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四章

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「はぁ~。やっぱり自分の家は落ち着くねぇ~。」

自宅にたどり着いた私は椅子に深く腰掛けながらビール味の化粧水を一気飲みした。

疲れた時にはビールに限る。

って、この田舎町ではビールを見たことがないので偶然できたビール味の化粧水を飲んでいるだけだ。

ちなみにこのビール味の化粧水は王都の鑑定士さん以外には誰にも見せてはいない。

だってこの化粧水、化粧水なのにビール味だからか普通に酔っぱらうことができるのだ。

それに、この化粧水を飲むと寿命が1年ほど伸びる。

そんなものを世に出してしまったら、欲しい人が続出してしまうということで誰にも言わないことになったのだ。

もちろんマリアにも伝えていない。

ただ、鑑定士さんには口止め料として数本渡したが。

まあ、寿命が数年伸びる分には問題なんてないだろう。

数年くらい多少の誤差だもんね。

そんな訳で私も疲れを感じた時だけこのビール味の化粧水を飲むことにしている。

『マユ、それはそんなに美味しいのか?』

『妾も欲しいのじゃ。』

ビール味の化粧水を満喫していると、プーちゃんとタマちゃんが側によってきた。

どうやら私が美味しそうにビールを飲んでいたことでこのビール味の化粧水のことが気になったらしい。

ちなみに、マーニャたちは疲れたのか家に帰ってきて早々に寝てしまった。

今もベッドルームで布団に丸まって寝ていると思われる。

「ビールって知ってる?」

『なんじゃ?それは?』

『知らぬのだ。』

どうやらプーちゃんもタマちゃんもビールを知らないらしい。

このとてつもなく長生きしている二人がビールを知らないということは、やはりこの世界にはビールが存在しないようだ。

「んー。じゃあ、お酒って知ってる?」

『もちろんじゃ!』

『もちろんなのだっ!!マコトがよく我にお酒を飲ませてくれたものだ。』

二人ともお酒は流石に知っているようだ。

って、プーちゃんいつの間に、マコトさんからお酒を飲ませてもらったのだろうか。

『お酒を飲むと気分が良くなるのだ。マコトはそんなものを我にたらふく飲ませてくれたのだ。』

「うんうん。それで?」

『なんじゃそれは!初めて聞いたのじゃ!!妾も今度マコトに会ったら酒を所望するのじゃ。』

どうやらタマちゃんはマコトさんにお酒を貰ったことはないらしい。

まったく、いつの間にプーちゃんはマコトさんにお酒を貰っていたのやら。

『マユに出会う前なのだ。まあ、酒に酔って眠ってしまった後に起きると喉が切り裂かれてたり、鱗がはがされてたり、髭が抜けたりしてたがな。また、マコトに酒を貰いたいものだ。あの酒は実に旨かった。』

プーちゃんが昔を懐かしむようにしみじみと告げる。

でも・・・プーちゃん、それって・・・。

『プーちゃんよ。それは一服盛られてたのではないかの?』

「私のいた国の神話に酒に酔わせて八岐の竜を対峙したって神話があるんだけど・・・。」

どうやらマコトさんはプーちゃんを酔わせてプーちゃんから魔道具の素材をはぎ取っていたようです。

ってか、プーちゃん喉を切り裂かれても生きてるからすごいよなぁ。

そして、毎回マコトさんの策に嵌っちゃうプーちゃんて、なんて・・・なんて・・・。

『も、もしかして、我はマコトに殺されかけていたってことかっ!?』

どうやら今頃になって気づいたらしい。

うん。プーちゃんって・・・以下略。

 

 

 

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