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五章

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「えっ?プーちゃ……。」

「プーちゃんなのーーー!!」

「ひどいのー!もっと早くクーニャに気づいてなのーーー。」

「ずっとずっと探してたんだよー。なんでボーニャの側からいなくなるのー?」

後ろから聞こえてきた懐かしいプーちゃんの声に驚いて振り向く。するとそこには以前と寸分も変わらぬプーちゃんがいた。

私はプーちゃんの名前を思わず呟き……言い切る前にマーニャたちがそれぞれ声を上げながらプーちゃんに抱きついた。もとい、プーちゃんに殴りかかった。

まあ、痛くなさそうだけど。マーニャたちも爪を隠してモフモフな手でポカポカ叩いているだけみたいだし。むしろ、プーちゃんの顔がにやけていて気持ち悪かった。

「ああ、マーニャ様とクーニャ様とボーニャ様に抱きしめられてるなんてなんて至福なのだっ……!もう、このまま死んでもよいのだーーーっ!!」

プーちゃんはマーニャたちにポカポカと叩かれながらも嬉しそうにその場にのたうち回っている。っていうか、このまま死んでもいいって、もうプーちゃん死んでるんじゃないの?だから、ここにいたんじゃないの?

口には出さないけれども、脳内で思いっきりツッコミを入れてしまった。

「な、ななななな……。」

喜びまくっているマーニャたちとプーちゃんを尻目に、イザナギ様はプーちゃんとマーニャたちを指さしながらまだ驚きの表情を浮かべて、言葉にならない言葉を口にしている。

イザナギ様も立ち直りが遅いようだ。

「これが、プーちゃんです。プーちゃんとは話せないはずなのに、驚かせてしまってすみません。やっぱ、マーニャたちは猫様だから特別なんでしょうか。」

プーちゃんと話す権利はマーニャたちに取られてしまったから、驚きで腰を抜かしてしまっているイザナギ様に声をかける。

すると、イザナギ様は「嘘じゃっ!嘘じゃっ!嘘じゃっ!!」と言いながら頭を抱え込み、勢いよく首を横に振り出した。

首が取れそうなほど、高速で首を横に振り続けるイザナギ様。目が回らないのだろうかと不思議に思いながらも声をかけてみる。

「あの、信じられないかもしれませんが……。」

「ぐぅっ……。目が……回ったのじゃ……。気持ち悪ぃ……。」

声をかけたのとほぼ同時に、イザナギ様がその場に倒れこんだ。どうやら首を横に振りすぎて気持ちが悪くなってしまったようだ。その場に倒れこんだイザナギ様は、私がツンツンとつついても全く起きる気配がなかった。

どうしよ。これ。

私は喜びを分かち合うプーちゃんたちを尻目に、イザナギ様を見つめながら途方に暮れるのだった。

 

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