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五章
5ー42
しおりを挟む目を回して倒れてしまったイザナギ様を介抱しつつ、プーちゃんとマーニャたちの会話に混ざりこむ。
「ねえ。それにしても、なんでプーちゃんがこんなところにいるの?プーちゃんは死なないんじゃなかったの?ホンニャンもとてもプーちゃんに会いたがっているよ。」
「そうなのー。ホンニャンとっても大きくなったの。」
「美人なのー。可愛いのー。」
「タイチャンがホンニャンに結婚申し込もうとしてるのー。」
私の言葉にマーニャたちが続けて、ホンニャンの情報をプーちゃんに説明する。
っていうか、最後!!ボーニャ今なんつった?
「……ホンニャンが結婚?」
プーちゃんが低い声で小さく呟く。
だよね。私もそこに引っ掛かったし。
可愛い可愛いホンニャンがタイチャンと結婚するってどういうことなのだろうか?
帰ったらタイチャンを締め上げないと。
「そうなのー。だから、プーちゃんが阻止するのー。」
「えー!?あたし、知らなかったのー。」
「あたしも!!なんでタイチャンがホンニャンと結婚するのー?」
「そうよね。タイチャンがホンニャンと結婚するなんて許せないわ。ホンニャンにはもっと甲斐性がある人でなければ。」
「え?え?え?みんな怖いのー。あたし責めないでタイチャンに聞いてよぉ。」
ホンニャンにタイチャンが結婚を申し込んでいると知って、思わずその情報をもたらせたボーニャにみんなが詰め寄っていく。ボーニャはみんなの迫力にタジタジとしだす。
「ご、ごめんごめん。とてもビックリしたから思わず。タイチャンにちゃんと確認することにするわ。」
ボーニャが涙を浮かべてしまったのを確認して、私は慌ててボーニャから距離を取る。マーニャとクーニャとプーちゃんも同時にボーニャから距離をとってペコペコと謝りだす。
「ごめんなのー。」
「許してなのー。」
「すまぬっ。つい、興奮してしまったのだ。……ところで、タイチャンというのは誰なのだ?」
「いいのっ。でも、タイチャンは許さないの。」
皆が誠心誠意謝ったことで、ボーニャもこくりと頷いてマーニャたちのことを許したようだ。
っていうか、
「プーちゃん。タイチャンのこと知らなかったっけ?」
プーちゃんがタイチャンを知らなかったことの方が驚きだ。
おかしい、確か私の記憶だとプーちゃんとタイチャンは知り合いだったはずなのに。しかも、タイチャンが一方的にプーちゃんに敵意を持っていたと記憶している。
プーちゃんもそんな敵意を持たれている相手の名前を忘れるはずがない。しかも、魔王城に残してきたホンニャンの側には常にタイチャンが控えていたはずだし。
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