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しおりを挟むレイチェルはどうして、私の身体の中に入ってしまったのだろうか。
どうして、私の身体だったのだろうか。
偶然・・・?それとも・・・。
「マコト様。私をレイチェルの元に連れていってくれますか?」
まずは、レイチェルのことを調べなければ。
そのためには、今のレイチェルの状態を知ることも大事だ。
私は、マコト様の飼っているシロとクロの力を借りれないか確認をする。
マコト様は少しだけ考えるように目を瞑った。そして、すぐに顔をあげる。
「私としては構わないんですが・・・ただ、エドワード様のご命令でここにいる訳ですし、いくらエドワード様の信頼があつい私でも、ライラさんを連れて帝国を出るわけにはいきません。」
やはり私のことを監視している身としては簡単にここを離れる訳にはいかないようだ。
少しだけ困ったように微笑みながら、マコト様は告げた。
「エドワード様に連絡を取ってみますね。でも、そのためには、ライラさんのことを全てエドワード様に報告しなければなりません。よろしいですか?」
「それは・・・私の出自もでしょうか?」
「ええ。貴女の身分もエドワード様には報告させていただきます。」
真っ当な生活をしてこなかった私としては、あまり出自を知られたくない。
この手がたくさんの血で汚れてしまっていることなど、知られたいことではない。
でも・・・。
思わずマコト様の問いに即答できずに俯いてしまう。
そんな私の背中をマコト様が優しく包み込んだ。
「大丈夫ですよ。エドワード様は貴女の過去なんて気にしません。ただ、貴女が自分にとって安全な人物かどうかを確認したいだけなんですから。それに・・・あの方は他人に特別な興味を抱かないお方ですので。」
「えっ・・・?」
マコト様の口から出た以外な言葉に息を飲む。
エドワード様は他人に興味を抱かない・・・?レイチェルはそれを感じて逃げ出したのだろうか。
「エドワード様の興味は自分の敵となるか味方となる人物か、それだけです。だから、貴女がエドワード様の敵にならないと判断されれば監視が解かれるだけです。その後、どこでなにをしててもエドワード様は気にしません。そういうお方です。」
では・・・マコト様が言っていたエドワード様がレイチェル様だけを愛しているというのも、実は口だけだったの・・・?
思わず愕然として、マコト様を見つめてしまう私。
それでは、あまりにもレイチェルが不憫だ。不憫で仕方ない。
すると、慌てたようにマコト様が首を振った。
「あ、違いますっ。レイチェル様だけなんです。エドワード様が特別興味を持ったのは。だから、私はエドワード様にはレイチェル様と結ばれて欲しいのです。」
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