4 / 54
四 華燭(一)
しおりを挟む
夕刻になり、泰和殿ではささやかな華燭の典が挙げられた。
正装した王と家臣たちが居並ぶ中、王妃として着飾った蓮花が王に入宮の挨拶をするというものだ。
これは蓮花が正妃として嫁いできたことから執り行われた儀式だ。
通常であれば続いて王が家臣を招いて祝宴を催すものだが、いまはそのような宴は控えるべき、と宰相の一声で取りやめとなった。
結果として、蓮花は赤鴉宮に戻ってきてすぐ普段着に着替え、自室で夕餉を摂ることとなった。
稜雅は政務が残っているということで、まだ泰和殿に詰めている。
「あ、この豚の角煮、すごく柔らかくて美味しい。魚のつみれ汁も良い味ね」
王妃付きの女官ふたりと下女たちが運んできた料理に舌鼓を打ちながら、蓮花は機嫌良く食事をしていた。
倖和殿の料理人の腕前は、桓家の料理人に勝るとも劣らないものがある。
食卓の上に所狭しと並べられた皿に次々と箸を伸ばしながら、蓮花は宮廷料理に満足していた。
この献立が祝賀用なのか普段も同じものかはわからないが、とてもひとりでは食べきれない品数の料理が王妃のために用意されていた。
蓮花の足下では、甯々が用意された小魚の盛り合わせを勢いよく食べている。
「倖和殿の料理長は、王妃様のお口に合う料理を研究すべく、桓邸の料理人に桓家の料理を習ったそうでございます」
女官のひとりである芙蓉が告げる。
蓮花直属の女官は現在のところ芙蓉と佳鈴のふたりだが、芙蓉は蓮花よりも四つ年上の二十二歳、佳鈴は二つ年上の二十歳ということだった。ふたりとも王妃付きに選ばれるだけあって、容姿が整っている。家柄も良いのだろうが、どこの貴族の出であるかはふたりとも名乗らなかった。
華燭の典の前に、倖和殿の女官長が蓮花の部屋へ挨拶に訪れたが、女官長は五十代半ばのふくよかな体型をしており、おしろいの匂いがきつい婦人だった。結った髪に挿した簪には珊瑚、翡翠、青玉などが仰々しく飾られており、濃い橙色の襦裙に朱色の絹帯を締めていた。まるでこの倖和殿の女主人のような貫禄だ。王宮の細かな習慣については明日説明する、と言って去って行ったが、あの様子なら明日から蓮花にお妃教育と称して後宮のしきたりとやらを押しつけるつもりなのだろう。
(あの女官長は、口うるさかったお祖母様を思い出すわ。王宮は、王妃だからってなんでも思い通りになる場所だとは思っていなかったけれど、この様子だとわたしが思い描いていた三食昼寝付きの有閑王妃生活とはほど遠くなりそうね)
後宮でなくとも王妃としてそれなりにのんびりと暮らせるかと思いきや、かなり期待外れになりそうだと蓮花は肩を落とした。
蓮花が王位に就いた稜雅の妃になることが決まったのはほんの五日前だ。その二日後に蓮花自身に入宮が知らされ、大急ぎで準備をして今日を迎えた。
貴族令嬢としての嗜みはひととおり身についているが、お妃教育を受けてきたわけではない。
もともと桓家では蓮花を王の妃にする予定がなかった。
理由は単純で、一年前まで稜雅が王になることを想定していなかったのだ。
(諸侯の妻の方が、まだのんびりと過ごせた気がするのだけど、なんだって稜雅は王になってしまったのかしら。――あぁ、お父様のせいね)
芹那が淹れてくれた温かい茶を飲みながら、蓮花は父が稜雅を反乱軍の頭領に担ぎ上げたことを思い出した。
約十年前、稜雅の父・游碇仆が亡くなった。
その後、稜雅は桓邸で匿われるようにして過ごしたが、蓮花にとっては遊び相手ができたような気分だった。
二年近く桓邸で潜んでいた稜雅が地方へ行く際、彼は蓮花に求婚した。数年経ったら迎えにくるから待っていて欲しいと請われ、蓮花は頷いた。当時の王の孫のひとりだった稜雅は、いずれ諸侯のひとりに任ぜられるだろうと蓮花や家族は考えていた。
まだ前々王の治世で、游碇仆の死が多少稜雅の将来に暗い影を落としてはいたが、稜雅が成人すればそれなりの身分と地位が得られると蓮花も信じていた。七、八年もすれば蓮花は稜雅と一緒に王都を出て、多少鄙びていても穏やかな風土の地方で暮らすのだからと、胡琴などは人並みに演奏できるていどで満足し、詩歌はそこそこ学び、刺繍より裁縫をするようにした。
