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断罪が始まる……

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「……ゴホンッ……さて、ではユルスグレーン侯爵家に対する処置を命ずるとしよう。」

 アルフォネアの声が聞こえなくなったことを確認すると、王様は咳払いをして話を先に進めた。
 
「「「はっ……。」」」

 お父様とお母様と私は王様の言葉に深く拝礼する。
 
 アルフォネアは王族に対して暴言を吐いた。自分の方が王族に相応しいと。謀反にもとられかねない発言だ。
 
 いくら無知であったとしても許されることはないだろう。大勢の重臣たちが見ていたことだし。

「当初は処罰については表向きは不問にするつもりであった。アルフォネアの教育・管理徹底を罰としてユルスグレーン侯爵に課すだけで済ます予定であった。」

「「「はっ……。」」」

 当初は……ということは、今は違うということよね。
 
 アルフォネアのお陰で処罰が重くなると感じて私はめまいを覚えた。
 
 王様はとても寛大なお方だ。多少の罪ならば目を瞑ってくれることもある。
 
 今だって、王家に対する謀反と取られかねない発言をしたアルフォネアをその場で処刑することも出来たはずだ。だが、それをすることなく牢に入れるだけで留めていてくれている。

「だが……。アルフォネアの発言は王家を乗っ取ろうとする意志を持っているように感じた。そなたらもそうであろう?」

「「「「「「「「はっ。」」」」」」」」

 王様の問いかけにその場にいた全員が肯定の返事をする。もちろん、お父様やお母様や私もだ。
 
 それほど、アルフォネアの発言は酷いものだった。

「アルフォネアの発言を聞いて、私はアルフォネアの教育・管理徹底をユルスグレーン侯爵に課すのは軽いと判断した。」

「その通りでございます。王様。」

 王様の発言にお父様は深々と拝礼して同意する言葉を放つ。

「だが、ステファニー嬢にはなんの罪もない。アルフォネアがああ育ってしまったのは本人の気質と、ユルスグレーン侯爵家の教育にあると思っている。だが、ステファニー嬢はなんの問題もない貴族の模範となる令嬢だ。ユルスグレーン侯爵家の教育に全て非があったのかというとそうでもないのだろう。」

「王様、発言をお許しください。」

「許す。」

「ありがとうございます。」

 お父様は発言することを王様に許可をもらった。
 
「アルフォネアは……妻の妹の娘なのです。幼くして母親を亡くしたアルフォネアを気の毒に思い、甘やかして育てたことは認めます。また、アルフォネアに何を言っても理解してもらえず、自分の都合の良い方向に捉えてしまう性格に私も妻もアルフォネアには出来るだけ関わらないようになり、アルフォネアの教育をすべて侍女たちに任せきってしまいましたことをご報告いたします。」

 お父様はそう言い切って更に深く拝礼した。

「……そうか。アルフォネアに対する教育を怠ったと、そういうことだな?」

「はっ。」

 王様の問いかけにお父様とお母様は深く頷く。
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