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五章
5ー62
しおりを挟むトマトの木は上に上にとぐんぐんと育っていく。
ぐんぐん上に向かって育っていって、そして重力に耐え切れなくなって……。
「きゃーーーーーっ!!」
「「「にゃーーーーっ!!!?」」」
「「ぎゃーーーーっなのじゃっ!!」」
トマトの木はギギギギギギっという大きな音とともに私たちに向かって倒れてきた。
慌ててトマトの木の下から飛びのく私たち。もちろん悲鳴付き。
ズズズズズシーーーーーーンッ。
大きく大きく成長を続けているトマトの木は、大きな音を立てて地面に倒れた。そして、私が流した涙でぽっかりと開いた穴に、トマトの枝がスルスルと引き寄せられるように垂れていく。トマトの木の成長は止まらない。
トマトの木はより太く、より長く、よりがっちりと成長していく。人が何人乗っても大丈夫なくらい頑丈になっているのではないだろうか。
唖然とした表情を浮かべて、私はトマトの木を見つめる。
「ほら、な。妾の言う通りなのじゃ。これで帰れるであろう?」
頬を真っ赤に染めながらイザナギ様はそう言ってプイッと横を向いた。
私はゆっくりと首を縦に振った。
「……夢、みたいです。こんなに一気に成長するだなんて……。イザナギ様、こうなることがわかっていただなんて、すごい、です。」
「イザナギ様すごいのーーーっ!」
「イザナギ様の言う通りになったのーーーっ!」
「さすが、イザナギ様なのーーーーっ!」
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