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しおりを挟む大きく目を見開いたマコト様は、しばらく時が止まったように動けずにいた。
「・・・どこで、それを?」
マコト様から掠れた声が漏れた。
でも、今ここで本当のことを言っても信じてはもらえないだろう。
「ひみつ。」
にっこり笑って伝えれば、マコト様はびっくりしたように瞬いた。そして、ブンブンと音がするかと思うくらい首を勢いよく左右に振る。
それから気を取り直したかのように、私のことを真正面から見つめた。
「貴女は私の知り合いに似ています。だから、エドワード様も貴女に気を許しているのかもしれません。ですが、貴女はエドワード様にはふさわしくありません。」
「そう。残念だわ。それで?私はもうここから解放してもらえるのかしら?」
「いいえ。貴女には不振な点がたくさんある。すべて調べ終わるまではここにいていただきます。」
先程の驚きはどこへやら。
マコト様はしごく真面目にそう言ってきた。どうやら私はとても怪しまれているらしい。
「貴女の名前を教えてください。」
「レイよ。」
答えると、ゲロゲロ君18号がピカーッと赤い色を発した。
先程までは反応がなかったのに。
「貴女の名前を教えてください。」
「だからレイよ。」
またしてもゲロゲロ君18号が赤く光る。これはどういうことなのだろうか。
マコト様の視線も強くなる。
「貴女の本当の名前を教えてください。」
マコト様はさらに私に名前を尋ねる。もしかして、この赤い光は嘘をつくと光るのかしら。
でも、レイという名前はあながち嘘でもないのだけれども。
「レイチェルよ。」
私は本名を伝えた。
それでもゲロゲロ君18号は赤い光を発した。
「冗談はよしてください。どこでその名を知ったのですか?」
マコト様の目がさらにするどくなる。
どういうことなの。だって、私はレイチェルなのよ。
レイチェルなのに。
どうして、どうして嘘だということになるの。
「私はレイチェルよ。その魔道具が壊れているのではなくって?」
私はレイチェルなのに。それ以外の何者でもないのに。
どうして、ゲロゲロ君18号は赤く光るの。
「・・・はぁ。埒が明きません。質問を変えます。貴女の出身国はどこですか?」
「ハズラットーン大帝国よ。」
私が答えるとまたしてもゲロゲロ君18号が赤く光った。
どういうこと………?
「出身国まで嘘をつかれるんですね?貴女の出身国はヤックモーン王国ですよね?」
「違うわ。」
そう答えるとまたしてもゲロゲロ君18号が赤く光った。
「ゲロゲロ君18号は嘘をつきません。貴女はヤックモーン王国の出身です。隠してもゲロゲロ君18号は見破りますよ。素直に認めてください。」
「嘘よ。私はこの国の生まれでレイチェルというのよ。レイチェルなのよ私は・・・。どうして・・・。どうしてなの・・・。」
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