167 / 170
番外編
エドワード視点10
しおりを挟む
マコトが来たからにはマコトと話をしないといけないが、レイチェルともっと一緒にいたい。
「では、少し話をしようか。レイチェル嬢も一緒に話を聞くかい?」
レイチェルと離れるのが名残惜しくて、一緒に話をしようとレイチェルに声をかけるが、レイチェルはゆっくりと首を横にふった。
どうやら仕事の邪魔をしてはいけないと思ったようだ。
「私はご辞退させていただきますわ」
「そうか。残念だな。レイチェル嬢が側にいれば、執務が捗るのに」
せっかく、レイチェルに会えたのにもう離れなければいけないだなんて。
「失礼ですが、殿下。レイチェル様がいらっしゃると殿下はレイチェル様ばかり構われ執務が滞ってしまいますが?」
名残惜しくて、レイチェルを見つめているとアルフレッドが刺々しい釘を指してくる。
しかも、執務が滞るだなんて、レイチェルに聞かれたくないことまで言うし。
アルフレッドは何か私に恨みでもあるのだろうか。
「気のせいだよ」
にっこり笑ってそう告げれば、アルフレッドの眉間のシワが一つ増えた。
レイチェルはアルフレッドの棘のある言葉に悲しげな表情を浮かべ、
「では、私は失礼いたしますね」
と、美しい姿勢で礼をする。
そんなに悲しそうな顔はしてほしくないのに。いつでもレイチェルには笑っていてほしいのに。
「ああ。名残惜しいよ、レイチェル嬢。執務を終わらせてすぐに部屋に行くから待っていてね」
アルフレッドの視線が怖くて、それ以上のことは言えない。
泣く泣くレイチェルが執務室から出ていくのを見送る。
見送ってから、ギッとアルフレッドを睨み付けた。
「なにもレイチェルの前でレイチェルを非難するようなことを言わなくてもいいではないか!レイチェルが今にも泣きそうだった。」
「エドワード様がいつもからしっかり仕事をなさっていれば言いませんよ。」
「ぐっ・・・」
だが、アルフレッドに正論を言われてしまい何も言えなくなってしまった。
どうしてだろうか。
私は皇太子なのに。
どうして、アルフレッドが私に命令をしているのだろうか。
「あの・・・お話し中失礼いたしますが、僕はここにいてもいいんでしょうか?」
マコトの申し訳なさそうな声をきいて、ふと我にかえる。
そして慌ててマコトに向けて笑顔を作った。
「ああ。すまなかった。では、そこのソファーに座ってくれ。話をしよう。」
「では、少し話をしようか。レイチェル嬢も一緒に話を聞くかい?」
レイチェルと離れるのが名残惜しくて、一緒に話をしようとレイチェルに声をかけるが、レイチェルはゆっくりと首を横にふった。
どうやら仕事の邪魔をしてはいけないと思ったようだ。
「私はご辞退させていただきますわ」
「そうか。残念だな。レイチェル嬢が側にいれば、執務が捗るのに」
せっかく、レイチェルに会えたのにもう離れなければいけないだなんて。
「失礼ですが、殿下。レイチェル様がいらっしゃると殿下はレイチェル様ばかり構われ執務が滞ってしまいますが?」
名残惜しくて、レイチェルを見つめているとアルフレッドが刺々しい釘を指してくる。
しかも、執務が滞るだなんて、レイチェルに聞かれたくないことまで言うし。
アルフレッドは何か私に恨みでもあるのだろうか。
「気のせいだよ」
にっこり笑ってそう告げれば、アルフレッドの眉間のシワが一つ増えた。
レイチェルはアルフレッドの棘のある言葉に悲しげな表情を浮かべ、
「では、私は失礼いたしますね」
と、美しい姿勢で礼をする。
そんなに悲しそうな顔はしてほしくないのに。いつでもレイチェルには笑っていてほしいのに。
「ああ。名残惜しいよ、レイチェル嬢。執務を終わらせてすぐに部屋に行くから待っていてね」
アルフレッドの視線が怖くて、それ以上のことは言えない。
泣く泣くレイチェルが執務室から出ていくのを見送る。
見送ってから、ギッとアルフレッドを睨み付けた。
「なにもレイチェルの前でレイチェルを非難するようなことを言わなくてもいいではないか!レイチェルが今にも泣きそうだった。」
「エドワード様がいつもからしっかり仕事をなさっていれば言いませんよ。」
「ぐっ・・・」
だが、アルフレッドに正論を言われてしまい何も言えなくなってしまった。
どうしてだろうか。
私は皇太子なのに。
どうして、アルフレッドが私に命令をしているのだろうか。
「あの・・・お話し中失礼いたしますが、僕はここにいてもいいんでしょうか?」
マコトの申し訳なさそうな声をきいて、ふと我にかえる。
そして慌ててマコトに向けて笑顔を作った。
「ああ。すまなかった。では、そこのソファーに座ってくれ。話をしよう。」
15
お気に入りに追加
7,868
あなたにおすすめの小説
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
記憶喪失の令嬢は無自覚のうちに周囲をタラシ込む。
ゆらゆらぎ
恋愛
王国の筆頭公爵家であるヴェルガム家の長女であるティアルーナは食事に混ぜられていた遅延性の毒に苦しめられ、生死を彷徨い…そして目覚めた時には何もかもをキレイさっぱり忘れていた。
毒によって記憶を失った令嬢が使用人や両親、婚約者や兄を無自覚のうちにタラシ込むお話です。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
悪役令嬢ですが、当て馬なんて奉仕活動はいたしませんので、どうぞあしからず!
