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しおりを挟む「ユキ、決め付けるのはいけないよ。どうして、そう思ったの?」
マコトが窘めるようにユキに問いかける。
ユキもマコトの冷静な姿に興奮が少し収まったのか、先ほどのようにこちらを睨みつけてくるのをやめた。
「だって。タイミングが良すぎるわ!レイチェルが意識不明にすぐにエドワードがこの女を連れて来たじゃない。ヒロインとしか思えないわ。」
ユキ様は大きな目でマコト様を真剣に見つめる。
その瞳からはユキ様が冗談で言っているわけではないことが伺える。
「そうだね。確かにタイミングが良すぎるかもしれないね。でも、シーズン2は実際にはまだ開発段階だったんだ。私はその途中でこちらの世界に転移してきてしまったけれど・・・。ただ、あの腐りきったシナリオがそっくりそのまま適応されたとは思えない。不倫を推奨するようなシュミレーションゲームなんてあってはいけないと思っている。それに、この世界でのレイチェル様もエドワード様も血の通った人間なんだ。ゲームと一緒にしてはいけないよ。ゲームのレイチェル様とエドワード様とこちらの世界のレイチェル様とエドワード様は姿こそは似ているけれども、性格は違っていただろう?」
先ほどからマコト様の会話でよく分からない単語がずらずらと羅列されている。
シュミレーションゲームとはなんだろうか?
シナリオとは?
マコト様の言うことを半分も理解することはできない。ユキ様は理解できているのだろうかと思って、ユキ様を見つめる。
ユキ様は真剣な表情でマコト様の言葉に頷いていた。
「確かにレイチェルもエドワードもゲームとは違っていたわ。でも、シーズン2のヒロインが登場しないとは限らない。私は、レイチェルが好きよ。大好きなの。だから、レイチェルには幸せになってほしいと思っている。そのために、この女が邪魔するのならば、私もエドワードとこの女の邪魔をするだけよ。」
「ふぅ。わかったよ。確かにユキの言うとおり確証はないからね。仕方ない。このまま彼女をエドワード様の皇太子宮に戻すのは嫌だということだね。レイチェル様に彼女がなにかするといけないからここにも置いておけないね。そうすると・・・。」
マコト様はそう言って私を見た。
「あの・・・私が出て行くというのはどうでしょうか?お二人の前に今後は現れないという約束で。もし、私がお二人の前に現れるようなことがあったら、今度は監禁ではなく、そのまま処刑していただけませんか?」
私は意を決してマコト様に伝える。
私がこのままここに残るのは得策ではない。
私はまだ迷っているのだから。エドワード様の暗殺に。
「!?そこまで言っていないわ!」
ユキ様は私の発した「処刑」という言葉に強く反応した。
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