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五章

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「タイチャンっ!私、プーちゃんを探しに行きたいの!!いいでしょ?マユもお姉さまもいるし!」

「ま、魔王様っ!!お姉さまもいるって、パールバティー様は女王なのですからこの国から離れられないでしょう。マユだけでは心配ですっ!!ダメですっ!!魔王様を危険な目に合わせるだなんてそんなことできませんっ!!」

復活したタイチャンに、ホンニャンは涙混じりのどんぐり眼で見上げながら懇願する。

その可愛さに悶絶したのは私だけではなく、魔王様命のタイチャンも同様だった。そうして、私の隣でうち震えている女王様も同様だ。

「ホンニャン・・・。そんなに、プーちゃんに会いたかったのか。私に会いに来てくれたわけではなかったのだろうか?」

女王様はホンニャンの可愛さに打ち震えていたが、ホンニャンの言葉が引っ掛かったようだ。

つまり、タイチャンの許可なく魔王城から出てきたのはプーちゃんに会いたいためだったと。そう、女王様は認識して軽いショックを受けているようだ。

いや、軽いかどうかは本人にしかわからないけど。

「お姉さまっ!もちろんお姉さまにも会いに来たのですっ!」

ホンニャンはとっても優しい子に育ったので、悲しそうな表情をしている女王様の姿を見てしまったらフォローせざるを得ない。

「ホンニャン・・・。」

女王様はホンニャンの優しさに触れてホロリと一粒の涙をこぼした。

あの、威圧感バリバリの女王様が、だ。

まさか、ホンニャンの優しさに触れただけで涙をこぼすだなんて思ってもみなかった。

ホンニャンってばすごいなぁ。

「魔王様っ!私のことも少しは考えてください・・・。」

女王様にギュッと抱き着いているホンニャンを見て、羨ましくなったのかタイチャンがそうホンニャンに意見した。

なんか、タイチャンの論点がずれてきたような気がするのは気のせいだろうか。

「タイチャン。いつも私のために心を砕いてくれてありがとう。感謝しているわ。」

「魔王様っ・・・。」

ホンニャンはタイチャンに向かってにこりと微笑んだ。

タイチャンはホンニャンからの心のこもった言葉と笑みに感動しているようだ。

それにしても、先ほどまでの涙はどこに行ったのだろうか、ホンニャン。

さっきはタイチャンを見て目に涙をいっぱい浮かべていたのに、今はその形跡が全くない。

もしかして、ホンニャンは涙の出し入れが自由なのだろうか。

・・・本当にホンニャンってば相手にに応じて臨機応変に対応できる優しい子に育ったものだ。うん。

・・・優しい子に育った、んだよね?そうだよね?それでいいんだよね。

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