーンズ辺境伯は、青ざめた顔でしばらく考えていたが、何か吹き切れたような表情で俺を見た。
「分かった。それで、良い知らせとは?」
「うん、それだけどね。本当は、このまま司令官さんを殺して、この戦争を終わらせようと思っていたんだ。だけど、もし、このまま兵を退いて、二度とタナトスに攻め込まないと約束してくれたら、俺は何もしないで消えるよ。どうする?」
バーンズ辺境伯は一瞬目を見開いて、俺をまじまじと見つめていたが、聞き終えると体を震わせながら、ついに吹き出して笑い始めた。
「うははは……」
「か、閣下……」
側近たちは突然笑い始めた司令官に、心配げな顔で何か言おうとした。だが、それより早く、辺境伯は俺にこう言った。
「よかろう、その取引に応じよう」
「おお、物分かりが良くて助かったよ。いくら戦争と言っても、人殺しはあまりしたくないからね。じゃあ、俺は消えるけど、約束はちゃんと守ってね?」
俺はそう言うと、ようやく辺境伯を解放して立ち上がった。
側近たちは殺気立ったが、辺境伯は彼らを手で制して、俺に言った。
「小僧、名前は何という?」
「ああ、いや、それは秘密だよ。暗殺集団とかに狙われたくないからね」
「そうか、賢いな。お前が敵で残念だ。わしなら、大金をはたいてでもお前を部下にしたいぞ。その気はないか?」
「うん、ないよ。俺は別にアウグスト王国に雇われたわけじゃない。知り合いに死んでほしくなかっただけだから。じゃあ、行くよ」
俺はそう言うと、隠密と身体強化を発動して、テントから飛び出した。すぐに兵士と側近たちが後を追いかけたが、すでに俺の姿はどこにもなかった。
「か、閣下、いかがいたしますか?」
テントから出てきた司令官に、側近の参謀が問うた。
「オベロン、聞いていなかったのか? もう一度、あの者がここに現れるのを見たいのか?わしは二度とごめんだ」
「はっ、そ、それは……」
「撤退の準備をしろ。戦は終わりだ」
バーンズ辺境伯は、遠くのタナトスの砦を見つめながらそう命じた。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
読んでくださって、ありがとうございます。
少しでも面白いと思われたら、📢の応援よろしくお願いします。
タナトス要塞の司令官室に、司令官アスターク・レブロンの怒声が響き渡った。そのレブロンの上半身と頭には包帯が厚く巻かれていた。先日、前線で軍の指揮を執っていた彼のもとへ、敵の魔導士が放ったファイヤーボールが直撃し、大やけどを負ったのである。
「は、はっ、しかし、敵の魔法攻撃は凄まじく、あのまま踏みとどまっていれば、全滅もあり得た状況でして、いたしかたなく……」
「そうであれば、なおさら指揮官であるお前がしんがりになって、兵を逃がすのが務めであろう。それを誰より先に逃げ帰るとは、恥を知れっ! もうよい、去れっ!」
厳しい叱責を受けた騎馬隊長のカミーユ・ロドン男爵は、あからさまに不満げな顔で部屋を出て行った。
レブロン辺境伯は大きなため息を吐くと、悔し気に拳でベッドの端を叩いた。
「やはり、あの男に指揮を任せたのは間違いだった。こうなったら、やはり私が……」
「いけません、閣下。まだご無理ができるお体ではありません」
ベッドから出ようとする司令官を、側近の参謀、ベルローズ準男爵が止めた。
「だが、奴に任せていたら被害が大きくなるばかりだぞ」
「……無念ですが、現在の騎馬隊の半数以上がロドン男爵の私兵です。ここで彼を切れば、恐らく彼は兵を連れて領地へ引き上げるでしょう」
辺境伯は苦悶の表情で再びため息を吐いた。
「閣下、あと二日でパルマ―伯爵の援軍が到着します。それまで、なんとか私が持ちこたえます。どうかご辛抱を」
「……わかった。頼むぞ、アラン」
