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番外編

お花見しよう! 3

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「我、参上っ!!」

 マーニャたちを撫でまわしていると、急に強い風が吹いてプーちゃんが現れた。
 そう言えば、プーちゃんどこに行っていたんだろうか。
 プーちゃんがいないと平和で楽しかったのに。
 プーちゃんの登場とともに、風圧で敷布が大きくめくれ上がった。石程度の重しではプーちゃんが巻き起こす風圧には敵わなかったらしい。
 敷布の上に用意したおつまみが台無しになった。
 マーニャたちのために用意したマグロも敷布の上に散らばってしまった。
 
「……プーちゃん、もっと大人しく登場できないの?マーニャたちに用意したご飯がプーちゃんが起こした風で飛び散ったわ。」

 私は静かな怒りを込めてプーちゃんを見る。
 プーちゃんは少しだけたじろいだ。
 
「……う、うむ。すまなかった。マーニャ様、クーニャ様、ボーニャ様お許しを……。」

 プーちゃんはマーニャたちのご飯を自分がダメにしてしまったことに反省したようだ。マーニャたちのご飯についてだけ反省したようだ。
 私が用意したマーニャたちが食べない(食べれない)おつまみについては謝罪すらない。まあ、プーちゃんらしいったららしいけど。
 
「マユが用意してくれたものと同じの用意してくれたら許すのー。」

「プーちゃん、メっ!」

「プーちゃん、メっ!」

 マーニャは意外と寛大なようだ。ただ、私が用意したものをプーちゃんが用意するのは難しいだろう。マーニャは謀らずともプーちゃんを試しているように思える。
 対してクーニャとボーニャはプーちゃんにお叱りの猫パンチを繰り出している。まあ、でも、クーニャとボーニャのことだ。きっと爪は立ててないだろうし軽いジャブのようなものだろう。爪を立てていたところで、プーちゃんの硬い鱗にはダメージがないはずだ。
 
「……わかったのだ。すぐに用意するのだ。」

 プーちゃんはマーニャたちに怒られたことにショックを受けて自分がダメにしたものを用意すると言っている。果たしてプーちゃんが簡単に用意できるものなのかと、様子を伺っていたら、プーちゃんが一目さんに私のところに飛んできた。
 
「マーニャ様たちが酷くご立腹だ。マユよ。早くマーニャ様たちのご飯を用意するのだ。運ぶくらいは我が手伝ってやろう。」

 偉そうにふんぞり返ったプーちゃんはそんなことを言ってきた。
 そうかそうか。やっぱりプーちゃんはプーちゃんだ。プーちゃんが運ぶと言っただけでもプーちゃんとしては譲歩しているつもりなのかもしれない。
 
「……ふぅ。」

 私は大きなため息をつく。
 そして、プーちゃんにはマーニャたちのご飯もおつまみを用意することも難しいことを思い出して、そっと立ち上がる。
 
「……わかった。マーニャたちのご飯は用意するし、プーちゃんがダメにしたおつまみも用意しなおすわ。だから、プーちゃん。散らかった食べ物を片付けておいてくれるかしら?」

 これは私からプーちゃんへの最大限の譲歩だ。
 プーちゃんが出来ることだけをプーちゃんにお願いする。
 出来ないものは仕方がないから、出来ることだけをお願いする。
 
「……わかったのだ。ただ、我だって物を運ぶことくらいはできるぞ。」

「そうだね。でも、作り直すのに少し時間がかかるから。作り直すまでの間、ここを綺麗にしておいてくれると嬉しい。」

「……わかったのだ。」

 プーちゃんは素直に頷いた。プーちゃんはプーちゃんでとても反省しているようだ。
 
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