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五章
5ー24
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『違うのー。タイチャンはホンニャンの伴侶じゃないのー。』
『伴侶ってなにー?』
『えー。ボーニャ知らないのー。伴侶ってのは番のことなのー。』
『・・・それって美味しいのぉ?』
『食べれないのー。でも、一緒にいるとポカポカするんだってー。』
『・・・ポカポカ?』
『じゃあ、違うのー。ホンニャンはタイチャンのことポカポカ殴ったりしないのー。』
『えー。でも、タイチャンはホンニャンをポカポカ殴ってることあるよー。』
『じゃあ、ホンニャンはタイチャンの伴侶なのー?』
今まで黙っていたマーニャたちが一斉に騒ぎ出した。
ってか、どうして途中からタイチャンがホンニャンを殴るって話になってるんだ?そして、殴っていると伴侶ってどこから来たんだ?そんなの伴侶でもなんでもないでしょ。
だって、相手を殴るんだよ・・・。
ってか、タイチャンってばホンニャンを殴ってたの・・・。知らなかったんだけど、私。
タイチャンが可愛いホンニャンに暴力をふるってたということをマーニャたちの会話から知り、ふつふつと怒りが込み上げてくる。
「タイチャン。なに、可愛いホンニャンに暴力を振るっているのかな?」
「ふふふっ。私の可愛いホンニャンに暴力を振るうだなんて言語道断。生かしてはおけぬわっ!!」
臨戦態勢になる女王様と私。
可愛いホンニャンに暴力を振るったとあってはいくらタイチャンだとしても生かしてはおけない。
「ちょっ・・・。猫様たち勝手なことを言わないで・・・。お、お二人とも誤解・・・誤解なんですぅ・・・。」
タイチャンは勢いよく起き上がると、私たちから距離を取ろうと後ずさりする。
起き上がっても立ち上がれずに後ずさりをするところを見ると腰でも抜けたのだろうか。
「誤解・・・?可愛いホンニャンを殴っておいてなにが、誤解?」
「そうよ。マーニャたちが嘘をつくわけないでしょ?何を言っているの?」
タイチャンを睨みつける女王様と私。
そんな私たちから距離を取ろうとするタイチャン。
だが、私たちの怒りの前ではタイチャンの抵抗は無力だ。
「ま・・・待って・・・。待って・・・ください。二人とも・・・。違う・・・違うんです・・・。お願いだから話を聞いて・・・。」
タイチャンが何か言っているけど待つ気は、ない。
「問答無用っ!!」
「覚悟っ!!」
かくして、タイチャンは私たち二人を前に気を失ったのであった。
『でもさー。なんでタイチャンがホンニャンをポカポカ殴ってただけでマユたちあんなに怒っているのかなー。』
『なんでだろうねー。』
『ホンニャンが咽てたときに背中ポカポカ軽く叩いてただけなのにねー。』
『あれって介抱だよねー?』
『タイチャン、ホンニャンが少しでも苦しさから早く解放されるようにしてただけだよねー。』
『そうだよねー。』
『なんでマユたち怒ってるのかなー?』
『なんでだろうねー。』
『ま、いっか。』
『そうだねー。ミルク貰えるんだったらなんでもいいのー。』
『えー。あたしは煮干しがいいのー。』
『あたしは鳥のささみがいいのー。』
私たちの後ろでマーニャたちが何か言っていたような気がするが、タイチャンがホンニャンに暴力を振るったということを知って怒りに震えていた私たちの耳には一切届かなかった。
『伴侶ってなにー?』
『えー。ボーニャ知らないのー。伴侶ってのは番のことなのー。』
『・・・それって美味しいのぉ?』
『食べれないのー。でも、一緒にいるとポカポカするんだってー。』
『・・・ポカポカ?』
『じゃあ、違うのー。ホンニャンはタイチャンのことポカポカ殴ったりしないのー。』
『えー。でも、タイチャンはホンニャンをポカポカ殴ってることあるよー。』
『じゃあ、ホンニャンはタイチャンの伴侶なのー?』
今まで黙っていたマーニャたちが一斉に騒ぎ出した。
ってか、どうして途中からタイチャンがホンニャンを殴るって話になってるんだ?そして、殴っていると伴侶ってどこから来たんだ?そんなの伴侶でもなんでもないでしょ。
だって、相手を殴るんだよ・・・。
ってか、タイチャンってばホンニャンを殴ってたの・・・。知らなかったんだけど、私。
タイチャンが可愛いホンニャンに暴力をふるってたということをマーニャたちの会話から知り、ふつふつと怒りが込み上げてくる。
「タイチャン。なに、可愛いホンニャンに暴力を振るっているのかな?」
「ふふふっ。私の可愛いホンニャンに暴力を振るうだなんて言語道断。生かしてはおけぬわっ!!」
臨戦態勢になる女王様と私。
可愛いホンニャンに暴力を振るったとあってはいくらタイチャンだとしても生かしてはおけない。
「ちょっ・・・。猫様たち勝手なことを言わないで・・・。お、お二人とも誤解・・・誤解なんですぅ・・・。」
タイチャンは勢いよく起き上がると、私たちから距離を取ろうと後ずさりする。
起き上がっても立ち上がれずに後ずさりをするところを見ると腰でも抜けたのだろうか。
「誤解・・・?可愛いホンニャンを殴っておいてなにが、誤解?」
「そうよ。マーニャたちが嘘をつくわけないでしょ?何を言っているの?」
タイチャンを睨みつける女王様と私。
そんな私たちから距離を取ろうとするタイチャン。
だが、私たちの怒りの前ではタイチャンの抵抗は無力だ。
「ま・・・待って・・・。待って・・・ください。二人とも・・・。違う・・・違うんです・・・。お願いだから話を聞いて・・・。」
タイチャンが何か言っているけど待つ気は、ない。
「問答無用っ!!」
「覚悟っ!!」
かくして、タイチャンは私たち二人を前に気を失ったのであった。
『でもさー。なんでタイチャンがホンニャンをポカポカ殴ってただけでマユたちあんなに怒っているのかなー。』
『なんでだろうねー。』
『ホンニャンが咽てたときに背中ポカポカ軽く叩いてただけなのにねー。』
『あれって介抱だよねー?』
『タイチャン、ホンニャンが少しでも苦しさから早く解放されるようにしてただけだよねー。』
『そうだよねー。』
『なんでマユたち怒ってるのかなー?』
『なんでだろうねー。』
『ま、いっか。』
『そうだねー。ミルク貰えるんだったらなんでもいいのー。』
『えー。あたしは煮干しがいいのー。』
『あたしは鳥のささみがいいのー。』
私たちの後ろでマーニャたちが何か言っていたような気がするが、タイチャンがホンニャンに暴力を振るったということを知って怒りに震えていた私たちの耳には一切届かなかった。
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