502 / 584
五章
5ー9
しおりを挟むプーちゃんと連絡が取れない。
なぜだろうか。
プーちゃんはキャッティーニャ村の私が住んでいた家にいるはずなんだけど。
マリアに連絡をしてみようかな。マリアだったら何か知っているかもしれない。
『マリア。久しぶり。元気だった?』
私はマリアに念話で話しかけた。
『え!?マユ。久しぶりね。』
よかった。マリアには念話がつながるようだ。
『連絡しなくてごめんねー。あのさ、私の家、どうなってるかな?ちょっと気になっちゃって。』
私の家は今、精霊王であるタマちゃんと始祖竜であるプーちゃんが住んでいるはずである。そして、ついでに管理もお願いしている。
プーちゃんはマオマオがいた頃はトマトの管理に専念しているみたいだけど。今は知らない。
『大丈夫よ。安心して。私がちゃんと管理してるから。まあ、管理料として畑の作物もらっちゃってるけどね。』
『どうせ私は作物収穫に行けないからいいよ。どんどん持ってって。・・・でも、他の人に配るのは避けてね。危険だから。』
『そうね。大丈夫よ。そこはわかっているから。そうそう。鶏もね、どんどん増えているわよ。お陰で畑の野菜の半分は鶏たちにあげてしまっているけどいいかしら?私も食べきれないし、腐らせるなら鶏たちに食べてもらった方がいいわよね?あ、卵は食べきれないから食堂に卸しているわよ。卵自体を鑑定することがなければ、マユの鶏の卵が異常だってことは気づかないだろうし。料理に効果があってもダンさんの料理のスキルレベルが高いからってことにできるしね。』
『あはは。そうなんだ。全然いいよ。有効活用してちょうだい。』
へぇー。鶏増えたんだぁ。しかも畑の半分の野菜を鶏にあげているってどれだけ鶏が増えたのかしら。まあ、毎日食べるものだからいっか。
私は数年ぶりの自宅に思いを馳せる。
うーん。懐かしいなぁ。
たまには帰ってみようかなぁ。まあ、ホンニャンとタイチャンが許せばだけど。
ホンニャンは「いいよー。」って言ってくれると思うんだけど、タイチャンがいつも許してくれないんだよねぇ。
まあ、タイチャンに許可を取らずに行くって手もあるけどさ。後で怖いし。
『それから、マユの化粧水のオークションはもうやらないのかって、王都の鑑定士さんからちょくちょく連絡がくるのよ。マユから連絡してあげてくれないかしら?』
『え?鑑定士さんから?マリアのところへ?なんで、私のところに直接連絡してこないのかしら。』
王都の鑑定士さんだったら私にも念話で連絡を取れるはずなのに。
って、あれ?そう言えば、魔王城に来てからマリアからの念話もまったくなかったなぁ。
『マユ・・・。マユから連絡してくれれば念話繋がるんだけど、こっちからだと繋がらないのよね。魔王城にいるからかもしれないわよ。』
『えっ!?そうだったの!?』
マリアの言葉に愕然とする。
まさか、こちらから連絡を取らなければ、私への連絡手段がなかっただなんて思ってもみなかった。
これは、魔王城にいるからってことなのかな?あとでタイチャンに聞いてみようかな。
怒られるかもしれないけど。
私はそれからマリアと少し話をして念話を止めた。
ちょうどタイチャンがライチャンを連れて戻ってきたからだ。
タイチャン戻って来たし、念話についてちょっと確認してみようかなとも思ったし。
10
お気に入りに追加
2,571
あなたにおすすめの小説
異世界でのんびり暮らしてみることにしました
松石 愛弓
ファンタジー
アラサーの社畜OL 湊 瑠香(みなと るか)は、過労で倒れている時に、露店で買った怪しげな花に導かれ異世界に。忙しく辛かった過去を忘れ、異世界でのんびり楽しく暮らしてみることに。優しい人々や可愛い生物との出会い、不思議な植物、コメディ風に突っ込んだり突っ込まれたり。徐々にコメディ路線になっていく予定です。お話の展開など納得のいかないところがあるかもしれませんが、書くことが未熟者の作者ゆえ見逃していただけると助かります。他サイトにも投稿しています。
祝・定年退職!? 10歳からの異世界生活
空の雲
ファンタジー
中田 祐一郎(なかたゆういちろう)60歳。長年勤めた会社を退職。
最後の勤めを終え、通い慣れた電車で帰宅途中、突然の衝撃をうける。
――気付けば、幼い子供の姿で見覚えのない森の中に……
どうすればいいのか困惑する中、冒険者バルトジャンと出会う。
顔はいかついが気のいいバルトジャンは、行き場のない子供――中田祐一郎(ユーチ)の保護を申し出る。
魔法や魔物の存在する、この世界の知識がないユーチは、迷いながらもその言葉に甘えることにした。
こうして始まったユーチの異世界生活は、愛用の腕時計から、なぜか地球の道具が取り出せたり、彼の使う魔法が他人とちょっと違っていたりと、出会った人たちを驚かせつつ、ゆっくり動き出す――
※2月25日、書籍部分がレンタルになりました。
異世界でお金を使わないといけません。
りんご飴
ファンタジー
石川 舞華、22歳。
事故で人生を終えたマイカは、地球リスペクトな神様にスカウトされて、異世界で生きるように言われる。
異世界でのマイカの役割は、50年前の転生者が溜め込んだ埋蔵金を、ジャンジャン使うことだった。
高級品に一切興味はないのに、突然、有り余るお金を手にいれちゃったよ。
ありがた迷惑な『強運』で、何度も命の危険を乗り越えます。
右も左も分からない異世界で、家やら、訳あり奴隷やらをどんどん購入。
旅行に行ったり、貴族に接触しちゃったり、チートなアイテムを手に入れたりしながら、異世界の経済や流通に足を突っ込みます。
のんびりほのぼの、時々危険な異世界事情を、ブルジョア満載な生活で、何とか楽しく生きていきます。
お金は稼ぐより使いたい。人の金ならなおさらジャンジャン使いたい。そんな作者の願望が込められたお話です。
しばらくは 月、木 更新でいこうと思います。
小説家になろうさんにもお邪魔しています。
聖女としてきたはずが要らないと言われてしまったため、異世界でふわふわパンを焼こうと思います!
