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五章
5ー14
しおりを挟む『えっとー。いやーあのー。久々に連絡をしてこんなことを言うのもあれなんですけど・・・。』
『なんでしょうか?』
うぅ。久々に連絡するのがお願いごとだなんて言い辛いなぁ。しかも、数か月とかじゃなくて、もう15年も経ってしまっているし。
それだけ久々に連絡して、その内容が家に転移したいから力を貸してくれ。だなんて。
どうしよう。ものすっごく言い辛い。
『えっと・・・。シロとクロは元気ですか?』
うぅ・・・。言い辛い。
言い辛いから思わず世間話をしてしまう。
『シロとクロですか・・・。実はシロとクロは・・・。』
マコトさんの声が暗くなる。
シロとクロに何かがあったのだろうか。
あれから15年も経ってしまったからなぁ。
そう言えば、猫って15年も生きるともうお年寄りなんだよなぁ。高齢者だよ。高齢者。
その高齢者のシロとクロに転移の魔法をお願いするのは酷ということか。
・・・ん?
あ、あれ?
シロとクロの年齢って15歳じゃないよね???
だって、マコトさんとユキさんがこちらの世界に転移してきたときにサポートとして与えられた猫だって話だよね???
私がこの世界に転移してきたときには、マコトさんが転移してから50年は経っていたんだよね。それから15年経ったんだから、シロとクロは最低でも65年は生きているってことだよね?
え?
猫ってそんなに長生きだったっけか?
あ、あれ?
いや。普通におかしいよね?
絶対おかしいよね?
『・・・もしもーし?聞こえてますかー?』
うっかりシロとクロの年齢を換算してしまって思考が停止してしまった私にマコトさんが困ったように声をかけてきた。
そうだった。
マコトさんと念話で話している最中だったんだ。
すっかりシロとクロの年齢に気を取られてしまってうっかりすっかり忘れてしまっていたよ。
『すみません。聞こえています。ちょっとシロとクロの年齢はいくつなんだったかなーと計算していたら思考がぶっ飛びました。ごめんなさい。』
『あはは。そうでしたか。そう言えばマユさんまだ知らなかったんですか?猫様たちの年齢について。』
『ええ。はい。』
そう言えばもうマーニャたちも15歳なんだよなぁ。人間に換算するとお婆ちゃんなんだった。そう言えば。すっごく元気いっぱいだけど。
年齢感じさせないくらい元気いっぱいだけど。
『猫様たちもね、私たち異世界からの迷い人と同じで、年は取らないんだよ。』
『え?年は取らないって、寿命は・・・?』
『寿命もないよ。猫様たちも不老不死なんだよ。猫様たちは肉体の一番成熟している状態で成長が止まるんだよ。』
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