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7 のっぽ走る
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吉田竜之介は、楽しくてたまらないといった様子で鼻歌を口ずさみながら、特価品の紅茶のペットボトルやのど飴などを次々にかごに放り込んでいた。
明日から待ちに待ったゴールデンウィーク。演劇部は、毎年恒例の集中合宿に出かける。今日中に荷物をまとめて、明日の朝一番に宅急便で合宿先のJAの研修センターに送らなければならない。
レジにかごを置きながら、彼は急に不安そうな表情になって宙を見つめた。
(祐ちゃん、大丈夫かなあ……ちゃんと用意できてるよね)
「お会計は千二百三円になります」
「あっ、はい」
竜之介が祐輝のことを心配するのはいつものことだが、今回は少し事情が違っていた。この一週間というもの、祐輝はやけに明るかったのだ。しかも、吉田に対しても異様なほど優しかった。かと思えば、劇の練習では、自分の台詞を忘れるなど、今まで一度もやったことがないようなミスをしたり、わざとらしい演技をしてみんなをシラケさせたりもした。祐輝の中で、何かが狂ってしまったとしか思えなかった。〝きっと疲れているのよ。祐ちゃんのことだもの、きっと大丈夫〞
竜之介は自分に言い聞かせるようにうなづいて、自転車を勢いよくこぎはじめる。
さて、その頃祐輝はというと、自分の部屋に寝ころんで、天井にちらちら揺れる水槽の反射光をぼんやり見つめていた。そばには、スポーツバックと何枚かのシャツや下着が無造作に散らばっていた。
何度目かのため息をついた後、祐輝はのろのろと起き上がった。異常に疲れていた。まるで十七年間の疲れが一気に体に襲いかかってきたような感じだった。かつてバスケットボールで激しい練習をしていたときも、こんなにきついと思ったことはない。
〝やっぱり精神的なショックからかなあ……俺ってそんなに軟弱な男だったのか〞
確かに、木崎真由のあのときの顔を思い浮かべるたびに、みぞおちの辺りがきゅうっと絞られるような鈍い痛みを覚えた。それほど自分は嫌われる存在だったのだ、とわかったことはショックだったが、同時に今の自分を見つめ直す機会も与えてくれた。
〝バスケをやめてからの自分は、確かにくだらない奴だった。バスケをしていたあの頃の、生き生きとした自分に戻らなければいけない。そうすれば、木崎真由に見直してもらえるチャンスが来るかもしれない〞
祐輝はその一心で、この一週間を過ごした。しかし、それは自分でも何か空回りをしているのがわかるような、腹立たしい日々でもあった。そんなこんなで、今は何もやる気にはなれない祐輝だった。
「祐ちゃぁん……いるぅ?」
辺りの静寂を破る甲高い声が、窓の下から聞こえてきた。吉田竜之介だ。
「あの、バカ…ちゃんと呼び鈴を押せって言ったのに……」
祐輝は文句を言いながら、急いで部屋を出て階段を下りていく。
「まあ、吉田君、いらっしゃい」
「ああ、お母様、こんにちは。今日は一段とおきれいですね」
「あら、いやだ、もう…ふふふ……どうぞ、上がって」
庭先でバラについたアブラムシの駆除をしていた祐輝の母親、敏子は、まんざらでもないような笑顔で、門扉を開いた。竜之介がそこから中に入ろうとしたとき、玄関のドアが荒々しく開いて、祐輝が飛び出してきた。
「あっ、祐ちゃん…」
「うるせえ、ちょっと来い」
祐輝は竜之介の腕をぐいとつかむと、通りの方へ出ていった。
「祐輝、乱暴なことしちゃだめよ」
「ああ、わかってるよ。心配しないで」
祐輝は母親に返事しながら、家からかなり離れた曲がり角の所まで、うむを言わせず竜之介を引っ張っていく。
「痛いよ、祐ちゃん」
「うるせえってんだ。近所中に響く声で俺を呼ぶなって、あれほど言ったじゃねえか」
ようやく解放された竜之介は、むしろうれしそうに顔を輝かせて祐輝を見つめた。
「な、なんだよ」
「よかったあ…ふふ……元の祐ちゃんに戻ったね」
こいつにはかなわない、と祐輝は心の中で苦笑し、ふっとため息をもらした。
「それで……何の用なんだ?」
「ううん…特別に用はなかったんだけど、持っていく荷物の準備はできたかなって、気になって…」
「ああ、今やってたところさ。心配すんな」
「うん、よかった……じゃあ、帰るね」
竜之介はそう言うと、言葉とは裏腹にまた祐輝の家の方に歩き出す。
「お、おい、ヨッシー、どっちへ行ってるんだ?」
「え?だって、自転車が…」
竜之介の指さす方向に、確かに買い物袋を前のかごに詰め込んだ彼の自転車があった。
祐輝はまた小さなため息をついて苦笑しながら竜之介のそばに歩み寄る。
「何を買い込んだんだ、こんなに…」
「ふふ……飲み物とのど飴……練習の時の必需品でしょ?祐ちゃんの分も買っといたからね」
こいつが女ならマジで惚れてたかも、と、祐輝は冗談抜きで思うことがあった。
「ありがとな。お前って、ほんと良い奴だな」
竜之介は、まじまじと祐輝を見つめていたが、やがて何かを思い出したように、下を向いてくっくっとこらえきれない笑い声を漏らし始めた。
「な、なんだよ。俺がほめたことが、そんなにおかしいのか?」
祐輝は自分の心を見透かされたような気がして、動揺しながら言った。ところが、竜之介が笑っていた理由は、全く別のことだった。
「ふふふ…そうじゃないの。祐ちゃんて、変わったタイプの人間に好かれる性質なのね」
「バ、バカ言うんじゃねえよ。お前だけだよ、そんな奴は…」
「ううん、違うよ。だって、さっきここに着いたとき、うちの学校の女の子が、なんだか思い詰めた様子で、あの辺りをうろうろしてたもの。ふふ……誰だと思う?」
祐輝には全く見当がつかない話だった。
「知らねえよ。誰なんだ?」
「あたしも確かに少し変わったタイプだけど…」
〝少しかよ〞
祐輝は思い切り突っ込みを入れたかったが、竜之介の話をちゃんと聞こうと思い、ぐっと我慢した。
「あの子は〝超〞が付く変わり者なのよねえ。あたしの中学の後輩だけど、小学校の時から有名だったらしいわ」
「ふうん、どんな風に変わってるんだ?」
「なんでも、お金持ちのお嬢さんらしいんだけど、カエルやヘビが大好きで、ポケットに入れて持ち歩いているらしいの。うう…考えただけでぞっとする。少しおつむも弱いらしくて、突然変なこと言い出したり、叫んだり……」
「そ、そんな不気味な奴が、うちの学校にいたのか?」
竜之介は楽しげに笑いながら、祐輝の顔をのぞき込んだ。
「祐ちゃん、もしかして、あの子に何かちょっかいを出したんじゃない?」
「バ、バカ言え、そんなことするか」
「ふふ…冗談よ。いくら祐ちゃんでも、あの木崎真由にはちょっかいなんか出さないわよね」
祐輝の顔は一瞬のうちに青白くなった。
「い、今何と言った?」
「どうしたの、祐ちゃ…」
「誰って言ったんだ」
思わず竜之介のシャツの胸ぐらをつかんで、祐輝は叫んだ。
「き、木崎、木崎真由って…」
「で、どっちへ行ったんだ、その子は?」
「わ、わかんないわよ。あたしの姿を見たとたん、向こうへ走って行ったから……」
竜之介の言葉が終わる前に、もう祐輝は走り出していた。
「ちょ、ちょっとお、祐ちゃんたらあ…」
竜之介は祐輝の激変ぶりにおろおろしながら、半べそで自転車にまたがり、祐輝の後を追いかけていく。
明日から待ちに待ったゴールデンウィーク。演劇部は、毎年恒例の集中合宿に出かける。今日中に荷物をまとめて、明日の朝一番に宅急便で合宿先のJAの研修センターに送らなければならない。
レジにかごを置きながら、彼は急に不安そうな表情になって宙を見つめた。
(祐ちゃん、大丈夫かなあ……ちゃんと用意できてるよね)
「お会計は千二百三円になります」
「あっ、はい」
竜之介が祐輝のことを心配するのはいつものことだが、今回は少し事情が違っていた。この一週間というもの、祐輝はやけに明るかったのだ。しかも、吉田に対しても異様なほど優しかった。かと思えば、劇の練習では、自分の台詞を忘れるなど、今まで一度もやったことがないようなミスをしたり、わざとらしい演技をしてみんなをシラケさせたりもした。祐輝の中で、何かが狂ってしまったとしか思えなかった。〝きっと疲れているのよ。祐ちゃんのことだもの、きっと大丈夫〞
竜之介は自分に言い聞かせるようにうなづいて、自転車を勢いよくこぎはじめる。
さて、その頃祐輝はというと、自分の部屋に寝ころんで、天井にちらちら揺れる水槽の反射光をぼんやり見つめていた。そばには、スポーツバックと何枚かのシャツや下着が無造作に散らばっていた。
何度目かのため息をついた後、祐輝はのろのろと起き上がった。異常に疲れていた。まるで十七年間の疲れが一気に体に襲いかかってきたような感じだった。かつてバスケットボールで激しい練習をしていたときも、こんなにきついと思ったことはない。
〝やっぱり精神的なショックからかなあ……俺ってそんなに軟弱な男だったのか〞
確かに、木崎真由のあのときの顔を思い浮かべるたびに、みぞおちの辺りがきゅうっと絞られるような鈍い痛みを覚えた。それほど自分は嫌われる存在だったのだ、とわかったことはショックだったが、同時に今の自分を見つめ直す機会も与えてくれた。
〝バスケをやめてからの自分は、確かにくだらない奴だった。バスケをしていたあの頃の、生き生きとした自分に戻らなければいけない。そうすれば、木崎真由に見直してもらえるチャンスが来るかもしれない〞
祐輝はその一心で、この一週間を過ごした。しかし、それは自分でも何か空回りをしているのがわかるような、腹立たしい日々でもあった。そんなこんなで、今は何もやる気にはなれない祐輝だった。
「祐ちゃぁん……いるぅ?」
辺りの静寂を破る甲高い声が、窓の下から聞こえてきた。吉田竜之介だ。
「あの、バカ…ちゃんと呼び鈴を押せって言ったのに……」
祐輝は文句を言いながら、急いで部屋を出て階段を下りていく。
「まあ、吉田君、いらっしゃい」
「ああ、お母様、こんにちは。今日は一段とおきれいですね」
「あら、いやだ、もう…ふふふ……どうぞ、上がって」
庭先でバラについたアブラムシの駆除をしていた祐輝の母親、敏子は、まんざらでもないような笑顔で、門扉を開いた。竜之介がそこから中に入ろうとしたとき、玄関のドアが荒々しく開いて、祐輝が飛び出してきた。
「あっ、祐ちゃん…」
「うるせえ、ちょっと来い」
祐輝は竜之介の腕をぐいとつかむと、通りの方へ出ていった。
「祐輝、乱暴なことしちゃだめよ」
「ああ、わかってるよ。心配しないで」
祐輝は母親に返事しながら、家からかなり離れた曲がり角の所まで、うむを言わせず竜之介を引っ張っていく。
「痛いよ、祐ちゃん」
「うるせえってんだ。近所中に響く声で俺を呼ぶなって、あれほど言ったじゃねえか」
ようやく解放された竜之介は、むしろうれしそうに顔を輝かせて祐輝を見つめた。
「な、なんだよ」
「よかったあ…ふふ……元の祐ちゃんに戻ったね」
こいつにはかなわない、と祐輝は心の中で苦笑し、ふっとため息をもらした。
「それで……何の用なんだ?」
「ううん…特別に用はなかったんだけど、持っていく荷物の準備はできたかなって、気になって…」
「ああ、今やってたところさ。心配すんな」
「うん、よかった……じゃあ、帰るね」
竜之介はそう言うと、言葉とは裏腹にまた祐輝の家の方に歩き出す。
「お、おい、ヨッシー、どっちへ行ってるんだ?」
「え?だって、自転車が…」
竜之介の指さす方向に、確かに買い物袋を前のかごに詰め込んだ彼の自転車があった。
祐輝はまた小さなため息をついて苦笑しながら竜之介のそばに歩み寄る。
「何を買い込んだんだ、こんなに…」
「ふふ……飲み物とのど飴……練習の時の必需品でしょ?祐ちゃんの分も買っといたからね」
こいつが女ならマジで惚れてたかも、と、祐輝は冗談抜きで思うことがあった。
「ありがとな。お前って、ほんと良い奴だな」
竜之介は、まじまじと祐輝を見つめていたが、やがて何かを思い出したように、下を向いてくっくっとこらえきれない笑い声を漏らし始めた。
「な、なんだよ。俺がほめたことが、そんなにおかしいのか?」
祐輝は自分の心を見透かされたような気がして、動揺しながら言った。ところが、竜之介が笑っていた理由は、全く別のことだった。
「ふふふ…そうじゃないの。祐ちゃんて、変わったタイプの人間に好かれる性質なのね」
「バ、バカ言うんじゃねえよ。お前だけだよ、そんな奴は…」
「ううん、違うよ。だって、さっきここに着いたとき、うちの学校の女の子が、なんだか思い詰めた様子で、あの辺りをうろうろしてたもの。ふふ……誰だと思う?」
祐輝には全く見当がつかない話だった。
「知らねえよ。誰なんだ?」
「あたしも確かに少し変わったタイプだけど…」
〝少しかよ〞
祐輝は思い切り突っ込みを入れたかったが、竜之介の話をちゃんと聞こうと思い、ぐっと我慢した。
「あの子は〝超〞が付く変わり者なのよねえ。あたしの中学の後輩だけど、小学校の時から有名だったらしいわ」
「ふうん、どんな風に変わってるんだ?」
「なんでも、お金持ちのお嬢さんらしいんだけど、カエルやヘビが大好きで、ポケットに入れて持ち歩いているらしいの。うう…考えただけでぞっとする。少しおつむも弱いらしくて、突然変なこと言い出したり、叫んだり……」
「そ、そんな不気味な奴が、うちの学校にいたのか?」
竜之介は楽しげに笑いながら、祐輝の顔をのぞき込んだ。
「祐ちゃん、もしかして、あの子に何かちょっかいを出したんじゃない?」
「バ、バカ言え、そんなことするか」
「ふふ…冗談よ。いくら祐ちゃんでも、あの木崎真由にはちょっかいなんか出さないわよね」
祐輝の顔は一瞬のうちに青白くなった。
「い、今何と言った?」
「どうしたの、祐ちゃ…」
「誰って言ったんだ」
思わず竜之介のシャツの胸ぐらをつかんで、祐輝は叫んだ。
「き、木崎、木崎真由って…」
「で、どっちへ行ったんだ、その子は?」
「わ、わかんないわよ。あたしの姿を見たとたん、向こうへ走って行ったから……」
竜之介の言葉が終わる前に、もう祐輝は走り出していた。
「ちょ、ちょっとお、祐ちゃんたらあ…」
竜之介は祐輝の激変ぶりにおろおろしながら、半べそで自転車にまたがり、祐輝の後を追いかけていく。
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