「はっ、お任せを。さっそく動ける兵を集めてみます」
ベルローズ準男爵は敬礼すると、部屋から出て行った。
♢♢♢
俺は騎馬兵たちの後を追いかけて、敵の本陣にたどり着いた。まさか彼らも、人間の子どもが、単身で走って追いかけて来るとは夢にも思わなかっただろう。馬から下りると、司令室兼用の大きなテントに駆け込んでいった。
「辺境伯様、報告であります!」
「何だ、騒々しい。ゴッデスはどうした?」
テントの中では、司令官のバーンズ辺境伯が数人の側近たちと軍議の最中であった。
「あ、はっ、それが、隊長は、突然現れた子どもに攻撃されて、落馬され……」
「はあ? 貴様、何を言っておる、気でも触れたか?」
「い、いいえ、決して、その、子どもは化け物のように強くて、魔法を無詠唱で放ち……」
バーンズ辺境伯を始め、そこにいた側近たちは呆然と兵士の言葉を聞いていた。
「ああ、もうよい。とにかく、ゴッデスを連れて来い。彼から直接話を聞く」
バーンズ辺境伯が、そう言って兵士を下がらせようとしたとき、突然突風が吹いたように一陣の風が入り口から吹き込んできたと思ったら、バーンズ辺境伯が仰向けに倒れ、彼の上に馬乗りになった少年がいたのだった。
「はい、皆さん、こんにちは。この人がバーンズ辺境伯さんで間違いないよね?」
俺は辺境伯を押さえつけて、メイスの尖った穂先を彼の喉元に突きつけながら、周囲の面々を見回した。
瞬時、呆気に取られていた側近と兵士たちは、一斉に喚き始めた。
「な、な、何だ貴様はっ! すぐに閣下から離れろっ!」
「こ、こいつです、さっき言った化け物というのは」
「お、おい、司令官様からすぐ手を放せ! さもなくば首が飛ぶぞ」
「はいはい、うるさいね。そこ、剣を納めて。この人が死んでもいいのかい?」
「き、貴様ぁ……」
「ジェダン、やめろっ! 皆、武器は控えろ……小僧、貴様何者だ?(くそ、なんて力だ。これは子どもの力じゃない……伝説の魔人族か)」
バーンズ辺境伯はしばらく抵抗を試みたが、びくともしない力を実感して、今は無事にこの場を乗り切る方向へ考えを切り替えた。
「ああ、まあ今はそれはどうでもいいことです。ねえ、司令官さん、良い知らせと悪い知らせがあるんだけど、どっちを先に聞きたいですか?」
(ああ、またあの禿のおっさんが余計なことを……)
〈並列思考〉のスキルを獲得したおかげか、俺の〈索敵〉は別次元の進化を遂げたようだ。まだ、ステータスを確認してはいないが、敵意のある相手の動きまで感知できるようになっていたのだ。
「そこのおっさん、そのナイフで何をするつもり? ああ、もう面倒くさいな。あんた、ちょっと大人しくしておいてよ」
俺は、闇属性魔法〈麻痺〉を放った。
「なっ、あ、あ、が……」
ボールドのおっさんは、おそらく情報部か暗部の人間だな。動けなくしておいた方が良いだろう。
周囲の面々は、強面の側近が突然硬直して地面に倒れるのを見て、息を飲み込んだ。
「他に、まだ俺に何かしたい人いますか?」
俺の問いに、誰も答える者はいなかった。
「やれやれ、じゃあもう一回聞くけど、良い知らせと悪い知らせ、どっちを先に聞きたい?」
「あ、ああ、では、悪い知らせを……」
「うん。あのね、司令官さんが頼みの綱にしていた、ボイド侯爵だけど、計画がバレて捕まっちゃったよ。もうすぐ処刑されるんじゃないかな」
「なっ……それは、まことであろうな?」
「こんなこと、ウソ言ってもしようがないでしょう?」
バーンズ辺境伯は、青ざめた顔でしばらく考えていたが、何か吹き切れたような表情で俺を見た。
「分かった。それで、良い知らせとは?」
「うん、それだけどね。本当は、このまま司令官さんを殺して、この戦争を終わらせようと思っていたんだ。だけど、もし、このまま兵を退いて、二度とタナトスに攻め込まないと約束してくれたら、俺は何もしないで消えるよ。どうする?」
バーンズ辺境伯は一瞬目を見開いて、俺をまじまじと見つめていたが、聞き終えると体を震わせながら、ついに吹き出して笑い始めた。
「うははは……」
「か、閣下……」
側近たちは突然笑い始めた司令官に、心配げな顔で何か言おうとした。だが、それより早く、辺境伯は俺にこう言った。
「よかろう、その取引に応じよう」
「おお、物分かりが良くて助かったよ。いくら戦争と言っても、人殺しはあまりしたくないからね。じゃあ、俺は消えるけど、約束はちゃんと守ってね?」
俺はそう言うと、ようやく辺境伯を解放して立ち上がった。
側近たちは殺気立ったが、辺境伯は彼らを手で制して、俺に言った。
「小僧、名前は何という?」
「ああ、いや、それは秘密だよ。暗殺集団とかに狙われたくないからね」
「そうか、賢いな。お前が敵で残念だ。わしなら、大金をはたいてでもお前を部下にしたいぞ。その気はないか?」
「うん、ないよ。俺は別にアウグスト王国に雇われたわけじゃない。知り合いに死んでほしくなかっただけだから。じゃあ、行くよ」
俺はそう言うと、隠密と身体強化を発動して、テントから飛び出した。すぐに兵士と側近たちが後を追いかけたが、すでに俺の姿はどこにもなかった。
「か、閣下、いかがいたしますか?」
テントから出てきた司令官に、側近の参謀が問うた。
「オベロン、聞いていなかったのか? もう一度、あの者がここに現れるのを見たいのか?わしは二度とごめんだ」
「はっ、そ、それは……」
「撤退の準備をしろ。戦は終わりだ」
バーンズ辺境伯は、遠くのタナトスの砦を見つめながらそう命じた。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
読んでくださって、ありがとうございます。
少しでも面白いと思われたら、📢の応援よろしくお願いします。
138
お気に入りに追加
2,272
あなたにおすすめの小説
少し冷めた村人少年の冒険記 2
mizuno sei
ファンタジー
地球からの転生者である主人公トーマは、「はずれギフト」と言われた「ナビゲーションシステム」を持って新しい人生を歩み始めた。
不幸だった前世の記憶から、少し冷めた目で世の中を見つめ、誰にも邪魔されない力を身に着けて第二の人生を楽しもうと考えている。
旅の中でいろいろな人と出会い、成長していく少年の物語。

異世界リナトリオン〜平凡な田舎娘だと思った私、実は転生者でした?!〜
青山喜太
ファンタジー
ある日、母が死んだ
孤独に暮らす少女、エイダは今日も1人分の食器を片付ける、1人で食べる朝食も慣れたものだ。
そしてそれは母が死んでからいつもと変わらない日常だった、ドアがノックされるその時までは。
これは1人の少女が世界を巻き込む巨大な秘密に立ち向かうお話。
小説家になろう様からの転載です!

【幸せスキル】は蜜の味 ハイハイしてたらレベルアップ
カムイイムカ(神威異夢華)
ファンタジー
僕の名前はアーリー
不慮な事故で死んでしまった僕は転生することになりました
今度は幸せになってほしいという事でチートな能力を神様から授った
まさかの転生という事でチートを駆使して暮らしていきたいと思います
ーーーー
間違い召喚3巻発売記念として投稿いたします
アーリーは間違い召喚と同じ時期に生まれた作品です
読んでいただけると嬉しいです
23話で一時終了となります
転生をしたら異世界だったので、のんびりスローライフで過ごしたい。
みみっく
ファンタジー
どうやら事故で死んでしまって、転生をしたらしい……仕事を頑張り、人間関係も上手くやっていたのにあっけなく死んでしまうなら……だったら、のんびりスローライフで過ごしたい!
