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五章
5ー66
しおりを挟むぷぎゅっ。
ぷみゅっ。
ぐにゅっ。
トマトの木を伝って下に下にと降りていくと時々、足の下からそんな音が聞こえてくる。
どうやらトマトの枝を踏んだ時に踏み方が悪いと音が鳴ってしまうようだ。
マーニャたちは木を降りるのが慣れているのか、スイースイーッと降りて行ってしまった。マーニャたちが降りていく際には、物音一つ立てていない。
へっぴり腰になりながら一歩、また一歩と地上に向かって足を進める。
むぎゅぅ。
また足の置き場が悪かったようで、足元で無様な音が鳴った。
「うぅ……。マーニャたち待ってよぉ。降りるのって怖いんだよねぇ。」
高所恐怖症ではないけれど、木登り自体をしたことがない私は、木から降りる方法も手探りなのだ。足で足場になりそうなところを探って、片足ずつ降りていく。意外と手と足の力が必要で、降り切ったら筋肉痛になりそうなほどだ。むしろ、今すぐにでも筋肉痛になったとしてもおかしくはないだろう。
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