伊桜らな
ファンタジー
家業パン屋さんで働くメルは、パンが大好き。
いきなり聖女召喚の儀やらで異世界に呼ばれちゃったのに「いらない」と言われて追い出されてしまう。どうすればいいか分からなかったとき、公爵家当主に拾われ公爵家にお世話になる。
衣食住は確保できたって思ったのに、パンが美味しくないしめちゃくちゃ硬い!!
パン好きなメルは、厨房を使いふわふわパン作りを始める。
*表紙画は月兎なつめ様に描いて頂きました。*
ー(*)のマークはRシーンがあります。ー
少しだけ展開を変えました。申し訳ありません。
ホットランキング 1位(2021.10.17)
ファンタジーランキング1位(2021.10.17)
小説ランキング 1位(2021.10.17)
ありがとうございます。読んでくださる皆様に感謝です。
変わり者と呼ばれた貴族は、辺境で自由に生きていきます
染井トリノ
ファンタジー
書籍化に伴い改題いたしました。
といっても、ほとんど前と一緒ですが。
変わり者で、落ちこぼれ。
名門貴族グレーテル家の三男として生まれたウィルは、貴族でありながら魔法の才能がなかった。
それによって幼い頃に見限られ、本宅から離れた別荘で暮らしていた。
ウィルは世間では嫌われている亜人種に興味を持ち、奴隷となっていた亜人種の少女たちを屋敷のメイドとして雇っていた。
そのこともあまり快く思われておらず、周囲からは変わり者と呼ばれている。
そんなウィルも十八になり、貴族の慣わしで自分の領地をもらうことになったのだが……。
父親から送られた領地は、領民ゼロ、土地は枯れはて資源もなく、屋敷もボロボロという最悪の状況だった。
これはウィルが、荒れた領地で生きていく物語。
隠してきた力もフルに使って、エルフや獣人といった様々な種族と交流しながらのんびり過ごす。
8/26HOTラインキング1位達成!
同日ファンタジー&総合ランキング1位達成!
積みかけアラフォーOL、公爵令嬢に転生したのでやりたいことをやって好きに生きる!
ぽらいと
ファンタジー
アラフォー、バツ2派遣OLが公爵令嬢に転生したので、やりたいことを好きなようにやって過ごす、というほのぼの系の話。
悪役等は一切出てこない、優しい世界のお話です。
クラス転移したけど、皆さん勘違いしてません?
青いウーパーと山椒魚
ファンタジー
加藤あいは高校2年生。
最近ネット小説にハマりまくっているごく普通の高校生である。
普通に過ごしていたら異世界転移に巻き込まれた?
しかも弱いからと森に捨てられた。
いやちょっとまてよ?
皆さん勘違いしてません?
これはあいの不思議な日常を書いた物語である。
本編完結しました!
相変わらず話ごちゃごちゃしていると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです!
1話は1000字くらいなのでササッと読めるはず…
【完結】女神の使徒に選ばれた私の自由気ままな異世界旅行とのんびりスローライフ
あろえ
ファンタジー
鳥に乗って空を飛べるなんて、まるで夢みたい――。
菓子店で働く天宮胡桃(あまみやくるみ)は、父親が異世界に勇者召喚され、エルフと再婚したことを聞かされた。
まさか自分の父親に妄想癖があったなんて……と思っているのも束の間、突然、目の前に再婚者の女性と義妹が現れる。
そのエルフを象徴する尖った耳と転移魔法を見て、アニメや漫画が大好きな胡桃は、興奮が止まらない。
「私も異世界に行けるの?」
「……行きたいなら、別にいいけど」
「じゃあ、異世界にピクニックへ行こう!」
半ば強引に異世界に訪れた胡桃は、義妹の案内で王都を巡り、魔法使いの服を着たり、独特な食材に出会ったり、精霊鳥と遊んだりして、異世界旅行を満喫する。
そして、綺麗な花々が咲く湖の近くでお弁当を食べていたところ、小さな妖精が飛んできて――?
これは日本と異世界を行き来して、二つの世界で旅行とスローライフを満喫する胡桃の物語である。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる