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五章
5ー16
しおりを挟むマコトさんが転移の魔法を使用して魔王城に来た。そうして、マーニャたちの姿を見て驚いて目を丸くした。
曰く、いくら不老不死の猫様であろうとも、子猫の姿のまま成長が止まることはまずあり得ないと。
『マーニャはマーニャなのー。』
『クーニャもクーニャなのー。だからミルクちょうだいなのー。』
『ボーニャもボーニャなのー。マコト変なこと言わないでなのー。』
「そ、そうですよ。マコトさん。マーニャたちがおかしいわけないじゃないですかっ。」
でも、マーニャたちは元気いっぱいだ。
これが異常なことのはずがない。
私はそうマコトさんに告げた。
「そ、そうですね。相変わらず元気そうですね。でも、前例がありません。マーニャたちを猫様専属のお医者様に見せてみませんか?異常があってマーニャたちが苦しむようなことがあったらと思うと・・・。」
「猫様専属のお医者様がいらっしゃるんですかっ!?まったくもって知りませんでした。それならば、是非、マーニャたちの健康診断をしてもらいたいです。」
『健康診断ってなにー?』
『それってミルクより美味しいのー?』
『それって面白いのー?』
健康診断がなんのことなのだかわからないマーニャたちは頭上にハテナマークをまき散らしている。
健康診断というものがなんだかわからなくて、きょとんとしているマーニャたちはとても可愛い。
いや、通常時もとても可愛いんだけどね。
今まで健康診断なんて縁もゆかりもなかったもんね。仕方がない。
「もう生まれてから15年も経っちゃってるので、今更感はありますけどね。」
マコトさんが苦笑しながら告げた。
「そうですね。でも、いつまで経っても子猫のままって言うのも気になるし・・・。」
確かに今更感はある。
15年病気も怪我もせず健康体そのものだったんだから本当に今更だ。
ただ、マーニャたちの姿が成猫の姿ではなくて子猫の姿のままっていうのはとても気になってしまう。
なにか、悪いことではないといいのだけれども。
それを判定するためにもお医者様に一度見てもらいたいところだ。
「それは、私もとても気になっているよ。王都に猫様専属のお医者様がいるから今日にでも行ってみるかい?」
「ええ。お願いします。」
何故か、プーちゃんを探すことは忘れてマーニャたちの健康診断に行くことになった。
「では、転移しますので私の側に集まってください。」
『はーいなのー。』
『ラジャーなのー。』
『ミルクなのー。』
「はーい。王都は初めてだから楽しみだわ。」
「準備万端ですのでお願いします。」
私たちはマコトさんの声に反応して、マコトさんの側に集まる。そうして離れないように互いに手を取り合った。
こうして、私たちは王都にあるマコトさんの家に転移をしたのだった。
って、あれ?
なんか返事が一つ多かったような・・・。気のせいだろうか。
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