たぬきち25番
恋愛
気が付くと私は、ゲームの中の悪役令嬢フォルトナに転生していた。自分は、婚約者のルジェク王子殿下と、ヒロインのクレアを邪魔する悪役令嬢。そして、ふと気が付いた。私は今、強大な権力と、惚れ惚れするほどの美貌と身体、そして、かなり出来の良い頭を持っていた。王子も確かにカッコイイけど、この世界には他にもカッコイイ男性はいる、王子はヒロインにお任せします。え? 当て馬がいないと物語が進まない? ごめんなさい、王子殿下、私、自分のことを優先させて頂きまぁ~す♡
※マルチエンディングです!!
コルネリウス(兄)&ルジェク(王子)好きなエンディングをお迎えください m(_ _)m
2024.11.14アイク(誰?)ルートをスタートいたしました。
楽しんで頂けると幸いです。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
記憶を失くした悪役令嬢~私に婚約者なんておりましたでしょうか~
Blue
恋愛
マッツォレーラ侯爵の娘、エレオノーラ・マッツォレーラは、第一王子の婚約者。しかし、その婚約者を奪った男爵令嬢を助けようとして今正に、階段から二人まとめて落ちようとしていた。
走馬灯のように、第一王子との思い出を思い出す彼女は、強い衝撃と共に意識を失ったのだった。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
【完結】【35万pt感謝】転生したらお飾りにもならない王妃のようなので自由にやらせていただきます
宇水涼麻
恋愛
王妃レイジーナは出産を期に入れ替わった。現世の知識と前世の記憶を持ったレイジーナは王子を産む道具である現状の脱却に奮闘する。
さらには息子に殺される運命から逃れられるのか。
中世ヨーロッパ風異世界転生。
愛されない王妃は、お飾りでいたい
夕立悠理
恋愛
──私が君を愛することは、ない。
クロアには前世の記憶がある。前世の記憶によると、ここはロマンス小説の世界でクロアは悪役令嬢だった。けれど、クロアが敗戦国の王に嫁がされたことにより、物語は終わった。
そして迎えた初夜。夫はクロアを愛せず、抱くつもりもないといった。
「イエーイ、これで自由の身だわ!!!」
クロアが喜びながらスローライフを送っていると、なんだか、夫の態度が急変し──!?
「初夜にいった言葉を忘れたんですか!?」
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
誰からも愛されない悪役令嬢に転生したので、自由気ままに生きていきたいと思います。
木山楽斗
恋愛
乙女ゲームの悪役令嬢であるエルファリナに転生した私は、彼女のその境遇に対して深い悲しみを覚えていた。
彼女は、家族からも婚約者からも愛されていない。それどころか、その存在を疎まれているのだ。
こんな環境なら歪んでも仕方ない。そう思う程に、彼女の境遇は悲惨だったのである。
だが、彼女のように歪んでしまえば、ゲームと同じように罪を暴かれて牢屋に行くだけだ。
そのため、私は心を強く持つしかなかった。悲惨な結末を迎えないためにも、どんなに不当な扱いをされても、耐え抜くしかなかったのである。
そんな私に、解放される日がやって来た。
それは、ゲームの始まりである魔法学園入学の日だ。
全寮制の学園には、歪な家族は存在しない。
私は、自由を得たのである。
その自由を謳歌しながら、私は思っていた。
悲惨な境遇から必ず抜け出し、自由気ままに生きるのだと。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
【完結】「心に決めた人がいる」と旦那様は言った
ゴールデンフィッシュメダル
恋愛
「俺にはずっと心に決めた人がいる。俺が貴方を愛することはない。貴女はその人を迎え入れることさえ許してくれればそれで良いのです。」
そう言われて愛のない結婚をしたスーザン。
彼女にはかつて愛した人との思い出があった・・・
産業革命後のイギリスをモデルにした架空の国が舞台です。貴族制度など独自の設定があります。
----
初めて書いた小説で初めての投稿で沢山の方に読んでいただき驚いています。
終わり方が納得できない!という方が多かったのでエピローグを追加します。
お読みいただきありがとうございます。
【完結】「君を愛することはない」と言われた公爵令嬢は思い出の夜を繰り返す
おのまとぺ
恋愛
「君を愛することはない!」
鳴り響く鐘の音の中で、三年の婚約期間の末に結ばれるはずだったマルクス様は高らかに宣言しました。隣には彼の義理の妹シシーがピッタリとくっついています。私は笑顔で「承知いたしました」と答え、ガラスの靴を脱ぎ捨てて、一目散に式場の扉へと走り出しました。
え?悲しくないのかですって?
そんなこと思うわけないじゃないですか。だって、私はこの三年間、一度たりとも彼を愛したことなどなかったのですから。私が本当に愛していたのはーーー
◇よくある婚約破棄
◇元サヤはないです
◇タグは増えたりします
◇薬物などの危険物が少し登場します
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる