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夜中の三時
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「お願いだからぁ……」
千雪が、ぜんぶの体重をずっしりかけて、
僕の横っ腹にかぶさってくるのを感じる。
「ひとりで行けよ……」
僕は両ひざをまげて、だんごむしみたく丸まった。
「やだあ」
彼女はダダをこねる。糸のようにかすれた声を、ひねりだして。
そして両手をつかって、僕の腰あたりを、ゆすっているようだ。
もしこのとき、夜更けドロボウが部屋の中に忍び込んでいて、
ベッド上の情事を垣間見たとしたら、
まるで千雪が、ボール遊びをする猫か犬みたいに見えるはずだ。
見えないかもしれないけど。
「ついてきてよ」
千雪の懇願はつづく。
「たっちゃんたら。ねぇ……」
千雪はいい歳こいて、いまだに一人で便所に行けない。
僕より年上というのが、よけいに情けないと思う。
今年の四月。就職のためにふるさとを離れて、東京にやってきた僕は、
まず先に駅前の不動産屋に飛び込んだ。目星はついていた。ネットで下調べした郊外の安アパート。
しかし内見に向かう車の中で、担当の人は僕との会話を唐突にやめたと思うと、
紹介したいオススメ物件があると、今住んでいる場所を紹介してくれた。
築七十年。風呂なし便所共用のモダンなアパート。家賃が相場の二割安。
千雪に出会ったのは、ここに越して、すぐのことだった。薄雲が月にかかった夜のことだった。
同棲をはじめて三カ月。はじめは千雪のこどもっぽさに「かわいいなあ」なんて思いながら、
真夜中の用足しに付き合っていたけど、さすがに週に3回ぐらいのペースで起こされたんじゃあ、
たまったものじゃない。
金土の夜ならまだいい。土日休みの仕事だから。
でも、平日の火曜日とか水曜日に起こされては、かなわない。
そうなったら僕は、彼女の便所に連れ添った後も、ろくに寝つけもしないまま、
朝を迎えて出勤しなければならない。
さらに今は、梅雨まっさかりの七月上旬。
むんとした部屋の片隅にある、せまっくるしいシングルベッドの上で、
成人した男女が、扇風機の風だけを頼りに、譲り合いながら寝るような状況じゃあ、
いびきをかくことだって遠い。
「たっちゃん」
うるさい。
「たっちゃん」
うるさい。
「たっちゃんたっちゃんたっちゃんってばぁ」
うるさい。うるさい。あつくるしい。
千雪はいよいよ、なりふりかまってられない様子だ。
だいたい、だ。
いつもは冷たいお前が、だ。
べたべたべたべた甘えてくるのなんて、だ。
こういうときぐらいなんだ。僕は、よおく知っているんだ。
「げんかい……げんかいなんだよぉ……」
彼女の声はふるえていた。
視線が背筋にささるのを感じる。反対を向いている僕には壁しか見えていないが、
彼女が僕をじっと見ていることは、しっかり感じる。
僕は眉を寄せて、むりやり目を閉じ考える。
そもそも、だ。便所というのは、僕らの部屋から、そう遠くない。
それは、アパート一階のつき当たり出っ張りにあって、僕らの部屋から非常に近い。
隣の部屋ひとつ分をへだてただけなのだから。
だから玄関をでてから、十メートルほど歩くだけで、そこには着けてしまうのだ。
確かに心細さはある。アパートの真ん前には、うっそうと茂った竹林があって、
夜半にはそれが真っ黒に染まるからだ。
この際言うが、今夜こそ彼女をこらしめてやろうと思ったのだ。
彼女が布団の上で、一度でも失態をおかしてしまえば。
僕が便所に連れ添ってくれなかったという『失敗体験』をしてしまえば。
そのうち頼るのを、あきらめるようになるだろう。
そうすればきっと、今後は一人で用に立つことができるだろう。
これは千雪にとって、何十年も遅れた『トイレトレーニング』なのだ。
そのためには、彼女の粗相で背中がぬれてしまってもかまいやしないと、僕は思った。
「千雪、いい機会だよ。いっぺんやってしまえばいいんだ。やってしまえばふっきれるってもんだよ」
自分の考えを、声に出して伝えてみた。公平を期すために。
「そんな……」
僕の宣言が、千雪にはけっこう応えたらしく、
「そんな冷たいこと。つめたいこと。言わないでよぉ……」
涙声でうったえてきた。
冷たいのはいつものお前だ。
心の中でぐちった。
この間だって。
僕はあるテレビゲームをプレイしていた。重厚なストーリーが特長の長編ゲームだ。
「この人はなんで、主人公にこんな態度をとるの?」
隣にすわってプレイを観ていた千雪の口から、思いがけない質問が飛び出てきた。
僕はそれについつい浮足立って、熱心に解説をはじめた。
できるだけ専門用語をつかわないで、わかりやすく説明したつもりだった。
しかし返答は、
「ふうん」
しまいには、
「明日は早く帰れるの?」
趣味の時間に、仕事の話題をぶちこんできた。
雲のようにうつろいやすいのが千雪の気性なんだ。
もうその手には乗らない。ゼッタイに。のらない。
最初の便所コールから、どれくらい経ったんだろうか。
じっとりと熱気のこもった部屋の中は暗く、月明かりが、
閉じきっていないカーテンから光の帯をのぞかせているのが、閉じきれてない目元にちらつく。
夜明けは当分まだらしい。
千雪は、さっきから声を出さない。しかし視線は一向に感じる。じいっと僕を見ているらしい。
きりがない。このまま寝入ってしまおうと決めこんだ。
かまうもんか。かまうもんか別に。決意した僕は、まるまった姿勢をかたくなにした。
「ねえ」
とつぜんのことだ。
か細く、しかしはっきりとした声。
千雪が、僕の耳元で。すぐそばで。
ぞうっと身ぶるい。
既視感だろうか。ちがう。既視感なんかじゃない。
この状況。それは、
千雪とはじめて出会った夜と、全く同じだったからだ。
すっかり目がさえてしまった。もう堪えられない。こうさんだ。
「しょうがない」
僕は上体をおこして、その場に正座をする。千雪もそれにならうがごとく、僕の向かいに正座した。
「これっきりだ」
僕は力をこめて、はっきり告げた。
「これっきりだよ。千雪」
彼女は、大きくうなづいて、泣きはらした目元にえくぼをつくった。
僕は静かな敗北感に打ちのめされて前頭を熱くした。
ふたりしてベッドの上に立ち上がると、真っ暗な部屋の中をゆっくり進んで玄関のノブをひねった。
戸は悲鳴を立てて開いた。
目の前には黒々とした竹やぶが覆いかぶさるように茂っていて、きりぎりすの声があたりを包んでいた。
僕らは通路をゆっくり進む。千雪は僕の背中にくっついて、いっときも離れようとしなかった。
千雪が用を足している間、僕は戸口の前でため息をついて、心にすきま風を感じながら立ち尽くす。
「これっきりだ……」
先ほどの宣言を繰り返す。煙のように吐いたその言葉は、夜の群青にとけた。
やがて便所から、千雪が出てきた。申し訳なさそうに背中を丸めて。
「長かったね」
淡白な顔で迎えた。
「……聞こえた?」
「何が?」
千雪は、顔を真っ赤にしてうつむいたが、
「……おと」
長い前髪のすき間から、うっすらとした瞳を上目づかいにして言った。
「どうかね」
僕は、耳をほじりながら空を見る。
「ゆるいのが出たようだけど」
「いじわる!」
千雪は顔面いっぱいを紅潮させて僕の胸を何度も叩く。それは当然のようにすり抜けた。
僕はなんだかむかついてきて、
「ならひとりで来るんだよ」
そう吐き捨てて、千雪を置いて足早にその場を去った。
僕が部屋に着こうというとき、千雪はあわてた調子で走ってきていた。
閉じかけたドアのすきまを、すり抜けるように飛び込んできた千雪は、
するりと僕の横を通り抜け、先んじて部屋の中まで躍り込むと、あたふたしながら両手をかざした。
すると、たちまち部屋がひんやりとしはじめ、寝るには快適な空間になった。
彼女なりに責任を感じているらしい。彼女を見やると、所在無げにはにかんでいた。
ベッドに横たわった僕は、先ほど思ったことを思い出し、おかしくなって静かに笑んだ。
(するんだな。大きいの)
《おわり》
千雪が、ぜんぶの体重をずっしりかけて、
僕の横っ腹にかぶさってくるのを感じる。
「ひとりで行けよ……」
僕は両ひざをまげて、だんごむしみたく丸まった。
「やだあ」
彼女はダダをこねる。糸のようにかすれた声を、ひねりだして。
そして両手をつかって、僕の腰あたりを、ゆすっているようだ。
もしこのとき、夜更けドロボウが部屋の中に忍び込んでいて、
ベッド上の情事を垣間見たとしたら、
まるで千雪が、ボール遊びをする猫か犬みたいに見えるはずだ。
見えないかもしれないけど。
「ついてきてよ」
千雪の懇願はつづく。
「たっちゃんたら。ねぇ……」
千雪はいい歳こいて、いまだに一人で便所に行けない。
僕より年上というのが、よけいに情けないと思う。
今年の四月。就職のためにふるさとを離れて、東京にやってきた僕は、
まず先に駅前の不動産屋に飛び込んだ。目星はついていた。ネットで下調べした郊外の安アパート。
しかし内見に向かう車の中で、担当の人は僕との会話を唐突にやめたと思うと、
紹介したいオススメ物件があると、今住んでいる場所を紹介してくれた。
築七十年。風呂なし便所共用のモダンなアパート。家賃が相場の二割安。
千雪に出会ったのは、ここに越して、すぐのことだった。薄雲が月にかかった夜のことだった。
同棲をはじめて三カ月。はじめは千雪のこどもっぽさに「かわいいなあ」なんて思いながら、
真夜中の用足しに付き合っていたけど、さすがに週に3回ぐらいのペースで起こされたんじゃあ、
たまったものじゃない。
金土の夜ならまだいい。土日休みの仕事だから。
でも、平日の火曜日とか水曜日に起こされては、かなわない。
そうなったら僕は、彼女の便所に連れ添った後も、ろくに寝つけもしないまま、
朝を迎えて出勤しなければならない。
さらに今は、梅雨まっさかりの七月上旬。
むんとした部屋の片隅にある、せまっくるしいシングルベッドの上で、
成人した男女が、扇風機の風だけを頼りに、譲り合いながら寝るような状況じゃあ、
いびきをかくことだって遠い。
「たっちゃん」
うるさい。
「たっちゃん」
うるさい。
「たっちゃんたっちゃんたっちゃんってばぁ」
うるさい。うるさい。あつくるしい。
千雪はいよいよ、なりふりかまってられない様子だ。
だいたい、だ。
いつもは冷たいお前が、だ。
べたべたべたべた甘えてくるのなんて、だ。
こういうときぐらいなんだ。僕は、よおく知っているんだ。
「げんかい……げんかいなんだよぉ……」
彼女の声はふるえていた。
視線が背筋にささるのを感じる。反対を向いている僕には壁しか見えていないが、
彼女が僕をじっと見ていることは、しっかり感じる。
僕は眉を寄せて、むりやり目を閉じ考える。
そもそも、だ。便所というのは、僕らの部屋から、そう遠くない。
それは、アパート一階のつき当たり出っ張りにあって、僕らの部屋から非常に近い。
隣の部屋ひとつ分をへだてただけなのだから。
だから玄関をでてから、十メートルほど歩くだけで、そこには着けてしまうのだ。
確かに心細さはある。アパートの真ん前には、うっそうと茂った竹林があって、
夜半にはそれが真っ黒に染まるからだ。
この際言うが、今夜こそ彼女をこらしめてやろうと思ったのだ。
彼女が布団の上で、一度でも失態をおかしてしまえば。
僕が便所に連れ添ってくれなかったという『失敗体験』をしてしまえば。
そのうち頼るのを、あきらめるようになるだろう。
そうすればきっと、今後は一人で用に立つことができるだろう。
これは千雪にとって、何十年も遅れた『トイレトレーニング』なのだ。
そのためには、彼女の粗相で背中がぬれてしまってもかまいやしないと、僕は思った。
「千雪、いい機会だよ。いっぺんやってしまえばいいんだ。やってしまえばふっきれるってもんだよ」
自分の考えを、声に出して伝えてみた。公平を期すために。
「そんな……」
僕の宣言が、千雪にはけっこう応えたらしく、
「そんな冷たいこと。つめたいこと。言わないでよぉ……」
涙声でうったえてきた。
冷たいのはいつものお前だ。
心の中でぐちった。
この間だって。
僕はあるテレビゲームをプレイしていた。重厚なストーリーが特長の長編ゲームだ。
「この人はなんで、主人公にこんな態度をとるの?」
隣にすわってプレイを観ていた千雪の口から、思いがけない質問が飛び出てきた。
僕はそれについつい浮足立って、熱心に解説をはじめた。
できるだけ専門用語をつかわないで、わかりやすく説明したつもりだった。
しかし返答は、
「ふうん」
しまいには、
「明日は早く帰れるの?」
趣味の時間に、仕事の話題をぶちこんできた。
雲のようにうつろいやすいのが千雪の気性なんだ。
もうその手には乗らない。ゼッタイに。のらない。
最初の便所コールから、どれくらい経ったんだろうか。
じっとりと熱気のこもった部屋の中は暗く、月明かりが、
閉じきっていないカーテンから光の帯をのぞかせているのが、閉じきれてない目元にちらつく。
夜明けは当分まだらしい。
千雪は、さっきから声を出さない。しかし視線は一向に感じる。じいっと僕を見ているらしい。
きりがない。このまま寝入ってしまおうと決めこんだ。
かまうもんか。かまうもんか別に。決意した僕は、まるまった姿勢をかたくなにした。
「ねえ」
とつぜんのことだ。
か細く、しかしはっきりとした声。
千雪が、僕の耳元で。すぐそばで。
ぞうっと身ぶるい。
既視感だろうか。ちがう。既視感なんかじゃない。
この状況。それは、
千雪とはじめて出会った夜と、全く同じだったからだ。
すっかり目がさえてしまった。もう堪えられない。こうさんだ。
「しょうがない」
僕は上体をおこして、その場に正座をする。千雪もそれにならうがごとく、僕の向かいに正座した。
「これっきりだ」
僕は力をこめて、はっきり告げた。
「これっきりだよ。千雪」
彼女は、大きくうなづいて、泣きはらした目元にえくぼをつくった。
僕は静かな敗北感に打ちのめされて前頭を熱くした。
ふたりしてベッドの上に立ち上がると、真っ暗な部屋の中をゆっくり進んで玄関のノブをひねった。
戸は悲鳴を立てて開いた。
目の前には黒々とした竹やぶが覆いかぶさるように茂っていて、きりぎりすの声があたりを包んでいた。
僕らは通路をゆっくり進む。千雪は僕の背中にくっついて、いっときも離れようとしなかった。
千雪が用を足している間、僕は戸口の前でため息をついて、心にすきま風を感じながら立ち尽くす。
「これっきりだ……」
先ほどの宣言を繰り返す。煙のように吐いたその言葉は、夜の群青にとけた。
やがて便所から、千雪が出てきた。申し訳なさそうに背中を丸めて。
「長かったね」
淡白な顔で迎えた。
「……聞こえた?」
「何が?」
千雪は、顔を真っ赤にしてうつむいたが、
「……おと」
長い前髪のすき間から、うっすらとした瞳を上目づかいにして言った。
「どうかね」
僕は、耳をほじりながら空を見る。
「ゆるいのが出たようだけど」
「いじわる!」
千雪は顔面いっぱいを紅潮させて僕の胸を何度も叩く。それは当然のようにすり抜けた。
僕はなんだかむかついてきて、
「ならひとりで来るんだよ」
そう吐き捨てて、千雪を置いて足早にその場を去った。
僕が部屋に着こうというとき、千雪はあわてた調子で走ってきていた。
閉じかけたドアのすきまを、すり抜けるように飛び込んできた千雪は、
するりと僕の横を通り抜け、先んじて部屋の中まで躍り込むと、あたふたしながら両手をかざした。
すると、たちまち部屋がひんやりとしはじめ、寝るには快適な空間になった。
彼女なりに責任を感じているらしい。彼女を見やると、所在無げにはにかんでいた。
ベッドに横たわった僕は、先ほど思ったことを思い出し、おかしくなって静かに笑んだ。
(するんだな。大きいの)
《おわり》
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