(地方に行ったら馬に乗って出かけたり、市場を見に行ったり、都ではできないようなことをいろいろできると思っていたのに、八代目のせいでなにもかもできなくなってしまったんだわ)
さらに、稜雅が潦国九代目国王となったため、妃となった蓮花はほぼ一生王宮から出られない身となった。
かつて大叔母は後宮を「三食昼寝付きで友人がたくさんできる女の園」と教えてくれたが、その後宮すら現在の王宮にはない。
三食昼寝付きならなんとか達成できそうだが、女の園を作るためには年月が必要だ。
(諸侯の妻が駄目なら後宮で有閑王妃をしようと思ったのに、怠惰な生活ができそうな雰囲気がないわね。王が代わってすぐだから、仕方ないのでしょうけれど)
豆腐に杏、枸杞の実、桃の実などを混ぜて蜂蜜をかけた食後の菓子を頬張りながら、面倒ごとが嫌いな蓮花は王妃になったことをいくらか後悔し始めていた。
稜雅を頭領とした反乱は、坎巾の乱と呼ばれている。いつの間にか反乱に名がつけられ、世間に浸透したが、この乱に名をつけたのは蓮花の父である享だ。彼は、乱の正統性を世に示すため、稜雅が坎巾の乱を起こして暴君である隼暉を倒したとした。
(そういえば、坎巾ってどういう意味かしら。お父様に聞いたら「なんとなく響きがよさそうだからつけてみた」って良いそうだけど、それなりに考えてつけてはいるわよね? 稜雅は全然考えてなさそうだけれど)
満腹になった蓮花が茶を飲みながらぼんやりと考え事をしていると、芹那が「お下げしてよろしいですか」と尋ねたので、黙って頷いた。
下女たちはすばやく食卓から皿を下げて去って行く。
倖和殿で働く使用人たちのほとんどは赤鴉宮に詰めているらしい。
住み込みの女官たちの部屋は赤鴉宮のそばにある女官専用の宿舎で寝起きしている。ここにはさらに女官の世話をする使用人がおり、専用の厨房がある。下働きの者のための宿舎もあり、倖和殿だけでも百人を超える者が働いている。そのほとんどが、王妃の目に触れない。
(坎巾の乱が成功したから稜雅は王になったけれど、もしこれが失敗していたら稜雅は殺され、乱を支援していたお父様は処刑、わたしたちだって連座で一緒に処刑されていたはずよね)
後宮で隼暉が刺されていなければ、坎巾の乱は長引いていた可能性がある。
王都はさらに荒れ、反乱軍を支持していた民衆の心が離れていたことも考えられる。
坎巾の乱は国内を疲弊させたため、反乱軍を非難する者もいる。皆が隼暉の横暴によって苦しんでいたわけではなく、隼暉の失脚によって敗者となった者もいる。
貴族の中には、隼暉によって官位を与えられた者もいる。そんな官吏すべてが王宮から追放されたわけではないが、汚職を疑われて職を辞した者もいた。隼暉の腹心だった者の中には、財産を失った上、暴君を諫めなかったとして世間から非難されている者もいるそうだ。
隼暉の後宮から命からがら逃げ出した妃の中には、同じような目に遭っている者もいると聞く。
(隼暉王を暗殺して稜雅を王に即位させた場合、隼暉王を支持していた一部の諸侯が反旗を翻すだろうから、どちらにしても反乱は避けられないってお父様はおっしゃっていたけれど、世の中というものはなかなか単純明快にはいかないものね)
食後の満腹感は蓮花に多少の後ろめたさを覚えさせた。
正装した王と家臣たちが居並ぶ中、王妃として着飾った蓮花が王に入宮の挨拶をするというものだ。
これは蓮花が正妃として嫁いできたことから執り行われた儀式だ。
通常であれば続いて王が家臣を招いて祝宴を催すものだが、いまはそのような宴は控えるべき、と宰相の一声で取りやめとなった。
結果として、蓮花は赤鴉宮に戻ってきてすぐ普段着に着替え、自室で夕餉を摂ることとなった。
稜雅は政務が残っているということで、まだ泰和殿に詰めている。
「あ、この豚の角煮、すごく柔らかくて美味しい。魚のつみれ汁も良い味ね」
王妃付きの女官ふたりと下女たちが運んできた料理に舌鼓を打ちながら、蓮花は機嫌良く食事をしていた。
倖和殿の料理人の腕前は、桓家の料理人に勝るとも劣らないものがある。
食卓の上に所狭しと並べられた皿に次々と箸を伸ばしながら、蓮花は宮廷料理に満足していた。
この献立が祝賀用なのか普段も同じものかはわからないが、とてもひとりでは食べきれない品数の料理が王妃のために用意されていた。
蓮花の足下では、甯々が用意された小魚の盛り合わせを勢いよく食べている。
「倖和殿の料理長は、王妃様のお口に合う料理を研究すべく、桓邸の料理人に桓家の料理を習ったそうでございます」
女官のひとりである芙蓉が告げる。
蓮花直属の女官は現在のところ芙蓉と佳鈴のふたりだが、芙蓉は蓮花よりも四つ年上の二十二歳、佳鈴は二つ年上の二十歳ということだった。ふたりとも王妃付きに選ばれるだけあって、容姿が整っている。家柄も良いのだろうが、どこの貴族の出であるかはふたりとも名乗らなかった。
華燭の典の前に、倖和殿の女官長が蓮花の部屋へ挨拶に訪れたが、女官長は五十代半ばのふくよかな体型をしており、おしろいの匂いがきつい婦人だった。結った髪に挿した簪には珊瑚、翡翠、青玉などが仰々しく飾られており、濃い橙色の襦裙に朱色の絹帯を締めていた。まるでこの倖和殿の女主人のような貫禄だ。王宮の細かな習慣については明日説明する、と言って去って行ったが、あの様子なら明日から蓮花にお妃教育と称して後宮のしきたりとやらを押しつけるつもりなのだろう。
(あの女官長は、口うるさかったお祖母様を思い出すわ。王宮は、王妃だからってなんでも思い通りになる場所だとは思っていなかったけれど、この様子だとわたしが思い描いていた三食昼寝付きの有閑王妃生活とはほど遠くなりそうね)
後宮でなくとも王妃としてそれなりにのんびりと暮らせるかと思いきや、かなり期待外れになりそうだと蓮花は肩を落とした。
蓮花が王位に就いた稜雅の妃になることが決まったのはほんの五日前だ。その二日後に蓮花自身に入宮が知らされ、大急ぎで準備をして今日を迎えた。
貴族令嬢としての嗜みはひととおり身についているが、お妃教育を受けてきたわけではない。
もともと桓家では蓮花を王の妃にする予定がなかった。
理由は単純で、一年前まで稜雅が王になることを想定していなかったのだ。
(諸侯の妻の方が、まだのんびりと過ごせた気がするのだけど、なんだって稜雅は王になってしまったのかしら。――あぁ、お父様のせいね)
芹那が淹れてくれた温かい茶を飲みながら、蓮花は父が稜雅を反乱軍の頭領に担ぎ上げたことを思い出した。
約十年前、稜雅の父・游碇仆が亡くなった。
その後、稜雅は桓邸で匿われるようにして過ごしたが、蓮花にとっては遊び相手ができたような気分だった。
二年近く桓邸で潜んでいた稜雅が地方へ行く際、彼は蓮花に求婚した。数年経ったら迎えにくるから待っていて欲しいと請われ、蓮花は頷いた。当時の王の孫のひとりだった稜雅は、いずれ諸侯のひとりに任ぜられるだろうと蓮花や家族は考えていた。
まだ前々王の治世で、游碇仆の死が多少稜雅の将来に暗い影を落としてはいたが、稜雅が成人すればそれなりの身分と地位が得られると蓮花も信じていた。七、八年もすれば蓮花は稜雅と一緒に王都を出て、多少鄙びていても穏やかな風土の地方で暮らすのだからと、胡琴などは人並みに演奏できるていどで満足し、詩歌はそこそこ学び、刺繍より裁縫をするようにした。
(地方に行ったら馬に乗って出かけたり、市場を見に行ったり、都ではできないようなことをいろいろできると思っていたのに、八代目のせいでなにもかもできなくなってしまったんだわ)
さらに、稜雅が潦国九代目国王となったため、妃となった蓮花はほぼ一生王宮から出られない身となった。
かつて大叔母は後宮を「三食昼寝付きで友人がたくさんできる女の園」と教えてくれたが、その後宮すら現在の王宮にはない。
三食昼寝付きならなんとか達成できそうだが、女の園を作るためには年月が必要だ。
(諸侯の妻が駄目なら後宮で有閑王妃をしようと思ったのに、怠惰な生活ができそうな雰囲気がないわね。王が代わってすぐだから、仕方ないのでしょうけれど)
豆腐に杏、枸杞の実、桃の実などを混ぜて蜂蜜をかけた食後の菓子を頬張りながら、面倒ごとが嫌いな蓮花は王妃になったことをいくらか後悔し始めていた。
稜雅を頭領とした反乱は、坎巾の乱と呼ばれている。いつの間にか反乱に名がつけられ、世間に浸透したが、この乱に名をつけたのは蓮花の父である享だ。彼は、乱の正統性を世に示すため、稜雅が坎巾の乱を起こして暴君である隼暉を倒したとした。
(そういえば、坎巾ってどういう意味かしら。お父様に聞いたら「なんとなく響きがよさそうだからつけてみた」って良いそうだけど、それなりに考えてつけてはいるわよね? 稜雅は全然考えてなさそうだけれど)
満腹になった蓮花が茶を飲みながらぼんやりと考え事をしていると、芹那が「お下げしてよろしいですか」と尋ねたので、黙って頷いた。
下女たちはすばやく食卓から皿を下げて去って行く。
倖和殿で働く使用人たちのほとんどは赤鴉宮に詰めているらしい。
住み込みの女官たちの部屋は赤鴉宮のそばにある女官専用の宿舎で寝起きしている。ここにはさらに女官の世話をする使用人がおり、専用の厨房がある。下働きの者のための宿舎もあり、倖和殿だけでも百人を超える者が働いている。そのほとんどが、王妃の目に触れない。
(坎巾の乱が成功したから稜雅は王になったけれど、もしこれが失敗していたら稜雅は殺され、乱を支援していたお父様は処刑、わたしたちだって連座で一緒に処刑されていたはずよね)
後宮で隼暉が刺されていなければ、坎巾の乱は長引いていた可能性がある。
王都はさらに荒れ、反乱軍を支持していた民衆の心が離れていたことも考えられる。
坎巾の乱は国内を疲弊させたため、反乱軍を非難する者もいる。皆が隼暉の横暴によって苦しんでいたわけではなく、隼暉の失脚によって敗者となった者もいる。
貴族の中には、隼暉によって官位を与えられた者もいる。そんな官吏すべてが王宮から追放されたわけではないが、汚職を疑われて職を辞した者もいた。隼暉の腹心だった者の中には、財産を失った上、暴君を諫めなかったとして世間から非難されている者もいるそうだ。
隼暉の後宮から命からがら逃げ出した妃の中には、同じような目に遭っている者もいると聞く。
(隼暉王を暗殺して稜雅を王に即位させた場合、隼暉王を支持していた一部の諸侯が反旗を翻すだろうから、どちらにしても反乱は避けられないってお父様はおっしゃっていたけれど、世の中というものはなかなか単純明快にはいかないものね)
食後の満腹感は蓮花に多少の後ろめたさを覚えさせた。
0
お気に入りに追加
25
あなたにおすすめの小説
選ばれたのは美人の親友
杉本凪咲
恋愛
侯爵令息ルドガーの妻となったエルは、良き妻になろうと奮闘していた。しかし突然にルドガーはエルに離婚を宣言し、あろうことかエルの親友であるレベッカと関係を持った。悔しさと怒りで泣き叫ぶエルだが、最後には離婚を決意して縁を切る。程なくして、そんな彼女に新しい縁談が舞い込んできたが、縁を切ったはずのレベッカが現れる。
愛していました。待っていました。でもさようなら。
彩柚月
ファンタジー
魔の森を挟んだ先の大きい街に出稼ぎに行った夫。待てども待てども帰らない夫を探しに妻は魔の森に脚を踏み入れた。
やっと辿り着いた先で見たあなたは、幸せそうでした。
結婚して5年、初めて口を利きました
宮野 楓
恋愛
―――出会って、結婚して5年。一度も口を聞いたことがない。
ミリエルと旦那様であるロイスの政略結婚が他と違う点を挙げよ、と言えばこれに尽きるだろう。
その二人が5年の月日を経て邂逅するとき
婚約者に消えろと言われたので湖に飛び込んだら、気づけば三年が経っていました。
束原ミヤコ
恋愛
公爵令嬢シャロンは、王太子オリバーの婚約者に選ばれてから、厳しい王妃教育に耐えていた。
だが、十六歳になり貴族学園に入学すると、オリバーはすでに子爵令嬢エミリアと浮気をしていた。
そしてある冬のこと。オリバーに「私の為に消えろ」というような意味のことを告げられる。
全てを諦めたシャロンは、精霊の湖と呼ばれている学園の裏庭にある湖に飛び込んだ。
気づくと、見知らぬ場所に寝かされていた。
そこにはかつて、病弱で体の小さかった辺境伯家の息子アダムがいた。
すっかり立派になったアダムは「あれから三年、君は目覚めなかった」と言った――。
男装呪封師と鬼の皇帝〜秘された少女は後宮で開花する〜
蒼真まこ
ファンタジー
庸国皇帝雷烈の招きにより、呪封師の天御門星は和国から海をこえてやってきた。
若く美しい皇帝の姿を見た瞬間、星は驚愕する。
皇帝に鬼の気配がするのだ。星にとって鬼は双子の兄の敵。
兄を殺した悪鬼の行方を追い、男装して庸国にやってきたのだから。
「ここで逃げるわけにはいかない。私が兄の敵をとるんだ」
皇帝の頼みで後宮内の化け物を祓うことになった星だったが、ある事件をきっかけに星が女であることが雷烈に知られてしまう。
「女の匂いがする。皇帝をだますとはいい度胸だ」
「あなたこそ鬼の気配がするではありませんか!」
咄嗟に言い返すと、雷烈は満足そうに微笑んだ。
「やはり気づいていたか。そのとおり、俺は鬼の血を引いている。母が鬼だったのだ」
若く美しい皇帝の真の目的は、星に鬼の力を封印してもらうことだった。
互いの目的のため協力することになった二人だったが、後宮と皇帝には呪いがかけられていることがわかり……
男装少女と鬼の皇帝。大きな秘密を抱えた二人の中華風後宮ファンタジー。
ユーヤのお気楽異世界転移
暇野無学
ファンタジー
死因は神様の当て逃げです! 地震による事故で死亡したのだが、原因は神社の扁額が当たっての即死。問題の神様は気まずさから俺を輪廻の輪から外し、異世界の神に俺をゆだねた。異世界への移住を渋る俺に、神様特典付きで異世界へ招待されたが・・・ この神様が超適当な健忘症タイプときた。
神鳥を殺したのは誰か?
鳩子
恋愛
皇太子との婚儀を控えた灑洛(れいらく)は、好奇心で訪ねた花園にて一人の男と出会う。
黒珠黒衣に身を包み、煙るような黎黒の髪を持つ美しき男は、
遊嗄の父親で現皇帝・黎氷(れいひょう)であった。
灑洛にとっては、義理の父にあたる方でもある。
幼い頃から恋い慕っていた遊嗄との結婚生活は、甘く穏やかで順風満帆そのものだったが、
何故か、皇帝が灑洛に対して過剰に目を掛けるようになる。
天帝から賜ったとも言われる神鳥を灑洛に下賜するに至り、
皇帝の執着の異常さに怖ろしくなる灑洛……。
后妃達からも疎まれ、廷臣たちからも蔑まれるようになり……。
そして、事件は起こってしまった。
中華風後宮ラブ・ミステリー
『神鳥を殺したのは誰か?』
【完結】父が再婚。義母には連れ子がいて一つ下の妹になるそうですが……ちょうだい癖のある義妹に寮生活は無理なのでは?
つくも茄子
ファンタジー
父が再婚をしました。お相手は男爵夫人。
平民の我が家でいいのですか?
疑問に思うものの、よくよく聞けば、相手も再婚で、娘が一人いるとのこと。
義妹はそれは美しい少女でした。義母に似たのでしょう。父も実娘をそっちのけで義妹にメロメロです。ですが、この新しい義妹には悪癖があるようで、人の物を欲しがるのです。「お義姉様、ちょうだい!」が口癖。あまりに煩いので快く渡しています。何故かって?もうすぐ、学園での寮生活に入るからです。少しの間だけ我慢すれば済むこと。
学園では煩い家族がいない分、のびのびと過ごせていたのですが、義妹が入学してきました。
必ずしも入学しなければならない、というわけではありません。
勉強嫌いの義妹。
この学園は成績順だということを知らないのでは?思った通り、最下位クラスにいってしまった義妹。
両親に駄々をこねているようです。
私のところにも手紙を送ってくるのですから、相当です。
しかも、寮やクラスで揉め事を起こしては顰蹙を買っています。入学早々に学園中の女子を敵にまわしたのです!やりたい放題の義妹に、とうとう、ある処置を施され・・・。
なろう、カクヨム、にも公開中。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる