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「キャンパス輪形彷徨」を書いてみて
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自作「キャンパス輪形彷徨」は「第11回BL小説大賞」に応募するに当たって執筆した作品です。
既に、ブログや「BL習作集」にも断片だけアップしていたものだったのですが、今回大賞募集があると知って形にした、と言うことになります。
あまり大きな声で自慢できることでもありませんが、私は「身体から始まるBL」が結構好きでして今回も自分好みの2人をつらつらと書き殴っていたら短編にできるだけの輪郭が自分の中でできあがっていた、と言う感じでした。
最初は恋愛感情なかったけど、お互いに情が移ってしまって最後にはくっつく、ってテンプレではありますけどかなり好きなんですよね。恋人のフリとかね。
恋人のフリ良いな。書いてみようかな。
年上受けも誘い受けも好きですので、「大学生×聴講生で聴講生誘い受け」と言う設定自体は早くから固まっていました。
で、何も考えずに「殺風景な部屋に暮らしている聴講生の部屋に何故か観葉植物があり、それは過去の男からももらい物だった」と言う掌編を書いておりまして、それが本編でも登場しています。結局最後、薬袋が林田に「林田くんからも観葉植物を贈って欲しい」と言うおねだりに繋がったので書いといて良かったなって思いました。
観葉植物、種類にもよりますけどなかなか枯れないから、前の人間関係でもらうと長くもってしまうのですよね。
薬袋が学生時代、自分の先輩に弄ばれた……と言う設定を決めたのは短編にしようかな、と思う前か同じ頃だったと思います。奔放になるには相応の理由があって、薬袋の場合は「自分を好きになってくれる人を見つけるため」と言うのがその動機であるわけです。
いやそんなんで見つからんだろう、と言うのが正論だとは思いますが、人間なかなか自分のこだわりに潜む誤謬という物には気づけないと思いますし、そう言う思い込みに迷い込んでしまった人間を書くのが好きと言うのもあります。
逆に林田の方が素直と言うか、さほど葛藤してなくて、普通にこいつは「いつか好きって言おう」とか考えているので割と鋼メンタルというか結構心が強い男ですね。薬袋が関係を持ち掛ける切り出し方、割と攻撃的だったと思うんですけど、薬袋が林田のことを、無意識に好いてたの気付いてたんでしょうね。
薬袋が林田に言った、「林田くんと食べるご飯は美味い」というのは、どちらかと言うとそう言う無意識の慕情を示す言葉でもありました。好きな人と食べるご飯は美味しいですからね。あれがあったから林田も諦められなくなった、というのはありそう。
なお、作中関係を持ってから年末の告白まで、実に2ヶ月弱(文化祭が11月頭)というなかなかスピーディーな展開だったんですが、これは自分でも「ちょっと早くねぇか?」とは思っておりました。はい、思っております。
ですが、元々両片想いだし、出会い自体は7月だし、どっちが先に言い出すか、でしかないし、世の中電撃結婚とか電撃交際とかいくらでもあるから良いか……と思ってそのままGOしました。
この「どっちが先に言い出すか」問題だったんですが、実は書きながら決めていまして、林田が告白するか、薬袋が最中にぽろっと言っちゃうか、のどちらにしようかな、とは思っていたんですが、結局林田が最中にぽろっと言っちゃう、という折衷案になりました。
これ、なんでかって言うと一応理屈はあって、「薬袋の猜疑心が強い」「何だかんだで林田の方が相手に対する感情がでかい」と言うのが主な理由です。
薬袋も「愛されたい」と言う気持ちが強いんですけど、「林田くんも僕が告白したら離れてしまうんじゃないか」と言う猜疑心の方が上回っているんですね。失敗ばっかしてるから。一方林田の方は「振られても良いから想いを伝えたい」と言う気持ちがあるので林田の方が言っちゃうだろうな……と言う。
薬袋はベッドに誘うのだけはやたらと上手い(回数こなしてるから)と言うのがあって、だからR15ではあるんですが、割とラストの描写は2人らしくなったと思います。何だかんだでいちゃいちゃしてしまうと言うか。
会話の中に相手への「好き」が入るだけで、実際付き合い方そのものはあんまり変わってない気はしますね。
他にも、薬袋の職業はなんなのだ、とか、林田に友達はいないのか、とかあるんですが、尺の都合で全部カットです。いや趣味創作に尺もへったくれもあるか、という感じですが、出す必要ないから要らない情報出すとダレるんですよね。
作者があんまり語るのも野暮ではありますが、作品、解説ともにお楽しみいただければ幸いです。
ありがとうございました。
既に、ブログや「BL習作集」にも断片だけアップしていたものだったのですが、今回大賞募集があると知って形にした、と言うことになります。
あまり大きな声で自慢できることでもありませんが、私は「身体から始まるBL」が結構好きでして今回も自分好みの2人をつらつらと書き殴っていたら短編にできるだけの輪郭が自分の中でできあがっていた、と言う感じでした。
最初は恋愛感情なかったけど、お互いに情が移ってしまって最後にはくっつく、ってテンプレではありますけどかなり好きなんですよね。恋人のフリとかね。
恋人のフリ良いな。書いてみようかな。
年上受けも誘い受けも好きですので、「大学生×聴講生で聴講生誘い受け」と言う設定自体は早くから固まっていました。
で、何も考えずに「殺風景な部屋に暮らしている聴講生の部屋に何故か観葉植物があり、それは過去の男からももらい物だった」と言う掌編を書いておりまして、それが本編でも登場しています。結局最後、薬袋が林田に「林田くんからも観葉植物を贈って欲しい」と言うおねだりに繋がったので書いといて良かったなって思いました。
観葉植物、種類にもよりますけどなかなか枯れないから、前の人間関係でもらうと長くもってしまうのですよね。
薬袋が学生時代、自分の先輩に弄ばれた……と言う設定を決めたのは短編にしようかな、と思う前か同じ頃だったと思います。奔放になるには相応の理由があって、薬袋の場合は「自分を好きになってくれる人を見つけるため」と言うのがその動機であるわけです。
いやそんなんで見つからんだろう、と言うのが正論だとは思いますが、人間なかなか自分のこだわりに潜む誤謬という物には気づけないと思いますし、そう言う思い込みに迷い込んでしまった人間を書くのが好きと言うのもあります。
逆に林田の方が素直と言うか、さほど葛藤してなくて、普通にこいつは「いつか好きって言おう」とか考えているので割と鋼メンタルというか結構心が強い男ですね。薬袋が関係を持ち掛ける切り出し方、割と攻撃的だったと思うんですけど、薬袋が林田のことを、無意識に好いてたの気付いてたんでしょうね。
薬袋が林田に言った、「林田くんと食べるご飯は美味い」というのは、どちらかと言うとそう言う無意識の慕情を示す言葉でもありました。好きな人と食べるご飯は美味しいですからね。あれがあったから林田も諦められなくなった、というのはありそう。
なお、作中関係を持ってから年末の告白まで、実に2ヶ月弱(文化祭が11月頭)というなかなかスピーディーな展開だったんですが、これは自分でも「ちょっと早くねぇか?」とは思っておりました。はい、思っております。
ですが、元々両片想いだし、出会い自体は7月だし、どっちが先に言い出すか、でしかないし、世の中電撃結婚とか電撃交際とかいくらでもあるから良いか……と思ってそのままGOしました。
この「どっちが先に言い出すか」問題だったんですが、実は書きながら決めていまして、林田が告白するか、薬袋が最中にぽろっと言っちゃうか、のどちらにしようかな、とは思っていたんですが、結局林田が最中にぽろっと言っちゃう、という折衷案になりました。
これ、なんでかって言うと一応理屈はあって、「薬袋の猜疑心が強い」「何だかんだで林田の方が相手に対する感情がでかい」と言うのが主な理由です。
薬袋も「愛されたい」と言う気持ちが強いんですけど、「林田くんも僕が告白したら離れてしまうんじゃないか」と言う猜疑心の方が上回っているんですね。失敗ばっかしてるから。一方林田の方は「振られても良いから想いを伝えたい」と言う気持ちがあるので林田の方が言っちゃうだろうな……と言う。
薬袋はベッドに誘うのだけはやたらと上手い(回数こなしてるから)と言うのがあって、だからR15ではあるんですが、割とラストの描写は2人らしくなったと思います。何だかんだでいちゃいちゃしてしまうと言うか。
会話の中に相手への「好き」が入るだけで、実際付き合い方そのものはあんまり変わってない気はしますね。
他にも、薬袋の職業はなんなのだ、とか、林田に友達はいないのか、とかあるんですが、尺の都合で全部カットです。いや趣味創作に尺もへったくれもあるか、という感じですが、出す必要ないから要らない情報出すとダレるんですよね。
作者があんまり語るのも野暮ではありますが、作品、解説ともにお楽しみいただければ幸いです。
ありがとうございました。
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