だけど現状は、幼馴染に巻き込まれて冒険者になる流れになってしまっている……

異世界で魔法が使えるなんて幻想だった!〜街を追われたので馬車を改造して車中泊します!〜え、魔力持ってるじゃんて?違います、電力です!
あるちゃいる
ファンタジー
山菜を採りに山へ入ると運悪く猪に遭遇し、慌てて逃げると崖から落ちて意識を失った。
気が付いたら山だった場所は平坦な森で、落ちたはずの崖も無かった。
不思議に思ったが、理由はすぐに判明した。
どうやら農作業中の外国人に助けられたようだ。
その外国人は背中に背負子と鍬を背負っていたからきっと近所の農家の人なのだろう。意外と流暢な日本語を話す。が、言葉の意味はあまり理解してないらしく、『県道は何処か?』と聞いても首を傾げていた。
『道は何処にありますか?』と言ったら、漸く理解したのか案内してくれるというので着いていく。
が、行けども行けどもどんどん森は深くなり、不審に思い始めた頃に少し開けた場所に出た。
そこは農具でも置いてる場所なのかボロ小屋が数軒建っていて、外国人さんが大声で叫ぶと、人が十数人ゾロゾロと小屋から出てきて、俺の周りを囲む。
そして何故か縄で手足を縛られて大八車に転がされ……。
⚠️超絶不定期更新⚠️

無能と呼ばれたレベル0の転生者は、効果がチートだったスキル限界突破の力で最強を目指す
紅月シン
ファンタジー
七歳の誕生日を迎えたその日に、レオン・ハーヴェイの全ては一変することになった。
才能限界0。
それが、その日レオンという少年に下されたその身の価値であった。
レベルが存在するその世界で、才能限界とはレベルの成長限界を意味する。
つまりは、レベルが0のまま一生変わらない――未来永劫一般人であることが確定してしまったのだ。
だがそんなことは、レオンにはどうでもいいことでもあった。
その結果として実家の公爵家を追放されたことも。
同日に前世の記憶を思い出したことも。
一つの出会いに比べれば、全ては些事に過ぎなかったからだ。
その出会いの果てに誓いを立てた少年は、その世界で役立たずとされているものに目を付ける。
スキル。
そして、自らのスキルである限界突破。
やがてそのスキルの意味を理解した時、少年は誓いを果たすため、世界最強を目指すことを決意するのであった。
※小説家になろう様にも投稿しています

神の加護を受けて異世界に
モンド
ファンタジー
親に言われるまま学校や塾に通い、卒業後は親の進める親族の会社に入り、上司や親の進める相手と見合いし、結婚。
その後馬車馬のように働き、特別好きな事をした覚えもないまま定年を迎えようとしている主人公、あとわずか数日の会社員生活でふと、何かに誘われるように会社を無断で休み、海の見える高台にある、神社に立ち寄った。
そこで野良犬に噛み殺されそうになっていた狐を助けたがその際、野良犬に喉笛を噛み切られその命を終えてしまうがその時、神社から不思議な光が放たれ新たな世界に生まれ変わる、そこでは自分の意思で何もかもしなければ生きてはいけない厳しい世界しかし、生きているという実感に震える主人公が、力強く生きるながら信仰と奇跡にに導かれて神に至る物語。

魔晶石ハンター ~ 転生チート少女の数奇な職業活動の軌跡
サクラ近衛将監
ファンタジー
女神様のミスで事故死したOLの大滝留美は、地球世界での転生が難しいために、神々の伝手により異世界アスレオールに転生し、シルヴィ・デルトンとして生を受けるが、前世の記憶は11歳の成人の儀まで封印され、その儀式の最中に前世の記憶ととともに職業を神から告げられた。
シルヴィの与えられた職業は魔晶石採掘師と魔晶石加工師の二つだったが、シルヴィはその職業を知らなかった。
シルヴィの将来や如何に?
毎週木曜日午後10時に投稿予定です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる