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1.疾駆の舞姫
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高校生が外に出ていて良い時間はとうに過ぎた。石寺美羽はそれでも、後ろめたい素振りを見せずに夜の街を歩く。
夜空の濃さは、冬の夕暮れとは比べものにならない。時計の針が天を指そうとしている。夜闇の南中。
不審死した父親の遺品から出てきた、デジタルカメラの写真。その撮影年月日は、彼が亡くなる少し前で、亡くなった現場もこの近く。そう考えると、この写真の場所が、その死に対して何らかの関わりがあると考えるのも、彼女にとっては当然のことで、それでこの時間に繁華街に出てきたと言う訳だ。
地図アプリを見ながら、ひた歩く。フードを被って顔を見られないようにする。警察もそうだが、こう言う町にいる、スーツを着崩した男たちも、彼女にとっては恐怖の対象だったから。
「……ここ」
一軒の風俗店だった。接客をするのは女性、と言うタイプの店だ。店の前には、「スーツを着崩した男」が二人くらい立っていて、胡散臭そうにこちらを見ている。美羽からしたら、彼らの方がよっぽど胡散臭い……のだが、今、この場の「常識」は彼らの側にあって、美羽の方が異物であった。
意を決して店に入ろうとすると、
「ちょっと」
案の定、スーツの男に止められた。
「君、何? 何の用ですかね?」
「お……お父さんが中にいるかもしれなくて」
「いやー、いないと思うっスよ」
へらへらと口元では笑いながら、その目はまったく笑っていなかった。美羽を警戒している。夜の町の異物を。
「こ、この写真、ここのお店ですよね? お父さんのカメラに入ってたんです」
美羽はデジカメの液晶画面を見せる。二人は顔を見合わせた。
「ここの写真撮ってたとしても、今中にいるってことにはならないよね?」
「で、でも……」
お父さんはこの近くで死んで、と言いそうになって、口をつぐむ。
「つーか、君いくつよ。この時間に出歩いちゃだめじゃん。大人しく帰ったら通報はしないでおくから……」
と言い掛けたその時、中から凄い勢いで何者かが飛びだして来た。悲鳴を纏っている。驚いたのは美羽だけではなかった。二人の男も、ぽかんとしてそれを見ている。
「アキラ!」
片方が叫んだ。アキラと呼ばれた方はすぐにその場を離れてその人を追う。男だった。と言うことは客か。美羽はアキラじゃない方を振り切ると、呼び止める声も聞かずに店内に飛び込んだ。
店内は悲鳴が渦を巻いていた。女性従業員たちの高い悲鳴、男性客の甲高い雄叫び。そう言うものの中心に「それ」はいた。
細身のシルエット、けれど裾の布はたっぷりとしたドレスを纏った女性だった。ただし、その姿は灰色で、色彩豊かで煌びやかな店内では明らかに浮いていた。
「おい! ふざけんな……よ……」
アキラじゃない方の男が美羽を追って入ってくる。絶句しているのがわかった。美羽は、その灰色の女に対して、怯えを隠せない。こんなわけのわからない幽霊みたいな奴に対して、平静でいろと言う方が無理だ。
けれど、同時に敵愾心も隠すことができなかった。
「あなたがお父さんを殺したの」
後ろで男が息を呑むのが聞こえた。美羽の事情の一端に触れて、驚いたのだろう。案外悪い奴ではなさそうだ。
女は美羽の方をちらと見ると、ラッパスイセンのように広がった袖を振るった。咄嗟に頭を下げると、袖から放たれた風圧が美羽の頭上を通り過ぎ、背後のドアにぶつかった。振り返ると、彼女を追ってきた男もやはり身を伏せており、ドアのガラスが粉々になっている。
で、ここからどうしたら良いのか。美羽には一つも策がなかった。ただ、手がかりを追ってきただけで、実際に「それ」を見つけた時にどうするか、と言うことについては一つも良い案が思い浮かばなかった。そもそも、こんなものにお目に掛かるなんて予想もしていなかったのである。
逃げるのも悔しい。立ち向かう術もない。どうしたら良いのか。頭の中は荒唐無稽な案も含めて、思いつきが大渋滞を起こしてしまっている。
その時だった。
「どんなにお急ぎでも、扉を破壊するなんて、感心したことではありませんわね。お行儀が悪くってよ」
ガラスを踏む音が背後で聞こえた。
「何なんだよ……」
男の呻き声が聞こえる。美羽は思わず振り返った。
お嬢様がそこにいた。
真っ黒な長髪を巻いて胸元に垂らしている。恐らくは質が良いのであろうワンピースと、そこから伸びる脚、ヒールの靴。
絵に描いた様なお嬢様だった。
だが、問題はその腰に佩いた日本刀だ。
(な、何なのこの人……)
灰色の女だけでも異常事態なのに(それを言うなら、風俗店に乗り込んだ高校生も大概だが)、更に異常事態が重なっている。
「見つけました。<疾駆の舞姫>。わたくしが来たからには、あなたの悪名もここで終わりと心得なさい」
「……」
疾駆の舞姫と呼ばれた女は、しばらくお嬢様を見つめていた。彼女がすらりと刀を抜く。白刃が、豪奢な照明を反射する。綺麗な刃だと美羽は場違いな感想を持った。
舞姫は再び袖を振るった。
「遅い!」
それとぶつけるように、刀を振るう。鋼の刃に風の刃がぶつかり、凄まじい音がした。店内で悲鳴が上がる。美羽はそこで、取り残された従業員と客のことを思い出した。
「……」
灰色の女がもう一撃を繰り出す。刀がそれを迎撃する。そんなことを幾度か繰り返す内に、少しずつ舞姫の方が押されていった。
(ど、どうなるの……?)
美羽は固唾を呑んでそれを見守っていた。が、やがて別の音が割り込む。
パトカーと救急車のサイレンだ。
お嬢様が一瞬それに気を取られた。舞姫がひらり、と跳び上がる。
「あ、危な……!」
美羽が警戒を促そうとすると、舞姫はその頭上を飛び越え、自分で割ったドアから外へ飛び出した。
「しまった……!」
彼女は表情を歪める。
「ここまでですわね……」
「あ、あの……!」
美羽は彼女へ声を掛けた。そこで、お嬢様は初めて美羽の存在に気付いた様だった。
「まあ、あなた、高校生……!? どうしてこんなところに? 親御さんは? こんな時間に?」
「ほんとだよ……」
アキラじゃない方の着崩しスーツがぼそりと呟いた。
「あ、あの、私、お父さんが殺されて……! もしかしたら今出て行った女の人が犯人かもしれない……!」
「お父様が? 待って、あなた……石寺さんの……?」
「父を知ってるんですか!?」
「ここでのお話は難しいようです。わたくしについて来て下さい。それでは皆様、お邪魔しておきながら仕留められずに申し訳ありませんでした。ごきげんよう」
美羽の手を取って立たせ、店内の人間に丁寧に礼をすると、彼女は壊れたドアを跨いで美羽とともに店を離れた。
少し歩くと、パトカーとすれ違う。美羽のことは見えなかったのか、あるいは通報案件が優先だったのか、呼び止められることはなかった。
やがて、彼女は人気のないところに停めてあった一台の車の後部座席を開ける。
「権守さん、失敗です。出して下さい。お客様を一名ご招待です」
「お嬢様が失敗なさるとは、<疾駆の舞姫>、侮れませんな」
運転席の男性が振り返る。彼は美羽を見ると、
「おや、可愛らしいお客様」
「あ、あの……私……」
「石寺さんのお嬢さんです」
お嬢様が紹介すると、権守の目が丸くなった。
「石寺さんの!? お父様のことは残念でした」
「父とどう言う知り合いなんですか?」
「話は後です。権守さん、出して下さい」
「かしこまりました、お嬢様」
「さ、石寺さん。あなたもシートベルトを」
「は、はい……」
お嬢様手ずからシートベルトを締めてくれた。彼女は自身も慣れた手つきで締める。それを待って、権守は車を発進させた。
「あ、あの、あなたは誰なんですか? さっきの女の人は? 幽霊なんですか? 父はどうして死んだんですか? 今からどこに行くんですか?」
混乱した美羽が矢継ぎ早に尋ねると、
「いくつかは後でゆっくり説明します。まず、わたくしは鳴神桃香と申します。名乗るのが遅くなって申し訳ありません。非礼をお詫びしますわ」
「お詫びは良いんです……」
「これから行くのは、わたくしの家です。そこで他の質問にはお答えいたします。あなたのお名前も教えてくださらない? 石寺さんでは、あなたのお父様と同じだわ」
「美羽です。石寺美羽です」
「そうだ。一つ教えて差し上げます。あなたのお父様は、退魔師でした」
「たいまし……?」
「そう。魔を退ける者、退魔師。わたくしも同じです。そして美羽さん、もしかしたら、あなたもそうなるかもしれない」
桃香はそう言って、笑う。夜道を走る車内特有の光の加減で、その表情は先ほどと違って見えた。煌びやかな店内で見るものとは。
一体どう言うことなんだろう……美羽はただ、車が停まるのをひたすらに待つことになったのだった……。
夜空の濃さは、冬の夕暮れとは比べものにならない。時計の針が天を指そうとしている。夜闇の南中。
不審死した父親の遺品から出てきた、デジタルカメラの写真。その撮影年月日は、彼が亡くなる少し前で、亡くなった現場もこの近く。そう考えると、この写真の場所が、その死に対して何らかの関わりがあると考えるのも、彼女にとっては当然のことで、それでこの時間に繁華街に出てきたと言う訳だ。
地図アプリを見ながら、ひた歩く。フードを被って顔を見られないようにする。警察もそうだが、こう言う町にいる、スーツを着崩した男たちも、彼女にとっては恐怖の対象だったから。
「……ここ」
一軒の風俗店だった。接客をするのは女性、と言うタイプの店だ。店の前には、「スーツを着崩した男」が二人くらい立っていて、胡散臭そうにこちらを見ている。美羽からしたら、彼らの方がよっぽど胡散臭い……のだが、今、この場の「常識」は彼らの側にあって、美羽の方が異物であった。
意を決して店に入ろうとすると、
「ちょっと」
案の定、スーツの男に止められた。
「君、何? 何の用ですかね?」
「お……お父さんが中にいるかもしれなくて」
「いやー、いないと思うっスよ」
へらへらと口元では笑いながら、その目はまったく笑っていなかった。美羽を警戒している。夜の町の異物を。
「こ、この写真、ここのお店ですよね? お父さんのカメラに入ってたんです」
美羽はデジカメの液晶画面を見せる。二人は顔を見合わせた。
「ここの写真撮ってたとしても、今中にいるってことにはならないよね?」
「で、でも……」
お父さんはこの近くで死んで、と言いそうになって、口をつぐむ。
「つーか、君いくつよ。この時間に出歩いちゃだめじゃん。大人しく帰ったら通報はしないでおくから……」
と言い掛けたその時、中から凄い勢いで何者かが飛びだして来た。悲鳴を纏っている。驚いたのは美羽だけではなかった。二人の男も、ぽかんとしてそれを見ている。
「アキラ!」
片方が叫んだ。アキラと呼ばれた方はすぐにその場を離れてその人を追う。男だった。と言うことは客か。美羽はアキラじゃない方を振り切ると、呼び止める声も聞かずに店内に飛び込んだ。
店内は悲鳴が渦を巻いていた。女性従業員たちの高い悲鳴、男性客の甲高い雄叫び。そう言うものの中心に「それ」はいた。
細身のシルエット、けれど裾の布はたっぷりとしたドレスを纏った女性だった。ただし、その姿は灰色で、色彩豊かで煌びやかな店内では明らかに浮いていた。
「おい! ふざけんな……よ……」
アキラじゃない方の男が美羽を追って入ってくる。絶句しているのがわかった。美羽は、その灰色の女に対して、怯えを隠せない。こんなわけのわからない幽霊みたいな奴に対して、平静でいろと言う方が無理だ。
けれど、同時に敵愾心も隠すことができなかった。
「あなたがお父さんを殺したの」
後ろで男が息を呑むのが聞こえた。美羽の事情の一端に触れて、驚いたのだろう。案外悪い奴ではなさそうだ。
女は美羽の方をちらと見ると、ラッパスイセンのように広がった袖を振るった。咄嗟に頭を下げると、袖から放たれた風圧が美羽の頭上を通り過ぎ、背後のドアにぶつかった。振り返ると、彼女を追ってきた男もやはり身を伏せており、ドアのガラスが粉々になっている。
で、ここからどうしたら良いのか。美羽には一つも策がなかった。ただ、手がかりを追ってきただけで、実際に「それ」を見つけた時にどうするか、と言うことについては一つも良い案が思い浮かばなかった。そもそも、こんなものにお目に掛かるなんて予想もしていなかったのである。
逃げるのも悔しい。立ち向かう術もない。どうしたら良いのか。頭の中は荒唐無稽な案も含めて、思いつきが大渋滞を起こしてしまっている。
その時だった。
「どんなにお急ぎでも、扉を破壊するなんて、感心したことではありませんわね。お行儀が悪くってよ」
ガラスを踏む音が背後で聞こえた。
「何なんだよ……」
男の呻き声が聞こえる。美羽は思わず振り返った。
お嬢様がそこにいた。
真っ黒な長髪を巻いて胸元に垂らしている。恐らくは質が良いのであろうワンピースと、そこから伸びる脚、ヒールの靴。
絵に描いた様なお嬢様だった。
だが、問題はその腰に佩いた日本刀だ。
(な、何なのこの人……)
灰色の女だけでも異常事態なのに(それを言うなら、風俗店に乗り込んだ高校生も大概だが)、更に異常事態が重なっている。
「見つけました。<疾駆の舞姫>。わたくしが来たからには、あなたの悪名もここで終わりと心得なさい」
「……」
疾駆の舞姫と呼ばれた女は、しばらくお嬢様を見つめていた。彼女がすらりと刀を抜く。白刃が、豪奢な照明を反射する。綺麗な刃だと美羽は場違いな感想を持った。
舞姫は再び袖を振るった。
「遅い!」
それとぶつけるように、刀を振るう。鋼の刃に風の刃がぶつかり、凄まじい音がした。店内で悲鳴が上がる。美羽はそこで、取り残された従業員と客のことを思い出した。
「……」
灰色の女がもう一撃を繰り出す。刀がそれを迎撃する。そんなことを幾度か繰り返す内に、少しずつ舞姫の方が押されていった。
(ど、どうなるの……?)
美羽は固唾を呑んでそれを見守っていた。が、やがて別の音が割り込む。
パトカーと救急車のサイレンだ。
お嬢様が一瞬それに気を取られた。舞姫がひらり、と跳び上がる。
「あ、危な……!」
美羽が警戒を促そうとすると、舞姫はその頭上を飛び越え、自分で割ったドアから外へ飛び出した。
「しまった……!」
彼女は表情を歪める。
「ここまでですわね……」
「あ、あの……!」
美羽は彼女へ声を掛けた。そこで、お嬢様は初めて美羽の存在に気付いた様だった。
「まあ、あなた、高校生……!? どうしてこんなところに? 親御さんは? こんな時間に?」
「ほんとだよ……」
アキラじゃない方の着崩しスーツがぼそりと呟いた。
「あ、あの、私、お父さんが殺されて……! もしかしたら今出て行った女の人が犯人かもしれない……!」
「お父様が? 待って、あなた……石寺さんの……?」
「父を知ってるんですか!?」
「ここでのお話は難しいようです。わたくしについて来て下さい。それでは皆様、お邪魔しておきながら仕留められずに申し訳ありませんでした。ごきげんよう」
美羽の手を取って立たせ、店内の人間に丁寧に礼をすると、彼女は壊れたドアを跨いで美羽とともに店を離れた。
少し歩くと、パトカーとすれ違う。美羽のことは見えなかったのか、あるいは通報案件が優先だったのか、呼び止められることはなかった。
やがて、彼女は人気のないところに停めてあった一台の車の後部座席を開ける。
「権守さん、失敗です。出して下さい。お客様を一名ご招待です」
「お嬢様が失敗なさるとは、<疾駆の舞姫>、侮れませんな」
運転席の男性が振り返る。彼は美羽を見ると、
「おや、可愛らしいお客様」
「あ、あの……私……」
「石寺さんのお嬢さんです」
お嬢様が紹介すると、権守の目が丸くなった。
「石寺さんの!? お父様のことは残念でした」
「父とどう言う知り合いなんですか?」
「話は後です。権守さん、出して下さい」
「かしこまりました、お嬢様」
「さ、石寺さん。あなたもシートベルトを」
「は、はい……」
お嬢様手ずからシートベルトを締めてくれた。彼女は自身も慣れた手つきで締める。それを待って、権守は車を発進させた。
「あ、あの、あなたは誰なんですか? さっきの女の人は? 幽霊なんですか? 父はどうして死んだんですか? 今からどこに行くんですか?」
混乱した美羽が矢継ぎ早に尋ねると、
「いくつかは後でゆっくり説明します。まず、わたくしは鳴神桃香と申します。名乗るのが遅くなって申し訳ありません。非礼をお詫びしますわ」
「お詫びは良いんです……」
「これから行くのは、わたくしの家です。そこで他の質問にはお答えいたします。あなたのお名前も教えてくださらない? 石寺さんでは、あなたのお父様と同じだわ」
「美羽です。石寺美羽です」
「そうだ。一つ教えて差し上げます。あなたのお父様は、退魔師でした」
「たいまし……?」
「そう。魔を退ける者、退魔師。わたくしも同じです。そして美羽さん、もしかしたら、あなたもそうなるかもしれない」
桃香はそう言って、笑う。夜道を走る車内特有の光の加減で、その表情は先ほどと違って見えた。煌びやかな店内で見るものとは。
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